鼻に水が入ると激痛が伴う理由

ハンク・グリーン氏:プールや池に勢いをつけて飛び込んだりして、うっかり水が鼻から通って脳にいってしまったことが誰しもあるでしょう。とても痛いですよね。

今回紹介するティーポットのような形の「NetiPot」は、鼻が詰まったときに鼻に水を入れる道具です。鼻の詰まりを解消してくれ、痛みはほぼありません。

ご存知の通り、鼻の中は神経の末端がたくさんあります。実は、鼻の中はとても温かく、0.9%の塩分を含んでいます。

冷たいプールの真水が鼻に入ってしまうと、鼻の内部の自然な環境とはかなり異なっているため、体のシステムに影響を与えます。気温が低いと、脳が凍っているかのような感覚に陥ります。それは、おそらく鼻の中の血管を収縮させるからです。

真水は鼻の中の食塩濃度と合わないため、それを中和しようとしたり、細胞にその水が入りこんでいくと不快に感じます。その間、鼻の膜は奥まで入ってしまった粘液によってチクチクした痛みに悩まされます。

そのため鼻水が出るようになります。NetiPotは鼻の内部と同じ環境である温かい塩水を使って、アレルゲンを鼻から洗い流し、粘液を減らします。

NetiPot使用と、たまたま水に飛び込んで鼻に入ってしまった場合とでは、状況はまったく違うのですが、両方とも死にいたるような感染症のリスクがあります。

とても珍しいケースではあるのですが、池の水や不適切に洗浄されたNetiPotのせいで、「フォーラーネグレリア」という脳を侵食するアメーバに侵されることもあります。

もう一度言いますが、とても珍しいケースです。アメリカでは毎年3~4例ほどしかありませんが、もし鼻に入ってしまうと、水生の寄生虫が脳まで行きついてしまい、神経組織を破壊し始めます。

「水に飛び込むのをやめろ」と言っているのではありません。だけど、鼻を抑えて水に入りましょう。さもなければ、痛みが広がり、脳を侵食する感染症に見舞われるかもしれませんよ。