流行、安定に惑わされず、自分なりの判断基準を持つ

曽山哲人氏(以下、曽山):(「就活に物申す」というテーマでスケッチブックに一言書いたものを)加藤さん、すいません、立っていただいてみんなに見えるようにお願いします。

加藤信介氏(以下、加藤):はい。

(スケッチブックには「流行り→×」「安定→×」)

僕も方向性は似ているのかなと思っていて。流行りの企業もダメだし、安定企業もダメです、ということですね。

曽山:流行りがバツ? はい。

加藤:例えば、最近ベンチャーみたいな文脈でよく語られるんですけど、「ベンチャーと大企業、どっちがいいですか?」みたいな話がそもそも僕は気持ち悪いと思っていて。

さっきも話に出てきたんですけど、僕らの時ってやっぱり就職活動の口コミサイトと企業のホームページみたいなものしか、情報を取る手段ってなかったんですよね。

でも今って、それこそまさに例えばNewsPicksさんをチェックすれば掲載されている会社が事業として何をやっていて、どういうものを目指していて、さらにユーザーというか、そこに対してコメントを書いてくれる人がどうに思っているかまで全部見れるのは、すごく羨ましいなと思います。それにインターンもありますし。

ということでいうと、「流行っています」「安定しています」とかじゃなくて、とにかく情報を取れる手段がめちゃくちゃ多いので、まずそこから自分なりの目的を見つけてほしいなと思いますね。

あとは、とにかくやりきることがすごく大事だなと思っています。一時的な流行りで「友達にこの企業に入ったら羨ましがられるから」とか「安定しているから、大丈夫そうだから」という目線では絶対選んでほしくないなと思っています。

曽山:はい、拍手。ありがとうございました。

(会場拍手)

国境を越えられる時代に、エンターテイメントのコンテンツを持つスゴさ

曽山:私も書きました。

さっきの話のところですけれど、やっぱり「伸びる市場を探せ!」。これはぜひ観点のひとつとして持っておいてほしいです。

通常の就職活動で気になる社名は、ぜひエントリーして受けてもらえればと思います。しかしプラスで、「ここから5年、10年、20年後に伸びる市場はどこなのか?」、それをぜひみなさんの中で考え、応募してみていただいきたいです。その市場に入れば作る側になれますから。

お2人におうかがいしたいんですけど、これから自分たちの会社がやることで、「ここ伸びると思ってるよ」みたいなところでいうと、例えばエイベックスだとどういうところですか? それこそレコード会社じゃなくてジャンルとか、どういう分野に力入れてます?

加藤:全体的な話になっちゃうんですけど、今後エンタテインメントのコンテンツ持ってるって、僕すごい価値のあることだなと思っていて。だってテクノロジーとかけ合わせることによって、今までよりも感動を届けられる量がぜんぜん違ってくるかもしれないし、ピコ太郎みたいに国境なんかも超えてしまうような……。

曽山:そっか、ピコ太郎もエイベックスの所属なんだ。

加藤:うちの所属で、ピコ太郎ってウガンダのiTunesチャートで1位を獲ってるんですね。

曽山:ウガンダの1位?(笑)。

加藤:そんなことって今まで絶対起きなかったのに……。

曽山:ないない。日本人がでしょ?

加藤:そうです、そうです。

曽山:日本人がだからね。すごい、すごい。

加藤:ビルボードのランキングにも入っているし。そういうことが実際起きてるんですよね。なので、今までとはまったく違うエンタテインメントの届け方ができると思います。

ただ、やっぱりそこを切り拓いていくのは相当気概が必要だし、やっぱり、そういうことを乗り越えられる人材がほしい。でも、みんなでやっていけば、エンタテインメントって全体的にすごくポジティブなものなんじゃないかなと思っているので、エンタテインメントの未来はすごく明るいと思っています。

曽山:僕もめっちゃライブとか行っています。

加藤:ありがとうございます。

曽山:LDHとかBIGBANGとかのライブ行って。

加藤:体験の価値も上がっているので、そこも含めてすごくエンタテインメントには可能性があると思っています。

曽山:楽しいですよね。ワクワクするのが大事になってくる。わかりました。

寡占状態の業界こそ伸びしろがある

曽山:坂本さんの会社は、どこに伸びる市場があると考えるかとか、自分たちで何をやってるかとか、教えていただけますか。

坂本大典氏(以下、坂本):僕個人で考えているのは、メディアってまだまだポテンシャルがあるなと思っています。メディアの市場規模ってもともとすごく大きかったんですけど、今はちょっとやばいと言われてます。

曽山:新聞とかテレビのマスメディアってことですか? メディアというのは。

坂本:そういうのを全部含めたメディアが「ヤバい」みたいに言われてますけど、僕はめちゃくちゃおもしろいというか、伸びると思っています。

まず、絶対に情報って必要なんですよね。エンタメもそうなんですけど、絶対必要なはずなのに稼げてないというのは、絶対に何かやり方があると思います。もっと伸びる要素や稼げるマーケットがあるので、デジタル発でメディアにチャレンジする企業は伸びしろがあると思っています。

あとは就職マーケットも、そろそろみんなも、今のままじゃヤバいんじゃないかという機運が高まっているんじゃないですかね。これからもっと伸びるんじゃないですか。

曽山:就職は、もっといい企業と学生の出会いがあるんじゃないかということですか。

坂本:そうですね。もともとめちゃくちゃでかい市場があったんだけど制度疲労を起こしてる業界は、大きく伸びるチャンスがあるなと思ってます。

例えばユーザベースが手がけている経済情報プラットフォームの領域は、グローバルの大手がもうほぼ寡占をしてて、大きなイノベーションが起きていない業界だったんです。かつ法人向けのサービスなので、個人向けのGoogleなどと比べると使いやすさが進化していなかった。

