事業領域

松本俊人氏:それでは、株式会社アズ企画設計の、2018年2月期決算報告説明会を開始いたします。お手元の資料の3ページをご覧ください。

当社の事業セグメントについて、簡単にご説明いたします。当社の事業は、こちらの図にあるとおり、不動産販売事業をメインとして不動産賃貸事業、不動産管理事業、この3つの事業を行っております。

2018年2⽉期 決算サマリー

4ページをお願いします。2018年2月期の決算サマリーです。

やはり、不動産販売事業が成長の要因となり、売上・営業利益・経常利益・当期純利益が、ともに前期比で大幅に増加をしております。なお、当期純利益の突出した伸び(の要因)は固定資産を売却したことによる、特別利益を計上したことです。各経営指標についても、下のグラフにあるとおり、前年比で横ばいあるいは改善の傾向を示しております。

2018年2⽉期 経常利益の増益要因分析

5ページをお願いします。2018年2月期の、経常利益の増益要因です。

おもに、主力の不動産販売事業の利益増が原因となっております。対して、不動産賃貸事業と不動産管理事業については、売上総利益の伸びはあるのですが、販売費の増加がそれを上回っております。

セグメント情報

6ページは、セグメント情報です。

不動産販売事業(の売上高・営業利益)が大幅に増加いたしました。不動産販売事業については、(販売)件数が大きく伸び、また、期末近くに大型の物件の売却も進み、売上・利益ともに大幅な伸びとなっております。具体的な状況については、後ほどお話しいたします。

不動産賃貸事業については、「アイルーム」という東北でのビジネスホテル事業となっておりますが、(そちらを)大槌町で1件新設いたしました。また、神田と東陽町において、シェアオフィス事業を開業いたしました。アイルームについては、一昨年(2016年)に開業した「アイルーム釜⽯鵜住居」が通年で稼働したことにより、利益に貢献しております。

今期(2019年2月期)は、アイルームが通年で利益に貢献しますので、今後の不動産賃貸事業の売上の貢献が予想されます。

不動産管理事業については、売却した物件の管理受託が増加し、売上・利益を増やしております。

セグメント別サマリー① 不動産販売事業-1

7ページをご覧ください。セグメント別サマリー(の1つ目)、不動産販売事業です。

不動産販売事業については、販売物件数の順調な伸びにより、大幅な売上と利益の増加になりました。当社は、1億円以下の小規模の物件が非常に得意だったのですが、これまでと異なるトレンドとしては、高単価の物件の取り扱いが増えてきております。

2019年2月期の仕入れについても、順調に行っております。

セグメント別サマリー② 不動産販売事業-2

次に、8ページをお願いします。収益不動産のセグメント別サマリーですが、(過去)3年間で65棟、前期(2018年2月期)は27棟販売いたしました。(2018年2月期の販売)エリアは1都3県。そして、物件の価格帯です。1億円未満の物件を得意としているのですが、直近では3億円〜5億円。2018年2月期では5億円以上の物件の売却も、複数取り扱うことができました。

セグメント別サマリー③ 不動産販売事業-3

9ページをお願いします。当社の販売用不動産の期末の在庫です。前期末(2018年2月期末)は契約済みのものを含め13件、約30億円。2017年2月期が8件、約15億円。2016年2月期が6件、8億5,500万円と、順調に在庫の件数と残高を増やしております。また、在庫の保有日数は、前期は約160日で推移いたしました。

セグメント別サマリー④ 不動産賃貸事業・管理事業

10ページをお願いします。不動産賃貸事業につきましては、東北の復興支援のビジネスホテルですが、「アイルーム大槌」の開業を行いました。そして、神田と東陽町でシェアオフィス事業を開業いたしました。

