出会いのきっかけで最も多いのは「友達の紹介」

染矢明日香氏(以下、染矢):パートナーシップについて、普段皆さんが意識していることはありますか?

勝部元気氏(以下、勝部):先ほど、いろんなコミュニティーに属するという話があったと思うんですけど、お互いそれをするように心掛けること。2人だけの時間も大切だと思うんですが、お互いが自立してお互い成長し続けるためにはそうじゃない時間もたくさん作ることが大切だと思いますね。

とりわけ、異性の友達を多く作って女性の価値観を常に吸収しておくということが、パートナーとの関係においても本当に大切だと思うんですよね。

たとえば異性の友人がいれば、自分の悩みを相談してより同性より適切なアドバイスがもらえる確率は高いし、恋愛相談をしているはずが別れて相談してくれたほうとくっつくなんてこともよくある話じゃないですか。

あと、先ほどの坂爪さんのお話に出てきた男女がたくさん集まって交流する場面に行くと男女関係が発展しやすいというのは本当に重要で、結婚のデータなのですが、これまでは結婚相手と出会った場所というのは職場が最も多かったんです。

お見合いが無くなったとしても、一番長い時間を一緒に過ごす人は職場の人なのでずっと1位だったのですが、去年、結婚の0年~4年目のカップルがどこで知り合ったかが、友達を通じてが逆転して1位になったんですよ。

最近社内恋愛が避けられてきたかなというのもあるかと思うんですが、それを見てやっぱり友達関係って重要だなと感じましたね。

ただ、友人関係に限らず、異性と関係を作るときに、上下関係より対等な関係で接することが良いのかなと思うんですよね。かおりんさんも年上の人に対して敬語を使いつつも、人間的にはフラットな関係を築くことができたり、逆に上下逆転しているケースもあると思うんですけど、そういうところ本当に良いと思うんですよね。

というのも上下関係ってがっちり固まってしまうと、本音でしゃべれなかったりして相手のことを深く理解できない、単純に人間関係があるだけとなってしまうこともあるかと思うので。

染矢:どうしても好きなほうが力関係で上の立場になってしまいがちですよね。

勝部:そうそう。だからざっくばらんな話ができる対等な異性の友人をたくさん作ることがパートナーシップの中で大事かなと思います。

目先の人間関係だけが全てじゃない

染矢:ありがとうございました。かおりんさんはどうですか?

水嶋かおりん氏(以下、水嶋):私は仕事が仕事で、男の人の何を何してナニするお仕事ですので、すごく相手が心配したりとか、不安になったりすることが非常によくあるということなんですね。

社会性が関わってくるからそれを公開していくってすごく大変なんです。私自身が公開することはいくらでもできるんですけど、付き合った人がこの人の社会性を脅かしてしまうと考えたときに、どうやって付き合うかをとても考えます。

友達同士とかセフレとか適当なお客さん関係とかだったら別に良いんですけど、自分のパートナーですって思ってくるときにはすごくセンシティブになりやすくなるので、過去・現在・未来にどういうふうに付き合って行きたいとかよくよく話し合うようにしています。

付き合い始めたらだいたい1~2ヵ月くらいびったり相手とやり取りすることを絶対しないと、どういうセンシティブなことがあるのかという想定ができていかないので、ものすごく話しますね。

親との関係性とか、幼少期との経験とかすごく影響されたりするので、親子関係がどうなっているのか前もって聞いておくことで、お互いを深く知り合っていきます。

パートナーになるならない関係無しに、人間関係って3年目くらいから本当に繋がってくると思っているので、さっと会って馬が合わなかったなと感じても、じゃあまた時間が経ってからもう一度会ってみようとか。

もしかしたらこの時は意識しなかったんだけど、3年後に腹を割って話してみたらめっちゃ分かるみたいなこととか出てきたりするんですよね。

だから学生の頃の友達が意外と社会人になってからすごい馬が合ったりとかすることも非常にあったりするので、目先の人間関係だけが全てじゃないよという部分も考慮するようにしています。

また、逆に自分のパートナーができたときに、その人の周りの友達の人に、どういう人だったということを聞ける関係作りが良いかなと思います。

あと、喧嘩をした時にどっちが先に折れるか、このテーマに関しては先に折れておこうとか、ポイントはすごい考えていますね。

「普通」の恋愛や夫婦という概念に縛られ過ぎない

染矢:ありがとうございます。坂爪さんも「性」という当たり障りのあるテーマで活動されている中のパートナーにどうやってお伝えしているのか、仕事観・人生観も含めてお聞きしたいんですけど。

坂爪真吾氏(以下、坂爪):そこが一番のアキレス腱なんですけどね。妻は看護師をやっているんですよね。一応医療系の人間なので仕事の理解はあるんですけど、特に協力とかはしてもらっていないです。

良い距離感を持って付き合ってくれているのは、自分にとっても良いスタンスなのかなと思っています。やっぱり人間の関係って結構流動すると思うんですよね。

時間とか人間によってどんどん移り変わっていくものだと思うので、お互いが究極的に分かり合うというのは難しいと思うんですけど、でもその分かり合えないということを分かり合える関係を作るのが良いのかなと最近すごく思います。

染矢:ありがとうございます。私も「普通」の恋愛や「普通」の夫婦という概念に縛られ過ぎないことかなと思っていて、パーソナルな関係の中で、常識に縛られず2人の当事者にとって何が心地よい関係なのかを探り合っていくっていうのが、大切なことだと思いますね。

染矢:トークテーマの最後なんですけども、今だから思う男子学生へのメッセージがあればお伺いしたいと思うんですが。

勝部:先ほども言ったとおり、私自身も太郎君(注:前半の坂爪さんの特別講義で、ケーススタディに登場する男子大学生の名前)みたいに……太郎君よりももっとひどかったですね!

