2018年3月期第2四半期決算説明会

石川英治氏:みなさまこんにちは。社長の石川です。本日はご多忙のところ全国保証の2018年3月期第2四半期の決算説明会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

また、平素は私ども全国保証株式会社に対しまして、温かいご高配を賜り、誠にありがとうございます。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

本日は11月6日に発表させていただいた、当社第2四半期決算の内容に関しまして、お手元の資料に基づいてご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

2018年3月期 第2四半期決算サマリー

2018年3月期第2四半期決算サマリーです。トピックを4点書かせていただいております。

マイナス金利政策や各種住宅取得支援策の継続のなどにより、新設住宅着工戸数は底堅く推移しております。

営業に関しましては、この半年間、新規の金融機関との提携をやってまいりました。その結果、新たにJA9組合のご契約を頂戴しております。

保証債務残高も堅調に推移しており、結果的に営業収益、利益ともに順調に推移しております。

代位弁済につきましては、雇用環境が良好ということもあり、代位発生が低位に推移しております。この結果、与信関連費用を含めた営業費用は計画を下回るということです。

経済環境

今期の経済環境です。

海外経済の先行き不透明感もございますけれども、国内につきましては企業収益、雇用・所得環境の改善が続いており、個人消費も緩やかながら持ち直しているということで、景気は回復基調です。住宅市場につきましても底堅く推移しております。

私どもに直接関係があるのは、いわゆる持ち家や分譲住宅といったところが保証の対象になってくるわけですけれども、4月から9月までの半年間の住宅着工戸数は28万2,800戸あまりです。前年対比では100.1パーセントということで、この半年間は前年並みで推移しております。

一方、住宅ローン市場につきましては、金利低下により、昨年は借換需要がブームのような状況になったのですけれども、(今期は)落ち着きが見られています。

この結果、各金融機関は新築、中古、リフォームを資金使途とする住宅ローン案件の積極推進を継続されている状況です。

直近9月の数字で完全失業率2.8パーセント、有効求人倍率は1.52倍ということで、非常に良好な状況が続いています。企業倒産件数も、昨年に引き続き非常に低い水準で推移しています。

提携金融機関数の拡大状況

提携金融機関数の拡大状況です。9月末で746の契約を頂戴している状況です。前期末比で8先増加しております。

この半年間でJA9組合とのご契約をいただいたのですけれども、合併により1先消滅しましたので、純増で8先ということです。いよいよ750先ご契約の到達も見えてきたのかなという状況です。

各業態別の提携のシェアにつきましては、(スライド)下に記載のとおりです。このところ少しJAの契約率が上昇してきて、42.5パーセントまできております。

ローン保証業務の拡大状況

続きまして、ローン保証業務の拡大状況です。

まず(スライド)左上、新規保証受付件数です。こちらは、あくまでも私どもに金融機関から審査のご依頼をいただいたというところです。こちらの数字が、半年間のトータルで13万422件、前年同期比104.3パーセントという状況でした。おかげさまで、比較的規模の大きな金融機関の本格稼働ということで、案件を頂戴しております。

また、当社の現場担当者による説明会や勉強会、営業店への直接の訪問などに積極的に活動を展開した結果、前年比でプラスということで、堅調に推移しています。

続きまして(スライド)右上、まずは新規保証実行件数です。前年はマイナス金利導入ということで、借換ブームという状況になっており、とくに上半期に借換の案件が増加していました。

今期は借換も沈静化いたしまして、その結果、前年同期比94.1パーセント、3万4,327件となっています。実行金額のベースにおきましては、1件当たりの平均保証金額が上昇しております。

このような要因により、(新規保証実行金額は)トータルで8,280億円ということで、前年同期比98.1パーセントです。9月末での1件当たりの保証単価は単純な割り算になりますけれども、2,412万円となっております。昨年のこの期間が2,308万円という状況でしたので、4.5パーセントほど金額が上昇しています。

