飲食店の経営にはやらなければならないことがたくさん

大宮英紀氏:それでは続きまして、新しいAirサービスを紹介します。ここで話者が変わります。山口のほうからみなさんにご案内させていただきます。

山口順通氏(以下、山口):山口です。私からは、「Airレジ」の新たな進化、そして、2つの新しいサービスについて発表します。

さっそく本題に入りたいところなんですが、その前に、まず私たちがなぜAirレジを始めたのか。なぜ今回の新しいサービスを始めるにいたったのか。そこについて少し振り返りをしつつ、お話をさせてください。

Airレジは今から約4年前にサービスをリリースしました。お店にはたくさんの大変な業務、悩みがあります。お店を閉めてから片付けをして、レジ締め、日報に数時間、そうこうしている間に終電を逃してしまう。

そんな日が何日も続く。毎日忙しくて、休みが取れない。自分の時間や家族との時間はなかなか取ることができません。精神的に、体力的にもだんだん余裕がなくなっていきます。

また、スタッフの時給を上げたとしても、なかなか人手が確保できない。入ったとしてもすぐに辞めてしまう。といったように、人手不足の問題は深刻さを増しています。

また、オーナーはお店の状況を見たいときに見たいかたちで見ることができません。結果として、適切なタイミングで適切な手を打つことが非常に難しい状況が発生しています。

POSレジのような機器の導入や維持には高額な費用がかかります。そして、どれだけ頑張ってお店の準備をしたとしても、そこに人が来なければ売上は立ちません。お店を取り巻く環境には集客、人材雇用、そして、在庫管理、顧客管理等、とにかくたくさんの煩わしさがあります。

お店を取り巻く煩わしさを減らし、自分らしいお店づくりができるようにする、それこそが私たちの想いであり、Airレジを始めた理由です。

飲食店をとり巻く煩わしさを減らしたい

山口:そこで、私たちはPOSレジを再開発することを決めました。従来のレジスターは簡単で価格も安いが、なかなかできることが少ない。POSシステムとなると、確かにできることは多いが、複雑でなかなか使いこなすことができません。

なにより、1台数十万円と、お店の方にとってはなかなか手が届きません。だからこそ、私たちは簡単で、スマートで、価格が安い、誰の手にも届くPOSレジを開発したいと思いました。

そして、今から約4年前、0円でカンタンに使えるPOSレジアプリ、Airレジをリリースしました。現在までにこのAirレジを起点に、お店のみなさまをご支援できる数々のサービスをリリースしてきました。

また、お店の方々をもっともっとご支援していきたい、そういう思いから、私たちはAirレジをよりオープンにして、社外を含むサービスと数々の連携をしてきました。

そして、利用店舗数ナンバーワンのPOSレジアプリ、Airレジ、みなさまの多大なるご思慮をいただき、先ほども大宮からあったとおり、30万を超えるアカウント数まで成長することができました。

一方で、日本の課題に少し視野を広げてみると、日本には、このようにまだまだたくさんの課題があります。お店には日々取り組まなくてはいけない身近な課題がまだまだあります。

こういった課題がまだまだあるからこそ、私たちはもっともっとAirレジを進化させていきたい、そして、お店をとり巻く煩わしさを減らし、自分らしいお店づくりができるように、もっとお店の方を支援していきたいと考えました。

「Airレジ ハンディ」導入以前の課題

山口:では、さっそくですが、まず1つ目のサービスを発表させていただきます。(スライドを指して)こちらは、今目の前でAirレジをご利用されている店舗様からの要望にお応えします。

こちらのサービスは、Airレジを始めて以来、主に飲食店の方からなんですが、もっともご要望をいただいていたサービスです。

それが注文・配膳業務をサポートするオーダーエントリーシステム「Airレジ ハンディ」です。今、Airレジを利用している店舗の中には、注文業務において紙伝票を使っている店舗がまだまだ多く存在します。

今日は、公式なデータこそはないんですが、おそらく、日本の多くの飲食店においても、注文業務を紙伝票でまだ行われているお客様は多く存在するのではないでしょうか。

(スライドを指して)こちらをご覧ください。紙伝票をお使いになるということは、どうしても手書きになります。結果として、ホール、そしてキッチンでの読み間違え、書き間違えが発生します。

会計時には当然紙伝票の注文を再度レジに入力する必要があります。それはお店の人にとっても手間になりますし、なんといっても会計のときにお客さまを目の前でお待たせしてしまう。そんな課題があります。

