普天間基地の移転を再優先に

橋下徹大阪市長:大阪市民を代表しまして、沖縄県民の皆さんには本当に申し訳ないという思いを伝えたいと思っていますし、ただ、日本の国の安全のために今しばらく我慢をしていただきたいという思いもあります。沖縄の皆さんからすれば「ちょっと待てよ」「我慢させられすぎだ」と思うかもわかりませんが、ただ、一挙に沖縄の負担を軽減するというのは実現できないのも、また現実なんです。

しかし申し訳ないけれども、今のこの現状を変えようと思えば、一足飛びに理想(どおり)にはいきません。ひとつひとつ、積み重ねていかなきゃいけないんです。だから申し訳ないけれども、まずは普天間の基地を辺野古に移させてください。普天間を更地にして一度新しいまちづくりをさせてください。その後にもう一度、辺野古のそれ以降について国民全体で考えましょう。これが日本維新の会の考え方です。

そしてそれと同時に、沖縄県以外でしっかりと、沖縄の負担を少しでもいいから引き受けることができないのか考えましょうと。しかも、それも口ばっかりじゃなくて実際にやろうというのが日本維新の会なんです。確かに、僕らのやり方は荒っぽいところがあるかもわかりません。行儀の悪いところもある。

だから、今回も大阪の八尾空港、そこで何とか一部協力ができないかということを問題提起しましたらね、まあいろんなところから批判を受けましたよ。「そんなのできるわけない」「八尾市民がみんな協力なんかしてくれるわけない」、もっと言ったら自民党の石破幹事長なんてひどいこと言ってましたよ。「八尾空港は住宅地の中にあるから、こんなの訓練の一部引き受けなんてできない」……普天間はどうなんですかってことですよ!

普天間の住宅地の状況と、八尾空港の住宅地の状況って、たいして変わりないですよ。もし八尾空港で引き受けることができないのであれば、住宅地で危険だってことであれば、即刻普天間の基地、もう閉鎖しなきゃいけませんよ。これが自民党の二枚舌。沖縄のそのリスク、そしたら大阪だってそのリスク背負わないとダメですって。

口ばかりの知事会

ただ、これもさっき言ってきましたが、普天間の方には申し訳ないんですけども、1年365日全部引き受けるだけの空港ではありませんから、沖縄の地域政党「そうぞう」の儀間さん(儀間光男 氏)はじめ、そうぞうの皆さんからは「せめて120日でもいいからオスプレイの訓練引き受けてくれないか」って言われてるんです。

しかも本州で120日っていったらね、1ヶ所10日から2週間くらいですよ。それくらい引き受けられなくてどうするんですか。沖縄の負担のこと考えたら、1週間や10日くらい何とかなるでしょ。仮に八尾空港がダメでも、本州のどこかの空港でできるでしょ。だから僕らはね、日本政府に対してちゃんと「これから全国で考えていく具体的なプランを作っていきましょうよ」と言ったんです。

まあ、それを言うだけでも全国の自治体の市町村長やら知事やらがみんな反対ですね。僕は大阪府知事のときに全国知事会に出ましたけどもね、こりゃダメだと思いましたよ。みんな口ばっかり。沖縄タイムスと琉球新報と朝日新聞と毎日新聞と、みんな一緒。いいカッコばっかりするの。

全国知事会でこんなこと言うんですよ。「沖縄の負担は本当に申し訳ない。日本全国民で負担を分かち合わなければならない」、みんな言うんですよ。わかった、じゃあやろう、みんなそれぞれの自治体で引き受ける具体案作ろうって言ったら「いや、それは待ってくれ。住民が反対する」って言うんです。みんな総論は賛成なんですよ。各論になったらみんな反対する。そして結局、沖縄に全部負担を押し付ける。

これでずっと戦後70年きたんです。このような状況を動かそう、突破しようと思えば、少々荒いこともやらなきゃいけない。だから大阪においては、八尾空港を検討してくれって言ったんですよ。

明後日、八尾に行って松井知事と一緒に住民の皆さんに説明してきますよ。「沖縄はこんな現状ですよ」「八尾で危険だって言うんだったら、普天間だってもっと危険ですよ」「八尾で5日でも10日でも何とかなりませんかね」「無理だったら他の基地でもなんとかなりませんかね」、これを言っていきます。