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人生に疲れた1000万円プレイヤーがたどりついた「ミニマリズム」(最小限主義)という価値

人生に疲れた1000万円プレイヤーがたどりついた「ミニマリズム」(最小限主義)という価値

20代で年収1,000万円を越え、高級車を乗り回し、ブランド品を収集し続けたライアン・ニコデマス氏。幸せになれると信じての消費行動でしたが、次第にそれは間違いだったと悟り始めます。そんななか親友のジョシュア・フィールズ・ミルブラム氏から教わったのが「ミニマリズム(最小限主義)」という考え方。彼らが見つけたシンプルな生き方とは?(TEDxWhitefish 2014より)

スピーカー
ライアン・ニコデマス(Ryan Nicodemus) 氏
ジョシュア・フィールズ・ミルブラム(Joshua Fields Millburn) 氏
参照動画
A rich life with less stuff

「アメリカンドリーム」を手にしたが…

minimalist7 ライアン・ニコデマス氏 私はライアン・ニコデマス、こっちはジョシュア・フィールズ・ミルブラム。私達は2人で「theminimalists.com」というウェブサイトを運営しています。今日はコミュニティの一部であるということがどういうことかについてお話をしたいと思います。その前に私がどのようにして豊かになったかをお話します。 1年後の自分を想像してみてください。2年後、5年後、どんな人生を送っていますか? シンプルな人生、ストレスの無い人生、負債の無い人生、不満のない人生、障害がない人生を想像してみてください。 今持っているものよりも多くを手に入れる人生を想像してみてください。今よりももっと時間に余裕がある、より深い人間関係、より成長し、より貢献できる人生を。皆さんが今想像した人生が皆さんが送るべき人生です。完璧でもないし、それを手に入れるのは簡単でもありませんが、シンプルな人生です。今想像した人生は豊かな人生です。「豊か」というのはお金とは関係ありません。 昔、私は豊かであるというのは年収500万円以上稼ぐことだと思っていましたが、20代の時に大企業の中で出世を目指して頑張ると、すぐに年収500万円を突破しました。それでも別に自分が豊かであるとは思えませんでした。そこで、「もしかしたら年収700万円稼げれば、900万円稼げれば、1000万円稼げれば、もしかしたらたくさんのものに囲まれれば豊かさを感じるのかもしれない」と思いました。 なにが「豊か」であることかもわからずに、「アメリカンドリーム」、「幸福」を求めてとにかくより多くを稼ぎ、より多くのお金を使ってきました。しかし、より稼ぎより消費すればするほどに、私は幸せから遠ざかっていきました。 5年前の私の人生は今とは全く違うものでした。欲しいものは何でも手に入れました。皆が欲しがるものを全て持っていました。有名大企業で皆が羨む役職に就き、何百もの従業員を管理し、1,000万円以上を稼ぎ、毎年高級車を乗り替え、大きな3ベッドルームのコンドミニアムに住んでいました。しかもその家にはリビングが2つもあったのです。独身の男にはリビング2つなんて必要ないにも関わらず。

消費に狂い、借金、うつ、飲酒にドラッグ

私は「アメリカンドリーム」を生きていました。皆が私を成功者だと認識するなか、物質的には私は成功者としての全てを持っていました。それと同時に巨額の借金も抱えていました。アメリカンドリームを追いかけた結果、私の人生は得るお金以上に大きなストレス、不安、不満に溢れていました。 私は人生に絶望していました。外から見た私は成功を手に入れた人間だったかもしれませんが、自分は自分が成功したと思えなかったのです。 そのうち、何が人生において大切なことなのかわからなくなっていきました。ひとつ確実に言えたのは、人生にぽっかりと穴が開いてしまったことでした。そこでからっぽのこころを埋める為にたくさんのものを手に入れました。消費に狂ったのです。 新しい車、電子機器、クローゼットは高級ブランド服で溢れていました。高級家具で内装を仕上げ、高級店で食事をし、ラグジュアリーな旅行へ出かける、これをすべてクレジットカードでやりました。自分が稼ぐ以上のお金をあっと言う間に消費しました。幸せになる為に。 いつかは幸せになれるだろうと思っていました。しかし消費すればするほど、こころに空いた穴は広がっていきました。人生で何が大切かをわかっていなかったので、ますます消費し、ものを手に入れ続けました。そしてどんどん借金は大きくなり、それが私を幸せにしてくれないにも関わらず、ものを買い続けました。 この悪循環が数年続きました。20代後半の私の人生は、他人から見れば素晴らしい成功した人生でした。しかし実際は成功などしていませんでした。離婚し、不健康で、もうどうしたら良いのかわからなくなっていました。酒を浴びるように飲み、ドラッグを常習し、空虚なこころをなだめてくれるものなら何でも試しました。それと同時に週60、70、または80時間働きました。 そこで人生で大切なものについて考えます。自分の健康も恋愛も情熱についてすら、ほとんどしっかりと考えたことがないと気がつきます。本当に自分が何をしたいのかわからなくなってしまいました。 他の人の役に立ってもいなければ、成長もしていません。私の人生には目的や生きる意味、情熱が欠けていました。当時「何がやりたいのか? 何に情熱を持っているのか?」と聞かれれば、車のヘッドライトに当てられて驚くシカのような顔をしたと思います。自分の情熱なんてわからないよ、と。 お金は常にカツカツで、好きでも無い仕事をする為に生きていました。むしろ「生きて」すらいなかったと思います。鬱でした。

