連結損益計算書概要

安藤正弘氏(以下、安藤):みなさま、おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それではまず、売上ですけれども、前年比11.1パーセント増の約95億3,200万円。営業利益は約38.7パーセント増の8億8,800万円。経常利益は約40.9パーセント増の7億7,800万円ということで、過去最高益を出しています。

そして、とくに見ていただきたいのは経常利益率です。

昨年は6.4パーセントのところが、8.2パーセントということで、昨年発表しましたストック事業をどんどん伸ばしていこうと、利益率を上げていくということを、しっかりと計画どおり進めています。

そして、もう1つ、優先出資の経費が4,459万円となっていますが、こちらが営業外費用・販管費に少し含まれています。これを吸収しながらも、(経常利益を)7億7,000万円を出せたということで、本来ならば8億強(の利益が)出ているということになります。

今期目標に対する進捗率

そして、進捗率ですが、通期に対して55.6パーセントと、半分を上回っているということで、前半戦は非常に調子よく上がっているということになります。

セグメント売上高(事業別)

そして、セグメントの売上高ですけれども、ここで見ていただきたいのは、ハウス・リースバック事業です。マイナス18.9パーセントですけれども、これは前期に、一棟収益3億700万円、そして大型案件1億7,700万円がイレギュラーに入り、前期の数字は12億6,500万円でした。

ですから、この数字だけを見ると減収になるのですが、実際はそちらを除いた分(の売上高)は、約5億円近く伸びています。

そして、リフォーム事業の3.9パーセント減というのは、これも前期の16億6,600万円から新築の請負2億3,200万円(の売上)を引いていただくと、(実質的に売上高は)上がっているということになります。リフォーム事業は「あまり伸ばすつもりはない」と言っていますが、しっかりと上がっています。

前期もお伝えしたと思いますけれども、純粋の新築の請負はやめていますので、リフォームだけに絞っています。そして、建築は土地を仕入れて、そこに(建物を)建てるという、土地と建物をセットで事業をやっていますが、それは不動産売買事業の領域に入ります。

セグメント利益(事業別)

そして、セグメント利益です。これもリフォーム事業の利益に対しては(前期には新築請負益)5,300万円が含まれていますけれども、これを引いていただくと、(前期比で増益)ということになります。

そして、ハウス・リースバック事業の利益も(前期の売却益の)9,000万円(一棟収益)と3,400万円(HLB大型案件)、これを引いていただくと、実際の伸びを見ていただけると思います。

セグメント売上高・利益構成比

そして、売上と利益構成の比率です。

私どもがストック事業と呼んでいる、フランチャイズ事業・不動産金融事業、ハウス・リースバック事業という部分(の割合)が(売上全体の)25.5パーセントに対して、営業利益は50.8パーセントと、利益は非常に貢献しています。今後も50パーセント以上を超えていきますので、ますます比率が上がっていくということになります。

厳密には、ハウス・リースバック事業の中に、リースバック顧客による再度購入、あるいは売却も入っていますが、非常にビジネスモデル的に割安の売却益となりますので、「実際、ストックではないんじゃないか」と言われますが、非常に安定した売却利益ですので、単純に売買事業のようなリスクの高い売買高、粗利益というものではないと解釈しています。ストックに近いと、我々は考えています。

フランチャイズ事業

次にセグメントを詳しくお伝えしていきますが、フランチャイズ事業が非常に絶好調で伸長しています。

そして、進捗率は48.4パーセントですが、これはストックが積み重なり、後半伸びてきますので、計画どおりにいけると考えています。

そして、利益もしっかりと前年対比で伸びているということになります。

ハウス・リースバック事業(セグメント)売上高推移

そして、ハウス・リースバック事業ですけれども、先ほど申し上げた前年同期特別要因の4億8,400万円を引いていただき、確実性の高い案件(を対象に)、毎月平均値の数字を出していくと、(前年同期HLB事業売上)7億8,100万円から10億2,600万円に伸びている、前年対比31.3パーセントの伸び率ということで、見ていただくといいのではないかと思います。

ハウス・リースバック事業(セグメント)営業利益推移

そして、営業利益も(前年同期比で)51パーセント伸びているということになります。

利益率に関しては、少し下がりますけれども、これも特別要因が含まれているためですので、通常はこのような状態になっています。

ハウス・リースバック事業(単独)

