混入に拡張性がないと判断した理由

記者:NHKのハシモトです。何件か質問させてください。まず1点目、基本的なことです。結局混入の原因はわかっていないんですけれども、製造工場の操業を例えば停止したりですとか、ナゲットの販売を一時休止するようなことのお考えはありませんでしょうか。

菱沼:今のは三沢での件……?

記者:はい。(それ)を踏まえてということです。

菱沼:こちらも調査をし始めたところなんですけれども、我々の今のところ(の調査)では限定的なものである可能性が高いということで、生産ロット単位でのストップはしました。それを、一切すべての生産を止めてという計画はございません。そこまでは拡張性はないという判断でございます。

記者:限定的だということはどうしてわかるんでしょうか。

青木:今日、詳しくはご説明しておりませんけども、わたくしどもの生産工程に関する品質管理のプロセス、それとそれ(品質管理)を実行しているかどうかの監査、そういった対応を強化して進めているところでございます。その中で、こういった問題が継続したい多くの製品に発生するというようなことは、そのプロセスの中で、わたくしどもとしては品質の保証をしております。

ただ、残念ながらひとつひとつの事象でこういうことが発生した場合に、その生産ロットを止めるという判断は必要に応じてさせていただいております。

記者:関連するんですけれども、ホームページ(掲載)のタイの工場を見させていただきました。例えば動画中ですと防護服といいますか、服やエプロン・手袋に青いものが見受けられます。今の段階で、どういったものが混入した可能性があるのか、どういった状態で混入した可能性があるのか。もう少し安全という観点でも、どういったものなのかというところは、今の段階で見込みはありませんでしょうか。

青木:この案件につきましてはお客様から具体的にご指摘をいただいた件で、わたくしどもとしては一番最初に具体的な原因を、我々としての判断をし、それを「こういった形で考えております」ということは、まずお客様にお話をすべきだというふうに思っております。

この調査のプロセスは粛々と進めておりますし、先ほどご指摘のあった、青色のものが本当にどんな材質のものなのか、それが一致するのかというのは、科学的な根拠を持って我々は証明をしていきたいと思っておりますので、それがすべて終了した時点でお客様にご報告し、それについて皆様にもお知らせしたいと思っております。

記者:もう1点お願いします。前回の中国の問題は、国内に入ってきているかどうかわからないという状態でしたが、今回の異物混入は実際に入っていたという点で、問題の重みが少し違うと私は思っています。実際に混入してしまったことに対する、幹部社員の方の責任についてはどうお考えでしょうか。

青木:今回の件がどういう経緯でどういう形で入ったのか、これについてはまだ調査中でございますけれども、冒頭で申し上げましたとおり、こういった件でお客様にご心配をおかけしていることに対しては、非常に深く受け止めております。その点についての責任はもちろん、わたくしどもにあるというふうに考えております。

記者:それはすなわち、どういう……。何か具体的なお考えはありますか? アクションは。

青木:わたくしどもが今取り組むべきは、この問題にきちっと対応し、そこからの学びをすべてのプロセスに生かしていくこと。それでお客様の信頼を得させていただくように、努力し続けていくことだと思っております。

記者:ありがとうございました。

責任はどこにあるのか

記者:わたくしTBSのカネダと申します。まずお聞きしたいのは、昨年からこうした品質に関わる問題が相次いでいると思うんですけれども、今後こうした問題が二度と起こらないと言い切れるんでしょうか。

青木:わたくしどもはその案件の大小、それから状況にかかわらず、すべての品質に関わる問題については非常に重く受け止めておりますし、それに対してわたくしどもは責任を持って対応していくと考えております。もちろん、こういった品質の問題がなくなることが私たちの究極の目的でございますけれども、それに向けてひとつひとつの問題を正面から取り上げてきちっと対応していく、全力を尽くしたいと思っております。

記者:先ほど責任は御社にあるとお認めになりましたけども、具体的に役員等の処分というのは考えているんでしょうか。

青木:責任をどういう形で皆様にお示しするかについては、現時点では先ほど申し上げたとおり、我々としてはお客様の信頼を取り戻すべく、活動に集中することを考えております。