ミニマリズムとの出会い

30代を間近に控え、この20年と少しの間ずっと親友のジョシュアの何かが違って感じました。ジョシュアがなんだかとても幸せそうだったのです。でもそれがなぜかはわかりませんでした。私達は20代を同じ大企業で肩を並べて過ごし、一緒に仕事をしてきました。お互い出世し、彼も私と同じように鬱々としていたはずなのに。何かが違う。 その当時、彼の人生には、人生でも最も辛い二つのことが起きていました。同じ月に彼のお母さんが亡くなり、彼自身の離婚が決まったのです。 彼が幸せなはずはないのです! 私より幸せであるなんてことがあるはずがない! そこで親友として、ランチに彼を誘い聞きました、「一体、お前はなんでそんなに幸せそうなんだよ?」と(笑)。 その後彼は20分かけて「ミニマリズム(最小限主義)」について語りました。それまでの数か月、彼は物事をシンプルにすることにフォーカスし続けたのだと。本当に必要なものを迎え入れる為に邪魔なものを整理したのだと。 更に彼は、ミニマリズムを実践する人々と引き合わせてくれました。 minimalist1 彼は24歳の起業家で、彼の所持品すべてを持って4か月ごとに行ったことのない国を訪れています。 minimalist2 彼は39歳、夫であり二児の父であり、フルタイムで働き、車と家を所持する方です。彼女はソルトレイクシティ在住の十代の娘を持つ母親。 minimalist3 彼は38歳、8歳の息子を持つサンフランシスコ在住の男性です。 minimalist4 彼らは皆、まったく違う種類の人生を送っているように見えますが、少なくとも彼らには二つの共通点があります。第一に、彼らは目的を持ち意味のある人生を送り、情熱を持って生きています。私が過去に大企業で一緒に働いてきたどんな「リッチな人々」よりも、彼らのほうが豊かな人生を送っているように感じます。 第二に、彼らは皆ミニマリズムを実践しているということ。私は元々問題解決を生業としてきましたので、ジョシュアに興奮しながら「よし! ミニマリストになってやろうじゃないか!」と言いました。でも彼のように幸せになる為に何か月もかけるのは嫌で、すぐに結果が欲しかった。

持っているものの80%はムダだった

そこで私達は「荷造りパーティ」を開催することに。私達二人は、私が所有するすべてのものを引越しするかのようにすべて箱詰めし、三週間の間、必要なものだけを箱から出して使うことにしました。服、キッチン用品、タオル、テレビ、電子機器、絵画フレーム、消耗品、そして家具までも、全てを箱詰めするのをジョシュが手伝ってくれました。 9時間が経ち、何回かのピザ配達を受け取った頃私の所有物すべての箱詰めが完了しました。 私の二番目のリビングルームで、ジョシュと二人で疲れ切り、高く積み上げられた箱を眺めました。私のコンドは一気にがらんとしました。それまでの10年で一生懸命働いて手に入れてきたものがすべて箱詰めされたのです。 minimalist5 このように、すべての箱には何が入っているかを書いておきましたので、必要なものはそれを確認しながら取り出しました。そしてこの翌日から21日間、必要なものだけを箱から取り出しながら生活しました。歯ブラシ、ベッドとシーツ、実際に使っている家具、キッチン用品等、生活に必要なものだけです。 三週間後、箱詰めしたものの80%は開けられることなくそこにただ置かれていただけでした。私が幸せを感じる為に消費しつづけ、入手し続けたそれらのものたちは、結局私を幸せにすることなくただそこにあっただけでした。そして使わなかったものはすべて寄付したり売ったりして処分しました。

手放すことで豊かになる

ものを整理することで、私は初めて豊かさを感じ始めました。一か月後、考え方ががらりと変わりました。そして、私の、私達のこのストーリーを興味深いと思う人がいるんじゃないか? と思いました。 ジョシュア・フィールズ・ミルブラム氏 私とライアンが出来たのだから、誰でも同じように実践することが出来ると思います。私達は「theminimalists」というブログを始めました。3年前のことです。 minimalist6 素晴らしいことが起こりました。最初の月に52人の方が私達のブログを訪問してくれました。52人も! そして私達のストーリーに彼らが共感してくれたということが嬉しかった。そしてもうひとつ素晴らしいことが起こります。52人の読者が500人に、500人が5000人に、そして今では年間200万人以上の方が私達のブログを読んでくれています。 人に何か良いこと、面白いことを提供出来れば、その人達はそれを友人や家族に勧めます。為になることがしたい、人間の本能です。そしてそれが私達が今日ここにいる理由でもあります。 数年前、私とライアンはオハイオからモンタナに引っ越しました。そしてこの場所にはコミュニティがある、いわゆる「リッチ」ではなくとも別の意味でリッチ、豊かな人々が集まるコミュニティが。自分の為だけではなく、それ以上のものを世界に提供したいと心から願う人々に大勢出会いました。これが真のコミュニティです。真の貢献です。 皆さん、自分の日々の生活を考えてみてください。一日で最も時間を使っているのはどんなことでしょうか? メールチェック? Facebookチェック? テレビを見たりオンラインショッピング? 本当は必要のないもの、皆さんを幸せにしてくれないものを手に入れる為の給料を得る為に、一生懸命働いていませんか? 消費文化、ものを購入することについて、仕事の仕方において何が正しい、何が間違っているという話をしている訳ではありません。私達にものは必要ですし、請求書の支払いもあります。しかし、消費することやキャリアを成功させることばかりに集中すると、人は人生で大切なことを忘れてしまいがちです。生きる目的がわからなくなってしまうのです。 そこで過剰に溢れかえる所持品を整理することで、人生のゴタゴタまでも整理出来る。そして要らないものを整理した後に残った必要なもの、例えば健康、人間関係、成長、貢献、コミュニティにフォーカスすることが出来るのではないでしょうか? ありがとうございます。

  
※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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人生に疲れた1000万円プレイヤーがたどりついた「ミニマリズム」(最小限主義)という価値

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