そして、(売上高の)内訳はこのようになっています。とくに、ポイントとして見ていただきたいのは、リースバックの売却目安は、半年前にもお伝えしたように、保有件数のおよそ1割が毎月売りに出ていきます。これはお客様による再度購入、あるいは「いらないから市場で売ってください」というものです。

ただし、それが半年ずれたことで、この数字に反映されます。

ですから、昨年、17年6月期時点の保有物件数397件で試算すると、だいたい月に4件が売りに出るわけです。これが半年ずれてくるということで、6ヶ月 × 4件 = 24件と、6ヶ月間で24件が半年ずれて、その半年内に売却分が入ってくるということです。これは売上で見ると、平均およそ2,300万円になります。

そうすると、今現在この6月、第2クォーターで保有物件数626件ということは、この半年後には毎月6件の売却が実現されていくということになります。もうすでに、お客様による再度購入依頼が合計で毎月5、6件来ています。これが後半戦に表れてくるということは、どんどん利益が上がっていくということです。

利益がぐんと膨らんでいくということで、リースバック事業は非常に魅力的なビジネスになっているということです。

不動産市況にどう影響するかというと、たとえ売れ行きが落ちたとしても、(我々は)割安で買っていますので、お客様の再度購入に対しては、まったく関係ありませんし、「景気が悪いからお客様が再度購入をしない」ということは多少あるかもしれませんが、再度購入する際は決められた金額で購入することになります。

あるいは、市場で非常に割安で買っている部分では、スムーズに売却ができるということになっていると思います。

保有総額・保有件数

そして、(保有件数は)合計で626件、(保有総額で)91億1,000万円を購入していると。

これがまだまだ積み上がっていきますので、今後ますます売却も(増加していく)ということになります。

これは、そろそろファンド化にしていかなければいけないということで、いろいろと進めています。まだ、時期等は決定していませんので、この場ではお伝えできませんが、早期に(ファンドを)組んでいきたいと考えています。

すべてをファンド化、組成するかについても、まだ決めていませんが、適度なバランスを取っていきたいと思っています。

不動産金融事業 売上高推移

不動産金融事業は非常に絶好調でいっています。

売上高は174パーセント増、進捗率は41.8パーセントです。これも後半戦はストックとしては伸びていくということです。

そして、リバースモーゲージ保証の事業もスタートしています。その数字(売上高)はまだ入っていませんので、これが入ってくると、より伸び率が上がるということになります。

不動産金融事業 営業利益推移

そして、営業利益です。営業利益もこのように伸びています。これも後半戦に伸びていくと。

利益率が落ちているのは、今人材採用を拡大しているためです。と申しますと、大阪信用金庫さまとのリバースモーゲージの保証業が、非常に依頼が多いということで、今たいへんな思いで評価・調査を出しています。

この数字が第3クォーターに出てきますので、楽しみにしていただければと思います。残念ながら第2クォーターまでは保証業の売上は入っていませんので、具体的な数字はなかなか言えませんけれども、そのようになっています。

保証を出してから(保証料の)入金が1ヶ月遅れて入ってきます。保証料は(2018年)1月に入ってきていますので、この数字には入っていません。

不動産金融事業 融資残高の推移

不動産の担保融資残高は32億円です。返済もありますから、今期末には54億円ぐらいを目指しています。

このような保証融資残高ですので、保証料はここに表現しづらいのですが、今年度の6月決算には発表できるかと思います。

1行だけの数字は出しづらいですが、今、第2行の取引ができそうなので、第2行、第3行(の取引が)できれば、リバースモーゲージ保証業の数字を明確に出していきたいと思いますが、1行に対して(保証料が)どのくらいかということは言いづらいというのが現状です。

2行以上であれば合わせていくらという表現はできると思いますので、おそらくそのような状態(開示方法)になると思います。

不動産売買事業 売上高推移

不動産売買事業(の売上高)は22.1パーセント増となっています。こちらは「あまり伸ばさない」と発表していますので、「伸びているじゃないか」と言われますが、昨年はブレーキをかけました。ブレーキをかけた分(売上は)減っています。

ただし、市場がまだ順調、アクセルを踏み直して、しっかりと上がっているということで、(売上高が)伸びたという状態になっています。

そして、前々期(2016年6月期)よりも(売上高が)伸びているのは、あまり資金枠は変わっていませんが、非常に回転率のいい状態を実現できていますので、売上が伸びたということになります。進捗率は62.2パーセントです。

