複利運用はガツガツ利益を出す大事な技法
中原良太氏:こんにちは。株式予報の中原良太です。
今週もだいたい10分から20分ほどの動画セミナーを収録していきたいと思います。よろしくお願いします。
今回の動画セミナーのテーマは「複利運用の心得」ということで、セミナーを収録していきたいと思います。
なぜ、こんなテーマで収録するかというと、これまで収録してきたセミナーの中で「複利運用を……」と書いてある、複利運用に関するセミナーが非常に好評でして、いろんな方に観ていただいています。
Googleの検索でも複利運用に関する記事をけっこう読んでもらっているようで、気になっている方が多いんじゃないかと思いました。
そういった経緯もあって複利運用に関して、もう少し詳しくお話しする機会を設けられればと思い、このセミナーにしました。
今回(紹介するのは)は複利運用をしていくうえで、僕(自身)が実践している複利運用のテクニックだったり、あとは、複利運用をしていると気づかないぐらい「え、これって複利だったんだ!?」みたいな、本当に簡単に実践できるテクニックだったり。
また、実際に複利運用をするときに注意しなければいけない点や、複利運用を最大限に生かすためのちょっとしたテクニックなどをお話しできればと思っています。
今回も、とくにガツガツ利益を出したいという方(には)、複利運用は切っても切り離せない非常に大事な運用技法です。非常に難しいので、基本を理解したうえで、使っていただければと思うんですけれども、今日はそのテクニックを何個か、ご紹介していきたいと思います。
すごい役に立つ内容だと思うので、ぜひ繰り返しご視聴いただければと思います。
複利運用の考え方、単利運用の考え方
今回の講座の目的は、複利運用の心得を理解し、資産を早く増やせるようになるということです。
複利運用とは何かと簡単に説明しますと、例えば、100万円を自分で運用しているとして、その100万円が200万円に増えました。
これは別に複利ではないです。100万円が200万円に増えました。それから先、複利運用の考え方をしている人は、「100万円が200万円に増えたら、その200万円を増やそう」という考え方をします。
これが複利運用の考え方です。200万円をさらに増やして、400万円にしました。この400万円を増やそうという考え方をします。
逆に単利運用。複利運用ではない運用方法を単利運用と言うんですけれども、単利運用ではどうやって考えるかというと、100万円が200万円に増えましたとなったら、利益が出た100万円を自分の懐に入れてしまって、もう1回、元々の100万円を、また増やそうという考え方をします。
これが単利運用の考え方です。単利運用はいいんですけれども、スピードが遅いです。ただ、成績は非常に安定する。そういう傾向がありますので、一長一短です。
ゆっくりでいいから着実に増やしたいという人は単利運用で、少しずつでもいいからスピードを早くして、億万長者を目指したいとか、それこそ不労所得生活をしたいとか、そういうことを考えている方は複利運用をやっていいのではないかなと思います。
この動画講座を観る前に、ぜひ観ておいてほしい教材というのがあって、いくつかあります。
過去に撮ったラジオ講座、ポッドキャストの第116回「中原式『複利運用の実践術』」と、記事で1回取り上げた「『なんちゃって』複利運用法」。
そして、だいぶ昔の動画セミナーではあるんですけれども「#0024 複利運用の罠と実践のポイント」。
これら複利運用に関する知識で、一通りまとめてある講座・教材ですので、それぞれ、めちゃくちゃ役に立ちます。
すごく大事なお話をしている動画で、動画セミナーを観ていただく前に、こちらも合わせて観ていただいた方が理解が深まり、実際に複利運用の素晴らしさを使いこなせるようになるのではないかなと思います。
複利運用は「諸刃の剣」でもある
ここからが本題です。複利運用は難しい! 突然で恐縮なんですけど、基本的に複利運用は非常に難しいです。
複利運用というのは上級者が使うテクニックだということを、事前にご承知いただいたうえで、この動画セミナーを観ていただきたいなと思います。初心者が手を出すものではないです。