背景といたしましては、私どもの契約先であるメガバンクや信託銀行などの銀行を経由した、主に首都圏の案件が少し増加傾向にあるということ、また地方の都市圏を含めて物件の価格が上昇傾向にあるということが考えられます。

また借換の案件が減り、結果的に新規の住宅ローンの取り扱いが増えたということで、1件当たりの単価が上がるということが考えられます。

(スライド)左下の保証債務残高につきましては、前期末比104.1パーセントの11兆3,405億円となりました。

新規保証金額は対前年比で微減しましたけれども、借換ブームの落ち着きもあり、私どもが保証しているお客さまが他の金融機関のほうに借換で出ていかれることも少し減っております。この結果、ほぼ前期並みの増加幅ということで、残高は増加しております。

今期は前期末比104.1パーセントの増加ですけれども、前期につきましては104.4パーセントの増加ですので、ほぼ変わらない割合での増加です。

(スライド)右下は代位弁済金額です。グラフのとおりですけれども、右肩下がりの傾向が続いています。

先ほど申し上げたとおり、良好な雇用環境を背景に、私ども独自の債権管理活動を積極的に展開しております。このようなことを反映して、前年同期比89.5パーセント、52億7,200万円となっています。引き続き、代位弁済は低下傾向にあるということです。

4月から9月の半年間の代位弁済につきましては、60億6,400万円を計画しておりました。こちらの計画対比でも7億9,300万円マイナス。計画対比86.9パーセントという状況です。

代位弁済につきましては、比較的良好な外部環境ですけれども、この環境に甘えることなく、常に延滞の初期段階から提携金融機関と協調して、お客さまの実態把握に努めて、足を使った債権管理活動により返済正常化に尽力してまいる所存です。

一方、回収は数字がないのですが、求償債権の回収につきましては、前年同期比90.7パーセントの34億4,100万円となりました。

4-9月期の半年間の回収の計画ですけれども、期初に35億4,600万円を計画しておりました。計画比では1億500万円ほどマイナス。計画対比では97パーセントという状況です。

回収は順調に推移しておりますけども、そもそも回収の対象となる代位弁済の件数が減少していますので、こちらの計画には届かなかったということです。

延滞発生時の対応や代位弁済発生時の回収の着手などは、いずれも早期の対応が求められる事項です。取り巻く環境が少し落ち着いている状況ではありますけれども、当社の強みである足を使った債権管理活動、いろんな知恵を使った回収業務に従前以上のスピード感を持って取り組んでいこうと考えています。

2018年3月期 第2四半期決算サマリー(P/L)

このような業務の進捗状況を受けて、第2四半期の損益状況のサマリーです。

営業収益は保証債務残高が堅調に推移したことにより、前年比106.7パーセント、計画比100.5パーセントの152億6,400万円となりました。一方、営業費用につきましては、前年比102.7パーセント、計画比90.6パーセントの40億6,700万円となりました。

営業費用の内訳の概要ですけれども、代位弁済の発生が年初の計画よりも低位で推移したこと、また求償債権の回収は順調に推移したことを主たる要因として、与信関連費用が計画を大きく下回ったということです。対前年比では増加しましたけども、計画比では下回っているということです。その他の費用につきましても計画を下回りましたが、前年対比では増加ということです。

個別にご説明すると、与信関連費用の債務保証損失引当金の繰入額は、前年比113.6パーセント、計画比90.4パーセントの15億3,700万円となりました。

債務保証損失引当金の繰入金額につきましては、前期末における引当金の残高から、当期代位弁済による目的使用の取崩額を控除した残額、それと9月末における自己査定に基づいて計算した必要な引当金額の差額が繰入金額となります。

前年対比で増加となった主たる要因としては、代位弁済の減少により、保証ポートフォリオの各テーブルの代位弁済率がそれぞれ低下して、加えて順調な回収により担保物件の毀損率も低下したものの、引当金の算出のための予想損失率の低下度合いが前期ほどは大きく低下していないということで、いわゆる戻入効果がなくなったということです。