記者:弊社の取材では、現地のタイ工場の管理者が今日中にも来日するということなんですけれども、そういった事実をお二方は把握されていて、今後の進捗状況をわかる範囲で結構ですので教えていただけますでしょうか。

青木:今回の件の、カーギルのタイの工場(カーギル・ミート・タイランド社サラブリー工場)の人間とは、我々がもちろんこの件があってすぐ連絡を取り、共同して調査にあたる体制を整えております。その中で今回は実際に考え得るものを持って来日し、ということは報じられたとおりでございまして、それを我々も進めております。

記者:現時点でどういった話し合いをされたんでしょうか。

青木:この件の進捗につきましては、申し訳ございませんけれども先ほど申し上げたとおり、最終的な解決、我々としての結論をお客様にお伝えするその時点で、皆様にもお伝えしたいと思っております。

記者:すいませんもう1点。ひとつひとつの案件について真摯にお答えされていると冒頭におっしゃっていたかと思うんですけれども、大阪の件に関しては、概要に出ている3つと比べて、去年の8月に事象が発生しております。おそらく購入者から情報提供がなければ判明することもなかったかと思うんですけれども、ひとつひとつの対応に明確に差があるように思えるんですけれども、この点についてはどうお考えでしょうか。

青木:基本的な考え方は、先ほど申し上げましたとおりひとつひとつの案件を必要に応じ、保健所を通じ、お客様を通じ、お話をさせていただく。解決をさせていただく。というのは、ひとつひとつの案件はやはりお客様にとっての個別案件でございますので、それをどういった形で外に出すかというのは、お客様次第のところもあると思います。

お客様がそういった形で外に向けてお話をしていただいているケースについてお問い合わせいただいた場合には、わたしどもとしてはそれについてお答えをする責任はあると思っております。

記者:ただ、大阪の件に関しては具体的な対応というのが、特に先ほどの話にはなかったと思うのですが。歯というものが実際に健康被害を起こす可能性というのも十分に考えられる中で、具体的な対応策というのは示しているんでしょうか。

青木:この歯の件、それからこのような、いわゆる我々の店舗・工場に普段存在し得ないものをどうやって混入を防ぐか。これを日々すべての工程で進めております。ですから、繰り返しになりますけれども、本件は具体的にどこで何が起こったのかというのを、残念ながら確定することができておりません。ですから、そういった不確定な情報に対してでも、我々は防ぎ得る体制を作るためにどうすればいいかということを、すべてのプロセスにおいて考えております。

記者:「お客様次第」あるいは先ほど「不確定な情報」という話がございましたけれども、今の話を聞いている限りですと、やっぱりお客様次第というか、お客様の情報が不確定だったから対応しなかったというふうにも聞こえるんですけど、その点はどのようにお考えなのでしょうか。真意はどう……。

青木:わたくしどもは、こうした案件についてわたくしどもが出来得る最大限の対応を、すべてのケースでしております。結果として、それが具体的な原因の特定に至らなかったというケースが、残念ながら存在するのも事実でございます。

記者:最後の質問ですけれども、カサノバ社長は昨年の中国の鶏肉問題の際は「マクドナルドは被害者である」というような見解をお示しになりました。今回の一連の異物混入の問題とはケースは違うと思うんですけれども、そういった社長の認識というのは今も変わってないんでしょうか。

青木:日本マクドナルドおよびカサノバを含む経営陣すべて、こうした形に品質に関わる問題は、わたくしどもがお客様に対する責任を持っているというふうに考えております。

記者:ありがとうございました。

サンデーに販売中止をどう説明しているか

記者:日本テレビ『スッキリ』のニシムラと申します。よろしくお願いいたします。安積店(4号線郡山安積店)のサンデーの件でお伺いしたいのですが、先ほどこの件も個別の案件とおっしゃっていましたけども、同じようなサンデーの機械というのは日本全国に何台存在するのでしょうか。

菱沼:約2600台くらいですかね。

記者:それでも個別の案件ですか?

菱沼:要は機械が原因でこういったことが発生しているということであれば拡張性があると思うんですけど、今回のケースでいいますと組み立ての問題で、組み立ての問題のレベルがどのくらい可能性があるのかという判断なんですが、今回のケースでいうと個別のレベルだろうという判断をさせていただきました。

記者:先ほど、2週間に1度お店の中で組み立て・掃除・分解をするとおっしゃっていました。さっきおっしゃったすべての店舗でそれが繰り返されているわけですよね。

菱沼:はい。

記者:その中で起きた事例ではないんですか?