後で在庫の数字を見ていただくとわかると思いますけれども、在庫はあまり増えていませんので、回転率が上がっていると。非常に理想的な状態になっています。

不動産売買事業 営業利益推移

営業利益率も非常にいいと。利益額もこのようになっています。

不動産売買事業 棚卸資産推移

これが資金枠です。この辺りの数字を維持しながら、回転率を重視していきたいということになります。

不動産流通事業(仲介) 売上高推移

続いて、不動産流通事業(仲介)です。私が創業した当時から行っている仲介業ですけれども、順調に進捗し、(売上高が)13.2パーセント伸びています。

こちらも「あまり伸ばさない」と言ってますけれども、少し伸びている部分においては新人比率が少なくなっていくことによって上がっていると。ハウス・リースバック事業などに人員を5人ほど移していても、逆に売上が伸びているのは、大量採用した新人のボトムが上がってきているということだと思います。

そして、沖縄県と愛知県へ出店しました。「あまり積極的に攻めないと言っているのに、2店舗出たじゃないか」と言われますが、愛知県に関しては加盟店さまの撤退に関して、我々の直営店の隣接地でしたので、出店いたしました。

沖縄県に関しては、どうしても、お客さまが北部にあるハウスドゥ!に、わざわざ遠いところから来てくれていましたので、「少し近くにお店があるほうがいい」「ハウスドゥ!のサービスがいい」という支持者が多かったものですから、こちらも出店したということになります。

不動産流通事業(仲介) 営業利益推移

そして利益もしっかり上がっているということになります。

リフォーム事業 売上高推移

リフォーム事業については、こちらのページを見ていただくといいと思いますけれども、現状維持ということで、順調にいっています。

リフォーム事業 営業利益推移

利益額は非常に順調に上がっていて、しっかりと進捗しているということになります。

連結貸借対照表

そして、貸借対照表ですけれども、見ていただきたいのが自己資本比率です。優先出資で(株式資本が)約30億円入って、昨年の13.7パーセントから26.9パーセントになっています。

有形固定資産の97億200万円はリースバックの商品になります。

ポイントとしては、その辺りを見ていただければと思いますけれども、株主資本が約27億円から約61億円と増えています。

株式配当について

そして、配当ですけれども、今期は25パーセント以上と宣言していますので、最低でも25パーセントより少しは上回っていけるよう、がんばっていきたいと思います。

2018年6月期計画:セグメント別売上高

それでは、中期計画の見直しを報告いたします。51ページです。このように計画を発表しています。

今のところ順調に進捗しているということになります。そしてあと2四半期の中で、このようにしっかりと計画どおり行っていきたいと思います。

ここで少し見ていただきたいのですが、計画として今期は8.2パーセントの経常利益率と発表しましたが、まだ半分、第2四半期までの経常利益率が8.2パーセントになっています。ちょうど8.2パーセントに収まっていますので、6月末時点でどうなるかわかりませんが、非常に計画性が高いと思っていただけるとうれしいです。

数字の発表は以上です。

賃貸ブランド設立

成長戦略を少しご説明したいと思います。

先日、発表していますが、今年度1月(2018年1月)から賃貸事業に参入しています。「レントドゥ!」というブランドを作って、1月に加盟店募集をはじめています。

レントドゥ!も国内1,000店舗を目標として発表していますが、「なぜ今頃賃貸なのか」ということを言われるのですが、何点か理由はあります。

まず、大手の賃貸(企業)のフランチャイズ本部は、なかなか(出店する)エリアがないという現状があります。フランチャイズというのは、ハウスドゥ!もそうですれども、エリア制をとっていますので、エリアがたくさんあるところ(のフランチャイズ)に入りたくても、入れないという現象が起こっています。

我々も15年前に賃貸事業に進出したいと思って、大手フランチャイズに入ろうと思って問い合わせると、「京都市内ではもうエリアがないんだ」と言われて、断られました。そして、また別の大手フランチャイズに入ろうと思って問い合わせしても、「エリアがない」と言われました。

ですから、エリアがないところには入りたくても入れないということで、新たなブランドを提供すると、(フランチャイズの)ニーズがあるというのは間違いないです。最近ハウスドゥ!も徐々にブランド化されてきていると判断しましたので、古田氏(古田敦也氏)を(イメージキャラクターとしてフランチャイズ加盟店で)使っていただく。

