嫌な目にいっぱいあっているほうがおもしろい人間になる

司会:時間も少なくなってきたようなので、スクーさんからの質問をお聞きしたいと思います。「いい企画を考えるために勉強したほうがいいとか、経験したほうがいいこととかって、何かありますか?」こちらのご回答を、シモダさんお願いします。

シモダテツヤ氏(以下、シモダ):経験は大事かもしれませんね 勉強はしなくていいですけど、嫌な目にいっぱいあっているほうがおもしろい人間になると思うので。

昔後輩が「なんもないんです、僕」って言ってて、ずっと家に引きこもっているやつがいたんですが、毎日「外出ろ、う○こ踏め、う○こ探せ」って言ったら、毎日それを踏むようになったんですね。「明日はいいう○こ踏めるかな」っていうブログを始めたんですけど、やっぱりそれから目に光が宿り始めまして。

司会:すごいですね。

シモダ:やっぱり人って、嫌なことをあとでブログでおもしろく書くっていうのだけでちょっとエネルギーが生まれたりとか。これは汚い例なんですけど。

逆に、例えば就活とかやってると、「面接何件落ちるか?」みたいなので、1冊書籍出そうぐらいを目的にやってみたほうが、おもろい人間とか、企画とか作れるやつになるんじゃないかなと思いますね。

嫌な思い出も無駄にはならない

司会:ちなみにシモダさんはそういう嫌な経験とかはありますか?

シモダ:僕、裸眼だと視力が0.01くらいなんですけど、アンコールワットに向かうために乗ってたバスのドアがなかったことがありまして。そのとき、メガネをかけていたんですが、メガネがスンッ……とドアのとこから飛んでいって、僕、アンコールワットを裸眼で見たんですよ。

なんも見えないです。アンコールワット全く見えない状態で、カンボジア行って帰ったんです。でもその経験って良かったですよね。

司会:何が良かったんですか?

シモダ:何も良くなかったことが。やっぱり今思うと。なんか、これをこういうところで話せるとか、あの嫌な思い出も無駄じゃなかったって。

頭の中でユーザーを思い浮かべた「小人」を動かす

司会:なるほど。ちょっとこのあとに話すのは、ハードル高めかもしれないですけど、次塩田さんお願いします。

塩田元規氏(以下、塩田):そうですね。僕も結構似ているんですけど、あんまり勉強は必要ないと思っていて、いろんな人のいろんな視点を見れるかどうかだと思うんですね。だからさっきおっしゃってましたけど、いろんな人の話を聞いたり、いろんな人に出会ったり、あとはたくさん失敗したほうがいいと思っていて。

もちろん中途半端な失敗はあんまり意味がないんですけど、失敗は財産にすることが大切です。あとは、本当にユーザーのことを思い浮かべます。よく頭の中で「小人を動かす」って言うんですけど、その小人がちゃんと動くレベルまで考えて出す、そして失敗する、という一連の経験をたくさん繰り返すんです。

横山佳幸氏(以下、横山):リトル塩田?

塩田:リトル塩田ですね。本当にお客様・ユーザー様はどういうことしゃべっているのか? という。ちっちゃな小人を出すっていうのは、昔一橋大学の頃に戦略の授業で言われて、すごいそうだなって思ってやっています。あとは、抽象化するっていうことが大事だと思っていて。

司会:具体化じゃなく、抽象化ですか?

塩田:抽象化だと僕は思っているんですよ。例えば、誰々がなにかを好きだっていうことって、事実としてそうじゃないですか? それをもう1個抽象化すると、人間というのはこういうときにこういう感情になる。そうやって抽象化すると違うところに適合できるようになるかと。こういうのが抽象化のイメージです。

司会:できる人の発想ですね。

塩田:そうですかね、ありがとうございます。

企画力を上げるには、原因の追求を習慣化すること

司会:では、横山さん、お願いします。

横山:企画力が強い人って、それが習慣化されていると考えています。つまり、人の強みとは、習慣化された行動であるということです。

どういうことかというと、さっき塩田さんが「人に対して、人がどういうものを使っているか考える」って言ってましたけど、僕は物に対する考え方を持っていて、「なんでこういう商品が生まれたんだろう? どういう仕組みで?」と常に思っています。

経営者にありがちなんですが、何かものを買った時、「それがなぜ生まれてきたのか? なぜそのものなのか」という、なぜなぜで原因を探るという思考を繰り返しやることが習慣化されてくると、企画力というのは上がってくると考えています。

何か経験するというよりは、常にそういうことを意識してやっていくことによって、それが習慣化されて、企画力が上がってくる。つまりその人自身の強みになる。

司会:横山さんの習慣にされているものというのは?

横山:例えば以前相川くん(司会者)にお会いしたんですけど、こいつは25歳なのにどういうやつなのか? というのをとにかく探ります。人に関しては「なぜこの人は成功してきたのだろう?」という疑問を、実は心の中で考えたりするんですよ。

塩田:それはそうですよね。本当に。

横山:そういうことを考えて習慣化することが企画力につながってくると考えています。

オススメの本はみんなマンガ

司会:時間が迫ってきているので、最後の質問をお願いできればと思うんですけど。最後の質問が、ずばりおすすめの本というのが聞きたく、お教えください。シモダさんはもう1つしかないと思うんですけど。

シモダ:『よつばと!』です。『よつばと!』が1番いい本です。

司会:これではないんですか? 『日本一「ふざけた」』……。

シモダ:ないです。それだけはないです。落丁本ですからそんなもん。

司会:では、塩田さんお願いします。

塩田:おすすめの本ですか?

司会:そうですね。

塩田:ないですね。本で考えたことあんまりないので。

司会:あまり本は読まない?

塩田:本は読むんですけど、経営とかの本を読むのが好きなので、マンガじゃないですか? マンガは沢山読みます。

『NARUTO』などはとても深いなと。ナルトとサスケを見ると、陰と陽の世界なんです。相反しているが二人いないと成立しない、そしてその二人が最後統合されるという、二律背反の統合ですね。

そこからさらに八卦とかまで考えるんです。陰陽と、陰極まれば陽となるのか? みたいな。ちょっといっちゃった話なんですけど、マンガも抽象化して考えてますね。

司会:ありがとうございます。では横山さんお願いします。

横山:つまんないですけど、僕も結構漫画が好きで、僕は『キングダム』が大好きなんですよ。あれが全ての経営に宿ると僕は思っているので、いかに強い千人将を集めて……(笑)。

塩田:そうなんですよね。

横山:いかに強い将軍をつめて、いかに中華統一するかみたいな。そういう……すいません。漫画の話になっちゃったんですけど、『キングダム』は皆さん読んでください。

司会:僕も最近はYahooの小澤さん(小澤隆生氏)に、『野望の王国』というマンガを紹介されて読んだんすけど……。

横山:自分もマンガの話(笑)。

司会:これもめちゃくちゃおもしろいので、ぜひ皆さん読んでみてください。

では、これにて本セッション以上で終わらさせていただきます。ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

制作協力:VoXT