数年間、別荘に行っていました

西村博之氏(以下、ひろゆき):どうも皆さん、こんばんは。ひろゆきです。今日は対談形式で番組をするということなんですが、お相手はネット界で神と呼ばれているこの方、田代まさしさんです。

(会場拍手)

田代まさし氏(以下、マーシー):全国の皆さんお久しぶり。マーシーです。

ひろゆき:いきなりテンション上げてきましたねぇ。

マーシー:まだスイッチ入ってないんだよね、スイッチ。

ひろゆき:さっきまで物静かだったのに。

マーシー:そんなことないよ。お久しぶりです。

ひろゆき:お久しぶりです、前会ったのって何年前でしたっけ? まあ、ちょっと遠くにご旅行に行かれてる最中は会えなかったんですけど(笑)。

マーシー:ちょっと別荘に行ってたんで。

(会場笑)

ひろゆき:はい。居心地いかがでした?

マーシー:今は別荘(滅相)もないって感じだけどね。

(会場笑)

ひろゆき:そういう持ちネタはちゃんとまだ残してるんですね。

マーシー:徐々に出していこうかなと。

別荘にいる間にしていたこと

ひろゆき:別荘にいた間って何してたんですか?

マーシー:真面目にちゃんと反省の日々を。

ひろゆき:そうなんですか? 結構暇じゃないですか?

マーシー:暇だよ。

ひろゆき:そうすると、小説書いたりとか、歌うたったりとか。色々とひとり遊びとかってできるじゃないですか。そういうひとり遊びってしました?

マーシー:出た時に、本とか出すために日記を書いとこうとか。

ひろゆき:日記を書いてたんですか?

マーシー:日記も書いてたし、作詞とかしちゃおうかなとか。あと、別荘にいる間に身体鍛えてムキムキになって出てこようと思って。

ひろゆき:なんかちょっと膨らんでるじゃないですか?

マーシー:ちょっと、それは太ったっていうか……。筋肉じゃないから。

(会場笑)

ひろゆき:はい。

ストレッチ体操と、ひとりエッチ体操は似ている!?

マーシー:それで、別荘にいる間に身体鍛えようと思ってストレッチ体操とか、こうやって一生懸命やってて。その時に昔のマーシーが出てきて……。

ひろゆき:昔のマーシーって?

マーシー:うん。反省してるマーシーじゃなくて、昔のマーシーが出てきて……。ストレッチ体操と、ひとりエッチ体操は似てるなと思っちゃうのよ。

(会場笑)

マーシー:なんでそんなに仰け反んだよ。

ひろゆき:いやー、僕これずっと突っ込み続けなきゃいけないんですか?

マーシー:いいよ、俺はほっとかれるの好きだから。大丈夫だよ。

3回悪いことすると、一周回ってそういうポジションになる

ひろゆき:今日の主旨としては田代さんに質問をしたい人はしてくれっていう主旨です。

マーシー:待ってます。

ひろゆき:というわけで、前もって来たやつがあるんで一応それ読んでみますね。

マーシー:その前に聞きたいんだけど、さっき神って紹介されたんだけど、2ちゃんねる系で俺のことを「神」って言ってるやつとかいっぱいいて、俺は何が神なわけ? 2ちゃんねるやってるひろゆきに聞きたいんだけど。

ひろゆき:僕も知りたいの。

マーシー:なんで俺がそういういじられキャラなわけ?

ひろゆき:なんかネットですごい有名になった人っていう。例えば、最近はニコニコ動画でビリー・へリントンっていう外人がいるんですけど、あれはネットですごい有名になって、アメリカから日本に来て「すごい!」って話になったんで、わかるんですよ。

でも、別に田代さんってネット向けになんかやった事ないじゃないですか?

