「株は連想ゲーム」という人に儲け続けている人はいない?

中原良太氏(以下、中原):こんにちは、株式予報の中原良太です。

今週も動画セミナーの収録をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

今週はどんなテーマでお話をしていくかというと、株は「連想ゲーム」ではないというテーマで、動画セミナーを収録していきたいと思います。

なぜこんなテーマでお話をしようと思ったのかというと、インターネットを検索すると、あるいは本でもそうなんですけれども、株は「連想ゲーム」だ、みたいな話をよく耳にするんですね。

個人的には、株は僕は「連想ゲーム」ではないと思っていて、そこに議論の余地があるのではないかなと。真っ向から否定したいわけではなくて、ちょっと違うんじゃない、と物申したいことがあって動画セミナーとして収録していこうかなと思いました。

株は「連想ゲーム」なんだと思っている方は、考え方を変えるきっかけになればなと思っています。

今回の講座の目的です。

お金を失わないために株式投資の正しい捉え方、株は本当に連想ゲームなのか、ということを、僕なりの考え方をお伝えしたいなと思います。

株は連想ゲームだという話をよく耳にします。

例えば、「円安が来たら輸出株である自動車株が上がるんだ」、「原油が上がった、そうしたら石油株が上がるんだ」とか、「ミサイルが発射された、だから最近は防衛関連株が上がるんだ」、「地価が上がった、そうしたら不動産系の会社が賑わうから、不動産株が上がるんだ」とか、なにかイベントが起きたら、それに対して連想されるような銘柄の株価が上がるんだといった想像力を膨らませることによって、利益を出してお金持ちになれるんだ、とみんな言うんですよね。

株なんてただの連想ゲームだよ、簡単だよ、みたいな話をよく聞くんですけれども、これは果たして本当なのかと思っています。

円安になったら自動車株が上がる、原油高になったら石油株が上がる、ミサイルが発射されたら防衛株が上がる、地価が上がったら不動産株が上がる、これはもっともらしい連想ゲームですよね。

あと、他にもいろいろあると思います。

連想ゲームで利益を出せるかどうか、例えば、「今年の夏は暑いな、アイスクリーム売れていそう。アイスクリームを売っている会社ってどこだろう、そこの株買ってみようかな」とか「今年の冬は寒いなあ、防寒具が売れてそう、服を売っている会社ってどんな会社があったっけ、冬服が有名な会社といえばあそこだよな、あそこの株買ってみようかな」とか。

たかが連想ゲームですよね。そんなゲームをやっているような感覚で本当に利益って出せるの? と僕は疑問に思うんです。

僕はどうしてもそうは思えないんですよ。

連想ゲームで儲かるなら、今ごろみんな億り人

僕なりの考えをこれから共有したいと思います。

警告! 僕は株のことを連想ゲームだとは捉えていません。

そういうサイトはたくさんあるんですけれども、僕はどれを読んでもしっくりこなくて、結果論じゃないの? って思ってしまうんですよ。結果的にそうだったよね、とか、あとは、ちゃんと検証したの? 無責任なこと言ってない? って思うんですね。

例えば、連想ゲーム、さっきの「冬になって寒いから、暖かい服を売っている会社の株が売れる、伸びるんじゃないか」みたいな連想ゲームって、本当に儲かるのか。

正直、そんなことで儲かっていたら誰だって儲かるじゃない。みんな億り人になっているでしょ、と思うんですね。僕ら投資家だってばかじゃないので、連想ゲームをやろうと思えば誰でもできると思うんですよ。世の中連想ゲームなんていくらでもできるわけで、それで利益を出せたら苦労はしないわけですよ。本当に、株が連想ゲームだったら僕はもっとお金を持っているはずなんですよ。もう動画なんて収録しないで、仕事なんてしないで、豪遊しているかもしれない。 シンガポールとかで別荘を買っちゃって、そういうところで悠々と暮らしているかもしれない。

