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「やりたいことをやれ」 ジョブズの言葉で人生が変わった少年の話

「やりたいことをやれ」 ジョブズの言葉で人生が変わった少年の話

やりたいことをやって生きていけるのか? そのようなことを自問自答してきた人も多いと思います。社会への順応と自分の夢、どちらをとるべきなんでしょうか。絵が好きだった新造真人少年は、ある日スティーブ・ジョブズのスピーチに出会い、人生が変わります「やりたいことをやる」と決心した彼が取った行動とは。(TEDxKids@Chiyodaより)

スピーカー
新造真人 氏
参照動画
Permit yourself to do what you want to do

「社会に順応しろ」という母親の言葉

新造真人氏 こんにちは。新造真人です。ありがとう。 今日、今から僕が話すのは自分が中学校の3年間をかけて作り上げたしょうもない悩みと、それに対する気付きについてです。僕は小学校のころから絵を描くことが好きでした。 それは今も続いていて、今はものづくりに変わっていきました。自分で服を作ってみたり、友達と映画を撮ってみたり。こんな顔ですけど、お花が好きで、華道も始めました。 そんな僕は昔から絵が好きで、でもそのおかげで弊害もありました。僕は字が読めなかったんです。小学校に上がる頃、母親が僕にひらがなドリルを買ってくれました。字を読めるようになって小学校にあがりましょうと言う。 そのひらがなドリルには正方形のマス目がたくさん詰まっていて、そこに字を書け、ひらがなを書けと言っているんです。僕はもちろん反抗しました。反抗してそこに全部オリジナルの絵を描いて、丁寧にも全部違う絵を描いたんです。 でも母親は怒ったんです。「字を覚えろ」と、「社会に順応しろ」と言うんです。僕は意味がわからなくて、全部絵を描いた。しかも字は読めない。なんて不条理な世界なんだと。

絵を表彰されて絵を描くのが好きになった

そうやって小学2年生になると、僕は字が読めるようになりました。漢字も読めるようになって。そうすると母親が、またいらないプレゼントをくれたんです。漢字辞典です。しかも難読漢字辞典。今でも読めないような漢字がたくさん並んでいて。それを僕にプレゼントしてくれた。 でも、僕はそれを「美しい」そう思って、今度は言われてもいないのに書き写す日々が始まったんです。小学2年生、そんな日々、すごく楽しかった。 そんな時、ある事件が起きたんです。ある日、小学校の校庭に消防車が何台も現れて、びっくりしました。先生は僕らに「逃げろ」そう叫ぶのではなくて「静かにしなさい、描け」どういうことでしょう。 そう、写生コンクールでした。消防車の絵をかけと言うんです。炎天下の中、小学生に何時間も、手が汚れるクレヨンを持たせて何時間も描かせるんです。で、しまいには僕はさらしものにされて、みんなの前で自分の絵を表彰されてしまいました。すごい恥ずかしかった。みんなの前に立たされて。 でも、同時に自分が絵を描くのがうまいんだと自信を持って、絵を描くのが好きになりました。自信がついた。

学校に行くのが嫌で仕方がなかった

そうやって、順調に過ごしていた小学生なんですけど、いつの間にか中学生になってしまったんです。残念ながら。その中学生の頃はつまらなかった。社会に順応してしまったんです。 周りの子たちに強要されて合わせるようになってしまって。自分はそれが嫌で、どんどん孤立してしまって。みんなはグループで遊んでいるのに、僕はそのグループに入りたくないから、ひとりで絵を描いて。寂しさを埋め合わせるためにずっと絵を描いていました。 どんどん、どんどん絵を描いて。そしたら想像力がふくらみます。でもその想像力が膨らみすぎて、ある日、目をつぶったときにしか見えなかったその世界が、その素敵な世界が現実の世界に現れるようになってしまった。 ある意味自分で幻覚のようなものを見るようになって、体もだんだん痛くなってきて。なにもしてないのに右足が痛くなって、そんな日々。中学校の卒業が近づいたころ、ある異様なことがおきました。いつものように行きたくもない学校に通って、受けたくもない授業を受けて、聞きたくもない先生の声をBGMにしながら楽しくお絵描きをしていて。 そうやって授業が終わってホームルームの時間になりました。ホームルームの時間、突然体が動かなくなって、座ったまま体が動かなくなって。ホームルームが終わって、掃除の時間です。みんなは机を横に寄せて掃除を始めます。 僕は体が動かないからその机に座ったままで。どうしたらいいのかよくかわからなかった……。掃除が終わって、みんなが家に帰って行って。僕は1人で教室に残されて。突然泣き始めたんです。学校に行くのがもう限界でした。