不動産管理事業としては管理物件の、管理受託の規模が拡大いたしました。

2018年2⽉期 貸借対照表

続いて、11ページです。2018年2月期の貸借対照表です。

こちらの、下から3行目が有利子負債比率ですが、こちらは減少しております。これは、前期(2017年2月期)、千葉で保有しておりました、ビジネスホテルを売却したことにより、長期の借入金が減少したことが、要因となっております。

また、自己資本比率は、前期末において、12.0パーセント(だったもの)が(2018年2月期は)15.3パーセントと改善しています。こちらは(2018年)3月29日に上場いたしまして、資本金が1億2,936万円と増加しておりますので、3月の時点では自己資本比率が20パーセント程度に(さらに)改善しております。

その他、当社の強みである、表の一番下の棚卸資産回転率です。前期も4.0ポイント、当期も4.0ポイントということで。同業他社と比較して、資産の回転率が高いのではないかと考えております。

2019年2⽉期 業績計画

続いて、13ページです。2019年2月期、今期の計画と中期計画についてご説明いたします。

2019年2月期の業績計画ですが、一言で申し上げますと「ジャンプしてかがんだ状態」という感じになると思います。主力である不動産販売事業を中心に、トップラインの売上高は順調な成長を見込んでおります。ご覧のように、営業利益・経常利益も順調に増えておりますが、(当期純利益が減少する)要因としては、2つあります。

上場の1つの理由でもあった採用面の強化をすることにより、人件費のコストがやや増加いたします。それから、上場関連の費用が増加することにより、販管費が増加し、一時的に利益を逼迫することになる見込みです。

それから、前期(2018年2月期)は、固定資産を売却し、特別利益を8,600万円ほど計上しましたが、今期はそのような特別利益がありませんので、当期純利益が、こちらにあるとおりマイナスを見込んでおります。

2019年2⽉期 セグメント計画

セグメント別の計画ですが、(2019年2月期の)売上高81億3,800万円の内訳として、不動産販売事業が73億2,800万円、不動産賃貸事業が6億9,000万円、不動産管理事業が1億1,900万円となっております。不動産販売事業が(前期比)30パーセント程度の伸びで、賃貸事業と管理事業はそれぞれ4.8パーセント、4.1パーセントの伸びを見込んでおります。

不動産販売事業においては、物件の売却数の増加、それから高単価の商品を取り扱うことにより、売上高の増加・成長を見込んでおります。

中期成⻑イメージ

続きまして、中期成長イメージです。

3年後の2021年2月期は、2018年2月期と比較しまして、売上高は2倍・経常利益は2.4倍程度の伸びを目指しております。2020年2月期と2021年の2月期は、売上高の増加・利益率の改善等を目標に事業に、取り組んでまいります。

具体的な政策としては、当期(2018年2月期)に重点的に行っている人材の獲得・強化を引き続き行うほか、後ほど述べますが、3つの成長戦略がございます。それから、中期計画の数値については、(2018年)8月の中間決算後に発表いたします。

株主還元

株主還元については、現在内部留保の充実に注力させていただきたいと考えております。

強みと特⻑

続いて、18ページです。当社の強みと特長について、ご説明いたします。

当社は不動産仲介・賃貸管理ビジネスを主業とした歴史があります。収益改善のチームによる開発力。「開発力」というのは収益を極大化する、当社のノウハウのことを表していますが、そのような力を駆使して、不動産ビジネスを展開しております。

仕入から販売までをスピーディーに行うための決定力。それから収益改善を実行する開発力。そして熱意・向上心・柔軟性のあるユニークな人材が活躍できる組織力。これら3つの力を合わせ、当社の社名の由来でもあるAtoZ、企画力を作り上げております。

決定⼒

19ページで「決定力」について、具体的にご説明いたします。

不動産販売の仕入から販売までのスピードを表しております。収益不動産のチームが、物件の目利き・仕入れ交渉・販売等を行っております。賃貸のプロパティマネジメントのチームが、物件の仕入の段階でリーシングやリノベーションのプランを作成し、(賃貸物件を)満室にして、ビフォーアフターの賃料のバリューアップを行っています。それぞれ同時に作業を行い、前期(2018年2月期)は仕入から販売まで、平均約160日を実現しております。

