logmi・ログミー

世界をログする書き起こしメディア

飛行機に「水銀」を持ち込んではいけない、恐ろしい理由

飛行機に「水銀」を持ち込んではいけない、恐ろしい理由

「体温計」を思い浮かべた時、あなたがイメージするのはどんな形の体温計でしょうか? 今は電子式の体温計が主流になっていますが、その昔は「水銀」を用いた体温計が広く用いられていました。常温で液体化する唯一の金属である水銀。その特性を活かして様々な分野で活用されてきましたが、同時にとても危険な物質でもあります。 今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、飛行機の中への水銀の持ち込みが禁止されている理由を解説します。

スピーカー
Stefan Chin(ステファン・チン)氏
参照動画
Why Can't You Bring Mercury Thermometers on Planes?

水銀を飛行機に持ち込めない理由

ステファン・チン氏 あなたはおそらく、一度も水銀温度計や水銀気圧計を飛行機に持ち込もうとしたことはないでしょう。実際に持ち込みたかったとしても、米国政府の気象機関で勤務していない限り、米国では持ち込むことはできません。 おかしなことのように思えますが、そこには重要な理由があります。この少量の液体金属は魅力的ですが、実はとても危険なのです。 Capture1 水銀は、常温で液体状になる唯一の金属のため、映画X-menのヒーローの名称ではなく、古い英語で「生きている銀」という意味のquicksilver (クイックシルバー)とも呼ばれます。 この金属は、熱膨張の程度を測定する水銀温度計にはとくに有用です。温度を少し上げると膨張するため、高い熱膨張係数を誇ると評価されています。 (水銀温度計は変化が良く見えるので、)今日はセーターを着る必要かどうかを温度計でチェックするのに、虫眼鏡で見る必要がありません。 また、水銀はその他多くの金属と簡単に化合物や合金を形成します。水銀との合金はアマルガム(水銀合金)と呼ばれ、さまざまな事に役立ちます。たとえば、歯医者で銀の詰め物をしたことがある場合、それは水銀、銀、銅のような無害な金属で作られたアマルガムです。しかし、いくつかのアマルガムはそれほど無害ではありません。 Capture2 たとえば、水銀が純粋なアルミニウムと接触した場合、大変な事になります。そしてそれを歯に詰めたいとは絶対に思わないでしょう。

アルミと水銀が接触するとどうなるか?

私たちは、アルミニウムから飛行機をはじめとして多くのものを作り出します。アルミニウムはとても丈夫だからです。多くの金属は、酸素に触れると錆びて時と共に劣化します。しかしアルミニウムが酸素に反応すると、内部の純粋な金属部分を保護する、非反応性の酸化アルミニウムが表面に形成されます。水銀が関わっていなければ、とても素晴らしい素材です。 Capture3 ですが、もし、飛行機の傷などから水銀が純粋なアルミニウム部分に接触してしまった場合、それはすぐに反応を起こし、金属に浸透し、アマルガムを形成します。 その(水銀とアルミニウムとの)アマルガムが空気に触ると、やはり酸化アルミニウムになりますが、この時は例外です。なぜなら水銀が含まれているため、化学反応が止まらないのです。 酸化アルミニウムは、飛行機からまるでサイバーパンク風の植物のように育ちはじめます。この反応のあいだに水銀は使用されておらず、アルミニウムと反応し続けます。この反応は、水銀が蒸発するかアルミニウムがなくなるまで続きます。 Capture4 ですから、古いタイプの水銀温度計を飛行機のそばに近づけたくはないのです。(水銀温度計の分の)量がそれだけあれば、水銀は徐々に飛行機を破壊します。少量の水銀であればおそらく致命的なダメージを与えませんが、水銀の流出が飛行機にダメージを与え、離陸できなかった過去があります。 飛行機上で簡単に温度を測りたい場合、最近は水銀温度計は使われていません。体に入れば毒になるものでもあるからです。時と共にいくつかの航空法が変わるかもしれませんが、それでもおそらく、水銀温度計を搭乗の際に持ち込むことはしばらくないでしょう。

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

・公式チャンネル

×
×
×
×
×
×
この話をシェアしよう!
シェア ツイート はてブ
飛行機に「水銀」を持ち込んではいけない、恐ろしい理由

編集部のオススメ

無料で求人掲載できる!エン・ジャパンの採用支援ツール、engage(エンゲージ) PR

おすすめログ

人気ログランキング

TOPへ戻る