なぜかというと、そもそも複利ではなくても、単利で利益を出せるような人でないと複利運用は使えないんです。
毎年、それこそ「着実に利益を出せます」という人にこそ、この複利運用は使えるものであって、利益を出せない時期に「調子悪いと損出します」みたいな人が複利運用をやってはいけないんです。
複利運用は利益が出るスピードも早くなるんですけど、損が出るスピードも早くなります。
結果的に諸刃の剣でもあるんです。なので、少ない資金で着実に利益を出せるというのは、大大大前提。それを増やしても、さらに安定した成績を出せる。
もっと腕を磨いて、もっとうまく利益を出せるようにならないと、複利運用はできないです。
なので、それこそ投資家って面白いもので、実力に伴ったお金しか残らないです。実力がない人は、例え、短期的に大きなお金を稼いだとしても、そのうちすぐ失います。
トレーダーの器の大きさに応じて、残るお金が決まってくるんです。器が大きい人ほど、最後に残るお金が多い。器の小さい人は、例えば、一時的にお金を稼いだとしても、すぐになくしてしまう。そういうものだと思います。
ですので、器が小さい人は複利運用には手を出さずに、まずは、自分の器から広げていきましょうというのが大事なポイントかなと思います。
とは言うものの、複利運用は誰にもできない、上級者でなければできないのかというと、そうではなくて。初心者でも手軽にできる複利運用のテクニックがあります。
長期保有をすれば勝手に複利効果は出る
それは何かというと、一番簡単な、僕が考える唯一簡単な複利運用法というのが、個別株や、株式のETFをひたすら長期保有するというのが、簡単な複利運用です。お金を増やすことは一切考えてないです。
なんというか、もう1回買ったら放置。何もしない。5年も、10年も、20年も、30年もずーっと持ちっぱなしというのが、一番簡単な複利運用だと思います。一番税金がかからない複利運用だと思います。
という意味で、これはけっこうおすすめで、僕はインデックス投資と呼ばれるNISA口座とか、iDeCoの運用方法を使っています。
個別株とか株式のETFというのは、長期保有するだけで複利効果があります。経済成長というのは、ずっとキレイな右肩上がりをしているわけではないんです。
企業の成長もそうです。ずーっと右肩上がりで進んでいるわけではないです。
どういうふうに進むかというと、うなぎ上りに、大きくなった会社が成長するのって(成長のスピードが)早くなるんです。
小さな会社、例えば、時価総額1億円の会社が100億円になる、100倍になると、そういう成長過程を見るときは、たいていずっと等速で動いているわけではないんです。
加速度がありながら、だんだん加速しながら成長していくものなんです。企業も経済も一緒です。過去のチャートや、株価のチャート、あとは日経平均とか。
日経平均は難しいかな……アメリカのニューヨークダウとか、そういうところのチャートを見てほしいんですけど、経済成長ってこういう(指数関数的な)成長の仕方をしてます。複利的に成長しているんです。
例えば、お金を稼いだ企業が、そもそも何をするかというと、企業がお金を稼いだら配当金として出すとか、もちろん、そういうこともするんですが、基本的に、稼いだお金を自分の会社のために再投資します。
これがまさに複利運用なんです。増えたお金をさらに投資して、もっともっと成長するために、お金をどんどん投資していく。これは、企業がそもそもやっていることなんです。経済も、そもそもやっていることなんです。
そう考えると、どんな企業も自分のために、自分の経済のために、自分の会社のために再投資をしているんだから、ずっと持っているだけで、もう勝手に複利効果が出てきます。
複利運用って、そもそも自分で増やしたお金をさらに投資に使うという、そういう考え方じゃないですか。
それは企業も同じことをやっているので、1つの会社の株をずーっと持ち続けているだけで、勝手に複利運用になるんです。投資先が複利運用をやってくれているから。
なので、一番簡単な複利運用の方法は、自分で利益が出たら別の場所に充てるとか、そういうことを考えるのではなく、そもそも1ヵ所だけポンと買って、ずっと放置しておく。
