大型株と新興株では株価の動きが全く異なる

中原良太氏(以下、中原):こんにちは、株式予報の中原良太です。

今週は大型株市場からも新興株市場からも利益を出すコツというテーマで動画セミナーをやっていきたいと思います。

なぜこんなテーマでお話ししようと思ったのかというと、上級者の方だったら当たり前のようにご存知のことかもしれないんですけれども、株というのは銘柄によって値動きの特性が全然違うんですね。

例えば、大型株と新興株って時価総額が何千億円とか何兆円とかある大型の銘柄と、つい最近上場したような時価総額が何十億円とか何百億円しかないような銘柄とかで、当然ながら会社の規模も違えば、どういう仕事をしているのか、業態も違えば業種も違えば、利益の出しやすさだとか、収益性も異なれば、成長性も異なればということで、なにからなにまで違うんですね。

背景も違えば規模も違うような事業なので、当たり前のように株価の動き方も変わってきます。

ですので、例えば大型株に通用した投資手法が新興株にまったく通用しないとか、逆に新興株で通用している取引手法が大型株にはまったく通用しないということが往々にしてあります。

これはきちんと見分けられないと、とんでもなく痛い目にあうんですね。

これがトレードしていく時に本当に厄介で、この見極めができないとせっかく覚えた投資手法を間違えた銘柄に対して使ってしまう、結局利益を出せないということにつながってしまいますので、そういうことがあってはいけないということで、今回は大型株と新興株の違いでどうやればどちらからでも利益を出せるのか、そのヒントについてお伝えしていきたいなと思っています。

ここまでちょっと長くお話ししてしまったんですけれども、ここまでお話しした点をざっくりとまとめると、本講座の目的はこちらです。

なにかというと、市場の特性に応じて利益を出すコツを統計的な視点で考えてみるというのが今回の講座の目的です。

大型株ってどんな特徴があるんだろう、新興株ってどういう特徴があるんだろう、こういう特徴があるから、どういう取引手法を使えば利益につながりやすいんだろう、といったことを考えていきたいなと思っております。

何度もお伝えしているとおり、市場の特性に合わせて取引するということが非常に大事です。

市場によって、上場している銘柄の特徴はまったく違います。

新興株と大型株、それぞれ上場している銘柄がそもそも違えば、どういう銘柄が上場しているかもまったく変わります。

なぜかというと、上場基準がそもそも違うんですね。

例えば、日本を代表するような企業が上場している銘柄は東証一部に該当しているわけなんですけれども、この東証一部に銘柄が上場するためには非常に厳しい審査を通らなくてはいけない。

ただ、マザーズとかジャスダックとか、新興市場と言われるような市場では市場の特性はまったく変わります。

上場の基準もだいぶ甘くなります。東証一部に上場できない銘柄もジャスダックやマザーズには上場できる、小型な、小ぶりな企業が多くなってきます。成長性の高いものが集まってくるなどなど、そういった経緯がありますので、市場に合わせて取引手法を変えていく、スイッチングしていくというのが非常に利益につなげるためにも、より利益を出すためにも必要な考え方だと思っています。

じゃあ具体的にどういう取引手法を使えばいいのかというと、大型株市場と新興株市場でまずざっくりと値動きの傾向を調べていくというのが大事なポイントです。

大型株市場とはなんのことかというと、日経平均株価とか、TOPIXとか、そういったものの値動きに連動するような銘柄ですね。

東証一部に上場しているような銘柄はこの大型株市場と言われている銘柄なのではないかなと思います。

一方、新興株は日本の市場でいうとジャスダック、そしてマザーズ、この2つに該当するような銘柄は新興株と呼んでいいのではないでしょうか。

ここで出てこない東証二部とかそういった銘柄は大型株でも新興株でもない、大型ではない、中小型なんだけれども、新興株ではない、というふうにまた毛色が変わったものですので、こちらについては別途また研究してくる必要があるかなと思います。