でも、実際はそうじゃないんですよ。

連想ゲーム、連想ゲームと言いますけれども、本当にそれで儲かっている人ってどれだけいるんだと、思うんですね。証拠を見せろ、と思ってしまうんですよ。

連想というのは、僕個人の捉え方ですけれども、株の本質ではないと思っています。

連想は、じゃあ本質ではないとしたらなにかというと、どちらかと言ったら枝葉の部分、おまけ的な要素、あるいは入り口だと思っていて、連想というのは単なるアイデアであって、アイデアで利益を出せたら苦労しないんですよ。もちろん、アイデアは大事です。アイデアが不要だとは言いませんが、ただ、アイデアだけではないと思うんですね。

アイデアに振り回されているうちはいつまで経っても成績が安定しないというのが僕の持論で、僕が実際にそうだったんですね。あの株儲かりそう、とか、最近ニュースで見ました、今年は花粉が例年の2倍あると、毎年同じことを言っている気がするんですけれども「花粉が今年も増えた、だから、マスクを売っているあの会社の株が上がるんだ」とか「花粉の薬を売っているあの会社の業績が上がるんだ」とか。

考えればいくらでも出てくるじゃないですか。でも、実際にそれで儲かっているのか、と言われると、わからない。

もっと大事なのは、儲かっているかどうかは大事ではなくて、儲け続けているかどうかが大事で、僕は、連想ゲームで儲け続けている人を知らないんですよ。10年、20年とか、長期的に渡って、その方法で成功している人って知らなくて。

連想ゲームって本当に、みんな単純に株をやっていない人に株をそそのかすための営業トークじゃないですけれども、ポジショントークに近いものなのではないかなと思うんですね。カモを引っ張ってくるじゃないですけど、株って簡単にお金儲かるんだよ、みたいなことをそそのかして、カモを捕まえるための口実というか、営業トークなんじゃないかなと。僕がよこしまな人間だからそう捉えてしまうのかもしれないですけれども、僕はそういうふうに捉えているんですね。

僕は、株で大事なのは連想ではないと思っています。じゃあ、連想ではなくてなにが大事なのかというと。

連想なんて誰かに任せて、裏を取るべき

じゃあどうすれば勝てるのかというと、僕は、株は連想ゲームではなく、裏付けを取るゲームだと思っています。

例えば、連想重視の考え方だったら、円安という事象があったら、「円安だったら自動車の株の業績が上がるな、だからこれから自動車株が上がるかも」という「かも」という考え方で運用すると思うんですね。

逆に、円高になったら自動車株が下がるかも、という発想になって、自動車株が売られるんじゃないか、そろそろ売ったほうがいいんじゃないか、という発想になるかと思います。

連想重視だと「かもしれない」で運用するんですね。わからないんですよ。果たしてその連想が合っているか、合っていないかもわからないし、その効果の検証ってしないんですよね、みんな。それが仮に間違いだったり、逆だったりしたらもうとんでもない間違いを冒しているわけで、そんな簡単に資産って運用してはいけないと思うんですよ、僕は。頑張って働いて貯めたお金で、家族の生活もかかっていたりするわけなので、連想という、そんな気軽な考えでお金を運用していいとは、僕は微塵も思わないですね。

その代わり、なにを取るかというと、連想から得られる裏付けが大事だと思っていて、例えば、円安、これは例えばなので、適当に数字を入れただけなんですけれども、円安になったら、例えばドル円が1円動いて、1円円安になったら7割の自動車株が1ヶ月以内に上昇しているとか、1ヶ月で何パーセントくらい株価が上がっているとか、という裏付けをとって、運用するかどうかを決める、これがすごく大事だと思うんですね。

連想は入り口でしかないんです。連想して、裏付けを取って、その裏付けを元に運用するというのが僕は大事だと思っていて、裏付けを取らない人があまりに多い。なんとなくいける気がする、とかね。