これが一番基本的な複利運用のやり方というか、簡単なやり方かなと思います。僕はこれを実際にやっています。これが楽なので。
複利運用はこのように、株式を長期保有する。最低でも5年。目安としては10年、20年とか、それぐらい保有すると、これだけで複利効果が出てきます。
これは長期保有する場合なんですけど、短期保有で複利運用するとなるとけっこう難しくなってきます。
なので、株の短期トレードですね。短期保有で複利運用をしたいとなると、それなりにいろいろ学ばなければいけないことがあるので、実力をつけてから実践する方が良いかなと思います。
僕自身がやっている短期保有での複利運用を、これから事例としてご紹介していきたいと思います。
僕がどうやって複利運用をやっていくか。計画ベースで、実際どうやって運用していく予定なのかというと、まず、運用資金が1,000万円に満たない場合は、基本的に、1銘柄あたりの投資資金は全部50万円以内に抑える予定です。
これは個別株トレードの場合です。システムトレードと呼ばれる手法で運用する場合なんですけど、今年は僕はこういう運用方針で運用していきます。
運用資金が1,000万円に満たない場合は、1銘柄あたりの投資金額は50万円以内に抑える。
例えば、500万円持っていた場合は、500万円を10分割して、50万円ずつ1銘柄に投入していく。
運用資金が500万円から600万円に増えたとなったら、100万円増えたので、その100万円をさらに50万円ずつに分けて、1銘柄ずつということで、運用資金が増えるごとに。どんどん銘柄分散数を引き上げていこうかなと考えています。目安としては、1銘柄あたり50万円までです。
なんで50万円という数字を設定するかというと、50万円で買える株って、けっこう種類が多いんです。
ただ、例えば、それが30万円とかで買える株、20万円で買える株となると、選べる銘柄数が少なくなるんですよ。
けっこうハイリスクな銘柄ばかり集中してきます。10万円株とか5万円株とかは、簡単に買えてしまう分、投機性が高いというか、ギャンブル目的で取引されている銘柄が非常に多いです。
そういう銘柄は、けっこう危険なことが多いので、そういう銘柄には手を出したくないので、できるだけ1銘柄あたりの投資金額は50万円ぐらいを見積もって決めておくと良いのかなと考えています。
これは1,000万円以内の場合。
運用資金が1,000万円を超えてきたらどうするかというと、1銘柄あたりの投入資金は運用資金の5パーセント以内と決めています。
20銘柄分散と言えばいいですかね。20銘柄に分散していれば、基本的なリスク分散、銘柄分散はできているかなと考えています。
なぜかというと、マーケットリスク、市場リスクと呼ばれる言葉もありまして、銘柄分散は増やせば増やすほど、リスクは減ると思うじゃないですか?
ただ、一応最適値というのがあって、だいたい20から30ぐらい銘柄分散をしていれば十分なんです。それを超えてくると、逆にリスクが増えます。
なぜかというと、魅力的ではない会社も買わなければいけなくなってくるから。あとは手数料がかさんでしまうとか、とにかく悪い点があって、だいたい20銘柄に分散しておけば、僕は問題ないのではないかなと考えています。
とは言え、例外というのもあって、仮に流動性が低い銘柄。例えば、1日に2回しか取引されていないような銘柄だったら、そういう銘柄には、あまりお金は入れたくないので、そういう場合はさらなる分散を検討していきます。
ということで、基本的には1銘柄への投資資金量は、だいたい5パーセントに抑える。20銘柄分散ぐらいしつつ、運用資金が増えていったら1銘柄あたり、ワンショットの金額を高めていくという考え方をしていきます。
分散投資におけるいくつかの難点
がむしゃらに分散投資すればいいかというと、そうでもなくて、分散投資をすると、いくつか難点があります。
それが2つあって、まずは1つ目。分散投資をするということは、一番良い銘柄ではない2番手、3番手、4番手にもお金を回すということなんです。
なので、優先度の低い、「そこまで魅力的じゃないかな」というところにまで資金を回すことになります。なので、利益を出しづらい、そして損に繋がりやすい。そういうリスクがあります。
