Trekのスタッフが教える、ロードバイクの選び方

けんたさん:「ロードバイクこれから買います! ヨッシャ!」ってなった時に、いろんなメーカーさんあって、そのメーカーさんごとにいろんなロードバイクを出してる、と。「これはこうです。これはこういう特徴があって……」ってよく言ってますけど、ぶっちゃけよくわかんないという人がとても多いと思うので、今日はこのTREK WORLDに来させてもらったので、ここにいるジャジャーン! Trekの野口さん。

野口忍氏(以下、野口):はい、こんにちは!

けんたさん:こんにちは、とてもいい体格をされている方なんですけどね。

野口:ありがとうございます(笑)。

けんたさん:もともとスプリンター系だったのか、どうなのか。

野口:もともとは、マウンテンバイクのクロスカントリーをやってまして。

けんたさん:あ、クロスカントリー、クロカンだったんですね。それはいい体格になりますよね。

野口:3度アジアチャンピオンになりました。

けんたさん:うわー! アジアチャンピオン3回なってるという。

野口:今はちょっと……(笑)。

けんたさん:いやいや(笑)。まあ、そんな野口さんに、ロードバイクの種類とか、Trekにはどんなものがあるのかお話をしていただければなと思います。さっそくちょっとやっていただこうかなと思います。

野口:はい、わかりました。

けんたさん:よろしくお願いします。

野口:お願いします。

空力性能に特化した「エアロロード」

けんたさん:さっそくなんですけども、いろんな自転車がある中で、「山登りたいです」とか、「長距離走りたいです」とか、「とにかくカッコいいのがいい」とか、そういういろんな人がいると思うんですけど。

野口:そうですね。Trekの強み・売りというのは、それぞれの目的に応じて、究極のロードバイクをつくるというところで、3つのラインナップが用意されてます。

けんたさん:あ、らしいですね。ちなみに、それは……?

野口:まずこちら、MADONEです。

けんたさん:カメラさん、ここにグーッとここ来て、MADONEが。

野口:これがどういうバイクか。

このMADONEの特徴は……。

けんたさん:ケーブルがぜんぜんないんですかね。

野口:そうなんです。もう究極のエアロロードバイク。

けんたさん:エアロロードバイク。

野口:まあ、エアロロードバイクって何かというところなんですけども、自動車でもそうなんですが、みんな空力を考えて、車体の外観をつくってると思うんですけども。

けんたさん:はい。

野口:自転車も同じような考え方で、空気の流れをしっかり考えて、フレームの形状、形、デザインをつくることで、速く走れると。

けんたさん:要は、空気抵抗が少ないってことですか?

野口:少ないです。

けんたさん:なるほど。

野口:例えば、フレーム。じゃあ、真正面から見てみましょうか。

無駄なものが一切ない。

けんたさん:無駄なものがないっすね。

野口:ですよね。普通はケーブルが出て。

けんたさん:そうですよね。ここにニョロニョロって出てますよね。

野口:そうなんですよ。

けんたさん:どこにあるんですか? ケーブルって。

野口:これ、全部このフレームとハンドルバーから入って、フレームの中に入っています。

けんたさん:あ、全部中で、こう、ゴチャゴチャしてるんですかね?

野口:そうなんですよ。

いろんなメーカーさんが、こういう空気抵抗に優れたエアロロードバイクを出されてますけど、ほとんどのメーカーさんがある1点妥協されるんですよ。妥協せざるをえない。

けんたさん:そうなんですか? 初めて聞いた。

野口:何だと思います?

けんたさん:何だろう。

野口:どこかに妥協するんですよ。

けんたさん:1個妥協するところ。

野口:まあ、基本1個ですね。そうですね。主なポイントとして、1個妥協しています、多くが。

けんたさん:ブレーキ?

野口:正解です(笑)。

けんたさん:当たっちゃった(笑)。

野口:MADONEの場合は、ブレーキ自体もフレーム形状に合わせて、Trekが独自で開発してつくっています。

けんたさん:ブレーキがついて初めてフレームとして完成みたいな。

野口:もうトータルパッケージですね。例えば、おもしろいテクノロジーが、これ、ベクターウィングというんですけど。

けんたさん:ベクターウィング?

野口:ベクターウィング。

これは何かというと、中にケーブルが通ってるんですけど、ハンドル切った時に、アウター受けというワイヤーが通ってるパーツを、ちょっと逃げをつくらないといけないんです。

けんたさん:なるほどね。そっか、そっか。そのために、ここがパカパカするようになってる。

野口:そうなんですよ。究極のスピード、速度を求める方には、非常におすすめです。

けんたさん:Trekのレースにも出してるんですか?

野口:そうですね、もう本気で。ツール・ド・フランスで別府史之選手が使ってるのもこれ。

けんたさん:乗ってるやつですもんね(笑)。そうですよね。ありがとうございます。

野口:はい。

軽さに特化した「軽量ロード」

野口:EMONDA SLR9という、一番最高級グレードのモデルになるんですけども。

けんたさん:(EMONDAを持ち上げて)あ、軽い!(笑)。めちゃめちゃ軽い。

本当だ、バランスが。これ、すごいや。

野口:まあ、これで、そうですね、このスペックでいくと、5.5キロとか。

けんたさん:5キロですか! 5キロって(笑)。

野口:5キロ台です。

けんたさん:5キロっていったら何を想像しますか?

