中学英語こそが使える英語である

西澤ロイ氏(以下、ロイ):NOBU先生はこういうわかりやすい教え方をしてくれるので、だから教科書の準拠本を出すぐらい。

NOBU:本当に教科書は、どうしても堅めの参考書が多いと思うんですけど。僕、中学英語こそ使える英語って、本当に思ってるので。中学英語の1番の基礎である教科書、みんなが学校で習う教科書を、もう少し中学生たちが、これを使って身近に感じてもらえる。英語ってこういう言語なんだって、わかってもらえるような参考書を出したいと思っています。

なので今、おかげさまでいろんな書店で大きく出していただいてるんですけど。ちょっとこの前おかしかったのが、こういう準拠本って堅めなので、ずらりといろんな教科書ガイドが並ぶなかで、表紙も堅めなんですよね。そんな中、僕はこの満面の笑みで。

(一同笑)

NOBU:浮きまくってたっていう(笑)。

ロイ:中1、中2、中3でぜんぶ表情が違うんで。

NOBU:そうそう。

上村:そうなんですね。

NOBU:でも、もっと英語って楽しもうよっていう、もっと楽にっていうのかな。そういう感じを感じてもらいたいですね。中学生にも、もちろん大人にも。

日本の英語教育への違和感

ロイ:逆に、最初に日本の英語教育に出会ったときに、ショックとかなかったですか?

NOBU:ショックは、いろいろありましたけどね。1つは、不自然……なんて言うのかな。英語が本のなかで完結してるんですよね。でも言葉って、あくまで相手がいてはじめて意味が出てくる。状況があって、はじめて意味があるわけじゃないですか。

ロイ:How are you?

NOBU:How are you? Thank you.とかね。例えば、I'm NOBU.っていう文も、それ自体は別に何も意味ないけど、こうやって自己紹介だとすごく意味が出てわけで。そういう状況のなかで使うことで、はじめて英語っていうのは意味が出てくるのに、参考書を見ると、堅い日本語。それを機械的に置き換えるだけになる。

ロイ:This is a pen. ですもんね。

NOBU:そうそう。でもね、This is a pen.ってね、これはよく使えない学校英語の代表例みたいに、よく話題にあがるんですけど。This is a pen.自体はぜんぜん悪くないんですよ。これネイティブ級の素晴らしい英文ですよ。This is a pen.

ロイ:でも、なかなか使わないですよね。

NOBU:そう。でもそれが、例えばね。じゃあペンがいっぱいあって、申込用紙を書きたいからペンが欲しいんだけど、鉛筆しかないと。そこで、例えば、ロイさんに、This is a pen, Here?

ロイ:ああ。

NOBU:これペンだよ、はい。完璧じゃないですか。

ロイ:パーフェクト。

NOBU:It's perfect. だから、大事なのは、「これはペンです」が悪いんじゃなくて、どんな状況、場面なの? それをちゃんと、今まで学校英語っていうと、一括りはできないんですけど、いろんな先生方もちろんいらっしゃる。でも参考書とか見るかぎりは、もう機械的に日本語。「これはペンです」とか、ピンとこないんですよね。

NOBU:「私はお腹がすいています」。これ、英語で言えますか?

上村潤氏(以下、上村):I'm hungry.

NOBU:ですよね。それはもうみんな言えるんだけど、じゃあここでグーっとお腹が鳴ったときに、Oh, I'm hungry. このグーって鳴る感じと、I'm hungryが結びついているか。これが大事なんですよね。場面。こういうとき、I'm hungry.だよな、みたいな。それが伝えたいですね。

あくまでも場面のなかで使って、はじめて意味が出てくるから、ちゃんと場面のなかで使う練習しようよ。日本語を英語、機械的に変換するのはやめよう。そればっかりはね、それだけはやっぱりよくないと思う。

ロイ:いやあ、いい話聞いた(笑)。

(一同笑)