ハウスドゥ!(という名前)は少し変えますけど、ハウスドゥ!グループのレントドゥ!なんだと。古田氏をお店に出させていただいて、おそらくニーズがあるだろうということで、スタートしています。さっそく多くのオファーが来ています。

そしてもう1つの理由は、現在のハウスドゥ!との相乗効果です。

賃貸業者のプロたちがハウスドゥ!に入ってくれて、賃貸事業から売買に持ってくる、売買でローンが通らない人たちを賃貸に持ってくる、非常に相乗効果が高いということを加盟店さまから教えていただきました。そうすると、賃貸をやるべきだということです。これが1つです。

もう1つの理由は、実は空き家が増えてきた、賃貸物件が余ってきたということは、これは賃貸のプロからすると非常に危機感を持たれているということです。しかし、私たちからすると、(物件が)余っているときこそチャンスだという判断をして、参入したということです。

どういうことかと言いますと、まず、いい物件はしっかりと力のある管理会社、賃貸会社がぐっと握って、なかなか情報をもらえないという現象と、オーナーさんが徐々に空き家に対する不満を持って、大手の賃貸会社、管理会社から離れていっているという現象があります。

そして、直接お客さまを募集する、そのような現象も起こってきています。

ということは、新参者でもオーナーさんとしっかり客付けできるということです。今までは横から(物件を)取りに行くと、力がある大手会社から出入り禁止を受けたり、取引停止になったりということが起きていました。

それが、もうフリーに、直接契約することができる時代がきているということは、新しく参入しやすいという判断をしています。

さまざまな要因によって、このレントドゥ!が成功すると確信を持っていますので、まず、この状況も見ておいていただけたらと思います。

賃貸ブランド設立!

そして、もう1つの武器は、実は前から私は思っていたのですが、ようやく実現した、部屋の時間貸しです。これは京都の山科の、我々の所有物件で一度試してみて、非常に予約が入ってくると、非常にニーズがあるということを判断した結果、これを事業化しようと決めました。

これは、クラウドサービスを作って、スマホで検索して、空き家の部屋を確認して、スマホで予約する。そして、スマートロックで入って、退出するとクレジット決済されるというものです。この仕組みがあると、非常に手軽に入室・退室ができ、そこに人はあまり介在しないということで、運営ができます。

スペースマーケットという会社がありますけれども、我々は空き部屋を専門にしていこうと考えています。

そして、全国の加盟店と組んで、そして、レントドゥ!とコラボレーションして、全国の管理会社、賃貸会社と連携していこうと思っています。

これはライバルもなにも関係なく、この空き家(増加の)対策にどんどん貢献しよう、部屋を貸しましょう、今現在貸し出しているところも時間で回せばいいのではないかと。

そして、しっかりとした(賃貸の)申し込みがあれば、時間貸しをやめればいい話ですし、あるいは内装に自信があるお部屋は時間で貸して、「この部屋は1時間でいくらですよ」というような形で、テレビを置いて、ソファを置いて、ベッドは置きません。夜中も貸しません。宿泊は禁止でやります。民泊と逆にいこうと思っています。

民泊は、私はどちらかというと旬のもので、「オリンピックが終わるとどうなるかな」ということを考えていますので、旬の商売で一生懸命やるのも面白くないなと思っていますので、長期的な社会問題をテーマにしていきます。空き家が本当に増えている、これは社会問題になっていますし、これを解決するために固定資産税を上げるなど、(政府は)さまざまな制度を行っていますけれども、私はまったく的外れではないかなと。

政府を批判するわけではないですけれども、(空き家増加の問題を)根本的に解決するためには、人口を増やすしかない、人口を増やすということは、子どもをたくさん産んでいただいて、それが実現するのは20年後や25年後になるということで、これは現実的ではありません。ということは、空いている部屋は生かせばいいわけです。生かすことで解決できると。

そうすると、実験をした結果、「クリスマスにパーティがしたい」「5、6人で女子会をやりたい」「そこにカラオケはついていないのか、4、5人で歌いたい」「町内会の後に20人くらいで懇親会をやりたい」ということを言われます。