開発⼒

20ページですが、その(プリパティマネジメントチームによる収益改善の)フローです。

もう1つの強みである、「開発力」のフローとなります。収益不動産の収益を極大化する力を表しています。市場調査や物件調査などを行い、収益改善のプラン、リーシング・リノベーション、管理状況の改善等のプランを作成。そして、物件購入後速やかにプランを実行し、満室にして家賃を上げる。そのようなプロパティマネジメントの収益改善の流れになっております。

開発力:収益改善実績事例

その実例が、次の21ページです。こちらは、府中にある築25年のRCレジデンスマンションです。18室のうち、9室……半分が空室状態でした。

この状態で当社が購入し、リノベーションとリーシングのプランを作成し、一番高い賃料になる客層を想定したリフォームを行いました。これにより、ビフォー(仕入時の賃料)で8万5,000円(だったものが)、2ヶ月後に約12万円と、3割ほど賃料をアップさせて満室となりました。日頃このような収益改善を行い、物件の価値を高めております。

組織⼒

続きまして、22ページは「組織力」です。

不動産に精通したプロフェッショナルの集団を目指し、日頃から熱意・向上心・柔軟性のある人材の採用・育成に取り組んでおります。当社の場合、新卒採用・中途採用だけではなく、一度辞めた社員が約24パーセントほど、Uターンということで戻ってきて、活躍しております。このようなさまざまな社員が、社内の活性化を図って働く環境を良好な状態にしております。

市場認識

続きまして、成長戦略です。

当社の取り組んでいる中古の不動産市場です。右側のグラフは、賃貸物件の築年数別のストック数です。当社が対象とする物件は、市場に700万戸以上あり、今後も築年数の経過とともに増えていく見通しです。また、そのなかでも空室率が年々増加しており、当社が取り組む一都三県での不動産の案件数は、追い風となっております。

今後の成⻑戦略

このような市場認識のもと、(成長戦略として)当社の得意な多様なソリューション(展開)。居住用の賃貸(物件)だけではなく、コンテナ・トランクルーム・コインパーキング・シェアオフィス・貸し会議室等の多様なソリューションを用いて、不動産の賃貸事業や販売事業を拡大してまいります。

そして、エリアの拡大です。当社は3年前に東京支社を開設しましたが、現在、埼玉と東京以外に神奈川や千葉の案件数が増えております。案件数の増えてきたエリアに拠点を展開し、不動産販売事業の売上の拡大を図ってまいります。

マーケティング戦略は、現在はBtoBの、仲介業者さんを通じた不動産の購入・販売を行っておりますが、Webマーケティングを強化し、不動産オーナーからの情報の仕入れ、それから投資家への直接の販売を強化してまいります。

成⻑戦略 Ⅰ多様なソリューション展開

26ページが、多様なソリューション展開の具体例です。

こちらにあるように、貸し会議室・シェアオフィス・コインパーキング・貸しコンテナ・収益店舗・コンテナマンション、ホテル開発・トランクルームと、普通のアパートやマンションの賃貸だけでなく、このような多様なソリューションを活かした賃貸事業を行っております。

未利用の建物(の例として)、スライドにある貸し会議室も、昭和56年築の建物です。当社が貸し会議室にする前に、2年ほど空いていたそうです。このような古い建物、不稼動の建物や未利用の土地等の活用を、得意としています。

ソリューション事例:クロス展開

ソリューション事例ですが、こちらは当社が購入した品川のオフィスビルです。4階部分が100坪ほど(1ヶ月あたりの賃料が)120万円で、やはり、当社が購入する前は2年ほど空室でした。

