logmi・ログミー

世界をログする書き起こしメディア

竹中平蔵氏「正社員をなくしましょう」は暴論なのか? 問題部分を全文書き起こし

竹中平蔵氏「正社員をなくしましょう」は暴論なのか? 問題部分を全文書き起こし

1月1日放送の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)にて、竹中平蔵氏が「正社員をなくしましょう」と発言したことが議論を呼んでいる。非正規社員の待遇をテーマに討論されていた同番組内で、この言葉がどのような文脈から発せられたのかを検証するため、問題となっている竹中氏の発言部分の前後を含め書き起こしました。(画像は竹中平蔵氏公式HPよりhttp://www.takenaka-heizo.com/)

シリーズ
朝まで生テレビ!
2015年1月1日のログ
スピーカー
慶応大学教授 政府産業競争力会議議員 竹中平蔵 氏
自民党 参議院議員 山本一太 氏
民主党 衆議院議員 辻元清美 氏
獨協大学教授 経済アナリスト 森永卓郎 氏
ソフトブレーン創業者 宋文洲 氏
田原総一朗 氏

派遣法改正の議論が進んでいる

田原総一朗氏(以下、田原) 派遣法がね、また緩むんでしょ? いつ緩むの? 辻元清美氏(以下、辻元) これは次の国会でどうなるかというところですね。 田原 なんで派遣法をもっと緩めるの? 山本一太氏(以下、山本) 派遣法を緩めるかですか? 田原 もともと派遣法が緩められたのは小泉内閣でだよね? 森永卓郎氏(以下、森永) それは政府と派遣業界が癒着しているからですよ! 簡単に言うと。 山本 それは全然違いますよ! 森永 派遣業界と政権が癒着しているから、どんどん広げているんです! 竹中平蔵氏(以下、竹中) 森永さんね、そうやって発言しているんだから、それは具体的に何なんですか? 森永 具体的に言うとですね、私は1986年のときに経済企画庁にいて、派遣法を最初につくったときの企画庁側のメンバーだったんですよ。そのときに有識者も含めて何と言っていたか。 戦後の口入れ稼業のような―ピンはねするような悪質な業者があったんですよ―、その被害を二度と繰り返してはいけないからポジティブリストで例えば、国際会議の通訳さんなんかは技術も高いし、ピンはねの恐れもないということで、逆に必要なときにだけ仕事を回したほうがはるかに働く人のためになりますね、と言って限定列挙していったんですんね。 それがネガティブリストっていう原則自由になって、そのときの議論で絶対に手を染めてはいけないと言っていた製造業への派遣労働を小泉内閣のときに解禁したんですよ。それが派遣切りの大きな……。 竹中 違うよ(笑)。まずは年代が違っている。何年に改正したっていう事実が違っていて、派遣法を改正したのは1999年だからね。はるかに前ですよ。 森永 ネガティブリストになったのはそうですよ。製造業への派遣は……、 竹中 1999年に決まっているんですよ。 森永 でも、実際に解禁したのは小泉さんでしょ。 竹中 それは法律で前に決まっていれば、予定通りにやるわけだから。 森永 止めようと思ったら、止められたでしょ。 竹中 基本的に申し上げたいのは、派遣とか色んな業種・働き方があるわけですけれども、正社員でも中小企業で不利益を受けている労働者がたくさんいると私も認識しています。 だから、そういうことに関してはブラック企業も含めて労働監督をきちんとしていかないといけないし、基本的には同一労働・同一賃金にもっていかなければいけない。これは一致した意見なんですよ。

同一労働・同一賃金の整備は可能か?

田原 わかるけど、それは建前でそんなことできるんですか? 同一労働・同一賃金なんてできるんですか? 竹中 オランダはそれをやったわけで、日本版オランダ革命をやりましょうというのが、実は第一次安倍内閣のときからずっと議論されているわけです。 田原 できるのそんなこと? 山本 党内と政府内でも議論しているんですけど、なかなか現状ではできにくい。正規と非正規で非常に働き方の区別がつきにくかったり、判断基準が難しい。 方向性としては辻元さんや竹中さんがおっしゃったように同一労働・同一賃金にもっていくべきだと思うし、給付付き税額控除は、マイナンバー制度が導入されればこれもやっていくべきだと決まっているわけです。ただ現実にはそんなに簡単にはいかないんですよ。 田原 同一労働・同一賃金っていうことを盛んに言っている新聞があるんですよね。非常に権威のある新聞ですよ。その権威のある新聞社の幹部に聞いたの。 その権威のある労働者の組合がボーナス闘争をやって、ボーナスの回答が出たと、しかしそのボーナスの回答を社内に張り出せなかった。なぜならそれに該当しない従業員がいっぱいいるから。権威のある新聞ですよ。だから、そういう問題があるのよね。