今回は、この東証一部とジャスダック、マザーズということで、大型株と新興株の違いについてお話をしていきたいと思います。

これは同じ取引手法が通用する時と通用しない時があります。

ですので、その違いについて今回はまずご紹介します。

大型株と新興株、中長期での動きの違い

時間軸によって傾向が変わってきます。

どういうことかというと、中長期、だいたい3ヶ月から1年間くらいの値動きを追った場合、大型株市場も新興株市場も似たような値動きの傾向があるんです。

どういうことかというと、中長期のテクニカル市場を使うと、似たような銘柄を選んだ方が利益を出しやすいという傾向があります。

逆に、短期、1週間とか1ヶ月とか、ごくごく短期のテクニカル市場を使って銘柄をスクリーニングする時は、大型株と新興株ではまったく逆のものを選んだ方が利益を出しやすいという傾向があります。

ですので、時間軸によってまったく選ぶべき銘柄が変われば、どういうタイミングで利益が見込めるのかというのも全然変わってきます。

ですので、その点を意識しながら利益につながりやすい銘柄などなを探したり、買いたいなと思う銘柄や流行の銘柄、有効な銘柄というものを探してみていただきたいなと思います。

ということで、まずは中長期のテクニカル市場を使って、どういうふうに取引すべきかということをお話しします。

中長期の視点で見ると『順張り』戦略が有効なことが多いということが過去の統計上わかっています。

どういうふうに調べたかというと、日経平均の終値が75日移動平均よりも上なのか下なのか、200日移動平均よりも上なのか下なのか、その状態で上の場合に日経平均株価を買って、それから20日間保有して売却したら、平均株価は上がっていたのか下がったのか、ジャスダックインデックスが同じような傾向を調べてみて、上がったのか下がったのか、といったことを調べてみました。

検証の期間は2000年から2017年の約18年間、この株化データを使って、過去の統計を調べてみました。

その結果、日経平均もジャスダックインデックスも似たような傾向が出ています。

例えばジャスダックインデックスがそうなんですけど、ジャスダックインデックスが3ヶ月とか1年間で、これまでずっと上昇基調で相場が上がってきた時は、それから先の1ヶ月も値上がりしやすい傾向がつかめました。

日経平均も同様で、過去直近3ヶ月、あるいは直近1年間で相場が上昇していると、それから先に1ヶ月も上昇しやすい傾向がつかめています。

その傾向が非常に強いんですね。

ですので、中長期の視点で見ると、日経平均もジャスダックインデックスも、上昇している期間ほどトレードして、ガツガツ株を買っていきたいという感じだと判断できます。

これは日本株市場に限らず、アメリカの株式市場も似たような傾向がつかめました。

ニューヨークダウやスタンダードアンドプアーズ500であるとか、アメリカ株を代表するような経済指標も中長期で上昇している時ほど期待値が高く、勝率が高くなる傾向が見られました。

ですので、確実に利益を出したいなと考えている方は、相場が中長期で上昇している時に積極的に株式を買っていくというのが大事なポイントなのではないかなと思っています。

これが中長期の指標を使った場合での考え方ですね。

大型株と新興株、短期での動きの違い

次に、短期の場合についてなんですけれども、短期の場合は新興株と大型株でまったく逆転します。

どのように逆転するかというと、日経平均は短期で下がっている時ほど買い時であるケースが多いです。

逆に、ジャスダックインデックスの場合は上がっている時が買い時で、ジャスダックインデックスは例え短期でも下がっていたら買いを控えた方がいい、そんな傾向が如実に表れました。

ですので、株取引でとにかく利益を出したいとお考えの方は、日経平均のような、日経平均に該当する大型株、225銘柄などを取引したい場合は、ここ1ヶ月、ここ1週間で値下がりしている銘柄を狙っていただくと、利益につながりやすいかなと。

日経平均が下がっている時ほど利益につながりやすいかなと思うんですけれども、ジャスダックの場合は逆ですね。ジャスダックが上昇している時、ジャスダックは下がっているとその後続落しやすい傾向が非常に強いんです。