ジョブズのスピーチをみて「やりたいことをやろう」と思った

体は動かないし、涙がボロボロ出てきて。そのまま2時間ぐらい泣き続けて。本当に学校に行きたくなかった。そんな辛い日々でした。その暗黒の中学校を抜けて、僕はやっと高校生になりました。今僕は高校3年生です。 今通っている高校、入試の時に、名前より先に落書きをした高校に入りました。高校に入ってだんだん日々が楽しくなってきて、自分から何かをやってみたい、そう強く思えるようになりました。 そのきっかけが、ある男の人がしたスピーチでした。17歳の頃に見ました。そのスピーチを見てから、僕は毎朝鏡の前に行って、鏡の向こうに尋ねるんです。君は今どんな顔をしてる? 何がしたい? どうありたい? 今日が最後の日だとしたらどんな風に過ごしたい? と問いかけてみるんです。 そう、スティーブ・ジョブズのスピーチです。スタンフォードの。3つ目の話が僕の心に強く響きました。自分が何をしたいか、そればかりを考えていて。彼も同じように考えていて。 あの偉大なスティーブ・ジョブズがそういうことを考えていて。ああ、みんな同じなんだ。自分の悩みは自分だけのものではなくて、みんな思っている。あの偉大なスティーブ・ジョブズも思っている。 そう思って日々が過ぎて行き、ある日、「やりたいことをやりなさい」という言葉に出会いました。「やりたいことをやりなさい」すごいシンプルですごく良い言葉。やりたいことをやる、そしたら絶対人生が楽しくなる。想像しました。想像力があるから。 でも、やりたいことが分からなかった。やりたいことをやりなさい、そしたら人生が楽しくなる。でも僕はやりたいことがない。そしたら人生がつまらない。同時に僕の人生は否定されました。

「やりたいことを探す」も立派なやりたいこと

ある日、そうやって否定されないで、その言葉を素直に受け取れるような日が来ました。「やりたいことをやりなさい」自分のやりたいことはその「やりたいこと」を見つけることなんだと。 gazou1 そう気付いて、やってみる、トライを始めました。それを象徴するのがこの写真です。友達はこれを「泡の壁」といいました。作ったのは、幼稚園の時に使ったような、お遊戯会でやるような、輪っかと輪っかを鎖のようにつなげてそれを飾りのようにした、それを壁に貼ったんです。 特に何かを表しているわけではなくて、見ている人に「なんだかいいな」と思って欲しかった。昔から1人ぼっちで、僕は寝ながら天井の木目を見たり、壁のシミを見たり、何かいい形があると微笑みながら想像して。 そういう風に雲のかたちを切り取ったように、何かこの形を見て想像して「なんだかいいな」と思って欲しい、そういう風に思って作品を作りました。これは文化祭の時に作ったんです。そうやってトライしようと思ったときに、これは3メートル×3メートルくらいあるんですけど、1人でやるには結構大きな作品で、なかなか自分1人ではできない。 最初5人ほど友達を呼んでやっていたんですけど、その友達が友達を呼んでくれて、最終的に50人が僕のこの作品を手伝ってくれたんです。50人もの人です。中学校の頃は1人だった僕に、50人もの人を集めることができた。それは大きな驚きでもあったし、感謝して、そして自信にもなったんです。 自分のやりたいことをやっていいんだって、そう思えるように。50人もの人が僕のことを応援してくれて、協力してくれて、助けてくれる。

