BtoBマーケ支援のエムエム総研の実践例

北村宏明氏(以下、北村):私からお話することは、「SATORI」の事例や体験談などとは少しテイストが変わってしまうんですが、「『SATORI』を弊社ではこんな使い方してますよ」ということをお話しさせていただきます。

そのなかで、「なるほど、こんな使い方や発見もあるんだな」ということをみなさまに気づきとして得ていただければなと思います。よろしくお願いします。

まず、簡単に弊社の紹介をさせていただきます。弊社は、エムエム総研といいまして、事業内容としてはBtoBマーケティングの支援事業をやらせていただいています。

どんな事業内容かは次のスライドでご紹介するとして、1989年に設立しまして、代表は萩原(張広)です。2017年5月現在ですが、事業員数は150人ぐらいになります。

弊社の事業としては、お客様のBtoBマーケティングを支援するにあたり、プランニングから実行、そしてPDCAを回し、成果納品まで一貫して支援出来るのを強みとしています。

社内にイベントを実施できる部隊もいれば、戦略設計をする部隊やインサイドセールス部隊、コールセンターも持っていまして、コンテンツを作成するクリエイティブの部隊や、Webマーケティングをする部隊を社内に有しています。

Webエンジニア→ディレクターを経て…

私の紹介ですが、(スライドに)部署名を書いてないんですが、実は兼務をしています。「キャリアデベロップメントセンター」の運営・講師と、マーケティング統括ですね。「Marketing Career」というオウンドメディアの立ち上げを予定していまして、そのメディアのエバンジェリストとして活動しています。

「キャリアデベロップメントセンター」はなにかというと、社内で今BtoBのマーケターの育成をしていまして、アカデミーを運営しています。その中で私はデジタルマーケティング関連の講師をしています。

ふだんから授業をやっているので、こういうふうに人前で話すのは慣れてはいるんですが、生徒の前で話すのとは少し違った雰囲気を感じていまして、今日は少し緊張しています。すいません、少し言葉が詰まったら応援してあげてください。

(会場笑)

経歴ですが、私はもともとWeb系のエンジニアを10年ほどやっていました。20歳ぐらいからずっとエンジニアとして活躍していまして、5年ほど前からWebディレクターとしてディレクションをしています。そして、2年ほど前からデジタルマーケターとして、MA(注:Marketing automation)を中心にデジタルマーケターとして活躍しています。

そして去年の2月1日からエムエム総研に参画しています。私は今年で38歳になるんですが、20年そこそこ前、16歳ぐらいの時から自分のホームページを持っていまして、それこそWindows95の時代からホームページを持ってインターネットに触れていました。

サーバの構築から実行まで、上流から下流まで広く浅い知識を持っています。

マーケティング部門設立の課題

さて、ここから「SATORI」の弊社での活用事例などを話していきます。いきなりですが、みなさん「SATORI」を使いこなしていますか? 「『SATORI』を使いこなせてるよ」と自信を持って手を挙げられる方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

SATORIの社員の方々は当然ですよね。みなさまありがとうございます。「SATORI」を含めて、MAツールの企業認知が年々広がりを見せていることは、ここにおられるみなさんだったらご存じのことかと思います。

マーケティングオートメーション元年と言われた2014年から2015年。(スライドの)ここが2014年6月で、ここからが2015年になりますので、徐々に認知が伸びている状況になりますね。

そしてマーケティングの重要度を理解している企業も年々増加しているのが弊社の調べで出ているんですが、「自社のマーケティング活動の重要性は高まっていますか?」という質問に対して、「重要度が高まった」というのが、(スライドの)上が2015年、下が2016年のデータになるんですが、それぞれ若干伸びています。

「とくに高まっていない」というところも、2015年からすると少し下がっているので、重要度はそれぞれ高まって、意識されているところが見て取れます。

しかし、その一方で、マーケティングのノウハウを持つ人材は不足しているのが、それぞれの企業さんが持っている認識の1つだと思います。

マーケティング人材やノウハウ不足、マーケティング活動の費用対効果が不鮮明。マーケティングに関する予算の確保が難しいなど、こういったところがマーケティング部門設立における課題になってくると思います。