ですので、ジャスダックは上がっている時だけ取引する、下がっている時には絶対に取引しない、新興株、ジャスダックに上場している銘柄は、相場が上昇している時だけ手を出すというのが鉄則だと思っています。

ということで、ここまでのお話をまとめますと、大型株、日経平均株価を構成している225銘柄にも代表するような大企業の場合は、3ヶ月から1年くらいの中長期で見てずっと日経平均が上昇している時ほど、さらなる続伸が狙える。

ただ、短期の視点、1週間から1ヶ月くらいで相場が下落しているタイミングの方が、その後反発が見込めやすいので利益につながりやすいと、そんな傾向が見て取れたかと思います。

ジャスダックインデックス、ジャスダックに上場している銘柄、新興株は、どんな期間で見ても、短期でも、中長期でも、ずっと相場が上昇している時ほどそのまま続伸が狙える、そんな傾向がつかめましたので、ジャスダックの銘柄を狙いたい際は相場がずっと上昇している時を狙っていただくのがいいかなと思っています。

逆に、ちょっとでも下落しているタイミング、終値が移動平均線を割り込むようなタイミングはそのまま続落へとつながる可能性が高いですので、そちらでは手を出さない方がいいのではないかなと考えております。

ということで、こんなふうに傾向の違いが見て取れたかと思います。

で、今日一番お伝えしておきたかったことが、どんなに素晴らしい取引手法を使っても、使う場所を間違えてしまったら、使う銘柄を間違えてしまったら、利益を出すどころか損失をばかり膨らんでいくことになります。

そんなに悲しいことはないんですね。すごい悲しいことだと思います。必死に勉強して、これで利益を出せると思ったのに、使いどきを間違えてしまう。

それだけで株は損失を被ってしまうものなんですね。正しい知識を持っていても、正しい使い方ができなければ利益を出せません。

そういう損を避けるためにも、自分の取引手法にあった相場を知るべきだし、自分の取引手法にあった市場、どんな銘柄を選ぶべきなのかということをきちんと知っておく必要があると思います。

今回のように、新興株市場は基本的に順張りがいいとか、大型株は短期で逆張り、長期で順張りがいいとか、というふうに、市場ごとの値動きの特性を知っておくことで、こういった間違いをすることが減ります。

損が減れば、トータルで残る利益も増えます。

ですので、すごい大事なポイントだと思いますので、これからトレードする際は自分がどんな銘柄を使って、どんな取引手法をやろうと思っているのか、その組み合わせは間違っていないんだろうかということを意識しながら運用していただくのがいいかなと思います。

ということで、最後、今日お話ししたことをまとめていきましょう。

本講座のまとめ

今日の、本講座のまとめです。

取引銘柄の上場市場によって、値動きの特性がまったくまったく違うということを今回お伝えしました。

まったくと2回言いました。

本当に違うので、間違えて書いてしまっただけなんですけど、まったく違うので、このポイントについて、ぜひ頭にとどめておいていただけたらなと思います。

中長期については、大型株も新興株もだいたい同じような特性があったことがおわかりいただけたかと思います。

大型株も新興株も、基本的には順張りが有効、そういうお話をしてまいりました。こちらはぜひぜひ頭にとどめておいていただけたらなと思います。短期の傾向となると、一気に傾向が逆転します。

どういうことかというと、大型株は逆張りが有効、新興株は順張りが有効ということで、大型株と新興株でまったく傾向が逆転するんですね。

ですので、短期の値動き、短期の相場の動向を見て、自分の取引手法を決めているような方は、大型株市場を見ているか、新興株市場を見ているかで、まったく使い方が変わってきます。

ここで使い方を間違えてしまうと、非常にもったいない。

そういうことのないように、大型株向けの取引手法を使うか、新興株向けの取引手法を使うか、自分で意識しながらその組み合わせを間違えないように考えていっていただけたらなと思います。

ということで、今週は以上です。

最後までご視聴いただきまして、ありがとうございました。