こちらをシェアオフィスとしてソリューション展開したことで、月額170万円に賃料がアップし、差額として月額50万円・年間600万円の賃料アップを実現しました。この地域の利回りが5パーセントだとしますと、物件の収益還元で1億2,000万円分の粗利益アップに成功したと考えられます。このようなソリューションを活かして、空室の多い物件の購入と開発に力を入れてまいります。

成⻑戦略 Ⅱエリアの拡⼤

成長戦略の2つ目です。埼玉の本社と、3年前に開設した東京支社で、販売事業の売上が急激に伸びました。それは、おもに東京と神奈川の案件数が増えたことによります。神奈川は横浜市、それから川崎市と500~600万人の人口がありますので、埼玉に比べると案件数も非常にストックがございます。現在、東京支社と埼玉の本社で事業を行っておりますが、新規の拠点を開設し、事業の拡大を図っていこうと考えております。

成⻑戦略 Ⅲマーケティング戦略

続いて、成長戦略の3つ目です。毎月こちら(東京支社)の会場で、「アズサロン」という不動産業者の交流会を開催しております。また、それだけではなく、異業種との交流会(を行っております)。このような貸し会議室の運営を、当社が複数の地域で行っていきますので、そちらの会議室を利用していろいろな交流会を展開し、物件の情報の収集、それから人脈の拡大に努めてまいります。

先ほど申し上げました、BtoCのWebマーケティングを強化しておりますが、不動産オーナーから仕入・開発した物件の販売を直接投資家に行うBtoCの営業にも、今後注力してまいります。

企業概要

31ページ以降は会社概要になりますので、簡単にご説明いたします。

当社の本社は、川口市にございます。1989年の4月に設立しまして、(2018年)2月現在で社員40名・パート社員17名、(合計)57名の従業員数となっております。

企業理念

続いて、企業理念です。「AからZまで幅広いニーズに対応できる会社に」ということで、アズ企画設計のA・Zには、そのような思いを込めております。企業理念は「空室のない元気な街を創る」を掲げております。「vision」「mission」「value」「member」という、4つのキーワードを行動規範にしております。

沿⾰と業績推移

沿革と業績です。1993年から私が経営を引き継ぎ、2008年に売上高が10億円を突破。2014年に、東北でビジネスホテル(の運営)を開始し、2015年に東京支社を開設。そして、2016年2月には都市型のビジネスホテルの運営も開始いたしました。このように順調に売上を拡大してきております。

不動産販売事業①

不動産販売事業のフローですが、先ほど申し上げましたとおり、このような図になっております。

収益不動産事業においての当社のポジショニングイメージ

こちらが、収益不動産事業における当社のポジショニングです。

先ほど(申し上げたように)不動産の棚卸資産回転率が4.0ポイントということで、収益不動産の販売を行っている他社と比較して棚卸資産回転率がやや高いです。そのため、こちらの点が、当社の現在の強みになっているのではないかと考えております。

不動産販売事業②

また、収益不動産のなかで、レジデンスや(オフィス)ビルだけではなく、ビジネスホテルも取り扱っております。宿泊単価や稼働率の低い、おもに(室数が)50室程度のものを予算的に扱っておりますが、リノベーションとオペレーションを強化することによって、稼働率・客室単価を上げ、そのうえで投資家に販売をしております。

不動産賃貸事業①

こちらは賃貸事業における、不動産賃貸領域と空間再生領域です。基本的にオーナーさんの建物や土地を借り上げて、転貸するという事業を強化しております。

不動産賃貸事業②

不動産賃貸事業は、東北でビジネスホテル領域の展開をしております。だいたい600坪〜1,000坪くらいの土地を地主さんからお借り上げして、当社でホテルを建築し運営しております。現在、東北で4棟を運営しております。

不動産管理事業

続きまして、不動産管理事業です。こちらのビジネスモデルは、従来からある不動産の賃貸管理、ハード面の管理とソフト面の管理を当社も行っております。不動産販売事業を強化することによって、賃貸管理の受託件数を増やしております。

以上で、私からの決算説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。