マーシー:ないよ。

ひろゆき:なんで、そんなにネットで神呼ばわりされてるのかって僕もわかんないんですよ。

マーシー:ひろゆきとしてはどういうふうにそれを分析してるわけ? なんで田代さんこうなんだろうって。

ひろゆき:1個悪いことする人って悪い人じゃないですか。それで、2回目に悪いことやった人ってすごく悪い人なんですけど、3回目行くと一周しちゃってもういいやこの人っていったポジションにいけるんだと思うんですよ。

マーシー:俺はそういうところに行っちゃったんだ。

ひろゆき:たぶんそういう側のポジションだと思うんですよ。

ひろゆき:善悪とか……。

田代さんが騒がれる理由は、おもしろいから

マーシー:なんか話の流れが変になってきちゃったんだよ、ちょっと番組変えちゃお。(リモコン操作のふり)

ひろゆき:突っ込みづらい。

(会場笑)

マーシー:やっぱり小ネタとか挟んでいかないと。

ひろゆき:さすがね、そういうお仕事してらっしゃいましたから、昔から。

マーシー:そうなんだよ。

ひろゆき:でも、この人はいい人ですよとか、この人はこういうとこがよくないですよっていうのって、やっぱり普通が基準なんですけども……。

マーシー:じゃあそういうことで言えば3回目で俺は「もういいや、この人」ってなったわけでしょ?

ひろゆき:たぶん普通の人じゃないっていうポジションを得ちゃったんだと思いますよ。

マーシー:例えば何回もそういう別荘に行っている清水なんとかさんとかいるじゃない。

(会場笑)

マーシー:ああいう人は何でそうやって騒がれないの?

ひろゆき:たぶんおもしろくないからなんですよ。

マーシー:おもしろくないの?

ひろゆき:だって男風呂覗いて捕まるのっておかしいもん。

マーシー:なんでそこにいっちゃうんだよ。

ひろゆき:女風呂だったらまだ僕も多少理解はできるんですよ。男風呂は……みたいな。このへんにしときましょうかね。

(会場笑)

小学生はビジネスクラスに乗るな

ひろゆき:お便りいきます。

「こんばんは、僕は秋葉原の男娘メイド喫茶で働いているキアといいます。僕が小学生の時の話です。沖縄行きの飛行機の中で真後ろの席に田代さんが座っていて、驚いた僕に田代さんがそっと微笑みかけて話しかけてくれました。いろいろなことがありましたがこれからも優しい田代さんを応援していきます。頑張ってください田代ご主人様」

というお便りです。いい話じゃないですか。

マーシー:俺に話しかけたの? 飛行機の中で?

ひろゆき:田代さんってファーストクラスですか? ビジネスクラスですか?

マーシー:このころはどうだろうな? 売れてたとしたらビジネスクラスとか……。

ひろゆき:小学生のくせにビジネスクラスに乗ってたんですね、じゃあこいつは。僕はそっちが納得いかない。子どものうちからそういう贅沢はするべきじゃないと思うんですよ。

マーシー:飛行機の話で、おもしろい話を1個思いついたんだけど。俺が飛行機に乗っている時になんかちょっとチンピラ風の人たちが2人乗ってて喧嘩になって、飛行機の中で掴み合いみたくなって、その1人が飛行機に乗ってんのに、「表出ろ、お前」って言って……。

(会場笑)

ひろゆき:おもしろい。おもしろい。

マーシー:「表でれねーだろ」って、遠くからこうやって突っ込んでた。

ひろゆき:みんな心の中で、総突っ込みで。

3年半たって驚いたのは、携帯電話の薄さ

ひろゆき:3年半のご旅行から帰ってきたと思うんですけど、日本が変わったなと感じたところはどこですか?

マーシー:出てきてすぐに携帯電話が薄くなってんのにびっくりした。俺がまだ使ってた頃はアンテナとかあって……。

ひろゆき:確かに今アンテナ、携帯にないっすね。昔は必ず伸ばしてたもんね。

マーシー:伸ばしたでしょ。そういうの何にもなくなって、すげー薄くなってて。操作とかも複雑になってて。

ひろゆき:もともと機械弱いですよね。

マーシー:機械弱い。

ひろゆき:じゃあしょうがないっすね。最近カメラとか撮れるようになった?

マーシー:やかましいよ、もう。

(会場笑)

定額給付金の使い道

ひろゆき:定額給付金は何に使いますか?

マーシー:何?

ひろゆき:定額給付金って知ってます?

マーシー:なにそれ?

ひろゆき:ひとり1万2千円を国から貰えるっていう。

マーシー:そんなに貰えるの? 誰でも?

ひろゆき:老人が2万4千800円、あと子供も2万4千800円、一般の人は1万2千円貰えるっていう……。

マーシー:それは別に捕まっていない人も貰えるの?

ひろゆき:なんか日本人なら平等に……。

マーシー:平等に? そうなんだ。

ひろゆき:何に使いますか?