これはマンションなのではできませんよね。

そうすると、ローカルの借家や店舗、空きのあるところを借りて、安物の設備を置いて、「自由にやってください」とすれば、非常にニーズがあると思います。

おそらく、主婦の方は、(お客さまに)家に来てもらって、バーっとみんなで楽しくやっても、後片付けをしたり、お客さまを呼ぶ前に掃除したりすると大変なんです。

ですから、スマホで、近所にあるレンタルの部屋を気軽に検索できて、自分が気に入ったところを借りる、チェックイン・チェックアウトも簡単にできると、こんなもいいものはないということです。

日曜日、ご主人さんが家に帰って、「少しうるさいな」と思えば、2時間ほど読書をする部屋を借りればいいですし、さらに「昼寝を少ししたいな」「お客さまのアポイントの前に1時間空いていた」と、「書類整理で、コーヒーも飲みすぎたし、ちょっと部屋に入って仕事したいな」とか、さまざまな使い方が手軽にできることによって、ニーズがあると私は確信しますので、このサービスをスタートしました。

なかなかすぐに利益が出るものではないかもしれませんが、これを武器にして、多様な活用ができると考えています。

この間リリースして、さっそくテナントのお客さまから時間で貸してくれと(依頼がありました)。(お客さまのところへ)行きましたところ、「実は売ろうと思っているから、ハウスドゥさんは売買専門なので、売却もお願いする」と。

賃貸管理会社に頼むと、「売買はやっていない」と言われたということなので、これはまた面白いニーズを見つけたなと思いました。

なぜ賃貸業者は売買をしないのかと思うのですけれども、(現状として)そういうことになっています。

ですから、そのお声をきっかけに、さまざまなオーナーさんと接触して、売却を受けたり、いろいろなことをやっていこうと思っています。

欧米流エージェントスタート

そして、これも新たにスタートしています、「欧米流エージェント」ということですけれども、我々、日本の不動産業界の営業は正社員制度です。

この辺が、世界の基準、常識からすると、おかしいというか、日本は少し変わっています。

だいたい、外国へ行ったら(不動産企業は)自営業者の集団になっています。ですから、これを日本でもやりたいと思って、スタートしました。

そうしたら、非常に良い方がどんどん応募をしてくれて、「ハウスドゥ!の名刺が使えるんですか?」「どうぞ使ってください」ということで、自営業者の集団を作っていこうと、保険業界の営業のようなものです。

ですから、フリーで動いていただいて、最低でも約50パーセントから配分として出そうと考えています。100万円の売上があれば、50万円は持って帰ってくださいと、その分は給料を出しません、出勤もいらないです、週に1回、2時間ほど報告に来ていただいたら良いと。そして、電話対応は当社が行います。

ただし、保証人が居るか、損害保険に入っているか(を確認します)。(課題として)不正保険があります。ですから、もし、営業マンが悪いことをしても、保険が降りるような仕組みで、新たな不動産業界を作っていこうと考えています。

おそらく、このやり方が主流になっていくと思います。正社員制度の営業会社はやはり限界があると思っています。

自営業者扱いになりますので、収入は自己申告しますよね。だから、経費も使える。給料であれば、給料は源泉(徴収)されるから、けっこう稼いでも手取りが少ないですよね。

例えば、自営業者扱いであれば、確定申告で車(にかかる費用)やさまざまな接待費をすべて(自由に)使えます。

そうすると、エージェントにとってもいいし、会社も固定費がなくなりますし、要するに我々のブランドを信用化していこうということです。これがおそらく主流になっていくと思います。

そして、ベテランであれば(配分として)最大9割あげようと。100万円の入金に対して90万円あげようと。その他、デスク代、電話対応料は別でもらうようになりますけれども、アメリカがそうなっていますが、超有能なエージェントは、会社から最大9割(の配分を)もらえます。

そして、1人経営者のようなものです。デスク代を月5万円、保険料を3万円、協会費も自分で払う。アメリカがそうなんです。日本は会社が協会に入るんですけれども、(アメリカでは)個人で協会に入る。

その辺りがやはり、営業の質が悪くなる原因なのですが、アメリカのようにプライドを持って、スペシャリストの集団を作っていくという部分では、このような制度をなんとか成功させてみたいと思って、試みています。

