トレーダーのタイプごとに、最適な投資手法は異なる

中原良太氏(以下、中原):こんにちは、株式予報の中原良太です。

今週は「タイプ別トレーダーとして学んでおきたいこと(第2回)」です。

なぜこのテーマでお話しするのかというと、トレーダーによって学ぶべきことが違うだとか、思考を変えなければいけない、という話を以前の動画セミナーでしたんです。

その動画セミナーがなかなか好評で、もっと詳しい話を聞かせてほしいというお声をたくさんいただきました。このような背景もあって、今回はトレーダーとして学んでおきたいことの続編ということで講義をしていきたいと思います。

今回は何を学ぶべきかというよりは、どんな投資手法がおすすめかという観点で、僕なりの考え方をお伝えしたいと思います。

まず、今回の講座の目的です。

トレーダーとして学んでおきたいことを、タイプ別に考えてみるのが今回の目的です。

学んでおきたいこととは言っても、どんな本を読めばいいかとかよりも、どんな取引手法がおすすめなのか、といったお話を中心に講義を進めます。自分がどのタイプなのかを、まずざっくりと認識して、その上でどんな投資手法を学ぶべきか、考えてみていただきたいと思います。

今回の動画の目的は、自分に合った投資手法を見つけることです。自分に向いている投資手法ってなんだろうな、というのを考えるきっかけになればと考えています。

今回の動画講座を聞く前に、ぜひ見ておいてほしい教材が2つあります。

どんな講座を見てほしいのかというと、過去に公開した動画セミナー2つです。第104回『タイプ別:トレーダーとして学んでおきたいこと』。(画像は)ちょっと漢字間違っています。非常に良い内容に仕上がっていますので、ぜひ見ていただきたいと思います。

それが終わったら、次に動画セミナー第105回『売買ルールとは何か?』を見ていただきたいと思います。

この2つを見ていただいた上で今回の動画セミナーご視聴いただくと、より理解が早まり、学習効果が高まると思います。あわせてご参照いただけたらと思います。

では、さっそく本題に移ります。

過去の動画セミナーでも何度もお伝えしましたが、まず自分のステージに合った学習をする、そして自分のステージに合った投資手法を身につけるというのが、株式投資で利益を出すためには非常に大事な考え方です。

なぜかと言うと、例えば、小学生相手に「これを勉強しなさい」と言って大学生用の参考書を渡したって、なんの勉強にもならず無意味なんです。

教科書を渡す相手のステージによって、学ぶべきことはまったく変わってきます。これは投資家にとっても同じです。まったく株を経験したことがない人に対して、「順張り投資のいい方法を考えなさい」とか「逆張り投資のいい方法を考えなさい」なんて言っても、わかるわけがないんですよ。それは、もっと経験を積んでから学ぶべきことです。

逆に、ある程度基礎知識を持っている人に対して、証券口座の開き方を教えたって、そんなのもう知っているよという話です。それはそれで合っていない。

自分のステージをきちんと知って、学ぶべきことを自分自身で見つけ出せる能力が非常に大事なんです。

今回はステージに合った学習と、どのステージの人がどの取引手法を使うと利益を出しやすいのか、といったことについてお話をしていきたいと思います。

復習:トレーダーの4類型

僕の身近にいる100名以上のトレーダーは4タイプに分けられることから「トレーダーの4類型」を考えて、以前の動画セミナーでお話ししたことがあります。

その4つの類型は、2つの軸によって分けられるというお話をしました。

まず縦軸。能動的に学習をするようなタイプか、受動的に学習をするようなタイプか。能動的な学習をするタイプは、まず行動をして、自分の試行錯誤のもとに利益を出せる投資手法を見つけるタイプ。受動的な学習は、とりあえず本を読もうとかセミナーに参加しようとか、教えてもらったことをそのままやろうと思うタイプの人。きれいに分かれます。

利益を出しているトレーダーは、どちらかと言うと能動学習の方が多いです。もちろんセミナーに参加したり、本を読んだりもしている方がほとんどですが、利益を出している方は、誰かから学んだことをさらに自分なりに改良しています。試行錯誤を積み重ねて、さらに利益を出せるように改善を重ねていくことをよくやっています。ですので、能動学習ができるか受動学習しかできないかが、非常に大事になってくるとお話ししました。

同時に、短期志向か、長期志向なのか。今この瞬間利益が出せればいいのか、今いち早く億万長者になりたいと考えているのか、こつこつ地道に一生かけて利益を出し続けたいと思っているのか、どちらを目指すかによって、投資家のタイプはまったく異なります。