マーシー:やっぱり生活の足しにまわしたいね。

ひろゆき:そうですか。そんな生活の足しが欲しい?

マーシー:はい。

別荘のごはんが臭い理由とは?

ひろゆき:別荘のごはんっていうのは実際、本当に臭いんですか?

マーシー:臭いんだよ。だから臭い飯って。

ひろゆき:でも食べ物って臭く作ろうとしない限り、普通に食べ物の匂いになるじゃないですか。

マーシー:だから俺も臭い飯を、よくああいうところ行くと食うって話を聞いてて、実際出てきてそれ。ごはんっていうのが白いご飯と麦飯と半々なのよ。その炊いたご飯の匂いはちょっとなんかツンとくるっていうか……。

ひろゆき:麦飯って普通にすごい美味しくないですか?

マーシー:よく牛タンとか食うと麦飯とか出てきたりするじゃない、ああいうのは美味しくいただけるんだけど。ああいう所で食べると、なんか臭いような感じが……。

ひろゆき:わざと臭くしてんですかね?

マーシー:しかも部屋のすぐそばにトイレもあるし……。そういうイメージを全部ひっくるめて、なんか臭い飯って感じ。

ひろゆき:やっぱずっと食べてると慣れるんですか?

マーシー:慣れる。出てきて普通のごはん食べた時に下痢しちゃったもん。

ひろゆき:なんで?

マーシー:だから別荘の飯に慣れちゃってて、急にいいご飯食べたから。

出所して最初に食べたのは、皿うどん

ひろゆき:ちなみに出てきて、最初に食べたものってなんすか?

マーシー:それは俺の大好きだった長崎皿うどんを。

ひろゆき:皿うどんなんだ。

マーシー:うん。それが最初に食べたくて。

ひろゆき:長崎出身でしたっけ?

マーシー:九州なんだけど、出身は。おふくろが俺が好きだからいつも作ってくれてて……。それで、妹が俺の大好物作っといてくれて。

ひろゆき:なんかいい話になってるじゃないですか。

マーシー:その前に俺、本当は出てきてすぐの時に、高倉健さんの『幸せの黄色いハンカチ』っていう映画で、健さんが刑務所から出てきた時に食堂みたいなところでビールとラーメンを食べるシーンがあって。俺もどうしてもそのシーンをマネしたくて。

俺も絶対に健さんみたく食堂に入ってビールとラーメンを絶対食べんだってずっと思って出てきたんだけど、妹の旦那が迎えに来て、「どっかの食堂寄ってラーメン食べない?」って言ったら、「いや、お兄さん出ない方がいいです」ってまっすぐ帰られちゃって……。

ひろゆき:ああ、ずっと溜めてた夢が……。

マーシー:ガーンと崩れて落ちて。

(会場笑)

「ここの別荘に田代がいるらしい」と言われた

ひろゆき:髪切ってたんですよね?

マーシー:いや、切ってたけど俺が出る前にネットかなんかで俺が出所するって噂が流れて……。

ひろゆき:ああ、そうなんですか?

マーシー:刑務所の前に人がいっぱい集まっちゃったらしくて。俺が出る時にまた騒ぎになるといけないからっていって。

ひろゆき:なんか聞いた話によると、別荘で「ここの別荘に田代って奴いるらしいよ」って言われたっていう。

マーシー:そう、俺本人に行ってきたやつがいたんだ。

ひろゆき:どうなのそれ?

マーシー:俺もどうなの? しかもバッジに田代って書いてあんだよ。

(会場笑)

ひろゆき:なんなのそれ?

マーシー:それなのに俺に、「ねぇ知ってる? この刑務所に田代まさしいんの」って言うから、俺がそうなんだけどって言ったら、「違うよ、あの田代まさしだよ」って言うのよ。

ひろゆき:どのだよ、みたいな。

マーシー:だからそれが俺だよって言ってんのに。

ひろゆき:うん。

マーシー:「違う。昔、歌うたってた田代まさし」とか言って。俺はそんなに変わっちゃったのかって思って。気が付かれてないんだ、俺は、みたいな。

メガネはマーシーのアイデンティティ!?

ひろゆき:結局その人は最後まで、わからずじまいなんですか?

マーシー:そうだと思うよ。

ひろゆき:なんか目の前でラッツ&スターの曲とか歌えばよかったじゃないですか。

マーシー:なんで俺が歌うんだよ。そこまでしてわかってもらいたくなかった。

マーシー:いいや、この人は別にって。

ひろゆき:じゃあほとんど気付かれてないんですか?