菱沼:……。

記者:「付け忘れ」と先ほどおっしゃいましたよね。

菱沼:はい、そうです。実際にこういったケースは、年に数件発生はします。

記者:発生しているんですか。

菱沼:発生しているというのは、組み立てのあれですね、ミスといいますか。その場合には分解をし直して、販売をし直すという形をとっているんですけれども、それが全店に影響をおよぼすものかというと、そういった判断はしていないというのが(あります)。

記者:同じ作業をやっていたとしても、ということですか?

菱沼:はい。その件数からいくと、非常に限られたものだと。その個店レベルの問題じゃないかというふうに……。

記者:わかりました。これが起きたときに、すべての(機械が)置いてある店舗に「もう一度再確認をしなさい」というような指導はなさっていますか?

菱沼:はい。本件に限らず異物混入の全体的な、我々の本来持つプロセスですね。それをリマインドといいますが、もう一回再確認というものを、1月の……6日でしたっけ? はい。通達をいたしました。

記者:当該の安積店のみで、しばらくの間ソフトクリームの機械を使う商品は止めているということでしたけれども、お客様に「どうして今日はサンデーの商品がないんですか」と聞かれたときに、どう説明しなさいと指導されていますか?

菱沼:……何かありますか?(横に控えている別の社員に確認、返答はなし)まあ、本件でいいますと正直破損してしまいましたので「故障」と。故障と、あと原因が判明していないのでということもあるんですけれども、実際には故障というような形で店舗では説明していたと思います。

記者:実は昨日、こちらのお店を訪ねてまいりまして商品を買おうとしたんですが、「機械のメンテナンス中なので売れません」というふうに言われました。ソフトクリームが使ってある商品すべてにシールが貼られていまして、「取り扱いが終了しました」というようなシールが貼ってあるものもありました。こういう対応ということでしょうか。

菱沼:メンテナンス中……そうですね。修理中といいますか、そういう表現になっておりました。

記者:それでよろしいということですかね。

菱沼:その表現の方法に関しましては、再度我々も検討させていただきたいと思います。

記者:1点確認なんですが、三沢店のマックナゲットをお買いになったお客様と電話で直接状況をお聞きしたんですが、「15ピース入りを3箱」という情報は本当に間違いないでしょうか。

青木・菱沼:(資料を確認する)

記者:といいますのは「20個入りを3箱買われた」とおっしゃっていまして、わたくしどもも買われた期間に、三沢店のほうで年末年始キャンペーンで増量していたと。金額は同じであったというふうに聞いたんですけれども。それでもすべてのリリースが「15ピース入りを3点」と(なっている)。これはどこへの聞き取りでこの数字を出していらっしゃるんでしょうか。

司会:こちらは広報の私からご報告させていただきます。店舗のそのキャンペーンで、エリアの一部の店舗でキャンペーンをやっていたことは認識しております。15個入りを基本的には販売しておりまして、そこにプラス5個という形でやっているケースがあるんですけれども、基本的には15個入りと15個入りのお値段でご案内させていただいてましたので、そのような形で今回はすべてご報告させていただきます。ですので、5個プラスになっているというご理解をいただけたらと思います。

記者:実際には20個×3パック買われているということですよね。個数としては60ピース買われているということで間違いないですよね。

司会:買った数はそうですよね。販売したのは15個入りなんですけども、5個プラスでサービスという形になっています。

記者:わかりました。長くなって申し訳ないんですけども、最後に1つ。今日は店舗は大変ににぎわっていまして、お子さんを連れた家族連れの方がお買い物をしていました。お聞きしましたら「子どもがナゲットを好きなんですけど、今日はさすがに買えなかったわ」とおっしゃっていました。お母様が。もしお二人に幼いお子さんがいらっしゃるとして、「お父さん、どうして今日はナゲットを買ってくれないの」と聞かれたらなんとお答えになりますか?

