AI時代には人間の「無駄さ」が武器になる?

亀山敬司氏(以下、亀山):今からAIとかいろいろできてくるじゃない。その中でどうやって生き残るかっていうと、AIを超える知能を持つか、愛されるキャラを持つかしかないじゃない。

ホームレス小谷氏(以下、小谷):そうですね。「無駄さ」というか、ロボットにはできへんやつね。

亀山:まあロボットにホームレスはできないわな。50円じゃコスト合わないからね。

小谷:僕は遅刻とかしますからね。AIは正確ですから。

亀山:遅刻するとこから始まる(笑)。そこで笑いをとるところからだもんね。

小谷:笑いをとったかどうかはわかんないですけど、僕を呼んでくれる人はみんな寛大やから許してくれてるみたいな感じです。遅刻した僕を笑ってくれるかどうかで、その人が今日疲れているかどうかがわかります。

亀山:俺なんか、猪子とか家ちゃん(家入一真さん)で慣れてるから、あんまり気にならないかな。

小谷:来ないっすからね。あの人ら来ないでしょ? 来ます? あの人たち。

亀山:ホリエモンは一応、時間は守るかな。

小谷:偉いなぁ。

亀山:猪子は1時間以上は遅れるかな。でも、とりあえず来るは来る。家ちゃんは「呑みませんか?」ってメールが来て「おー呑も!」って返したら、そのまま返事来ないんだよ。

小谷:うわ、すご! 自分から誘っといて(笑)。

亀山:そのまま、「シーン……」って感じ。

小谷:急に気分が変わったんですかね。その瞬間は亀ちゃんと呑みたかったけど、メールが返ってきた瞬間に「なんかちゃうな」みたいな。

亀山:そういうのに慣れてると、今日の小谷の5分10分の遅刻ぐらい、かわいいもんよ。

小谷:よかった。家入さん猪子さん、みなさんありがとう。みんなのおかげや! みんなのおかげで寛容なってるわ。許されるわー。

結婚式代250万円を2週間で集めた方法

小谷:亀ちゃんは怒ることってないですか?

亀山:あるかもしれないけど、遅刻はどうでもいいかな。俺も昔はいい加減だったから。

小谷:ええ人やな。ラッキーやな。みんなこの人の近くにつけてよかったやん。

亀山:でも、あんまり緩くしすぎたら(DMM)アカデミーのこいつら、好き放題始めるんじゃないかなって思ってて。ちょっとシメないといかんかな。

小谷:(観客に向かって)シメられると思ったら、逃げたらええから大丈夫やぞ。

亀山:お前らよかったじゃない。今日逃げ道1個増えたじゃん。

小谷:うちのとこ来てや〜(笑)。でも僕を囲ってるのは亀ちゃんやから、結局バレるけどな。そういう仕組みになってんねや。

亀山:小谷って「CAMPFIRE」でもいろいろやってたよね?

小谷:はい、クラウドファンディングよくやってますね。もう20回くらいやってます。

亀山:この前、小谷をネットで見たら、「クラウドファンディングで結婚しました」ってあったけど。それで結婚したの?

小谷:そうです。

亀山:何ちゃんだっけ? お嫁さんの名前。

小谷:もんちゃんです。

亀山:「もんちゃんと僕結婚しまーす」「結婚式したいでーす」って言って集めたの?

小谷:はい。「遊園地の花やしきを貸し切って、ド派手に結婚式したい」と。やっぱり、ド派手なほうがいいじゃないですか。それで、もちろんお金はないので「お金ください」って言って集めましたよ。

亀山:それでいくら集まったの?

