連結決算概要①

和田清氏:まず、連結決算の概要をご説明いたします。資料の3ページをご覧ください。正味収入保険料は、国内外での引受拡大や円安進行の影響などにより、前年同期比プラス7.0パーセント、1,768億円増収の2兆7,157億円となりました。また、生命保険料は、ALにおける保有契約の拡大や、海外での円安進行の影響などにより、前年同期比プラス6.8パーセント、433億円増収の6,764億円となりました。

一方、利益につきましては、国内外での自然災害に係る発生保険金の増加や、TMNFにおける大口事故などの影響を主因として、連結経常利益が785億円減益の2,372億円、四半期純利益が1,593億円となりました。

この結果、異常危険準備金の繰入・のれんや無形固定資産の償却負担などの影響を控除した、グループ全体の利益指標である修正純利益も、815億円の減益となりました。

連結決算概要②

続いて、連結経常利益の概要についてご説明いたします。4ページをご覧ください。

国内損保事業は、自然災害に係る発生保険金の増加や、TMNFにおける大口事故の影響などで保険引受損益が悪化しましたが、TMNFにおける海外子会社からの配当金収入の増加などにより、資産運用等損益が増加したため、前年同期比44億円の増益となりました。海外保険会社は円安進行の影響などがあったものの、北米ハリケーンなどの大口自然災害や、為替換算損益の悪化などにより、前年同期比294億円の減益となりました。

連結調整については、TMNFにおける海外子会社からの配当金収入の増加により、マイナスの調整額が前年同期比で539億円拡大しています。

修正純利益(グループ全体の利益指標) : 2017年度 第3四半期実績

続いて、修正純利益についてご説明いたします。5ページをご覧ください。修正純利益は、前年同期比で815億円減益の2,384億円となりました。会計上の純利益から修正純利益への組替についての、前年同期からの主な変動要素は、スライドに記載のとおりとなっています。

国内損保事業① : 2017年度 第3四半期実績(TMNF)

続きまして、国内損保事業につきまして、ご説明いたします。6ページをご覧ください。正味収入保険料は、自動車保険やその他種目での増収などにより、前年同期比プラス1.8パーセント、242億円の増収となりました。

発生保険金につきましては、自然災害に係る発生保険金の増加に加え、大口事故などの影響を主因として、前年同期比で835億円増加しました。

事業費につきましては、正味収入保険料の増収に伴う代理店手数料の増加などにより、前年同期比で48億円増加しました。また、異常危険準備金は、自動車保険および火災保険のW/P損害率上昇に伴う取崩額の増加などにより、前年同期比で81億円、積み増し負担が減少しました。これらの結果、当期の保険引受利益は、588億円減益の408億円となりました。

続いて、資産運用等損益は、海外子会社からの配当金収入の増加を主因として、前年同期比627億円増益の2,092億円となりました。なお、子会社からの配当金は、連結調整としてほぼ消去されるため、グループの連結決算への影響はございません。当期の政策株式売却額は約930億円で、それに伴う売却益は約720億円となっています。以上の結果、四半期純利益は、前年同期比85億円増益の2,015億円となりました。

国内損保事業② : コンバインド・レシオ(TMNF)

続いて、コンバインド・レシオの実績についてご説明いたします。7ページをご覧ください。民保E/Iベースの損害率は、自然災害に係る発生保険金の増加に加え、大口事故などの影響を主因として、前年同期比4.7ポイント上昇の62.5パーセントとなりました。

事業費率は、正味収入保険料の増収を主因として、前年同期比0.2ポイント低下の32.0パーセントとなりました。以上により、民保E/Iベースのコンバインド・レシオは、前年同期比4.5ポイント上昇の94.4パーセントとなりました。

国内損保事業⑤ : 2017年度 第3四半期実績(NF)

続いて、日新火災についてご説明いたします。10ページをご覧ください。日新火災の保険引受利益は、火災保険と新種保険の正味収入保険料が増収したものの、自然災害に係る発生保険金の増加を主因として、前年同期比で24億円減益の27億円となりました。また資産運用等損益は、有価証券の売却益や償還益の増加により、前年同期比で8億円増益の15億円となりました。以上の結果、四半期純利益は前年同期比で11億円減益の、26億円となりました。