なので、分散投資をした方が損をするとか、分散投資した方が利益を出せないとか、利益を出しづらくなるのは良にせよ、分散投資したせいで損が膨らんだという場合もあります。そうならないように最適値を探すという必要があります。
尚かつ、銘柄分散するほど取引回数が増えます。たくさんの銘柄を保有することになるので、そうなるので手数料がかかります。
なので、その分、手数料的にも不利になりやすい。そういう傾向もありますので、必要以上に分散投資はしない方がいいかなと思います。
僕は個人的には20銘柄から30銘柄ぐらい銘柄分散できれば、「まあ良しとしましょう」という感じで、今のところ考えています。
これが運用資金100億円とか、10億円とか、度を超えた資金量になってきたら、もう少し先のことは考えなければいけないですが、基本的にはこのようにに考えています。
ということで、今回は複利運用について、最後は少し分散投資の話になってしまいましたけど、複利運用の話についてお話していきました。
いろいろとお話してきましたが、だいたい複利運用のコツとは何なのかご理解いただけたかなと思います。
複利運用は難しい
まず、大事なポイント「複利運用は難しい」です。技術的な、かなり高度なテクニックですので、複利運用以前にちゃんと利益を出せるようになっておくこと。
これが複利運用する大大大前提です。これができない人は複利運用をやっではダメだと、個人的には考えています。
今日は簡単な複利運用と、少し難しい高度な複利運用、2つの種類についてご紹介しました。
それぞれどうやるかというと、まず、簡単な複利運用は個別株の長期投資。あるいは、株式EPFの長期投資。これだけでできます。
なぜかというと、企業そのものが、経済そのものが再投資を行っていて、複利で成長していくものだから。なので、そういうものを単純に買って放置しておけば、税金を支払う必要もなく、勝手に複利運用になっていくんだと。
これはウォーレン・バフェットさんという世界一の投資家の方も推奨している方法です。
「経済というのは、勝手に複利で膨らんでいくんだから、長期投資するのが一番お得なんだ。税金も払わないで済むし」という話もされているぐらいで、基本的には、そういう運用をしておけば良いのではないかなと思います。
短期保有をする場合は、複利運用が難しくなってくるんですが、この場合は銘柄分散数にまで気を配っていくことが大事かなと思います。
僕が実際に短期保有で複利運用をしていく場合には、このような方針で運用をしようかなと思っています。1,000万円以内の資金量だったら、1銘柄あたり50万円までを上限に運用していきます。
1,000万円以上になってきたら、銘柄分散数は最低でも20銘柄。1銘柄あたりの最大投入資金量は5パーセントまでとして、仮に流動性が低い、リスクが大きな銘柄、そういうことになるんだったら、1銘柄あたりの投入資金量はもっと引き下げて3パーセント、2パーセント、1パーセントまで引き下げるかなと考えています。
ひとまず、そのような感じ。もっと運用資金が増えてきたら、また、考え直そうかなと思っています。ということで、今週は以上です。複利運用について、少しでもご理解いただけたらなと思います。
これをマスターすれば、それこそ億り人とか、本当に資金量が多い方は複利で増やさないと、その金額までいくのは、ほぼ無理なんです。
よっぽど年収1億円、みたいな社長さんとか、そういう人だったら話は別ですけど、そうでない方、例えば、一般的な、年収が400、500万円とか、一般的な会社に勤めているサラリーマンの方、公務員の方、そういう方が大きな利益を手にするためには、複利運用という技術は必要不可欠です。
ただ、難しいので、複利運用をする際にはきちんと基本を理解して、その良いとこ取りができるように、リスクをきちんと知ったうえで、使えるようになっていただくのが良いかなと思います。
今回、非常に大事な内容だと思うので、ぜひ参考にしていただけたらなと思います。
ということで、今週は以上です。最後までご視聴いただきましてありがとうございました。また来週お会いしましょう。バイバイ。