2018年3月期 第3四半期(累計)決算の概要

福岡聡氏(以下、福岡):りそなホールディングスの福岡です。本日は遅い時間ではありますが、りそなホールディングスのテレフォンカンファレンスにご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日は始めに、あらかじめ配布しているハイライト資料に沿いましてご説明します。

それでは資料の1ページをご覧ください。まず資料左下の主要戦略の進捗について簡単にご説明します。

1つは、のちほどご説明いたしますが、フィー収益は中間期横ばいから増加に転じ、経費も引き続き削減の動きとなるなど、収益・コスト構造改革は着実に進展しております。

もう1つはこれら進展の原動力となっている3つのオムニ戦略の進捗です。オムニ戦略といたしましては、10月にりそなビザデビットカードをリニューアルし、非接触型のICを搭載いたしました。

同時に、この新デビットカードの原則すべての営業店の新規口座へのセットを開始し、一段のインターレース化を進めております。

また、11月にはおまとめアプリをリリースしまして、この2月にはスマート口座アプリをリリースし、さらにお客さま利便性の向上を進めています。

加えて、対面チャネルにおきましても積立プラザを開設するなど、オムニチャネル戦略は着実に進捗しております。

オムニ・アドバイザー戦略では、人材育成はもとより、投信ロボアドバイザーの導入などツール拡充も進め、承継信託やファンドラップ、NISA、iDeCo利用先など、取引基盤、収益機会の拡大も進展いたしました。

オムニリージョナル戦略でも、関西3行経営統合は計画どおり(2017年)11月に「関西みらいフィナンシャルグループ」を設立し、近畿大阪銀行を同社傘下へと再編いたしました。また、関西アーバン銀行、みなと銀行とのATMや振り込み、M&Aの仲介、ビジネスマッチング、海外進出サポートでの提携を開始しております。

少し長くなりましたが、続いて決算の概要をご説明いたします。

連結の四半期純利益は2,027億円と、前年同月比プラス729億円、56.1パーセントの増益です。なお、ここには統合に伴う税務影響プラス715億円を含みます。それを除いたベースでの純利益で見ても1,312億円となります。11月に修正いたしました通期目標1,650億円に対し79パーセント水準と、順調な進捗となりました。

今回の税務影響につきましては、中間決算時にお伝えしてたとおり、統合の着実な進捗を踏まえて、繰延税金資産を計上したものです。

具体的には関係当局の認可や、各銀行における臨時株主総会での決議など、4月以降関西みらいフィナンシャルグループが当社以外の株主を含む株主構成に移行する確実性が高まったため、今般税効果を認識し、計上するにいたったものです。

このような状況を踏まえ、今年度の通期業績目標を再度上方修正して、2,350億円といたします。なお、銀行単体計画や期末配当予想には修正はございません。

実質業務純益では、営業部門の資金利益は計画どおり、フィー収益は増益となった一方で、債券関係損益が減益となり、1,534億円です。

具体的には、貸出金平残は中小貸しを中心に計画を上回り、総貸出ベースで前年同月比プラス1.84パーセント、利回りは9ヶ月累計で前年同期比9ベーシスポイントの低下となっておりますが、四半期ごとにこの低下幅は縮小の傾向です。

フィー収益は法人ソリューション収益が引き続き堅調だったことに加え、投信・ファンドラップが好調に推移し、第3四半期の3ヶ月ならびに9ヶ月累計での前年同月比は、増益の実績となりました。

市場部門は株式運用が堅調だった一方で、債券運用は前年度の反動もあり減益となっております。

経費は働き方改革の推進、物件費の堅実な運営などによりまして、前年同期比減少しております。

与信費用も引き続き落ち着いた推移です。

損益内訳/期間損益の前年同期比増減要因

2、3ページにつきましてはのちほどご覧いただければと思います。

貸出金・預金の平残・利回り

4ページをお願いいたします。

左側(2)の国内円貨貸出金の9ヶ月累計の平残は、前年同期比でプラス1.84パーセント、うち(5)のコーポレート部門がプラス2.51パーセントで、全体を牽引しております。

貸出金の利回りは9ベーシスポイントの低下、内訳は住宅ローン金利要因が4ベーシスポイント、法人貸出の競争要因が4ベーシスポイント、マイナス金利に伴う【対合低下の影響が1ベーシスポイントと分析しております。

貸出利回りの前年同期比での低下幅は、スライド右側の折れ線グラフのとおり、1Qが10ベーシスポイント、2Qが9ベーシスポイントに対して、3Qは7ベーシスポイントの低下と、改善しております。

貸出金・預金末残

5ページをお願いいたします。

貸出金の末残では、総貸出の増加率はプラス1.8パーセントでございます。コーポレート部門のうち中小貸しがプラス6.3パーセントで、全体を牽引するかたちとなっております。