国内生保事業: 2017年度 第3四半期実績(AL)

続いて、あんしん生命についてご説明いたします。11ページをご覧ください。新契約年換算保険料は、長期貯蓄性商品の販売休止などにより、前年同期比8.7パーセントの減収となりましたが、長期貯蓄性商品を除いたベースでは、前年同期比0.8パーセントの増収となりました。また、保有契約年換算保険料につきましては、新契約の積み上がりにより、前年同期比3.8パーセントの増収となりました。

財務会計指標につきましては、標準利率改定への対応により、責任準備金の積増負担が減少したものの、危険準備金の積増負担の増加や、前年同期に計上した有価証券売却益の反動などにより、四半期純利益が前年同期比3億円減益の114億円となりました。また、基礎利益は、2億円減益の238億円となりました。

海外保険事業① : 2017年度 第3四半期実績(正味収入保険料)

次に、海外保険事業についてご説明いたします。12ページをご覧ください。海外保険事業の正味収入保険料は、各事業における成長施策の進展や円安進行の影響などにより、前年同期比18パーセントの増収となりました。

地域別には、北米3社においてスペシャリティ保険の更新契約の料率引上げや、引受拡大を行ったことなどにより、全体で16パーセントの増収となりました。

欧州でも、Tokio Marine Kilnにおけるビジネス拡大などにより、増収しました。中南米はブラジルにおける自動車保険の引受拡大、アジア(含む中東)はインドの出資比率引上げや各拠点の成長施策の進展などにより、増収となりました。

再保険は、前年の複数年契約増加の反動などにより、減収となりました。生保は円安進行の影響を主因として、増収となりました。

海外保険事業② : 2017年度 第3四半期実績(事業別利益)

続いて、海外保険事業の事業別利益についてご説明いたします。13ページをご覧ください。事業別利益は、各事業における成長施策の進展や円安進行の影響などがあったものの、昨年(2017年)8月から9月に発生した北米ハリケーンなどの大口自然災害や、為替換算損益の悪化などにより、前年同期比マイナス34パーセント、410億円の減益となりました。なお、北米ハリケーンなどの大口自然災害の影響は、各地域の実績に反映しています。

地域別には、北米はフィラデルフィアやTMHCCにおける、大口自然災害などの減益要因もありましたが、デルファイにおける前年同期の投資実現損の反動や、資産運用収益の増加・円安進行の影響などにより、全体では23億円の増益となりました。欧州および再保険は、大口自然災害や為替換算損益の悪化などにより大幅な減益となりましたが、アジア(含む中東)は、インドの出資比率引上げやリザーブ取崩に加え、各拠点の収益改善などにより、増益となりました。

海外保険事業③ : 2017年度 第3四半期実績(北米内訳)

北米3社の実績につきましては、14ページに記載していますので、そちらをご覧ください。

連結業績予想

続きまして、2017年度の通期業績予想について、ご説明いたします。16ページをご覧ください。米国における税制改革は、昨年(2017年)12月下旬に法案が成立したため、2017年度決算にその影響が反映されます。昨年11月に公表した修正業績予想には、この影響が織り込まれていないこと、2017年度決算に与える影響が大きいことから、今回この点のみを反映し、通期業績予想を見直すことといたしました。

税制改革の影響は、法人税率の引下げに伴う繰延税金資産・負債の取崩と、海外子会社の留保利益に対する一括課税などになりますが、当社の業績に大きな影響があるのは前者となります。当社の繰延税金負債は資産より大きいため、繰延税金負債の取崩を主因として、親会社株主に帰属する当期純利益を500億円上方修正し、2,800億円を見込みます。

なお、修正純利益については通期業績予想の見直しを行っていませんが、修正純利益における米国税制改革の影響額は、約100億円と見込んでいます。財務会計利益よりも影響額が小さくなっていますが、修正純利益では無形固定資産に関わる繰延税金負債の取崩を控除していることが、その要因となります。

以上で、私からの説明は終了させていただきます。