そういう人生を歩んできたというのもあるのですが、ただやっぱり失敗も勉強のうちと言われるというように、今思えば若い時に失敗ができて良かったなと思っています。

成功の反対は失敗というよりかは何も挑戦しないことだと思って、どんどん失敗して欲しいと思います。もしまだまだ失敗が足りないなと感じている人は特に。

たとえばですけど、私自身の一番のテーマとして、天邪鬼になろうというのがありました。もともと性格が天邪鬼なのですけどね。たとえば私身長低いじゃないですか。

男なら自分より身長低い人じゃないとダメだよねとか周りが言うので、「じゃあ自分より身長高い人と付き合ってやる!」とかやって人が言っていることと違うほうを目指して進んできたら、変な固定観念に振り回されることがなくなって恋愛が楽しくなってきましたね。

あと、今日は特にテーマには上がっていないんですけど、男性って母親との関係がすごい問題になってくることも多いんですよね。

染矢:女性もかも。ちょっと種類が違うかもしれないけど。

男性が母親から受ける影響

勝部:女性との関係とは種類も違うと思いますし、家庭環境によって違うかもしれないんですけど、核家族って母親の影響がすごい大きくて、母親が呪縛霊のように自分たちの恋愛に影響することが非常に多いと思うんですよね。

染矢:それはたとえば恋愛でお母さん像を求めてしまうとかですか?

勝部:求めてしまうこともありますね。あと、やっぱりマザコン体質が恋愛におけるパートナーシップを邪魔することはよくありますね。パラサイトシングルという言葉があるじゃないですか。

ネットで見つけたデータなんですけど、女性の就業率が低い地域って息子がパラサイトシングルになりやすかったりするんですよね。

核家族でお母さんが働いていなくて、もしくは働いてもパートとかだと、やはり母親から強烈に影響を受ける。たとえば東京だと目黒区とかがそうなんですけど、目黒区の息子は自立して行かないという傾向が実際に見られたんですよね。

人それぞれいろいろあるかとは思うんですけど、自分と母親の関係ってどうなっているのかな、どんな良い影響とどんな悪い影響があるのかなということを棚卸してみると良いかなと思います。特に兄弟姉妹や、他の人の意見も聞きながら。

そうすると母親との関係が自分の男女観や実際の恋愛に影響してきたなというのがちょっとずつ見えてくると思いますので、是非心掛けて欲しいなと思います。

若いうちに関係性をたくさん作ったほうがいい

染矢:ありがとうございます。では、かおりんさんも最後に男子学生へのメッセージをいただけますか?

水嶋:私は人と付き合うんだったら、自分の指の1本や2本くらい折れても仕方ないだろうくらいに突っ込んで行っちゃったほうが良いよ。

指が折れたからといって死ぬわけじゃないしとか、極端ですけど、そのくらい大したことが無いこととしてガンガン行くということがすごい重要。

最近は度胸よりもいかにリスクヘッジするか、自分が傷付かないリスクヘッジをしちゃうんですよね、若いうちは。でもお客さんとか見ていると、「彼女できない」というのを見ていると切なくて切なくて。

不憫だなと思ったり。若いうちに関係性はいっぱい作っておいたほうが良いよとか。非常にいろんな人を見ていますので。

興味がある人にはどんどん声をかけたり、友達に「友達紹介して」とか、「飲み会やろう」とか、自分の合う人はどんな人だろうとか自分で見つけられないんだったら、周りを巻き込んじゃう。

「お願いだからさ、次のクリスマスはマジでヤバイんだよ」みたいに泣きを入れるくらいに人に甘えちゃうのも手なので、友達だからこそおんぶにだっこしていこうみたいにしていってもらえたらと思います。

あと、自分の友達の恋人を自分が探しに行ってあげるとか、そういうのも一つの友情かなと思うので、まだぶち破れない子がいたら協力してあげて、みんなで大人になって行くというのが良いかなと思います。

学生時代は奨学金を全部歌舞伎町に突っ込んだ

染矢:ありがとうございます。では最後に、坂爪さんお願いします。

坂爪:ほぼお2人と同じ意見なんですが、自分が学生の頃は単なる風俗マニアと言ったら言葉が悪いんですけど、奨学金を全部歌舞伎町に突っ込んだりとか。

あまり良い子は真似しちゃいけないよという感じなんですが……でもどんな形態でも試行錯誤を積むというのは良いと思うんですよね。

もちろん風俗であっても出会い系であっても、一般的ではないイメージではないし、標準から外れた場であっても良いと思うんですけど、若いうちに試行錯誤を積んだことが今、いきてきていると思うんですよね。

そういった試行錯誤をしないで30歳、40歳になっちゃうと、どこかで地雷を踏んで転んじゃうこともあると思うんですよね。リスクヘッジの意味も含めて、できる限り若いうちにいろんなことをやっていくことが大事なのかなと思いました。

染矢:ありがとうございました。おっしゃるとおり、皆さん根っこの部分は共通しているのかなと感じました。

とりあえず挑戦してみようと! 恐れるなと! 激励でした。今日はありがとうございました。