そして、我々はこのようなさまざまなソリューション、いろいろな商品を作って、そして、お客さまに対応していこうと考えています。

加盟店さまにも、「いろいろな商品があるのはハウスドゥ!だけだ」と、「だから、(商売を)やりやすい」とおっしゃっていただいています。「これくらい商品があって、うまくいかなかったら加盟店さまはやめてください」ということを最近、言っていますけれども、みなさん一生懸命がんばってやっていますが、やはり、90パーセントの問題は加盟店さんの人の問題です。(いい)人材がいないということです。

ロイヤルティもそれほど高くないし、ネームバリューもあるし、商品もたくさんあって、ただし、営業マンがいないということなので、先ほどの欧米流エージェント制度をどんどん成長させて、加盟店さんにも供給していきたいという考えです。

こちらの歯車がうまくあっていくと、日本で、我々ハウスドゥが相当な影響力を持てると思っています。

10年ビジョン

我々の強みは、販売力、査定力、信用力、全国対応と地域密着型です。1,000店舗のあとは3万~5万世帯に1店舗になります。お客さまは我々を大手チェーンと思われていますけれども、より強固な大手チェーンが地元にあるという状況は、日本で初めてです。

大手の不動産会社さん、財閥系などは地域密着型ではありませんので、我々がこれを実現すると、我々がスタンダードのサービスチェーン店になるということです。そうするとまわりも同じような戦略を打ってくるだろうということで、人間というのは真似する生き物ですから、成功事例を真似してくるということです。

ですから、それによって不動産業界が変わっていくという考えをしております。大いにライバルが出てきてほしいと思います。

そして賃貸ビジネス構想は着手しております。

高齢化社会の問題解決をビジネスチャンスに

高齢者ビジネス構想は今からやっていきます。高齢者サービスの会社との事業提携や、いろいろな事業を、今、検討して接触しております。とくにやりたいと思っているのは高齢者施設の紹介サービスを検討しております。他社と組むか、自社で行うかは、まだ決定ではありません。

老人ホームなどのサービスは、政府の規制であまり宣伝してはいけないようで、CMを打ってはいけないというルールがあるらしいのです。でも、自分のところのアピールはいろいろな方法で、当然しますよね。

でも、お客さまからすると探しにくいし、聞きに行くと、自社のところのいいところだけ言う、悪いところを言ってくれない。ちゃんと中立的に仲介してくれるサービスが必要です。

ちょこちょこ(既にサービスを手がけている会社)はあるんですけれども、ビッグカンパニーはありません。そういう部分を狙っていってもいいんじゃないかと思います。

リバースモーゲージや、高齢者をターゲットにしていくと、最後の高齢者の出口も考えないといけません。そういうサービスも必要ではないかと思います。いろいろと、やっていきたいと思います。

そして、不動産信託構想も、ぜひやりたいと思っています。ですから信託免許が欲しいと考えています。なにか買収案件があれば、信託もフルに使っていきたいと思います。

信託は不動産保全ができますから、リースバックも本当は信託で購入したいんです。倒産隔離をしていくとお客さまから安心を受けられますから。

今回のコインチェックもそうです(2018年に発生した、仮想通貨取引所に対するハッキング事件)。信託口座であれば、振り込んで、お金が返ってこないという問題にはならないんです。(コインチェック事件では)なにも買ってないのに口座に(お金を)入れただけで凍結されているんです。

我々も、そういいながら実際、リースバックも所有でやっていますので、我々が潰れると影響します。そういうファンド組成も急がなければならないし、将来信託という免許を活用して、信託口座で購入できると、(お客さんに)安心してもらえると思うんです。

さらに信託口座を使って、高齢者の不動産や小型の不動産を預かって、(例えば)我々がコインパークを運営すればいいと思えばコインパークを我々の資金でやってあげて、収益を上げて配当を出します。そしてお客さまが相続もできるし、配当も受け取れ、いつでも再度購入できるようにする。

大手不動産は、すごく大きい不動産しか扱わず、小型の不動産はやらないので、我々はそこを攻めていきたい。

例えば商業地に木造の古い家があるとします。(高齢の)年で、借金してまで(建て替えたりするのは)嫌だな、でも手放したくない、という場合、我々から見て商業ビルを建てたほうがいいとなったら、任せていただき商業ビルを建てて、そしてテナントやマンションにして、我々が投資した分を先に回収しながら配当を出していきます。