成功しているタイプは、たいてい、長期的な成功を求めるタイプです。短期的に成功したい、すぐに利益出したい、1年以内に億万長者になりたい、とか、とにかく今と考えるタイプは、ギャンブラーのような気質が強くて明日のことを考えないし、来年のことも考えません。ゆえに無茶な取引をしてしまったり、試行錯誤を怠ったり、勉強を怠ったりしがちです。

この図にあるように、左側に属するタイプの人は迷走していたり、そもそも迷走すらできない「負け犬」のようなタイプだったりして、なかなか利益を出せない傾向があります。

トレーダーは「能動学習・受動学習」、そして「長期志向・短期志向」の2つの軸によって分けられるというのが、僕の今の考え方です。

トレードで利益を出せるタイプというのは、右上の「成功者」タイプに該当する人たちだけだと僕は考えています。それ以外の人は、長い目で見て失敗するだろうと思っています。しばらく利益出せない、あるいは失敗して損に損を重ねて気付いたら退場している、というような人たちが成功者タイプ以外の3タイプに該当する投資家たちです。

そう言うと、「自分は成功者タイプじゃないみたい」とか「え、負け犬タイプだけどどうしよう」という方も出てくると思うんです。逆に本当は負け犬タイプなのに無理をして「いや、俺成功者タイプだから」と見栄を張っちゃうタイプもいるとは思うんですけど、そこはさておき。じゃあ本当に成功者タイプしか成功できないのかと言うと、僕はそうではないと思っています。

どのタイプに属していても成功のチャンスはあります。ただ成功できるスピードが早いか遅いかの違いはあると思っています。どのように違うかと言うと、成功者タイプの人たちだけが、他のタイプよりも少し早く成功できる。あるいは他のタイプの人たちよりもスピーディに資産を増やす事ができると考えています。

具体的にこんな感じです。

達成できる運用成績です。先ほどの4つの類型を、どんな成績が見込めるかという観点で分けてみました。

右上に属していた「成功者タイプ」の人たちだけが、平均以上の利回りを目指すことが許されるような人種だと僕は考えています。それ以外の人種、「頭でっかちタイプ」「迷走タイプ」「負け犬タイプ」の人たちは、平均以上の利回りを目指すとむしろ痛い目にあいがちな人たちです。その代わり、平均的な利回りを目指して粛々と、淡々と積立をしていけば、平均的な利回りは達成できるんじゃないかと考えています。

平均以上の利回りを目指すのはアクティブ投資です。アクティブ投資で利益が見込めるタイプじゃない人たちは、基本的にインデックス投資で利益を狙うのがいいかと思っています。

インデックス投資タイプって何かと言うと、要するに、世間一般の経済指標と連動する成績です。例えば、日経平均と同じ成績が出せれば満足で、それ以上の成績を出すには向いていない人種です。成功者タイプだけ、それ以上の成績を狙ってみてもいいんじゃないかなと思います。

赤タイプ・黄色タイプ、ここで2つのタイプに分けましたけど、この2つのタイプ、それぞれどんな投資手法を勉強するのがいいのかについて、僕なりの考えをお伝えします。僕はこれからご紹介する取引手法を、両方ともやっています。

僕が仮にどちらのタイプだったとしても利益出せるように、失敗してもそこそこのお金が残るように計画して、お金の分配などを決めています。

平均的な利回りで満足するこの赤色の部分にいるタイプの人たちは、どんな投資手法を学んでいけばいいのか、ご説明したいと思います。

「負け犬」も、ラクして利益を出せる

赤色に属するタイプはどんな人たちかと言うと、ラクして、勉強せずに、知識を持たずに利益を出したいと考えている方がけっこう多いと思います。あるいはそうは思っていないけれども、実際のところ全然時間をかけていないとか、勉強ができていない。心は先に前のめりで行っているんだけど、実際実践できていないタイプの人たちです。

そういう方たちは上級テクニックというか、アクティブ投資で利益を出し続けるのは、なかなか難しいと思います。ですので、その代わりにアクティブ投資をするのではなく、インデックス投資と呼ばれる取引手法をやるのがいいと思います。ほとんど分析もしないで、勉強もしないで、専門知識を持たずに、世の中の平均的な成績を出せる投資法のことを指します。

どんなに勉強しなくても偏差値50は取れる、みたいな感じです。偏差値50って世の中のザ・平均という感じですけど、何もやらないでも平均値が出せるというのが、インデックス投資です。インデックス投資をするには、NISAとかiDecoなどの枠組みと組み合わせると、非常に成績が良くなる傾向にあると思うので、僕もこのNISAとiDecoと併せてインデックス投資をやっています。