自分自身が嫌いだったことに気がついた

そして同時にこんなことに気づきました。中学生の頃なぜ自分があんな風に不満に思っていたのか、それは自分がやりたいことをやっていなかった、そしてその理由は、自分が嫌いだったから。自分が卑しいと思っていたから、自分が卑しいから自分がやりたいことをやってはいけないと。 自分はこんな人間だから、やりたいことをやってはいけない。そうやって自分に禁止を与えていた。でも、この作品を通じて僕は自信を持って、自分にやりたいことをやってもいいんだよと、その許可を与えることができました。 そうやって僕はだんだん自信がついてきて、ある日、あの忌々しい中学校に復讐してやろうと思いました。ある日、中学生が学校に通うと校門の周りに汚ない落書きがしてある。 そして中学生が、「ああ、これきれいだな」と思ってくれたら素敵だなと。なんでもない1日が、僕の落書きでその子たちが喜んでくれたらいいなと。この話を中学校の頃の本当に少ない友達に話してみて2人でやりました。 gazou2 それが、これです。電柱の上から撮りました。すっごい楽しかった。深夜3時に起きてチョークを片手に、あの忌々しい中学校に登校して落書きしてやったんです。 gazou3 だんだん楽しくなってきて、他にもやりました。GAKKOと書いてあります。 その嬉しい気持ちを伝えたいなと思って。先輩、後輩みんなに伝えたいなと考えて、GAKKOを作りました。このGAKKO、実はこれ教科書でできています。 去年震災がありました。それに対して僕は何かやりたいと思って、団体を立ち上げて。東北に何かできることはないかと、高校生にもできること。身の周りにある教科書を集めて送ってみることにしました。でもそれは、残念ながら叶わず、学校に置いたきりになりました。 でも、こうやって使うことができた。スティーブ・ジョブズが言っています。「点と点が繋がる瞬間だ」って。それが叶いました。

深夜の学校に忍び込み、みんなで絵を描いた

そして、そうこうしているうちに文化祭の時期がやってきました。 去年は計画性がなくて、友達を呼んでしまった。だから今回は計画的に進めてみよう、そう思って順調に進んでいたんです。でも文化祭2日前、全体の10%しか進んでいませんでした。でも友達に頼ろうと思わなくて、でも頼らざるを得なくて。 2日前にやっと友達に頼むことになりました。ジュース1本で。ジュース1本で1日手伝ってくれる友達ができました。中学生の頃は1人もいなかったのに。そうやって10人が集まりました。 でも10人でやっても終わらなかったんです。そこであることを思いつきました。深夜の学校に忍び込もうって。絵画教室、深夜の絵画教室。「やってもいいのかな」と不安に思いながら、でも、「やったら絶対楽しそうだな」って。 また、深夜の3時に集まりました。受験生が深夜の3時に勉強会をするわけでもなく、お絵描きをしに。シャーペンを持つわけでもなく色鉛筆を持って。真っ暗だからその色がなに色かもわからない。 でも、描いて、描いてみんなで描いて、そして朝が近づいてきて、その線の塊にだんだん色がついてきたんです。見えにくいかもしれませんが、こんな絵です。 見えにくいかもしれません。これなんです。すごい下手くそな絵。でも、この下手くそな絵っていうのが僕には描けない。僕はもっとうまい絵をかいてしまう、絵を描いているから。 gazou4 でも、「深夜の学校に忍び込む」そのアイデアで普段は絵を描かない人を集めて、こういった面白い絵を描くことができた。人を巻き込むこと、その巻き込むアイデアで全然関係ない人を巻き込む。それを学んで、こういった面白いものを作ることができた。

「やりたいことをやる」と自分に許可を出そう

僕は中学生の頃、全然やりたいことができなくて、高校に入ってみてやりたいことをやってみたんです。そしてそれがうまい具合に自分1人でできる範囲を超えてくれて、人を巻き込んで、人に助けてもらわなきゃいけなくなって。 やりたいことをやってもいいんだって、どんどん自分に自信がついてきて、そうやって自分に許可を与えました。やりたいことをやってもいい許可。皆さんも鏡の前に向かって、自分に尋ねてみてください。 自分が何をしたいか、どうありたいか。人生最後の日までをどう過ごすか。答えは返ってきません。自分で作るしかないんです。 しかし、その言葉に許可を与えてみてください。素直に従ってみよう。その言葉を素直に受け止める許可を、ぜひ与えてみてださい。ありがとうございました。

  
※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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