要は現金の投資信託のようなものです。これの不動産バージョンは、なぜ世の中にはないのかと思います。

投資信託では、株などはけっこう変動ありますが、不動産ほど堅いものはないと思っております。これがもしできればすばらしいと思います。

高齢者ビジネスを考えている中でいろいろ接触していくと、老人ホームに入った方も、不動産は持っていたいらしいです。それを聞いて不動産信託構想を思いつきました。

手放さずに運用してあげて、配当をあげて、これならすごくニーズはあると思っています。自ら借金はしたくないけど、いつかは間違いなく返してくれるんだったら、預けて運用しておいて、となるんじゃないかと思っております。

小型の不動産は大手が手がけない、というのは非常にニッチかもしれませんし、現金ならば投資信託へ預けているのに、不動産はやっていないというのはもったいないですよね。

ぜひこれを実現していきたいと思います。こういうニーズがあることを、もう見つけました。

我々は今後、高齢者に焦点を当てていこうと考えています。わたしは仲介から始めております。仲介はもともと、若い方をターゲットにしていたのですが、今後高齢者が増えるのであれば、高齢者をターゲットにしていこうということで考えております。

高齢者の人口および割合の推移(昭和25年〜平成52年)

高齢者のデータを、見ておいていただきたい。(高齢者は)当然どんどん増えていきます。

世帯主の年齢階級別 持家率

高齢者のほうが持家率も高く、資産も多いです。

世帯主の年齢階級別 年間所得(2016年)

そして所得はどんどん減っていくんです。消費も、所得に応じて減っていくというデータになっています。

世帯主の年齢階級別 1世帯あたり1か月間の消費支出

高齢者になると、物欲もなくなって食欲もなくなってくるのかもしれませんが、このようになっています。

必要なこと

ですから、高齢者の不動産を流動化というか、価値を出していくと、日本経済は非常によく動くんじゃないかと思います。

いつも思うのですが、なんで安定する不動産が換金性が低いのか、証券であれば100万円を証券会社の口座に入れると、3倍まで証券は買えるのに、不動産だけは審査して1ヶ月ほど待って融資できませんとか、売ると出ていかないといけないですよね。お金は便利ですが、不動産は不便なんです。

不便でも、それなりの環境さえ整えば便利になるはずだということで、ここを、我々が、本当の問題だと認識して取り組んでいきたいと思います。資産を生かして資金供給してもいいし、換金性の課題が解決できるよう、さまざまな部分をやっていきたいです。

ハウスドゥ!グループの「不動産+金融」

そして不動産リースバックや、担保融資、リバースモーゲージ、先ほどの不動産の信託運用などを組み合わせていくと、豊かな老後生活を送ってもらえます。

ハウスドゥ!BANK構想

そして前にも発表したかもしれませんが、まずこういうことも必要じゃないかと思います。我々が不動産を評価して、だいたい7割ぐらいを目安に枠を設定していきます。枠内にお客さまはスマホでいつでも出し入れできる。

これはアメリカでも既にあります。モーゲージバンクという不動産専用の銀行があって、そこのオンラインサービスということをやっています。我々もそれをやりたいと思っておりますが、リバースモーゲージの銀行さんと提携で実現すると思います。

情報やセキュリティはきちっとやらないと、盗まれてはかなわないので、1,000万円単位、2,000万円単位で、例えば枠内であれば1,000万円を出して、1週間後に1,000万円を返します。1,000万円について、1週間だけの金利で済み、わざわざ審査もいらない、出し入れ自由だということです。

便利で非常にニーズがあります。簡単にいうと、いつでも不動産をお金に換えられるのです。要は融資です。不動産を細切れに流動化できるということです。

この裏側は、不動産のAランクで安全、Bランクは中、Cが一番リスクが高い。市場比3割ダウンなのですが、銀行とか投資家がいろいろ投資したりします。

これをシステムでやると、いつでも投資家や融資銀行が回収したり、ネットで3ヶ月後に我々が回収したいとなれば、次の融資先となる銀行や投資家などが金利を競争してもらうとか、こんなのもおもしろいんじゃないかと思っております。

今は債券にしたり、いろいろとコストが高いことをやっていますけれども、もうこんな世界がやってくるんではないかと思います。おそらくこういう時代を、我々は創っていけると思っております。

このように、いろんなことに取り組んでいきたいハウスドゥ!グループということです。わたしの話を終わります。