おそらく飲食店以外の方はイメージが湧かないかもしれないんですが、実は紙伝票を使う場合には、お店をオープンする前に一つひとつの紙伝票にテーブル番号やほかの情報を全部書き込んでおく必要があります。

また、お店が閉まったあとには、この1枚1枚の伝票を数えて、抜け漏れがないかを確認するような煩雑な作業があります。

Airレジ ハンディの利用イメージ

山口:私たちは、こういった紙伝票の課題をAirレジ ハンディで解決していきます。それでは簡単に、業務のイメージをご説明します。

まず、お店にお客さまがご来店されたら、ご案内するテーブルを選択して、人数、そのお客さまが新規なのか・常連なのかをAirレジ ハンディに入力します。

お客さまがご着席されたのちは、ご注文いただいて、その商品をAirレジ ハンディに入力します。

そうすると、キッチンプリンターに注文内容が送信され、こういったキッチン伝票が印刷されます。(スライドを)ご覧いただければわかる通り、テーブル番号であったり、商品名、商品点数といったところが、手書きに比べて非常にわかりやすいかたちで印刷されます。

また、注文がドリンクだったのか、料理だったのかによって、作る場所が違う場合は、複数のプリンターに出しわけすることも可能です。

お会計をされる際には、注文内容を再入力する必要はありません。Airレジでそのまま会計することができます。以上のように、Airレジ ハンディは紙伝票の課題を解決します。

ただ、お店における注文業務、そして配膳業務にまつわる煩わしさは、まだまだほかにもあります。

店員のおすすめも潤滑にできるように

山口:(スライドを指して)こちらをご覧ください。こちらは、あるお店でホールのスタッフさんがお客さまにおすすめをされた際に、売上が10パーセント上がりました。

おそらく、多くの飲食店さんの方が「もっとおすすめができれば、売上が上げられるのに」と考えられる方が多いと思います。

初めてご来店されたお客さまに、そのお店のイチ押しのメニューを食べていただけるかどうかは、次の来店にも大きく関わってくると言われています。

一方で、それを多くのホールスタッフに教育、そして指導していくことは、とても大変な労力と時間がかかります。Airレジ ハンディなら、ハンディの画面上でそのお店のおすすめメニュー、そしておすすめのトークを表示することができます。

例えば、「当店のおすすめは北海道産のジャガイモを使った自家製マヨネーズの濃厚なポテトサラダです!」。新人の方が入ったその日から、そのようなトークでお客さまにおすすめすることができます。

料理提供の遅れも解消

山口:ほかにも、ご注文をいただいてからお食事を提供するまでの時間は、できる限りお待たせしたくない。それができれば、きっとお客さまの満足度は上がるはずだ。きっと多くのお店が考えられていると思います。

ただ、それを徹底していくには、非常に大変なコストと時間がかかります。Airレジ ハンディは、この配膳状況についても一目でわかり、そして料理提供の遅れを減らすことをサポートします。

例えば、(スライドを指して)こちらにあるように、注文があったキッチン伝票ごとに、例えば6番テーブルで、新規のオーダーでビール4点。それがすでに20分経過していますといったことが店内のホールスタッフすべての方に見ていただける。

そして、そういった遅れを減らしていくことができるようにサポートしていきます。こちらのAirレジ ハンディですが、すでに複数の飲食店さんに試験的に導入をさせていただいております。

(スライドを指して)こちらはすでに導入されているお店からいただいたお声になっています。

「新人スタッフでも、5分を教えればすぐに使えている」「今まで5分くらいもかかっていた会計が、数秒になった」「1日に3~4回は絶対あった、字が汚くて読めない伝票が減った」。

「おすすめできるスタッフが増えて、売上を上げられた」「4人いたスタッフが、3人でもまわせるようになった」という、うれしいお声もいただいております。

こちらのAirレジ ハンディですが、今年の春より順次提供を開始していきます。

経営状況の把握、改善策の実施、振り返りをサポート

山口:そして今日もう1つ、Airレジの新たな進化について発表します。

その前にまず、(スライドを指して)こちらの数字をご覧ください。12万4,834件。こちらは約2年半で廃業にいたった飲食店の事業者の数です。

飲食店の経営者の方から聞こえてくる声には、「人に頼らざるを得ない」「マネージメントをできる人がいない」「そもそも経営に必要なデータを集めるだけで大変」。

もしくは、「人手がいなくて当たり前の経営判断をすることができない」。そういったお声をたくさん耳にしてきました。

おそらく、この問題にはたくさんの課題があると思います。ただ、ひとつ言えることは、経営状況の把握、改善策の実施、そして振り返り。この3つを簡単にできる仕組みがない。つまりは、誰にでも使える経営改善の仕組みがないことが、大きな課題だと私たちは考えました。