ご参考として、不動産業などを除く設備資金向けの貸出残高は、前年同期比+8.1パーセントでした。また、管理ベースとなりますが、ヘルスケア向けの貸出は+10パーセントでした。

住宅ローンビジネス

6ページをお願いいたします。

第3四半期の住宅ローン実効額は2,600億円で、前年同期比では760億円減少し、一昨年と同水準となっております。

減少の内訳は、1つは借り換えローンにおける前年度の一時的な増加の反動が、9ヶ月の累計で約2,400億円、第3四半期の3ヶ月では約600億円です。

もう1つは、アパートマンションローンが9ヶ月累計で約400億円、第3四半期3ヶ月で約150億円減少したためです。

自己居住用住宅ローンの新規実効金利は、借り換えの落ち着きに呼応するかたちで前年度に比べて回復していますが、引き続き厳しい競争環境が継続しているとの認識です。

また、アパートマンションローンの残高の減少は、新規着工戸数の減少という環境要因に加え、当社の融資運営において、物件ごとの収支予想の精緻化を通じた堅確な審査を継続しているためです。

なお、管理ベースになりますが、資産家層へのソリューション提案によるプレミア層向けの貸出は区分上アパートマンションローンと中小貸しにまたがって計上されますけれども、この合計の残高は前年同期比で+0.9パーセントとなっております。

フィー収益の推移

7ページをお願いいたします。

連結フィー収益は1,200億円、連結フィー収益比率は29.4パーセントとなりました。法人ソリューション収益や信託関連、決済関連が引き続き堅調だったことに加え、第3四半期は、投信・ファンドラップの増益の反転が増収に寄与いたしました。

信託関連につきましては、年金、証券、機能信託の各項目とも、前年同期比で増益となっております。

また、決済関連のうちデビットの収益は、第3四半期3ヶ月では前年同期比で30パーセント程度増加で、堅調に推移しております。

引き続き、営業店での新規口座へのデビットカードを標準セットする取り組みを通じ、さらに増強を図っていく考えです。

資産形成サポートビジネス

8ページをお願いいたします。

上段の資産形成サポート商品残高は、4.27兆円となりました。公共債が減少する一方、ファンドラップ残高は堅調に増加傾向で、12月末で約2,000億円、9月末比では約500億円の増加となり、投信・保険・ファンドラップ利用先数64万先のうち、ファンドラップ利用先は約3万先まで増加しました。

左下、投信・ファンドラップの販売額は、昨年2月のファンドラップ取り扱い開始以降、11ヶ月連続で前年同月を上回っております。

右下の保険の販売額は、第3四半期3ヶ月では前年同期比でプラス6パーセントとなっております。

引き続きフィデューシャリー・デューティーポリシーのもと、お客さまのトータルリターンを追求いたしまして、結果として残高や利用先数の増加を目指していく方針です。

与信費用、不良債権

9ページをお願いいたします。

左上の(1)、第3四半期累計の連結与信費用は132億円の戻し入れです。また、(5)の銀行合算の個別貸倒引当金の新規発生は123億円と、引き続き低水準です。

これらの結果、右側の不良債権比率も1.22パーセントと最低水準を更新しまして、貸出資産は健全な状態です。

有価証券

10ページをお願いいたします。

左側、その他有証の(4)、国債は9月末比で737億円程度残高が減少し、含み損益は15億円改善しました。

(5)の国債のデュレーションが長期になっている要因は、短期債の減少によるものです。(6)のベーシスポイントバリュー(BPV)は1桁億円の水準を継続し、金利感応度は限定的です。

(8)の外国債券の残高は、9月末から162億円の増加で、含み損は6億円の拡大です。BPVは円債同様限定的な水準です。

引き続き健全性重視の運営を継続していく方針です。

右側の政策保有株式の売却益は、第3四半期は21億円の計上で、9ヶ月累計では46億円です。

今後も計画に沿い、お取引先さまとの中長期的な取引展望の実現可能性やリスクリターンを検証しつつ、圧縮を図ります。

(ご参考)事業部門別の損益概要 (1)(2)

11ページをお願いいたします。

こちらと12ページには、ご参考として事業部門別の損益をお示ししております。のちほどご覧いただければと思います。

最後に、関西3行経営統合は、(2018年)2月には、りそなホールディングスによるみなと銀行、関西アーバン銀行各行へのTOBを終え、4月1日には計画どおり経営統合を完了させる予定です。

また、さらにその1年後には、関西アーバン銀行と近畿大阪銀行の合併、そしてその半年後にはこの2行のシステムを統合する予定です。引き続き、スピード感を持って取り組みたいと思っております。

以上、わたくしからのご説明とさせていただきます。