次に、貸倒引当金の繰入額は求償債権に関する引当金です。代位弁済により新たに取得した求償債権に関しましては、先ほどの債務保証損失引当金ですでに引当済となっておりますので、前月以前に取得した求償債権にかかる引当金の変動額となります。9月末時点の累計では、3億7,100万円の戻入となっております。

戻入が発生する要因はいくつかあるのですが、まず担保物件の評価額以上の債権回収が行われた場合。それから担保物件の評価がいろいろな要因でもって上方修正があった場合。またサービサーへの債権譲渡による回収があった場合などに戻入が発生いたします。

当然ながら逆のケース、債権回収が担保物件の想定している評価額以下になってしまった場合や担保物件の評価に下方修正があった場合などにつきましては、追加の繰入となるわけです。

その他の営業費用の内訳ですけれども、細かいところではありますが、主に人件費、旅費、交通費、修繕費、支払手数料、租税公課などの増加。一方、印刷費等の減少がございまして、前年比102.6パーセント、計画比では98.7パーセントの29億200万円となりました。こちらにつきましては計画どおりです。

この結果、営業利益は前年比108.2パーセント、計画比104.7パーセントの111億9,600万円。経常利益は前年比106.6パーセント、計画比104.5パーセントの115億9,200万円となりました。

特別損益として、今期は投資有価証券の売却益が7,900万円。同じく投資有価証券の売却損が2,600万円。プラスマイナスで5,300万円の益が発生した結果、四半期純利益は前年比114.0パーセント、計画比105.3パーセントの80億3,600万円となり、中間期の決算としては、前年に引き続き過去最高の純利益を残すことができました。

2018年3月期 第2四半期決算サマリー(B/S)

続きまして、バランスシートです。主な科目だけ並んでおります。流動資産の中の現預金は投資環境もなかなか厳しいということで、大口定期預金の運用が増えてしまっております。この結果、前年対比131億4,200万円増加、1,859億9,400万円の残高となりました。

求償債権は先ほど申し上げたとおり、代位弁済が少し落ち着いているということ、回収は順調。また求償債権のサービサーへの売却、償却なども行っておりますので、残高として前期末比で4,200万円ほどプラスの115億2,300万円という結果です。

ちなみに、昨年の9月末の求償債権の残高は122億6,900万円という状況でした。前年の9月から比較して、求償債権の残高は7億4,600万円ほど減少しています。

有価証券につきましては、社債や譲渡性預金の投資を行った結果、33億9,800万円増加して82億2,000万円という残高です。

金銭の信託ということで、こちらは純投資の一環として、銀行2行に振り分けていましたけれども、こちらは投資環境の変化などもございましたので、この期にすべて解約しています。

貸倒引当金は、求償債権の引当金ということです。残高が59億9,900万円ということで、単純な引当率としては52パーセントです。前期末の引当率は54.2パーセントということで、若干引当率が下がっていますけれども、やはり物件の回収が順調でございまして、回収見込み額が増えているということで、この結果になっています。固定資産で、投資その他の資産の中の投資有価証券を載せています。

社債の購入ですとか、投信を売却したりとか、少し入り繰りがありましたけれども、前期末比9億8,000万円ほどプラスになり、550億3,300万円という残高です。

この他の投資関係は長期定期預金が10億円ほど増加しています。この結果、資産の合計ですけれども、残高2,718億8,200万円ということで、前期末比85億3,000万円ほど増加しています。

流動負債ですけれども、先ほど申し上げたとおり、残高が順調に増加しています。流動負債の中の前受収益、それから固定負債の長期前受収益、保証料のお預かりは堅調に増加しています。

債務保証損失引当金につきましては、後ほどご案内しますけれども、残高が69億2,300万円ということで、前年対比で1億5,600万円ほど減少しています。

純資産の株主資本につきましては、前期末比で37億6,800万円増加して、937億8,900万円という状況です。この結果、純資産の合計残高は940億4,100万円となっています。