日本のマーケター人口を増やしたい

これでは「SATORI」を導入しても、シナリオが組めなかったり、戦略が練れなかったり、実際にどう運用していいかわからないとかですね。

実際に私もいろいろな企業を見てきましたが、MAツールを使いこなせずに、ただのメール配信ツール、メールを配信しているだけのツールになってしまっている企業をいくつも見てきました。

挙句の果てには、そのメール配信もできなくなってしまって、Outlookでメールを配信してるとか、MAツールにただただお金を払っている企業なども多くいらっしゃいました。

それではもったいないということで、そこでエムエム総研としては『私たちが今できることはなんだろう?』ということを考えました。

私が考えたのが、「日本におけるマーケター人口をもっと増やそう」「マーケターの普及と成長」というものでした。マーケターの人口が増えれば、マーケティングに対して必要性を知る人も訴える人もどんどん増えるのではないかという未来を私たちは考えています。

例えば「MAって大事だよね!」「戦略と戦術は必須だよ!」「ペルソナとカスタマージャーニーが……」。こういった会話が日常で飛び交うような市場を作っていきたいです。

MAの重要性をもっと訴えたい

これも弊社調べですが、営業組織以外にマーケティング部門を有する企業は、外資は約70パーセントと多かったりしますが、内資の企業はまだまだ30パーセントほどしかマーケティング部門を社内に有している会社はないんですね。

私たちBtoBマーケティングベンダーやツールベンダーとしては、日本国内のマーケティング部門ですとかマーケターの数がどんどん増えることによって、顧客となりえる母数が増えていくわけです。

マーケターが増えればMAの重要性を説く人たちも増えていくので、「『SATORI』っていいよね」「MAって大事だよね」みたいな人たちが増えていきます。もしかしたら「SATORI」も日本全国に広まっていくのではないかと思います。

そのため、マーケターの人口増加だけではなくて、マーケティング市場全体のレベルアップというのも急務なのではないかと感じています。

そこで私たちはマーケターの普及と育成を目指して「BtoBマーケターアカデミー」を設立しました。先ほど講師をやっているという話をしたんですが、それの一環ですね。

MAの教育プログラムのツールに「SATORI」を

さて、ここまでが前段の話になるんですが、ここから「SATORI」の話にいよいよ入っていきます。

私たちはアカデミーの教材として使用するMAツールに「SATORI」を採用しました。MAの教育プログラムの項目は多岐にわたりまして、実践プログラムも用意しています。

「デジタルマーケティングとは?」から「デマジェン(デマンドジェネレーション)ってなによ?」。「そもそもMAとはなにか?」「『SATORI』とはなにができるのか?」から、「SATORI」の演習、「メールマーケティングはこうしましょう」「コンテンツマーケティングはこうするんですよ」「シナリオ策定というのはこうしましょう」「ナーチャリングというのはこうやっていきましょうね」というところを授業としてやっています。

教材は実に100ページ以上になりまして。それらの教材を植山(浩介)様にも見ていただいたんですが、「あれすごいよね」とお褒めの言葉をいただきました。調子に乗って2期生では、(ページ数が)少し増えたんですが120ページほど、どんどん強化・改善して教育プログラムを作り直しています。

「SATORI」の優れたUI

では、なぜ教材に「SATORI」を使ったのかというのですが、これには理由が3つありまして。1つは、UIがわかりやすくて、機能が分かれているので説明がしやすかった。授業がしやすかったというところですね。

「わかりやすい」ということは、「初心者でも使いやすい」というところでもあります。弊社で今授業を受けているアカデミー生は、いろいろなマーケティングリテラシーやデジタルの知見を持った人がいるので、そういった人でもわかりやすく説明しやすいツールだと感じたので「SATORI」を採用したというのが理由の1つになります。

2つ目が、少し「シンプル」という言葉が、良いか悪いかわかりませんが、シンプルゆえにとっつきやすい、ほかのMAに比べても機能がシンプルだと我々は感じています。 先の、わかりやすい・使いやすいという理由と繋がりますね。

3つ目は、実行と制作が明確に分かれていたので授業を区切りやすかったことです。実行のアクション部分と制作のコンテンツ部分ですね。それらが分かれていたので、「コンテンツを作成して、アクションにつなげていきましょう」みたいな授業の分け方が非常にやりやすかったのが1つの理由になります。

