logmi・ログミー

世界をログする書き起こしメディア

「計画通りやって成功した人を見たことがない」ライフネット生命・岩瀬大輔氏が語る、キャリアプランの落とし穴

「計画通りやって成功した人を見たことがない」ライフネット生命・岩瀬大輔氏が語る、キャリアプランの落とし穴

ボスコン入社からMBA留学を経て、ライフネット生命のCOOとして活躍している岩瀬大輔氏。自著『入社1年目の教科書』を引き合いに自身の体験を交えながら、会社選びの三つの基準、そして「頼まれたことは必ずやりきる」、「50点で構わないから早く出せ」、「つまんない仕事はない」と新社会人が守るべき三つの原則を語ります。

シリーズ
ベストセラーズチャンネル > 岩瀬大輔氏インタビュー 『入社1年目の教科書』
2011年5月20日のログ
スピーカー
ライフネット生命保険 代表取締役社長兼COO (当時は副社長) 岩瀬大輔 氏
株式会社パスメディア 代表取締役 経営コンサルタント 主藤孝司 氏
参照動画
入社1年目の教科書 岩瀬大輔(著)
PR Job Board

意外となかった、社会人1年目のための教科書

主藤浩二(以下、主藤) 今日、お招きしているゲストの方をご紹介致します。ダイヤモンド社から出版されています『入社1年目の教科書』、著者の岩瀬大輔さんにお越し頂いております。岩瀬さん、今日はよろしくお願いします! 岩瀬大輔(以下、岩瀬) よろしくお願いします。 主藤 今、私、「著者の~」という話をしましたけれども、実は岩瀬さん、ライフネット生命保険株式会社の代表取締役副社長でいらっしゃるんですね。多くの方はテレビだとか、あるいは雑誌、新聞もそうですけれども、いろんなところでご覧になられた方、「ちょっと、見たことあるな」という方、多いと思いますね。 今日はですね、その岩瀬さんが出版された『入社1年目の教科書』というこの本について取り上げていくと共に、岩瀬さんご自身のご経験だとか今までの経歴といいますか、転職を重ねて今のお仕事に携わるようになった経緯なんかも、お話ができればと思ってます。 さっそくこの『入社1年目の教科書』、このテーマでこの内容で本を書こうと思われた時のきっかけとか状況を、見ていきたいと思うんですけど。 岩瀬 ちょうど2年前に我々、初めて新卒採用を行ったんですね。それで、入社1年目の社員が入ってくる、と。それで、彼らに何か教科書みたいなものを渡したいなと思って本屋さんに行ったところ、なかったんですね。ないなら自分で書いてしまおう、ということで、直接的には自分の会社に入ってくる新人に向けて伝えたいことをまとめた本です。 主藤 なるほど。あの、新入社員だとか新卒、まあ社会人1年目の方に向けたマナーの本とかですね、名刺交換の仕方ですとか挨拶、いろいろあると思うんですけども、岩瀬さんがイメージされている経営者として理想的な本がなかったということですか? 岩瀬 そうですね。おっしゃる通りで、マナーの本だとか、局地的なもの、それぞれテーマ別の本っていうのはあったんですけど、一冊まとめて新人に伝えたいことっていうのを網羅的に書かれているものがなかったんですね。だからそういうものを書けば、たぶんみんな手にとってくれるんじゃないかな、と思ったんですね。 主藤 その企画なりアイディアに対して、出版社さん、もしくは編集さんの方から「いや、そんな本あるよ、社会人1年目の本って今さら新しくもないし」なんて話はなかったですか? 岩瀬 なかったですね。むしろ「確かにそうだよね」っていう反応で。マナー術とか、例えば問題解決とかですね、ノートの取り方とか、そういうテーマ毎の本はあるんですけど、入社1年目という横軸で横断的にビジネスパーソンとして要求されるスキルについて書かれた本は確かにないよね、と。 主藤 編集者の方もそうでしたか。 岩瀬 はい。 主藤 じゃあ、企画の出だしはスムーズに。 岩瀬 まあ、そうですね。僕は本をたくさん出しているので、いつも新しい企画っていうのは出版社さんから頂くんですけど、今回は僕から逆に「こういう本を作りたいです」っていうふうにお話しました。そしたら、すぐにやろう、と。

