峰岸社長が語る「リクルートの経営」

峰岸真澄氏(以下、峰岸):みなさん、どうもこんにちは。リクルートの峰岸でございます。(IVSの)田中(章雄)さんと小野(裕史)さんに依頼をされて、「なんか話してください」って言われて(笑)。なかなかスケジュールが合わなかったのですけども、今回、無事にこちらに来ることができて、大変光栄に思っております。ありがとうございました。

大変すばらしいセッションで、5年ぶりにIVSに来たのですけども、本当に内容もすばらしかったですし、先ほどのLaunchPadがクオリティが上がったなと。5年前とぜんぜん違うなと感じました。ありがとうございます。

今日は「リクルートの経営」です。何を話そうかなということなんですけど、リクルートのお話をさせていただければと思います。私の自己紹介なんですけど、リクルートのなかでいろんな事業やっています。

新規事業、ゼロからつくった事業か、それなりの新しい事業の立ち上げばかりを大変やっておりました。直近2012年にCEOになる前は、ファンドの投資をやったり、出資やM&Aをやったりしておりました。

もともとは起業したかった

もともと起業したくて、こういう場に出たかったのですけども、まずは学ぼうと思ってリクルートに入って、いろんな新規事業の機会があったので、それをどんどんやっているうちに今にいたってしまった、という感じでございます。

インフィニティ・ベンチャーズさんとは、この2010年前ぐらい、今では懐かしいフラッシュマーケティングがありまして。グルーポンさんが日本に入ってくるということで、急きょリクルートでもポンパレというサービスを立ち上げまして、現場のほうでは本当に、日々「勝った」「負けた」とかやっている時でした。

それでインフィニティ・ベンチャーズさんが、グルーポンさんも(投資を)やっていたこともありまして。そんななか、「ファンド、出資してもらえませんか?」みたいな話がありました(笑)。

そんなこともあったのですけども、今となっては、インフィニティ・ベンチャーズさんのファンドも投資していますし、中国では一緒に投資事業を共同でやらさせていただいています。そんな感じの5年で、本日にいたっております。

巨大組織リクルートのプロダクト

(IVSの今回のテーマである)「Next Big Things」という話で言えば、リクルートはこんな感じで、大変古くてレガシーな事業体、大きな組織になっています。直近の時価総額も(スライドを指して)こんな感じになっているんですけども。

昨日今日とここに来ていて、リクルートグループでもずいぶんピッチコンテストみたいなものをやっていまして、雰囲気的にはすごい似ていることもありまして、クオリティで負けないようにしなきゃな、みたいなことも思っている次第です。

昭和の企業で、「上場企業は時代遅れ」とか、ホリエモンさんも(前日のセッションで)言っていましたけども(笑)。時代遅れと言われないように、日々がんばっていきたいなと思っております。

3つの事業セグメント

「リクルートの名前は知っているんですけど、どんなビジネスやってんだろう?」とか、「海外でどのぐらいやってんだろう?」とか、ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんけど、(スライドを指して)今こんな感じで、ずいぶん海外展開も広げてまいりました。

今、3つのセグメントに分けておりまして。HRのテクノロジーの分野、「Indeed」という会社を主体に、いろんな自前開発やM&Aなどをやって拡大しています。

もう1つがメディア&ソリューションといいまして、みなさんご存知のリクルートのプロダクト、メディアのプロダクトをすべて束ねているセグメントになります。もう1つが、国内・海外含めた人材派遣のセグメントになっています。

この3つで事業運営していまして、まずは2020年でHRでグローバルNo.1、そして、2030年で我々のビジネスでNo.1を目指してやってきております。

「大学発ベンチャー」からの歴史

リクルートがスタートアップだった時のお話からさせていただければと思います。1960年に創業(注:「大学新聞広告社」を設立)しておりまして、この森ビルさん、第1号ビル、これのペントハウスをわざわざ森(稔)さんがつくっていただいて、リクルート創業者の江副(浩正)さんが安く借りると。

大学卒業してすぐ起業したということで、大学発ベンチャーということで(スライドを指して)この写真なんかはよく、シリコンバレーで投資する時なんかも、「我々も昔はベンチャーだった」みたいな話で使ったりしています。

それで、こちらにいらっしゃるような方はご存知ないかもしれませんけど、現在のインターネットのリクナビ、その前身で『リクルートブック』という情報誌がありました。

それのさらに前身の『企業への招待』という、企業の採用の情報広告を束ねて1冊にして、それを大学生の自宅にDM、ダイレクトメールで届けると。このプロダクトが大当たりしまして、1960年の創業から約10年ほどで、売上100億円を超えています。

当時の貨幣価値で100億円は、今の何十倍の規模になるわけですけども、そのような急成長を遂げました。15年間での平均成長率も20パーセント超えという感じで、順調にこのプロダクトの大当たりのおかげで成長しました。15年後も、1990年初頭まで、要するに創業してから30年間、ずっと成長しっぱなしです。

結婚や住宅領域へ横展開

新卒の情報誌から始まって、転職の情報誌、人材紹介、人材派遣と、HR分野を横展開しました。その後、就職ときたら、結婚して、家買って、というような「人生すごろく時代」だったので、住宅情報をやって、結婚式の情報をやりました。

その後、もっと人生における頻度が高いもの、年に何回か旅行する、月に何回か食事に行く。そのへんの分野である日常消費領域にマッチングのサービスを展開していきました。

この75年~91年の15年間でも、平均成長率20パーセント台。100億円の企業が4,000億円企業になっていくという、とてつもない、30年間成長しっぱなしというような企業だったのですね。

ですから、この時のやはり日本国内におけるプレゼンスというか、やはりこの40代とか、あるいは、40代前後の起業家のみなさんの意識には、やはり記憶にはあるんじゃないかと思います。

リクルート事件が発生してから…

ところが、その後さまざまな危機に直面いたしました。ギリギリご存知の方もいらっしゃるかもしれません。(スライドを指して)このリクルート事件に関しては、インターネットサービスでいろいろ詳細をチェックしていただければと思いますけども、こういう事件もありました。

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