そして、私たちはこの課題を解決するために、新たなサービスを作ることを決めました。それがお店の経営アシスタント「Airメイト」です。Airメイトは、専門の人、そして特別な知識、環境を準備することなく、誰でもいつでも使いたいときに使える、そして使い始める。そういった経営改善の仕組みです。

また、今回はその課題がもっとも深刻な、飲食店さま向けのサービスから開始をしていきます。このAirメイトですが、大きく経営状況の把握、店舗改善の実施、そして振り返り。この3つをすべてサポートしていきます。

このAirメイトは、Airレジと同様に、使う人・使われる人のシーンに適したわかりやすいUI。Airレジ、そしてAirシリーズ、じゃらん、ホットペッパーといった、私たちが提供する多種多様なサービスから日々集まる大量のデータを使っています。また、この大量のデータを高速に処理ができること。そして拡張性の高いテクノロジーを採用しています。

Airメイトは、これらの3つを活かした、これまでにはない業界初のサービスです。また、このテクノロジーの部分については、私たちはAirメイトをお店の方々にとってとにかく簡単に使っていただきたい。そのためには、この大量のデータをそう感じさせない速さで処理できることが重要です。

また、私たちはこのAirメイトを、いずれは日本中のあらゆるお店で使っていただきたいと思っています。そのためには、仮に数十万店というお店が同時に使ったとしても、それに耐えられる。安心してお使いいただける拡張性が重要性だと考えました。

Googleのテクノロジーを活用

山口:そこで私たちは今回、Airメイトのテクノロジーの部分について、Googleさんのテクノロジーを活用することを決めました。実は今日、そのGoogleさんがお作りになったビデオをご用意しています。こちらをご覧いただくことで、きっとみなさんにも、Airメイトについてより知っていただくことができると思いますので、2分ほどになりますので、ぜひ一緒にご覧ください。

(映像開始)

映像音声1:リクルートグループオールで見ても、じゃらんであったりホットペッパーであったり、AirレジだったりAirシリーズを通して、かなりビッグデータが集まってきている。Googleクラウドプラットフォームを使って、煩わしさを減らして自分らしいお店づくりができるようにするというサービスを開発しました。

まさに、今回のAirメイトのサービスは、私たちのビジョンとGoogleさんのビジョンが完全に一致した。そこがまさに、今回Googleさんと一緒にサービスを開発した理由になります。

映像音声2:データに強くてサービスに強いGoogleAppエンジン。

高速にデータを大量にさばけるデータフローやビッグクエリなどがオールインワンで揃っているGoogleクラウドプラットフォームは、すごくベストな選択だったんじゃないかな。

4人で3ヶ月間で開発しました。それは、Googleのメンバーのバックアップで、たまにコードのレビューをしてもらいながら進められたのは、すごく早く進められた要因のひとつだと思います。Airメイトは、誰にでも寄り添ってくれる経営のパートナー。自分のやりたいことを実現できる世界が作れたらいいなと思います。

映像音声3:どうやったらうまくテクノロジーを活用できるのかを、お店とGoogleさんと、まさに三つ巴でアレンジしながら、そういったサービスを開発していけたらいいなと思っています。

(映像終了)

スマートなツールと使い方のサポートの両輪がカギ

山口:みなさん、いかがでしたか。繰り返しになりますが、AirメイトはUI、大量のデータ、そして今ご紹介したテクノロジーを活かした、非常にスマートな作りになっています。

ただ、私たちはAirレジを通して学んだことがあります。それは、いかにスマートなツールであったとしても、お店の方々にとっては、なかなかそれを使いこなすことができない。もしくは、継続して使うことが難しい。そういったことを学んできました。

私たちは、ここについては一定の人の力が必要だと考えています。ご存知のとおり、私たちには全国のリクルートの営業網、Airレジサービスカウンター、専門相談員という人の力があります。

これまでもある意味、経営に寄り添ってがんばってきた、全国のリクルートの営業網。そして、機器からサービスまで、ご利用いただく方の立場に立って寄り添った、一貫したサポート体制。また、お客さまに常に寄り添って、そのサービスを使いやすくしていける開発体制。

つまり、このスマートなツール、そして使い方をサポートする人。この2つが合わさることでAirメイトは初めて、継続的に回り続ける改善の仕組みとして提供できると考えています。以上、私からはAirメイトのご説明をしました。