弁護士を蹴って、ボストン・コンサルティングへ

主藤 なるほど。そういった形で決まったテーマ、『入社1年目の教科書』ということですけども、岩瀬さんご自身の経歴のところをちょっと触れていきたいんですが、非常に多彩といいますか、中々ご経験されてないことを20代、30代で経験されているなと、私印象を持っているんですけれども。 まず最初にですね、大学を卒業してからと言ってよろしいんでしょうか、一番最初に就職したところと、就職活動的なことも含めて。 岩瀬 実は、就職活動はしていなかったんですね。司法試験の勉強をずっとしていましたので。それで1社だけインターンの案内があって受けにいった、ボストン・コンサルティングというコンサルティング会社に入りまして。 主藤 その時、就職活動をしていなくて、インターンとしてのお誘いというか、ご縁があった、と。 岩瀬 はい。インターンに1週間か2週間行って、終わったらすぐね、まあ、就職しないか、ということで内定が出ました。それで司法試験も受かっていましたので、弁護士になるかどうかというのをいろいろ考えていたんですが、結果的にそのコンサルティング会社に入りました。 主藤 そのコンサルティング会社に入る魅力と法曹界に行く、迷われたでしょ? 岩瀬 迷ったんですけど、司法試験に合格してるといつでも弁護士になれるんですね。とりあえず何年かコンサルティングやってみて、それでもし合わなかったら弁護士になればいいかな、と。それくらい軽い気持ちでコンサルティング会社に入りました。 主藤 実際イメージしていたコンサルティング会社の仕事と実際の仕事と、どうですか? ギャップというか。 岩瀬 基本的に何やっている会社かよくわかってなかったので、ただ一緒に働く先輩達がすごく素敵だな、って思ったんですね。だから直感的にこの人達に囲まれて仕事をしたい、って思ったんですよ。その当時、いろんな法律事務所も回ったんですけど、この人と働きたいって思える弁護士の先生に会えなかったんですね。なんか皆疲れている様子で、大変そうで。 その点、僕が行ったボストン・コンサルティングっていう会社は、皆先輩達が活き活きと働いていて、かつ個性的で面白い人ばっかりで、でもどこかお節介でいろいろと教えてくれたり飲みに連れてってくれたりして、本当になんかこういう人達に囲まれたいな、というのが動機で。 その後も振り返ってみるといつも、これも本に書いてあるんですが、何をやるかというより誰とやるか、というのを大切にしてきたな、と思ってます。コンサルティングが実際にどんな仕事をしているかって学生には教えてくれないのでよくわからないまま入ったんですが、いつも自分が尊敬する、一緒にいたいと思う人達に囲まれていられたことが、とても幸せでした。

計画立ててうまくいった人は聞いたことがない

主藤 その後、約2年後でしょうか、ベンチャー企業の日本法人の立ち上げに参画したり、あるいはその後、投資ファンドですね、リップルウッド・ジャパン(現RHJインターナショナル)に転職をいたします。 いろいろと転職をされた後に、更に海外に留学、でアメリカのハーバードビジネススクールでMBAのプログラムを習得されている、という風な形で、矢継ぎ早に、って言っていいんでしょうか、決断が早いっていう印象が凄くあるんですけども。 岩瀬 そうですね。話せば長いんであまり一つ一つは話しませんけど、その時々でいろんなことがあって、目の前に現れてきた時に本能的にこっちかな? って思う方を選んでいきました。 主藤 どちらかというとあんまり計画的ではない? 岩瀬 まったく計画的じゃなかったですね。 主藤 今回『入社1年目の教科書』というテーマもあってですね、是非先輩として今の20代の若者達にお話頂きたいなと思ったのは、この20代の転職と言いますか、仕事に対しての考え方、よく巷では最近キャリア・プランということが言われるんですが、いかに計画的に自分の経験を作っていくか、キャリアを積み重ねていくか。 出世じゃないですけど、自分で積み重ねていってマップにして描くということが一番いいことだし、描いていかなければという風に言う若者、学生達は多いんです。そういった方々に向けてアドバイス、というか話ありすか? 岩瀬 そういうことをやって成功した人、聞いたことないです。つまり、人生って何が起こるかわからないわけで、プラン通りに全くいかないのが前提だし、逆に若い頃に立てたプラン通りでしか生きていないとしたら、なんて狭い視野で人生を過ごしてるんだろう、って思うんですよね。 っていうのは、僕自身が今、学生時代を振り返ってみて、まさか自分がこんな風になるとは思ってもいなかった、というか、想像すらできなかったと思うんですね。だから今のちっぽけな自分が思い浮かべられるような狭い世界観でしか、その中でしか生きられてなかったら、すごくつまらないな、って思うんですね。 なので、レールを敷いた人生に乗りたい人はそれでいいかもしれないんですけど、僕はゴールがわかってて何歳になったら何になるかってわかってて、なんてそんな人生は嫌でね。たぶん、そういう人って1割か2割、いると思うんですよね。もしかしたら世の中の大半の人は、もうわかっている方がいい、って言うかもしれないんですが、自分はそういうタイプじゃないな、と。 そういった意味では、キャリアプランなんてその通りいかないし、人生いろんなこと起きるし、若い頃のちっぽけな世界観に囚われてその中でしか生きられなかったら、なんともつまらない理想のない人生じゃないかなと思います。