負け犬タイプ・迷走タイプ・頭でっかちタイプに属する方は、とりあえず欲を出して平均以上の成績を出したいと考える前に、まずは平均になるのが優先すべき課題なのかなと思います。僕はどんな投資家の人に対しても、「インデックス投資がいいんじゃない?」とおすすめしているぐらいです。

具体的な取引手法について今日お話しようとすると、2時間とか3時間とか、いくらでも話せてしまいます。

他に動画セミナーがありますので、一度それを参照してください。第98回『長期投資の心得』という動画、そして僕が27歳の誕生日に出演したTVがありまして『統計で考えるNISA活用法』というセミナーを開いています。けっこう役に立つ話をしていますので、参照していただけたらと思います。

動画セミナーの要点をお伝えすると、長期投資は難しいという点を踏まえた上で、大事なポイント2つあるとご紹介しています。投資先の国の年齢の人口・生産年齢人口がどれだけ増減するかを知っておくこと、そして長期的な値動きが上がっているのか、下がっているのか市場のトレンドを知っておくことが大事だよというお話をしています。

TVの動画では、NISAでは失敗が許されないんだという話と、僕が実際にNISAで買っている銘柄についてご紹介しています。

どんな取引手法を行うとNISAで利益出しやすいとか、NISAをどうやれば活かせるという話をしています。非常にいい内容だと思っています。誰にでも勧められるいい動画だと思っていますので、ぜひご視聴いただけたらと思います。

ということで、「能動的に勉強できない」とか、「短期的に利益出したいな」「ギャンブルチックに利益を出したいな」と思っちゃう方ほど、大きな利益を狙わずに、平均点で満足するのが非常に大事なポイントだと思います。それで満足できない方は、ちょっと痛い目を見ると思います。平均点を目指していれば、そこまで痛い目は見ずに済むので、結果的にそっちがいいかと思います。

それ以外の成功者タイプ、つまり能動学習・受動学習、長期志向・短期志向の2つの軸で、長期志向かつ積極的に能動的な学習ができるタイプの人は、相場の平均値を目指すよりも、自分でアクティブに投資した方が利益を出している傾向があると感じています。

相場が2割上がったときには、その人は4割利益を出しているとか。それぐらい効率的に利益を出している方が多いので、そういう方は平均値で満足することなく、さらに成績を高めるための手法を考えてみてはいかがでしょうか。

どんなトレード手法かと言うと、システムトレードという方法をおすすめしています。

システムトレードって何かと言うと、「歴史は繰り返すよ」というのを前提に過去の相場とか過去の歴史を使って、利益のチャンスを見つける方法です。

例えば、1月は小型株が上がりやすいとか、優待権利が確定する3ヶ月前が買いどきだとか、大型株は逆張りに向いているとか、新興株は順張りに向いているとかです。

こういったことは、統計のデータを取れば、だいたい傾向がつかめてきます。どうすれば利益を出しやすく株を買うことができるんだろうか、売ることができるんだろうか、利益確定できるんだろうか、損切りできるんだろうか、などといったことを全部統計的に考えていきます。

これがシステムトレードの考え方です。この取引手法は、僕が得意としている取引手法で、これを使って僕はヤフーファイナンスで、3年間連続でそこそこのパフォーマンスを残しました。

今年、2018年からシステムトレードでの運用を再開して、だいたい年利50パーセントくらいを目標にしたいと思っています。

インデックス投資は、年利10パーセント出ればいいかと思います。

ということで、インデックス投資とシステムトレードを組み合わせて、どっちでも利益を出せるようになっていくのが、着実に利益を出せる投資家になるための近道なんじゃないかと考えています。

本講座のまとめ

最後に今日のまとめをしていきます。

まず、自分のステージによって向いている運用手法はまったく違うというお話をしました。実力のある人、成功者タイプの人はアクティブ投資をやるべきだと思います。

それ以外の人は、基本的にアクティブ投資をやると痛い目を見ます。ですので、インデックス投資で満足しておくのがいいかと思います。

あくまで僕の身の回りにいるトレーダーや投資家を分類した結果、これがいいだろうなと思った結果なので、必ずしも正しいかはわからないんですけれども、少なくとも僕はこういうふうにするのがいいかと思っています。

自分の腕に自信がある方は、ぜひシステムトレードを勉強してみていただきたいなと思っています。過去の動画セミナーなどでもご紹介していますので、ご活用ください。

今回の動画セミナーは以上です。最後までご視聴いただきましてありがとうございました!