曽山:ああ、そうなんですね。

坂本:なので、ユーザー視点で、とにかく使いやすいサービスを提供すれば、ベンチャーでも参入しやすいのではないかという発想でした。就職マーケットも、今リクルートさんやパーソルさんなど、そういう大手がずっと変わらずプレイヤーになっています。これは新しいサービスが伸びる余地がある、おもしろいマーケットだなと思っています。

曽山:なるほどね。わかりました。ありがとうございます。

余暇が増え、エンタテインメントはもっと求められていく

曽山:サイバーエージェントでいうと、ちょうど今AbemaTVというインターネットテレビをやってますけど、メディアの分野ってめちゃくちゃおもしろいですよね。

坂本:めちゃくちゃおもしろいですよね。

曽山:いわゆるテレビデバイスからテレビコンテンツを観る時代から、スマホでYouTubeを観る時代になっている。動画って見る人いるかな?

(会場挙手)

ポロポロと。あ、人によって違うね。

(一同笑)

違うけど、それはそうです。だけどいろいろ、インスタのストーリー見てる人も、YouTube見てる人もいるかもしれない。それぐらい多様化してるくらい、メディアに非常におもしろいチャンスが転がっていて、僕らは今スマホで動画サービスをやっています。

やっぱりそこにエンタメの要素もあって。芸能とかあるいはスポーツとか、そういったものって、やっぱりAbemaTVですごく見られているので、ネットでテレビを見るのは、注目度が高いですよね。

坂本:自分でもしなにか起業するなら、エンタテインメントを扱う事業を1回やってみたいなと思っています。ユーザベースグループは「経済情報」をメインに絞っているのでエンタメを手がけることはおそらくないんですが、自分でまったくゼロからやるなら、エンタメかなと。

人って、どんどん仕事が効率化していったら暇になるじゃないですか。エンタテインメントを求めにいくような、余暇の過ごし方が絶対大事になるので、超楽しみですね。

曽山:本当にAIとか機械が進めば進むほど、人の感情の価値が高くなりますもんね。なので、そういう意味ではライブとかエンタメは非常に伸びてくるでしょうね。そっちのほうが楽しいですしね。

坂本:そうですね。

周りの意見を気にせず、悩んでいる暇があったら動こう

曽山:なるほど、わかりました。ありがとうございます。じゃあ、そろそろ時間になりましたので、最後に改めて就活生のみなさんに一言なにかメッセージをいただければなと思います。坂本さん、なにかよろしければ。

坂本:就活はみんなやっぱり不安になると思うんですよね。「内定もらえるかな?」とか。何も考えずにまずは思いっきり受けてみて、しっかりと就活をしたいと思ったら全部受けてみて、受けて終わったあとまた考えるという感じでやればいいので、悩んでる暇があれば動くというところ。

あとはやっぱり、みんなの言うことを気にしすぎない。ほかの人が言ってることは気にせずに、自分の直感で「なんかよさそうだな」って思うのをすごく大事にしてほしいなと思います。ぜひがんばってください。

曽山:ありがとうございます。拍手。

(会場拍手)

じゃあ、加藤さんお願いします。

加藤:はい。ちょっと自社目線で申し訳ないんですけど、もし「エイベックスってレコード会社でしょ」と思われてるとしたら、それがすごく嫌ですね。

さっき言ったみたいに、扱う領域もすごく広いし、やっぱりエンタテインメントが好きなら個人的には是非うちの会社に新卒で入ってほしいな……。何度も言っちゃいますけど、エンタテインメントの価値ってこれからどんどん上がると思っています。

この前アメリカで、ブルーノ・マーズの全世界の出版権をエイベックスが取りました。これってけっこうすごいことだと思ってて。しかも、うちの会社、今アメリカでゼロからアメリカ発のヒットアーティストを作ろうと思ってて。これってある意味日本人の夢だと思うんですね。

そういう挑戦を、エイベックスでどんどんこれからもやり続けたいなと思っています。やっぱりエンタテインメントの提供は世の中に彩りを与える仕事なので、そういう文脈でうちの会社を見てもらえれると、すごく嬉しい。これからの未来のエンタテインメントを一緒に作っていける人材と、出会いたいなと思っています。もし興味があれば、扉をノックしてみてください。よろしくお願いします。

曽山:ありがとうございます。拍手。

(会場拍手)

お二人はそれぞれ、ホームページで採用のページとかソーシャルメディアとか持っていますよね。

加藤:はい。採用ページはもちろんありますし、あとSNSもあるので、チェックしてみてください。

曽山:SNSはどこでとくにやってますかね。

加藤:基本的にはFacebookとTwitterでやっております。

曽山:どうですか、坂本さん?

坂本:僕らはメンバーの役員とかみんな顔出してFacebookやってるので、もう直でFacebookにメッセ送るのが一番いいと僕は思っています。とくにこういうイベントにいらっしゃる学生は、ぜひ。

曽山:という感じですね。僕らサイバーエージェントもページがありますけど、僕自身もFacebookでソヤマンというニックネームでやっていますので、あとでよかったらフォローして。DMとかぜひいただければと思いますので、よろしくお願いします。

はい、ということで、時間になりましたので今日はこちらで終了したいと思います。では、お二方に改めて拍手。ありがとうございました。

(会場拍手)

みなさん、お忙しいなか、また雨のなか来ていただいて、本当にありがとうございました。

加藤:ありがとうございました。