キャリアを選ぶ3つの基準

主藤 なるほど。今、全く計画していなかったということが出てきましたけれども、その時々でどういう風な判断、価値基準で決断をされているんでしょうか? 岩瀬 そうですね。これも本に書いたんですけど、3つあります。一つ目は何をやるかよりも、誰とやるか。もう一つはですね、これは思い込みかもしれないんですが、自分にしかできない何か、そういう特徴を出せる仕事がいいな、と。そういう意味もあって、僕はいつも小さい組織で働いてきたんですね。 そして三つ目は、社会に足跡を残す仕事、そういうのをしたいなと。そういう風に思って今までのキャリアを選択しました。この本の70ページに、「会社選びの三つの基準」という中に出てきます(笑)。 主藤 (笑)。で、そういった判断で会社選びを考えながら、その時その時の決断をされてきたということですけども。 このハーバード・ビジネス・スクールでMBAのプログラム、ここで上位5%の成績優秀者に与えられるベーカー・スカラー賞を得て、それから帰国。その半年後、ライフネット生命の母体となる会社を設立する、という流れになりますけど、ここでもまた今までの流れからすると、あまり計画はしていなかったということなんでしょうか? 岩瀬 留学するとですね、アメリカのMBAに行って皆起業しよう、っていうそういう雰囲気があるんですね。要するに挑戦する人がかっこいい、と。リスクを取って新しいものを作ろうと挑戦する、そういう生き方こそ賞賛されるべきだ、っていうそういう教育をされるので、僕自身も将来ベンチャーできたらいいな、ということを思っていました。 そういったところで、ある投資家の人から声をかけられて、せっかく1回きりしかない人生なんだから誰にも真似のできない人生を送るべきじゃないかと。いろんなプロジェクトを考えているからそれを一緒にやらないか、と。そういう風に誘われたんですね。その中の一つが、この新しいネットの保険会社を立ち上げるという、そういう構想でした。 主藤 そうするとその判断、というか決断? この新しい会社を設立することについて、検討期間っていうのはどのくらいありました? 何日とか何週間とか。 岩瀬 1月に初めてその人に会って、その時は何をやるかはっきり決まってなかったんですけど、なんか一緒にやろうよと言われて、2月にはもうわかりましたって返事して。ただ、その時は何やるか決まっていなかったんですよ。 いくつかアイディアあるから、その中で何か面白いことやろうって言われてやって、これもまたさっき言ったように何をやるかというより誰とやるかということを考えました。

新社会人が守るべき3つの原則

主藤 それでこのライフネット生命の母体になる会社を設立して、それからいわゆるダボス会議ですね、世界経済フォーラムに、ヤング・グローバル・リーダーの一人に選出されたり、ということになっていくわけですが。 今現在このライフネット生命の副社長ということで、社長と共に会社を大きくして東証マザーズに上場するというところまできたんですけども、この本の「はじめに」っていうところに、原則ということで三つ、触れていらっしゃいます。 私はこの本の中をずっと読んでいって、本全体には計50の項目があるんですが、一つ一つが非常に具体的で、なおかつ働く人の現場に密着した内容だと思うんですね。しかし、「はじめに」に書かれているこの三つの原則、ここに集約されることが50にわかれているだけじゃないかという風に感じました。 この三つの原則というのは、一つ目は「頼まれたことは必ずやりきる」二つ目は「50点で構わないから早く出せ」と。そして三つ目は「つまらない仕事はない」。 それぞれにいろんな想いだとか仕事に対する考え方というものがあると思うんですけど、岩瀬さん自身がこの三つに集約されるよ、という風に至った経験だとかエピソード、考えっていうのがもしございましたら、お聞かせ頂きたいと思うんですけど。 岩瀬 はい。この三つを言い換えるとどういうことかっていうと、一つ目の「頼まれたことは必ずやりきる」というのは、「信頼される人材になれ」、ということなんですね。特に入社1年目、あるいは転職1年目の方もそうなんですけど、まず社内でアイツは任せられる奴だとかアイツはキチンとしてる奴だと、そういう風に信頼されるっていうことが、一番大切なんじゃないかという風に思っています。 ビジネスパーソンとしての最も大切な資産って、やっぱり信頼だと思うんですね。評判とか信頼。皆さんも社内を見渡してみるといると思うんですけど、あの人きっちりしてるよね、とか、あの人絶対遅刻しないよね、とか、あの人間違えないよね、とか、そういう人っていると思うんですよね。 とにかく、頼まれたことは必ずやりきれというのは、あの人に頼めば絶対にやってくれる、とそういう風に信頼を得る。それを目標にしよう、ということです。 【書籍版】入社1年目の教科書【電子書籍版】 amazonへ

  
この話をシェアしよう!
シェア ツイート はてブ
「計画通りやって成功した人を見たことがない」ライフネット生命・岩瀬大輔氏が語る、キャリアプランの落とし穴

編集部のオススメ

いま、大手・優良企業の求人が増加中です。エン限定求人、約80%!新着求人を今すぐチェック PR

おすすめログ

おすすめログ

人気ログランキング

TOPへ戻る