なんでそんなに簡単に100万円、200万円、すごく多い方だったら1,000万円、2,000万円とかね、ぽんぽんぽんぽん運用してしまうのかなと思ってしまうくらい。それ、10年かけて貯めたお金でしょ? とか、20年かけて貯めたお金でしょ? というのを、連想ゲームで運用してしまうってどんな神経しているの、と僕は思うんですね。そんな怖いことできないですよ、僕には。

だから、連想とかじゃなくて、そもそも勘なんかに任せないで、裏付け取ろうよ、って思っちゃうんですよ。僕は裏付けを取るのが大事かなと思っていて、仮に、連想して裏付けが取れなかったら、それって連想が間違っているってことなんですよ。あるいは、連想があまりに突飛すぎて誰もやったことがないとか、どっちかだと思うんですけど。

裏付けの取れない運用方法ほど危ないものって僕はないと思うんですね。

仮に連想が間違っていたら、裏付けを取った時に、例えば円安になった時に自動車株が上がるかも、と思う方多いと思うんですけれども、実際にそれを調べました。

これが仮に調べてみて、円安になった時にはもう遅くて、円安になってから自動車株って例えば1ヶ月以内に8割が下がっているという事実があったら、その事実を知ってしまったら、たぶん自動車株買わないですよね。円安が起きたとしたら。

むしろ売りますよね。空売りしたくなりますよね。

というので、裏付けを取っていますか、という方が連想なんかよりずっと大事だと思うんですね。大事なお金を運用するので、それくらいやって然るべきだと思うんですよ。大事なのは、連想じゃなく裏付けなんです。

僕は、連想上手になりましょうとは一言も言わないです。

連想なんて、ネットとかを調べれば、いくらでも連想している人がブログの記事とかアップしているので、別に、他人がやっていることを自分がやっている必要はないんですよ。でも、裏付けを取っている人ってあんまりいないですね。

大事なのは、連想することではなく、裏付けを取ることなんですね。

連想ゲームって楽しいんですよ。簡単にできるし、ただだし。時間もかからないしね。なんとなくニュースを見て、お、あの株いけるかもしれない、みたいな、夢が膨らむ作業なので、みんなやりたがるんですけど、ただ、それだけで利益を出せるわけがないと僕は思っています。そんな甘いものじゃないと思っています。

連想ゲームで株で利益を出せたら、みんな億万長者ですよ。でも、そうじゃないので、連想ゲームじゃ利益出せてないってことだと思うんですよ。

大事なのは連想じゃない。想像力なんて誰もいらないと思います。想像力なんていらないから、とにかく裏付けを取りましょう。リサーチが大事なんだ、裏付けを取ることが大事なんだ、ということは、この場でとにかくお伝えしたいことです。

過去の裏付けほど頼もしいものは僕はないと思っていて、例えば仮に、さっきお伝えした、例えば円安が進むと自動車株が上がるとか、これはちゃんと裏付けが取れて、本当にそのとおりだったら、円安が起こるたびに利益のチャンスがくるということなんですね。そんな嬉しいことってないじゃないですか。

歴史は繰り返されるっていいますから、裏付けを取って、利益が出るってわかったら、同じことが起こるたびにチャリンチャリンお金が入ってくるような、そういう仕組みが作れるわけなんですよ。そっちの方がよっぽどわくわくするんですよね、僕は。「ああ、円安が進んだ。あの株を買っておけば安心かな」とか。もう裏付け取ったし、みたいな。

「みんな円安が進むと自動車株買っているけど、実は自動車株なんかよりあっちの方が上がるんだよな」みたいなのを知っていた方がよっぽど楽しいと思うんです。

そういう話って、誰もしてくれないんですよ。裏付けを取った話なんて誰もしたがらないので。時間かけて調べたことを教えたくないじゃないですか。こっちの方が僕は価値のあることだなと思っています。