小谷:2週間で250万くらいです。

亀山:あら、すごいじゃない。小谷すごいな。

小谷:いや、僕の力じゃないです。みなさんの力です。西野さんとか家入さんにも協力してもらったので。僕はもうホンマに何もやってないんで。

「小さな経済圏」で生まれる新たな価値

亀山:みんな小谷の結婚を祝いたいということなんだね。それが家ちゃんの言う「小さな経済圏」みたいなものか。

小谷:おっしゃるとおりです。友達圏内やけど、みんなその友達の中は「応援し合おうぜ」みたいな。結婚式には500人くらい来ましたね。遊園地がパンパンになりました。

亀山:500人が参加して一緒に祝ってくれたんか。

小谷:やっておもろかったんが、夜の遊園地でお酒飲み放題にしたんです。それで二次会で嫁が各テーブルを周ってたんですよ。いろんなテーブルを挨拶周りで、「今日はありがとうございました!」って。

そしたら、何個目かのテーブルで「ありがとうございました!」って言ったら、男性が1人、「今日、誰の結婚式ですか?」って言ったんですよ。要は、その人は遊園地に飲み来ただけだから、結婚式やってるとかよくわかってなくて。

挨拶来たけど 「君がもしかして花嫁さん?」みたいな。「私です」って言うと、「あーおめでとう!」ってなったんですけど、それぐらい関係ない人も来てたんですよ。でも、それでいいなって思って。だって、目の前で結婚式やってたら、僕が関係ないやつでも「おめでとう」って言いますもん。

亀山:たしかにね。どっかのホテルでワーっとなってたら適当に盛り上がって参加して「ワー!」とか「おめでとう〜!」とかやっちゃうよね。

小谷:ありますよね。サプライズで急にレストランで「ハッピーバースデー」ってなったら拍手しますよね、あの感じです。あれを結婚式でやってみたっていうだけです。やってみたらめっちゃピースでした。

亀山:みんな、お祭りに参加してるみたいなもんだね。

小谷:その結婚式で出会った人がカップルになって、後日お礼に来たりするんですよ。「小谷さ~ん」て言って。「何~? お金でも借りたかな?」とか思ってたんすけど「なになに?」って言ったら「実はあの結婚式で初めて出会って、意気投合して今付き合ってるんです」とか。「えーまじで? やったやん!」とかそういうこともあります。

亀山:小谷がプラットフォームの真ん中にいて、そこでワイワイと勝手にみんな遊んでるみたいな感じ?

小谷:そうです。僕が「何かしようか」って言ったりはしてないですね。僕はそこにおるだけみたいな。だから僕あんま把握してないときありますもん。

言語は別だが○○は世界共通

亀山:おもしろいもんだね。たしかにね、そういう感じでみんな楽しんでるんだからね。それで時々ベビーシッターやったり、草むしりやったり、知らない人のお見舞い行ったり。

小谷:ヌードしたり、ずーっとそれ続けてて、毎日「初めまして」なので。海外もそれで行くので今。

亀山:海外も行ってるんだ?

小谷:今月も、もう2回行きました。ハワイと香港。

亀山:それは何? 海外の人に呼ばれたの?

小谷:そうです。「50円で呼びたい」って言われて。

亀山:旅費は出してくれたの?

小谷:はい。出してもらって行きました。それでハワイ行って、その人と喋ってホテルも取ってもらって。

亀山:すごい国際的じゃない。呼んでくれるのは向こうにいる日本の人?

小谷:日本人の方です。

亀山:小谷は英語は喋れるの?

小谷:喋れないです。英語喋れんくても、隣に外国の方がいたら普通に声かけますし、ご飯食いたいとか、楽しいとかは伝わると思ってます。「グググッ」って言ったらご飯食わしてもらえますよ。言葉とか関係ないですもん。

亀山:確かにね、俺もまったく英語できないもん。

小谷:そうですよね、絶対そうですよね。って決めつけちゃった(笑)。

亀山:俺の何を知ってんだ、お前は(笑)。

小谷:コミュニケーション力の鬼なんちゃうかなと思って。

亀山:逆に、英語力ないからモンゴルとか行ったときは、遊牧民とかいるじゃない。そんときにガッて近づいていって、ビスケットをこうお辞儀しながらあげたら「まあ入ってけ」みたいになって、泊めてくれたりしたからね。

