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ホタテの眼は宇宙望遠鏡に似ている 最新の研究でわかった不思議な構造

ホタテの眼は宇宙望遠鏡に似ている 最新の研究でわかった不思議な構造

人間をはじめ、ほとんどの生物の眼は水晶体などのレンズで光を集めて網膜に当てる構造になっています。しかし、ホタテの眼はそれとはまったく異なる構造になっていることが最新の研究で明らかになりました。鏡のような役割を果たすものが備わっており、それによって光を集めているという点では宇宙望遠鏡に似たものであるようです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、ホタテの眼の構造の不思議について解説します。

スピーカー
Stefan Chin(ステファン・チン)氏
参照動画
There Are Crystal Mirrors Hidden in Scallop Eyes

ホタテの眼は宇宙望遠鏡に似ている

ステファン・チン氏 私たちは通常ホタテ、と聞くと、あの美味しいホタテのソテーを思い浮かべたり、よくある貝殻のクリップアートの典型的な形を思い浮かべたりするかもしれません。 IMG 01 しかし先日、生物学者たちはホタテがただのおいしいメニューであるだけでなく、ずっと価値のあるものであると発表したのです。ホタテの視覚システムは驚くほど複雑で、200個にものぼる望遠鏡のような目を持っているというのです。 IMG 02 蜂の複眼や、人間のシンプルな目などのほとんどの目はレンズで光を集め、光に敏感な光受容体を含む網膜へ当てます。 IMG 03 しかし、ホタテの目はそれとは異なり、光を集めるのに鏡を使います。そのため、ある人たちはそれが望遠鏡、極小ではありますが、ハッブル望遠鏡のようであると言います。 IMG 04 このことは英国の視力研究者たちのおかげで半世紀ほど前から知られています。しかし、その鏡が何でできているのか、ホタテがどのような視覚を持っているのかは謎のままでした。なぜならホタテの目はたったの1ミリほどしかなく、科学者が顕微鏡でそのデリケートな眼球を見ようとするたび、サンプルは乾いて崩れてしまったからです。 クライオSEMと呼ばれる超低音スキャン電子顕微鏡法を用いた技術は、液体窒素でサンプルを急速冷凍することにより研究者がサンプルの水分を保ったそのままの状態で見ることができます。 『サイエンス』誌の報告によると、ある研究チームはその方法を使って、ホタテの目の鏡はグアニンでできていることを突きとめました。もしかしたらみなさんもグアニンという名前を聞いたことがあるかもしれません。グアニンはDNAの基礎となる4つのもののうちの1つだからです。 しかし、グアニンでできた水晶は変わった光学特性を持っていて、それを使って多くの生物は生き残ってきました。例えば、グアニンにより魚の鱗は玉虫色になったり、光ったりします。 IMG 05 ホタテの場合そのグアニン水晶は四角いタイルのような形をしています。それらのタイルは20から30枚が重なった厚さになっていて、それぞれの層は微量の細胞質により分けられています。そしてそれがそれぞれの眼球の奥でカーブした鏡を形成しているのです。 それは世界最大で最強のセグメントミラー望遠鏡が光を集める方法に似ているのです。ですからホタテの目はハッブル望遠鏡よりジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に似ていると言えるでしょう。 IMG 06 研究者たちはその精密な水晶の層により、ホタテはほとんど青と緑の光の波長だけを反射させると考えています。それはホタテが海底で住むのに必要なことでしょう。 それにもっと感心できる点は、ホタテは眼球に網膜を2つ持っているということです。人間の網膜は眼球の後ろにあるのに対し、ホタテの網膜は二本の線状で、眼球の中心を通っていて、光が奥にある鏡で反射した後集まる場所にあります。 IMG 07 研究チームは眼球の3Dスキャンをとり、コンピュータを使ってその見え方のシミュレーションをしました。そのモデルによれば、グアニンの鏡の形はユニークで、異なる光をそれぞれの網膜に集める傾向があることがわかりました。ですからホタテは一度に2種類の映像を見ているというのです。 より小さい外側の網膜は、外敵が突然現れた時など、目の前で見える光の素早い変化に対応できるようになっています。それより大きめの内側の網膜は周囲の光を拾うのに長けています。それに外側の網膜は光により敏感なため、さらに鮮明な映像を見ることができます。 ですから生物学者たちはこの網膜があるおかげで、ホタテは光の少ない環境においても周囲の状況に注意を払うことができるのだと考えています。海の中で岩の下に住むとなればその働きはかなり大きいでしょう。

最新の研究でわかった生物のルーツに関するニュース

もう1つの生物ニュースです! 先日、生物学のあるチームは、進化の系統樹の中ではじめにほかのすべての動物から枝分かれしたのは海綿動物であり、有櫛動物ではないと発表しました。 みなさんはそのような議論がなされていたこともご存知ないかもしれません。しかしこれは動物の進化において語るうえで予期しなかった結果なのです。それにこの点に関して科学者たちは何年も意見が分かれたままでした。 海綿動物は非常にシンプルな動物です。あまりにシンプルなため、多くの人がそれを植物であると勘違いしています。 IMG 08 海綿動物は動きませんし、内臓も見当たりません。代わりに、海綿動物の体はたくさんの気孔があり、水が通り抜けていきます。体内に襟細胞と呼ばれる特別な細胞があり、それが水中の食べ物を捕まえます。有櫛動物もとてもシンプルな構造をしていますが、海綿動物ほどではありません。なぜなら有櫛動物には基本的神経系統が備わっているからです。 IMG 09 そして彼らはクラゲのような外見をしていますが、クラゲのような刺細胞を持っていません。 科学者が姉妹群、と呼ぶ関係にあるのはどちらなのかという混乱に、ついに終止符が打たれました。言い換えるなら、みなさんが進化の系統樹を見る時、他の動物から分かれたのはどのグループか、わかるようになったというわけです。 これは一方の動物が他方より古いというわけではありませんし、人間がそのどちらかから進化したというわけでもありません。それが教えてくれるのは、すべての生物の共通の先祖がどのようであったかということです。 問題となるのは、これらの動物のゲノムを科学者たちが研究するたび、異なる結論に至っていて、他の結果と比べたり、コンピューターモデルを使ったりして系統樹を作ってきたということです。 もし特定のアミノ酸の変化を含むなら、通常海綿動物に行き着きます。しかしそれを排除するなら、またはほかの菌類などの生物を含むなら、有櫛動物に行き着くのです。 最近の研究では研究者たちがさらなる統計を用いてすべてのデータから余計なものを取り除くことにより、海綿動物こそがそれであるという結論に至ったというわけです。 科学者たちのなかにはそれに異議を唱える人がいるかもしれませんが、ほとんどの人はこの議論は終結に至ったとみなしています。それに直感的に考えても、より単純な動物こそが系統樹のルーツにあると考えられるでしょう。 逆に考えれば、海綿動物は共通する先祖から複雑な内臓システムを取り除く必要があったということになります。少なくともこのパズルを完成させるためのさらなるデータを得られるまでは、これが我々のファミリーツリーの最新アップデートになります。

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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