派遣法改正に関する議論の問題点

辻元 山本さんね、先ほどその方向に向かうことは一致しているとおっしゃったんですけど……、 田原 一致してるかな~……。 辻元 今回派遣法の改正案を出して、先ほどおっしゃられなかった点で、今まで非正規で3年間働いてこられた方はですね、3年経ったら正社員にという道が普通で、これは改正してそうなったわけですよね。 ところが、今回は3年間働いてきた人を別の部署にして、別の人をカチャっとここへはめこめばずっと派遣で働かせ続けられるように改正案を出そうとしている。 これは、今おっしゃっているのと反対の方向じゃないですか? だから、少なくとも同一労働・同一賃金の方向へ進むんであれば、安倍政権は逆のことをしようとしていると思うのでこれについて山本さんに答えてほしいです。 山本 今の制度だとね、3年経った人が正規になれるとは限らなくて、他の部署に移されたら延長されるわけでしょ。 辻元 されないですよ。その人は、会社として「正社員になりますか?」ということを聞いて、正社員への道筋を立てるというのが今の法律なんですよ。 だから、非正規で働く人にとっては希望だったわけですよ。きっちり真面目にやっていけばなんとかなるねって。ところが、そこをね……、 田原 それは違うと思う。今は3年経ったらクビにするんですよ。正社員になれっこないよ! 辻元 それでも法律ではできていたわけ。今ね、山本さんたちがやろうとしているように、3年でそうすれば(部署移動させれば)ずっと派遣で働き続けることを促進するんじゃないかということを懸念してみんな反対しているんです。 田原 辻元さん、今の派遣法で3年経った後で正社員になっていると思う? 辻元 でも、そういうことを更に規制緩和しようとしているんです。 山本 部署を変えて派遣を続けている人もいるんです。 辻元 今でもそういう現状なのに、これを合法的に3年たったら別の部署にとすればですね、続けられるというですね……、 宋文洲氏(以下、宋) 辻元さん、そんな小手先の議論するよりも政治家としては、例えば日本は今5人に2人が非正規労働者なわけです、業種によって違ってもいいけど、そこを10人に1人にするとかそういう規制にしたらいいんじゃないですか?

同一労働・同一賃金を目指すなら「正社員をなくしましょう」と言うべき

竹中 それはね、さっきから根本的に重要なことをみなさん無視しているんですよ。 まずはみんな多様な働き方をしたいんです。いろんなアンケート調査があって、アンケート調査にバラつきがあるんですけれども、例えば協会がやったアンケート調査によると、派遣でやっている人の7割は「当面派遣でやりたい」というふうに言っています。 厚生厚労省が派遣についてやった調査では、「正社員に変わりたい」という人と「非正規のままのほうがいい」という人を比べると、実は「非正規」と答える人が多いんです。数字はね。 辻元 えっ、それ何の調査? 竹中 これは厚生厚労省の調査です。つまりね、多様な働き方があるから、派遣でいるのがなんか悪いとか、かわいそうだとか、その前提はちょっと捨ててほしい。それはケース・バイ・ケースだということ。正社員で雇われたい人もいますよ。でも、そうじゃない人も多いんだということをまず大前提にしてほしい。 そしてもうひとつね……、 田原 本当かなぁ、それ? 竹中 本当なんですよ。田原さん、もうひとつ大事なことがある。どうして派遣が増えたかというと、それは簡単なんですよ。日本の正規労働は世界の中で見て、異常に保護されているからなんですよ。 1979年の東京高裁の判例でそのように解雇の4要件が示されて、同一労働・同一賃金を目指すと言うんだったら、「正社員をなくしましょう」って、やっぱり、あなた(辻元氏)、言わなきゃいけない。全員を正社員にしようとしたから、大変なことになったんですよ。

法改正の目的は、解雇に関するルールの明確化

田原 竹中さんの言った正規社員を解雇するときの4要件というのは、人員削減の必要性、解雇回避の努力、人選の合理性、解雇手続の妥当性。4つないといけない。 竹中 実はそれが判例なので、非常に不明確だというところに問題があるんです。だから、大企業のように、訴訟リスク……これやると訴訟をされると思うところは、なかなか解雇できない。 田原 そして本当に訴訟に負ける。 竹中 そうです。一方で、うちなんかは訴訟されるわけがないと思っている中小企業は、平気で正社員といえども解雇しているんですよ、今。だからそのルールをきちんとつくることが重要なんですよ。 森永 竹中さんの言っている事実認識がすごく違うのは、実はOECDが雇用者保護の厳格性を綿密に調査して比較しているんですよ。さっき竹中さんがオランダモデルにしろと言ったんですけど、正社員の雇用保護の厳格性は、日本よりもオランダのほうが圧倒的に高いんですよ。 つまり、ものすごく厳しいんですよ。解雇には、地方労働委員会の許可が必要なのですよ。ほとんど認められないんで。 竹中 それは日本の場合、中小企業にそれが適用されていないからなんですよ。だから、OECDの調査ではそうなるわけで、厳しいルールも必要なんです。ただ、今は「ルールが明確ではない」ということが重要なんです。  その通り。 竹中 それを明確化しようと言ったら、解雇自由化という議論に歪められるんですよ。 (該当部分ここまで)

  
×
×
×
×
×
この話をシェアしよう!
シェア ツイート はてブ
竹中平蔵氏「正社員をなくしましょう」は暴論なのか? 問題部分を全文書き起こし

編集部のオススメ

無料で求人掲載できる!エン・ジャパンの採用支援ツール、engage(エンゲージ) PR

おすすめログ

人気ログランキング

TOPへ戻る