連想は、誰かに任せておけばいいんです。「想像力がなくて連想ができなくて、僕って株に向いていないんですかね」みたいなことを相談されることがあるんですけど、僕はそんなことないと思っていて、連想なんてみんなやっていることなんで、別にあなたはそこを極めなくていいんじゃないですか、とか、連想がお金につながるわけじゃないんで、ってお伝えします。

本当に、想像力は別にいらないと思います。どちらかというと、裏付けを取る力の方がよっぽど大事なんじゃないかなと思います。

想像で利益出せたら苦労しないじゃないですか。みんなお金持ちになっているじゃないですか。そうじゃないから大変なんですよね。

裏付けを取るとか、手間をみんな惜しんでやらないから、連想ゲームってなんか楽そうだし、こっちの方が楽しそうだよね、とこっちに流れじゃうんだと思うんですよ。でも、本当に大事なのは僕は裏付けだと思うので、そっちになんとかシフトチェンジした方がいいんじゃないかなと思います。あるいは、連想ゲームが楽しいんだったら、連想ゲームをした上で、ちゃんと裏付けも取りましょうよと思います。

ということで、今週の講座はこんな感じで終了したいと思います。

本講座のまとめ

最後、今日お話ししたことをまとめていきます。

連想ゲームで利益は出せないと思います。これは僕の持論ですね。

だって、周り見てみてよと。連想ゲームでずっと残ってきた人どれくらいいるよと。連想ゲームが成り立つ前提というのは裏付けなんですよね。連想ゲームさえやっていれば利益を出せるんじゃなくて、連想ゲームをした上で、ちゃんと裏付けを取るというのが大事だと思っていて、裏付けを取りましょうという話は誰もしていないと思うんですね。

この差が本当に激しいと思っていて、それこそ、連想ゲーム以前の話として、例えば、株に関する本を読んだ、そこ本に書いてある投資法をそのまま運用してみました、利益出せませんでした、みたいな人もたくさんいると思います。

僕もそういう経験をしました。

本に書かれている知識なんて、もう役に立たないことばっかりですからね。本に書かれていることも、実際に運用する前にちゃんとその方法で利益を出せるか裏付けを取らないことにはうまくいくかどうかなんてわからないので、それこそ割安株投資とか、僕は何回も騙されました。

だって、割安株買ったって、全然利益出せないじゃないか、みたいなことがよくあって、逆張りとか、下がっている株を買えばいいって書いてあるじゃん、全然利益出ないじゃないか、みたいなことが本当によくあって、その時ってなんで利益が出せなかったかというと、やっぱり裏付けを取っていなかったんですよ。

本に書いてあることをそのまま真似していれば金持ちになれると思っていたんです。そんなわけはない。1,000円とか2,000円で売っている本のとおりにすれば大金持ちになれるなんて、そんな危ない話はなくて。

それを糧にして、どう磨くか。

そこで、裏付けを取る、あるいは自分で運用法を磨くとか、そういうことをやらないと絶対にうまくならないんですね。自分で考えないといけない。ということで、なにかの情報の言いなりになるとか、連想ゲームとか、想像力を磨くとか、そういうことをする以前に、リサーチ力というものを磨いた方がいいんじゃないかなと思います。

裏付けを取る力というのをきちんと磨く、裏付けにはきちんと成功例も失敗例も均等に取る、成功例が多いのか、失敗例が多いのかというのをきちんと調べる、その上で、これは勝ち目が高いと言えばいいのか、勝つ確率が高い方法だったらそれで運用すればいいし、負ける確率が高いんだったらやめた方がいいし、事前に調べる、裏付けを取るということが非常に大事だと思います。

資産運用する時、株式投資は連想ゲームだよ、と言われてもそのへんに耳を貸さずに、連想は誰か他の人に任せるか、自分ではパパッとやってしまって、その上で裏付けを取るということにぜひ力を入れてみていただきたいなと思います。

ということで、今週は以上です。

最後までご視聴いただきまして、ありがとうございました。