女性:うちの猫のほうが重い(笑)。

けんたさん:あ、本当ですか(笑)。猫のほうが重い。ちょっともしかしたら……。

女性:太めの猫(笑)。

けんたさん:太めの猫かもしれない(笑)。

野口:軽いことのメリットは、やはり日本の地形って登り、峠もあるので、そういうところで楽にといいますか、他のバイクに比べると楽に登れるバイクです。

けんたさん:やっぱり軽いというのは、そういうことなんですね。

野口:はい、そういうことです。

アルベルト・コンタドール選手。

けんたさん:コンタドール選手。

野口:今年で引退を。

けんたさん:らしいですね。

野口:発表をしましたけども、今年もツール・ド・フランスで使用したモデルと同じ。

けんたさん:あ、同じモデルなんですね。

野口:はい。

けんたさん:へぇー。

野口:コンタドールのために開発された、と言っても過言ではない。

女性:けんたモデルじゃなくて?(笑)。

けんたさん:ケンタドール?

女性:ケンタドール(笑)。

けんたさん:ケンタドール(笑)。

野口:やっぱり軽さからくるペダリング、普通に自転車にまたがってぺダルを踏んだ時の軽さとか、反応性が抜群です。

けんたさん:抜群にいいんですね。

野口:はい。

フレーム単体重量で、これはちょっと実際はペイントがあるので、これは640グラム。フォークもちょっとついてますけどね。

けんたさん:フォークなしでフレーム単体で。

野口:フォークなし、フレーム単体で、50センチのフレームサイズで、610グラムですね。

けんたさん:むっちゃ軽い。マジで軽い(笑)。

野口:まあ、業界最軽量と言えるかと思います。

快適性に特化した「エンデュランスロード」

けんたさん:ということで2つ、エアロロード系と、軽量、超軽量ロードバイク。……これだけですか?

野口:もう1つあります。

けんたさん:もう1つある! ほうほう。ちなみに……?

野口:もう1つはDOMANE。

けんたさん:DOMANE。

野口:じゃあ、これいきましょうか。

これは、SL5というミドルグレードのものです。ハイエンドも同じテクノロジー使ってます。何かというと、見ていただきたいのが、ここのパイプ。

ここは、シートチューブというんですが。

上からシートマストキャップという、サドルを固定する部分をかぶせているんですね。

けんたさん:はい。

野口:そして、この部分をトップチューブと呼ぶんですけども、さっき言ったシートチューブとこのパイプは、通常は完全にジョイントされてるんです。

こういう形で固定されています。

ただ、これは、挟み込みながらここにピボットがあって。

けんたさん:ありますね。

野口:ここにベアリングが入ってるんですけど。下からの衝撃を、うまくしなることでいなしてくれます。

けんたさん:いなしてくれる、へぇ。

野口:実際にお見せしましょうか?

けんたさん:え、あ、いいんですか?

野口:はい。

けんたさん:これはすごいな。

野口:フロントディレイラーのあたりから、ボトルケージをつけるネジ、このあたりをちょっと見といてくださいね。ここを中心にしなります。上から力かけると。いきますね。

けんたさん:これ、しなりじゃなくて、こっちを見てしまう。

野口:(笑)。

けんたさん:押し込む時のこの筋肉が見たいぐらいですけど、ちょっと1回見ましょうか。

野口:いきますね、ここ。

けんたさん:ちょっと待ってくださいね。今、ピントちょっと合わせるんで。……はい、じゃあ、お願いします。

野口:はい。

わかります?

けんたさん:前にちょっと出てる感じがしますね。

野口:通常のカーボン製のロードバイクというのは、ここからしなることはありえないんです。

けんたさん:うんうん。

野口:フロントのホイールの中心から、ギアのホイールの中心までが、ちょっと長めに設定されています。

けんたさん:なるほど、なるほど。

野口:ストレートでまっすぐバーンときているものが多いんですけど、これは前にこう、曲がってる感じなんですね。

けんたさん:ちょっとシュッとなってますよね

野口:これが特徴的で。どういうことかというと、コーナリングのコントロール性がすごく扱いやすいんですよ。

けんたさん:これはもしかしたら、噂の石畳をイメージしてるわけですね。

野口:そうですね、石畳をイメージして。もともとはプロサイクリストのレジェンドでもあるファビアン・カンチェラーラ。

去年引退しましたけども、ファビアン・カンチェラーラ選手のためにつくられたバイクなんですよ。

けんたさん:へぇー。

ここにもしなるギミックがあって。

野口:ここにもあります。

けんたさん:ここにもしなるギミックがあって。

野口:あとは全体的なフレームの設計、ジオメトリというところも。

けんたさん:ジオメトリも、乗りやすいというか、快適な仕様になっている、そういうロードバイクなんですね。

野口:そうですね。

ロードバイクは大きく分けると3種類

けんたさん:まとめると、Trekは主に3つの種類のロードバイクがある、と。

野口:はい、そうです。

けんたさん:MADONE。

EMONDA。

そして、DOMANE。

野口:そうですね。

けんたさん:エアロ系か、超軽量か、あとは快適か。そういったふうにロードバイクを自分のスタイルで選んでいただく、と。Trekなりに、すごくこだわって突き詰めたものが、3車種あるということなんですね。

あなたのロードバイク選びに、少しでも役立てればいいなと思います。野口さん、ありがとうございました。

野口:はい、ありがとうございました。

けんたさん:またよろしくお願いします。いや、すごい。この握手がね、もうね。

野口:いやいや(笑)。

けんたさん:力強い。持ってかれる(笑)。

野口:普通だったんですけど(笑)。

けんたさん:みなさん、どうもありがとうございました。さよなら、バイバーイ。

野口:さよならー。