小谷:僕とやってること変わらないっすよ。

亀山:神は言語をわけたらしいけどね。表情は世界共通。一緒にしてくれて助かったよね。

小谷:表情も違うかったら僕もう死んでますよ。

亀山:「ワハハ~!」って言ったらボーンって殴られるとかね(笑)。

海外で外国人にウケる鉄板ギャグ

小谷:めっちゃ怖いわ、そんなん。最近、ギャグとかユーモアとかあの辺の感じって、たぶん全部一緒やってことがわかってきたから、そこわかっといたら別に怖くないやんと思って。

笑って抱き合えばそれでOKだもん。ほんまにそうですよ。「ウィーアーザファミリー」っ言うとだいたいウケるんです。「アイムジョンレノン」って言ったら絶対ウケるんですよ。ちゃうやん 「ノーノー!」って言われたりして(笑)。

亀山:鉄板のギャグあるんだね。

小谷:ビートルズは鉄板っすよ。亀ちゃんもぜひ海外行ったら言うてください。ジョン・レノンは誰でも知ってるから。日本で売れてる人とかはわからへん人おるけど、ジョン・レノンはみんな知ってるから。

亀山:俺はもう鉄板で「カラテ! カラテ!」 とか「カラテマン!」 とかってやってたよ。

小谷:やってること一緒やん。

亀山:カラテをやったことはないんだけど、海外の人は日本人だったらみんな空手やってると思ってるから(笑)。海外の人からしたら、ジャパニーズ・ドラえもんが「ジョン・レノン」って言ってるわみたいな、そんな感じなのかな。

小谷:それだけ聞いたら、むちゃむちゃ嘘くさいですねそいつ(笑)。パチモンみたいな。今年はもうちょっと外国の方といっぱい会って、外国もいっぱい見て、もっといろんなことに気付ければおもしろいなと思いました。

小谷&かめっち、マリオブラザーズの結成なるか

亀ちゃん、一緒に海外行きますか? 一緒におもしろそうなところに行って、ヒッチハイクとかお金持たずに泊めてもらうとか。めっちゃ生きてる感じしますよ。

亀山:昔よくやったからいいや(笑)。この間HISの社長も1人旅したいとか、記事が出てたよね。

小谷:ありましたね。周りが「働きすぎや」みたいなやつですね。

亀山:あの人、旅行に行ってから「行ってきたんだ」のほうがよかったと思うんだよね。「今から行くよ」って言ったら誘拐されちゃうよね。心配だよね。

小谷:ほんまやな~。「行って来た」ぐらいのほうが軽くていいすね。「行って来たわ」 みたいな。社員さんみんなに「どこ行ってたんすか?」て心配されてね。

亀山:俺は顔出ししてないから誘拐されにくい。

小谷:そのメリット共感し辛いわ。みんな「そっかー」 って真似せーへんわ。みんな顔出してるから。

亀山:でも、確かに顔出てないから、いつでも一緒にホームレスできるよね。バレないからさ、気が向いたらやるわ。資本主義の社会に飽き飽きして「ここもう俺の住むとこじゃない」って思ったらさ、緑の服を着て(笑)。

小谷:緑の服と緑のニット帽も必ずお願いします。なんかスーパーマリオブラザーズみたいになってきた。マリオとルイージや! マリオとルイージで売りましょうか? これウケますよ。日本っていったらマリオ、任天堂ですから。オリンピックの閉幕式でもやったくらいでしょ、安倍さんがマリオの恰好して。

亀山:これいけまっせ?

小谷:これいけるやん! やったほうがいいっすよ。別に亀ちゃんって名乗らなかったらええだけやから。「あのルイージのおっさん誰やねん」ってなるだけやから。

亀山:ルイージと

小谷:マリオで! これぐらいのがええねん、外国の人が「写真撮らせてくれ」って言って。亀ちゃんは顔出してないから、なかなか「写真撮らせて」って言われてスマホで写真撮ることもないじゃないですか。

でも、ルイージの恰好してたら撮られる人の気持ちも味わえるので、悪ないっすよ。そしたらもう海外進出ですよ。こっちから攻めて「亀ちゃん何してんねん」って言われたらいいんすよ。