ネットでは多重人格があり得る

佐藤航陽氏(以下、佐藤):昨日ちょうど話してたんですけど、けっこう世の中って物理空間に制約を受けてるじゃないですか。私たちの脳みそが。例えば、亀山さんが亀山さんでありながら、伊藤さんであることってできないじゃないですか。でもネットだったらあり得ますよね。インスタはぜんぜん違うアカウント名、違うキャラクターで運営していると。Twitterは違うキャラクターで、またNewsPicksでは違うキャラクターでという。

亀山敬司氏(以下、亀山):確かに。Web上には俺の人格がいくつも置けるってことね。

佐藤:(いくつも置けるし)重なっているじゃないですか。それが有り得ているので、もしかしたら現代の問題っていうのは、重なって存在するっていうことがまだ認識できていないからなんじゃないかなと。

亀山:だんだん難しくなってきたぞ(笑)。

佐藤:今の論争って「AかBか2択どっちか」って話が多いじゃないですか。(例えば)法定通貨なのか仮想通貨なのか。これってたぶん、300年前位に人間がそのAかBか、物理空間に制約を受けながら思考してきた癖だと思うんですよね。でもネットがあって(AとBが)重なっていることがあり得るってことがわかってくると、たぶんこの考え方って壊れてくると思うんですよね。どちらもあり得るじゃん、重なって有り得るじゃんと。

だからもうちょっとアップデートしていくと、社会のあり方っていうのは多様になっていって、何層も何層もできてくるので、今のバトルとか対立構造っていうのは消えていくんじゃないかなって。もしかしたら、私たちの脳みそのほうがまだ古いんじゃないかなと。現実世界にアップデートできてないんじゃないかなって思いましたね。その本(『お金2.0』)に一部そういうことが書いてあります。

亀山:やっぱり読む気なくなってきたなぁ(笑)。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

仮想通貨も現行通貨と同居していく

亀山:でも今の中でいうと、例えば、仮想通貨なんかもこれから国家マネーと仮想通貨みたいな。国家と関係ないマネーみたいなものも同居していく感じになってくるようなイメージなの?

佐藤:そうですね。アフリカ(のお金)よりもぜんぜんビットコインのほうがまだ信用があるような気がするんですよね。小国よりかは。日本円とか米ドルに比べたらぜんぜん弱いですけどね。

亀山:ジンバブエドルよりは信用があるよね。もともと貨幣って、国家が出してて信用できるから紙切れでも価値がある。それよりも、みんなが見張ってる仮想通貨のほうが信用ができるってなればそれで価値ができるんだろ? もう信じたもん勝ちみたいな。

佐藤:おっしゃるとおりです。なので「共同幻想」っていう言葉を使ってますけど。本の中では。

亀山:また難しいこと言うね。そんなこと言うから誰もわかんないんだよ(笑)。

佐藤:全員が信じているとそれが実現しちゃうっていうのが世の中の仕組みだよねと。それは何で作るかで、国家の場合では武力とか経済力で作っていたのが、今回のビットコインだとテクノロジー。その情報処理するプロセスですよね。だから、別に何でもあり得るよねっていう話です。

消費経済と金融経済

亀山:ちょっと離れるかもしれないけど、例えば、金融政策とかってよくあるじゃない。国がコントロールして経済をよくしようっていう発想があるんだろうけど、最近の日本とかはどんどん株価が上がったりとかするじゃない。でも、いきなり儲けるパワーが上がったとは到底思えないわけよ。

どっちかというと、大してどこの会社もいきなり良いもの作り出したとか、良いサービスができたとは思えないのに、そこ(株価)だけ上がってるじゃない。日銀が買ったりとかいろいろしてるからなんだろうけど、どっかでおかしくなんないのかな?

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