マーシー:気付いてない人もいれば、ちょっと若めのやつは気付いたりするけど。

ひろゆき:なんかちょっとアレやってよ、いつものアレみたいな。ちょっとおもしろいことやって下さいよみたいな。

マーシー:俺、別荘にいた時メガネとか全部外してたんだけど、メガネかけてるやつが「俺のメガネかけてもらっていいですか」とかって言って。俺がかけると「あっ、マーシーだ」とか言って。

ひろゆき:いやいや、メガネかけなくてもマーシーだから。

(会場笑)

ひろゆき:メガネがマーシーなわけじゃないから。

マーシー:なんか俺のイメージがそうなんじゃない?

ひろゆき:はい、確かにメガネ外した顔ってあんまり見たことないですからね。

マーシー:ないね、うん。

ひろゆき:伊達メガネですもんね。

マーシー:でも最近ほんとに目が悪くなってきたよ。

ひろゆき:それは老化ですか?

マーシー:そうなのよ。

ひろゆき:なんか最近ちょっと……。

マーシー:まぁ、廊下は静かにみたいな感じだけど。

(会場笑)

マーシー:徐々にやっていこうよみんなで、まだ俺リハビリの段階なんだから。

ひろゆき:すいませんでした。

マーシー:徐々にお願いしますよ。

マーシーは、実は照れ屋で無口

ひろゆき:今年の目標はなんですか?

マーシー:まあ、徐々に一歩ずつ前に進んでいけたらなっていう感じ?

ひろゆき:前っていうのはどっち側ですか?

マーシー:前は前だよ(笑)。もう後ろには振り返りたくないっていう。

ひろゆき:昔のことはもう置いといて、みたいな。

マーシー:うん。もう忘れたいみたいな……。

ひろゆき:もともと人見知りだし、人前に出るの実はあんまり好きじゃない?

マーシー:なんでわかるの?

ひろゆき:みんな誤解してると思うんですけど、照れ屋で無口なんですよ、田代さんって。控室ですごいですよ、なんにもしゃべんないですからね。

マーシー:そんなことないよ。

(会場笑)

ひろゆき:「あっ、どうも久しぶりです」って言ったら、「あっ、どうも」みたいな。「えっ、それだけ」みたいな。

マーシー:そうかな?

ひろゆき:さっきも本番前って静かだったじゃないですか。ああいうのテンションが全然違うじゃないですか。

マーシー:スイッチは入っちゃうよね。

ひろゆき:なんかそんな無理して前でなくてもいいんじゃね、とか思うんだけど。

マーシー:無理してる、俺? その無理がどんどん重なっちゃって、あんなことになっちゃたのよ(笑)。

普通に戻りたくても、世間はそうさせてくれない

ひろゆき:サービス精神旺盛な人って、自分の身を削っていくじゃないですか? それで、削っていって耐えられなくなるじゃないですか。だから無理しないほうがいいと思うんですけど。

マーシー:そうかな?

ひろゆき:だって普通に、映画監督とか文章書くとか無理しない仕事もあるじゃないですか。

マーシー:そうなんだけど、どっかにサービス精神旺盛な俺がいて。どうせ出るからには、みんなに楽しんでもらいたいなって思っちゃうし。

ひろゆき:なんなんですか? 周りのが大事なんすか?

マーシー:でもほら、人間ってひとりで生きていけないから。誰かとやっぱりこう、寄せあって生きていくというか。

ひろゆき:でも、みんなそこまで頑張ってないじゃないですか、身を削るほど。だって普通の人って1日8時間で残業2~3時間とかで、なんかだらだら暮らしたりするわけじゃないですか。別になんかこう、本名もバレて、どこ行っても声かけられる制限のある生活をしなくてもいいわけじゃないですか。

マーシー:でももう何十年ってそういう生活をしてきちゃったから、1回落ちてああいう別荘とか行って戻ってきて、俺は普通に戻りたいと思っても世間はそうさせてくれないっていうか、どこに行っても田代まさしが付いてくるわけですよ。

ひろゆき:メガネ変えたらいいんじゃないですか?

マーシー:メガネ変える理由、それだけの理由?

ひろゆき:だって、なんか明らかに田代さんっぽいもん。もうちょっとわかり辛いメガネに変えてみるとかね。