他のMAツールと比べて使いやすい

これが例えば、名前は出せないですが(笑)、某MAツールなどだと、配信リストを作るのに作業に手間が非常にかかったり、コンテンツ配信するまでの手順が非常に多かったり、多機能ゆえにパーツが多かったりします。

やはり海外から来ているMAツールとかだと、機能がすごい豊富だったりするんですが、その分、使いこなせなければ意味がないものになってしまいまして。多機能ゆえにパーツが多かったり、それなりに使いこなせる人材が必要だったり、教育する側にもかなりの労力が必要になってしまいますので、少し教材としては扱いにくいところがありました。

このように、シナリオを構築して、コンテンツを作成して、実施する。考えて、作って、実施するところですね。明確にアクションプランが分かれているので、少し繰り返しになりますけれども、とても教えやすいツールでした。

ここまでの一連の話は、最初に申し上げたとおり、みなさんがユーザー会で得たいと思っている「SATORI」の活用事例は少し違うかもしれないですが、「教える」という目線で「SATORI」を見直してみてみると、また違った一面が垣間見えるかもしれません。誰かに教えやすいということはとても大事だなと思っています。

教えやすいことは、理解がしやすい、仕組みがわかりやすいことにつながると思うんですね。仕組みがわかれば、例えば、他のMAツールの話をこの場でするのはどうかと思うんですが(笑)、ほかのMAツール話が出たとしても、理解がスムーズになると思うんですよね。

ほかのMAツールの話というのは、みなさんの会社でほかのツールを使うとかそういうわけではなくて、例えばお客様のところで「今〇〇のMAツールを使っているんだよね。少し使い勝手が悪いから『SATORI』に切り替えたいんだ」というときなども仕組みを理解していれば話もしやすいと思いますし、ほかのMAツールに移っても考え方を整理しやすいところが「SATORI」のいいところと感じました。

実際に「SATORI」を教材として使用

(スライドを指して)これは実際に授業の中で使っている図になるんですが、ホワイトペーパーをダウンロードする上でこういうシナリオを組みました。「じゃあこの中に『SATORI』を組み込むとしたらどこになにを組み込みますか?」みたいな問題を作ったりするんですね。

みなさんわかりますか? 「シナリオをここに入れて、フォームをここに入れて、メールパーツをここで作りましょう」みたいなことを授業としてやっています。

実際はこんな感じですね。LPを作って、フォームを入れて、シナリオを入れて、のように、(スライドの図に)「シ」とか「フ」とか「メ」とかついています。そういったものを授業としてやっていたりします。

そのかいあってすでに多くのマーケターをいろいろな会社に輩出していまして、現在は3期生を育成中でございます。

私も今週・来週とまた授業があるんですが、MAの授業だけではなくて、ビジネスマナーやインサイドセールスの基礎、ターゲティング戦略、KPIとはなにか。そういったことを授業で教えています。

マーケター向けのオウンドメディア開設

さらに、マーケティング市場の活性化というところも一番最初にお話ししたと思うんですが、そこにプラス1として、マーケターの育成とキャリアアップを支援する総合マーケティング情報メディア。先ほど「私はエバンジェリストですよ」という話をしたと思うんですが、「Marketing Career」というオウンドメディアを立ち上げました。

少し宣伝っぽくなっちゃうんですが、「Marketing Career」というマーケター向けのオウンドメディアを立ち上げまして。2月1日ですね。あと6日ほど(注:開催日が1月25日)でオープンになるんですが、マーケターノウハウやインタビュー記事などを掲載します。

これを掲載すること自体、お金は一切取っておらず、先ほどスライドで出したようにマーケターの普及やレベルアップを目的として、リリースさせていただいています。

今、ググっても出てこないので、2月1日以降になったら、ぜひ検索していただいてお越しいただければなと思います。

これらの2軸で、BtoBマーケターアカデミーと「Marketing Career」、人材育成とマーケター支援をメインに、日本のマーケターの普及に貢献して、マーケター人口の増加とスキルアップをやっていきたいと思っています。

もちろん「Marketing Career」の中でも「SATORI」を有効活用しており、ポップアップの使用や、先ほど別の方のスライドにもあった類似オーディエンスなどもやっていこうと思っていますので、一緒にマーケターの未来を作っていけたらと思っています。

「求む! マーケター!」ということですね。ご興味がおありでしたらぜひお声がけいただければと思います。ご清聴ありがとうございました。