青木:私自身として、当社のチキンナゲットを食べ続ける。それを私の子どもにも食べ(させ)続ける。これは、まったく私は疑いを持っておりません。そういったお声が実際にお客様から来ているのは十分承知しております。それ自身、非常に申し訳ないことだと思っております。ですから我々としては、いかにそういったお客様の信頼を回復して、再度わたくしどもの商品を安心して楽しんでいただけるような環境を作るか。それがわたくしどもの使命だと考えております。

記者:お母様は困ってらっしゃったんですが、菱沼さんはいかがですか。

菱沼:私も実際にタイの工場には訪問したことがありまして、そこの品質管理体制というのは自信を持ってご説明できる中で、こういったことが発生してしまったのは申し訳ないと同時に、私自身も残念で仕方ないんですが。

私も、じゃあいま我々の管理体制の不備が……発生したことに関してはあるんですけれども、ベーシックなところではどうかというところは自信を持って私も自分でも食べますし、家族にも息子にも食べさせますし。そういった意味では、できる限りこういったことはなくして、ゼロにはできないかもしれませんけど、ゼロを目標にしてこれを今後も努力していくという所存でございます。

記者:ありがとうございました。

今回発表のなかった2件の混入事案についての対応は?

記者:報知新聞のカイと申しますけれども、2点伺いたいと思うんですけども。まず8月の大阪の歯の件なんですが、これは本社のほうではすぐに把握されているんですよね? 把握したのっていつですか。

菱沼:こちらは8月27日に発生したわけですけど、27日の……。

記者:え? 26日じゃないですか?

菱沼:あ、ごめんなさい。26日に発生しましたけど、お客様が(謝罪を求めて)店舗に行かれたのも27日ですが、お客様が我々のお客様サービス室にご連絡いただいたのも27日でして、同じ日に我々も把握はしております。

記者:調査して歯だということがわかったのが9月16日。これは答えを伝えた(調査結果が判明した)のが9月16日ってことですよね。

菱沼:はい。異物を外部調査機関に提出したのが27日なんですが、その結果を待ってお客様に報告したのが9月19日という形になっております。

記者:公表したのがいつになるんでしたっけ。この件について。

菱沼:これは個別の案件ということで、公表はそのときにはしておりません。お客様にはご報告させていただいて、そのときは実際にそのお客様からメディアの方にご連絡があったので、わたくしどもがその後に、今日も含めてご報告させていただいているという形になっております。

記者;つまり、今回ナゲットの件がなければこれはずっと公表しないということだったわけですよね。そういうことになりますよね。公表するつもりがもともとなかったということですよね。

青木:こうした件に関して、わたくしどもがどういった形で公表させていただくかについては、ひとつひとつの案件の状態がもたらす影響というものを考慮した上で判断をさせていただいております。ですからこの件に関してはその時点で、お客様と関係各所に対する告知以外の公表の必要はないという判断をいたしました。

記者:あともう1点なんですけども、今日4件の説明があって、今回発覚しているのが6件だと思うんですけれども、京都の宮津店とあと沖縄でもありますよね、桑江店というところで。これは把握されているんですよね。この2件というのは。

青木:お客様からのご連絡をいただいた案件については、もちろんすべて把握しております。

記者:京都のほうは金具が入っていたという件ですよね。ネックレスみたいな。沖縄のほうはプラスチックみたいなもの。今回は発表するおつもりがないということですかね。

青木:お問い合わせいただいた件につきましては、我々としての記録をすべて確認し、その上で正確な情報を必要に応じてお伝えするという対応をさせていただいております。

記者:この2件について知りたい場合は、今回ここで説明していただくことはできるんでしょうか。

青木:その件につきましては申し訳ございませんけれども、いま社内で確認のプロセスをしておりますので、改めてお問い合わせいただければと思います。

記者:改めて、また会見みたいなところで説明していただけるってことですか。

青木:説明の仕方については、その都度必要な対応をさせていただこうと思っております。

クレーマーに対してどう接するか

記者:すいません、ニコニコ動画のナナオと申します。よろしくお願いします。他の記者の皆さんから出ないんであえて言いますけれども、原因が特定できない理由のひとつに、ケースとしてはクレーマーの存在もあると思います。

ポテトに歯というのは、これはインパクトとしては非常に大きい。先ほどのご説明で科学的な分析・調査をされたということだったんですけど、青木さんが先ほど「科学的根拠に基づいて証明していくしかない」とおっしゃいました。それはまったくそのとおりだと思うんですね。

今回の歯の件については「揚げた形跡がない」ということは、科学的にきちんと分析された上でそうおっしゃっていると思うんですが、これはきちっと公表されたほうがよろしいんじゃないんですか。つまりこういった件というのは、ジャッジする人がいないわけですよね、最終的に。

そのジャッジというのは、マクドナルドは……歯についてですよ。歯についてだけ言ってるんですけど、きちっと科学的な調査をして「これはこのとおりだった」という報告はしたほうがよろしいんじゃないんですか。だって、もし仮にマクドナルドに原因がない場合、これは会社として非常に打撃を受けると思うんですけど、そこは品質管理の問題とは別にきちっとお話しされていったほうがよろしいんじゃないでしょうか。

青木:ご質問ありがとうございます。歯に関してはご指摘いただきましたとおり、わたくしどもの調査結果で「これが歯である」ということと、「それがフライヤーに入った形跡は考えられない」ということは科学的に証明させていただいております。そのことについて、本日ここでも明快にご説明をしたつもりでありますし、第三者機関の調査に基づく客観的な事実でございます。

ただ、その事実をもってこれをどう解釈するか。これについてはいろいろご判断があると思います。ですから、わたくしどもの基本姿勢としてはそういったお申し出を受け、そういったご心配をおかけしたことに対しては真摯に対応させていただく。そういう姿勢で進めております。

記者:申し上げたのは、報告書を公表されたほうがよろしいんじゃないんですか。

青木:1件1件の具体的な調査内容について報告することは基本的にしておりませんし、今回の件についてもそういったことをする予定はございません。

記者:すいません、最後に。ただそうはおっしゃっても、原因がわからないと「ポテトに歯」というのは消費者に非常なインパクトを与えてしまったわけですよ。それに対してはきちっと説明しないと、ごっちゃになっちゃうんじゃないかと思うんですよ。そこはちゃんときちっと説明されたほうがよろしいんじゃないんですか。

青木:ご意見ご指摘、非常にありがとうございます。わたくしどもとしては、今この場でご説明していることが、わたくしどもの見解としてお伝えしているということを考えております。ひとつひとつの検査結果を具体的に公表させていただくことに関しましては、またそこにいろいろなご意見があると思いますし、わたくしどもとしては現在の対応が正しいと思っております。

売り上げにはどのような影響が出ているか?

記者:時事通信社のオオツカと申します。長くなってきたので2点だけ。1点は、先ほどある程度説明がありましたが、今後例えばナゲットの販売中止とかタイでの生産中止ですね。これにおよぶ確率、可能性は今の時点では低いと考えているということでいいのか。それからもう1点については、今回の問題でいろんな事象がこういうふうに報道されたことで、現時点で客足に影響があるのか。また今後、経営にどういった影響があると考えているのか。それを教えてください。

青木:今(の質問)は、三沢のケースのお話だと理解しますけれども……。

記者:そうです。

青木:この件につきましては、わたくしどもの調査の初期段階から最大のリスクとして考えられるのが、同じ生産ロットではないだろうかという前提で調査を進めておりますし、それを現時点で変更する要因は一切ございません。

それから、今回の件がどういった影響を与えるか。これについては、当然わたくしどもはお客様にご心配をおかけしているわけでございますので、お客様の行動に影響を与えてしまうことはあり得ると考えておりますけれども、それが全体にどのような影響をおよぼすかについては、まだ今後の動きを見ながら判断していきたいと思っております。

記者:この問題が明らかになってから3日目ですが、店舗の売れ行きというのはどうでしょうか。

青木:売り上げの情報というのは、また改めてしかるべきタイミングでご報告させていただきますけれども、現在これによって非常に大きな影響が出ているかと言われると、そういう状態ではないと理解しております。ただ、非常にご懸念を持ったお客様の足が遠のいているという事実は、現実としてはございます。

食の安全に対する社員教育

記者:フジテレビ『スーパーニュース』のサカグチと申します。今回のナゲット異物混入の件だったりも、お客様からの報告で知ったということもあったと思います。店舗から本社への連絡がもっと早くあれば、もっと早くわかったこともあったと思うんですけれども、各店舗から本社への連絡体制の基準はどうなっているのでしょうか。

菱沼:まず、お客様からの(報告で知った)というのは、(先に)店舗からの連絡があって、我々がお客様の連絡を通じて知ったというわけではなくて。今回のケースはいずれも、わたくしどもは状況、内容は理解しておりました。

ですから、先ほどウチの人間がご説明させていただいたんですが、異物混入が発生してお客様から届けられた場合のプロセスは明確になっておりますので、お客様から申し出があった場合には、すぐに店舗から我々のほうに情報が入り現物も送られてくるという体制ができております。

記者:一部では、店舗で対応したけどその店員が上の人たちに言わないで、結局お客様からの本社への連絡で知ったという件がありましたよね? そういうのがあったので、わかっているものはすべて本社に上げるとおっしゃっていましたけれども、その前の教育の段階だったり、アルバイトの方への教育の面でいったいどういうふうにしていたのか。その徹底がなされてなかったと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

菱沼:こういった形の、フードセーフティーといいますか食の問題といいますか、こういったことに対する従業員へのトレーニングプログラムというのは確立しておりまして、何回かやってるんですね。

今回は本当に残念ながら、アルバイトのクルーの方が(混入した異物を)紛失してしまった、報告がなかったというところが残念なんですけども、今回これがありましたので、もう一回再教育再確認を含めて店舗に通達をした次第でございます。

こちらは継続して、精神的な食の安全に対する社員教育というのは、昨年もチキンの問題があったときに発表させていただいたんですが、その辺の再教育は今後も強化してまいるつもりでございます。

公表のタイミングが遅いのでは?

記者:産経新聞のヒラオです。まずは今回の情報開示のあり方ですけども、5日の月曜日に地方紙でナゲットの問題が発覚して、結局今日の発表まで日本マクドナルドが一切公表してないと。今日までかかったということですが、今日カサノバ社長が出てくるのであればまだしもこのレベルの役員の方々の会見で、なぜ5日、昨日(6日)のうちに会見できなかったのかということをお願いします。

青木:今回の件の対応につきましては、わたくしどもとしては情報の確認、それに対してどういった形でお客様とのお話をして、どういった形で公表させていただくかということを、都度考えながら進めてきたつもりでございます。決して、それ以外の要素でこのタイミングになっているということではございません。

記者:ただ、チキンナゲットの問題で去年大きな業績悪化に達しました。その中で、今回またナゲットでこういった品質の問題を起こした。にもかかわらず反応が遅いというふうに、経済をやってる記者からすれば思うんですが、これについてはどう思いますか。

青木:ご指摘については真摯に受け止めさせていただきたいと思います。わたくしどもとしては、わたくしどものやるべきことを必要なステップとタイミングを見ながら対応させていただいていると思っております。

記者:それからナゲットについて、今回問題となったロットの生産・販売を中止したというのはわかるんですが、ロットが残っているものを回収して検査に回すということはまだやってないと聞いています。これは、そういった検査をすることによって問題を1日でも早く解決するためマクドナルドが動いていると思えるんですが、(現状)そういうふうになっていないと感じるんですが、それはなぜでしょうか。

青木:この問題に対しては、わたくしどもがまず先にやらなければいけないことはご指摘をいただいた異物がいったいどういうもので、それがどこまで混入する可能性があるかを突き止める。今はそれに全力を尽くしております。その結果で、必要な対応というのは当然変わってくる可能性がありますけども、わたくしどもがいま対応している取り組みで、この問題に対する対応としては適切だと思っております。

記者:最後にもうひとつ。業績についてなんですけども、先ほど客足の影響がまだはっきりわからないということでした。9月10月に20%近くのマイナスから11月には(マイナス)12%程度だったと思うんですが、対前年度の既存店売上高の回復の基調が(あり)歯止めがかかった感じだと思うんですけども、12月、今後の1月についてはどのようになると見ていらっしゃいますか。

青木:業績につきましては、しかるべきタイミングにまた改めてご報告をさせていただきたいと思っております。

記者:それは影響があるというふうに見ていらっしゃいますか。

青木:その判断も含めて、結果についてはご報告を正式にさせていただきたいと思っております。