債務保証損失引当金について

債務保証損失引当金についてです。保証債務残高に対する引当金の割合は低下傾向にあり、第2四半期末で0.06パーセントです。前期末は0.07パーセントでしたので、この半年ほどの間に0.01パーセント低下したということです。

保証債務残高が順調に増加していますので、残高に対する引当の割合が一定であれば、引当金は増加するところですけれども、近年代位弁済の発生が低下したことを主たる要因として、この割合が低下しているということです。

次に引当金の繰入額につきましては、実際の数字を億単位でまとめていますので、右のグラフで推移をご説明させていただきます。

一番右は当第2四半期の数字です。期初に引当金の残高が70億円ございました。期中に代位弁済が発生して、損失見込額を目的使用として16億円貸倒引当金に振替しています。差し引き53億円が残るということです。

第2四半期末の保証債務残高に対して必要な引当金につきましては、過去の代位弁済また回収の実績を元にして、債務者区分ごとに損失見込額を計算して算出しています。いわゆる自己査定によるものです。

この自己査定の結果、期末の保証債務残高に対して必要な引当金は69億円ということでしたので53億円の差額、15億円が足りないということです。

細かく言いますと、15億3,700万円を繰入金額ということで繰入れているわけです。ちなみに現在のところ、2018年3月期末の必要な引当金の繰入額につきましては36億2,000万円ということで、前期比9億4,000万円ほどの増加を見込んでいますけれども、当然ながら今後の代位弁済の動向、また回収の動向により、引当金の繰入額は増減するということになります。

上半期の進捗状況・下半期の取組み

続きまして、今期の後半戦(下期)の取り組みです。3つほどございます。

まず未提携の金融機関の新規契約締結ということで、引き続き新規の契約締結をご検討いただいている金融機関がございます。こちらの契約締結に向けて、引き続き努力をしてまいります。

2つ目は、金融機関との関係強化に向けた付加価値向上の取り組みです。

私どもは今年の7月から金融機関から審査情報を、基本的にペーパーベースでいただいているのですけれども、これをデータでもらえるようなシステムを構築して、7月から稼働しています。一部金融機関にはこちらのシステムをつないでいただき、実際にご利用いただいているということで、かなり効果も表れてきています。

まだまだご利用いただいていない金融機関が多くございますので、こちらの導入の提案を進めてまいりたいと思っています。

また一方では、インターネットを活用した申込スキームも活用して構築しています。こちらの導入も働きかけていきたいと考えています。

あとは前回の説明会でもご案内しましたけれども、不動産の物件情報サイト「LIFULL HOME’S」と提携して取り組んでいる事業がございます。こちらにつきましても、積極的に展開してまいりたいと考えています。

3つ目は、業務効率化による収益性の向上です。

このやり方は少し古いのですけれども、金融機関さまから審査の案件を原則的にFAXで頂戴して、ペーパーベースで審査を行っています。こちらの審査をペーパーレスで行おうということで、いろいろと検討を進めています。

うまくいくと(2018年)4月1日からペーパーレスの審査を開始できるということです。これにより、審査時間はさほど変わらないかもしれませんが、審査前後の時間をかなり短縮することができます。

結果的に金融機関から案件をいただいて、審査の可否のご回答を申し上げるまでのトータルの時間のスピードアップ、サービスの向上に必ずつながるということで期待をしています。ただ、基本的に金融機関からFAXで頂戴するということは変わらないのですけれども、このFAXをペーパーで打ち出さずに、システムに取り込むということです。今後はデータで直接やり取りする金融機関を増やしていきたいと考えています。

業績予想

業績予想です。第2四半期の時点では、当初発表した期末の業績予想を据え置きとさせていただいています。

とくに今後の代位弁済の発生それから求償債権の回収の動向につきましては、慎重に推移をみていく必要があるものと考えています。

この業績予想の修正が必要になった場合には、適時適切に開示をさせていただきたいと考えています。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

大変簡単ではございますけれども、2018年3月期の第2四半期の決算の内容、今後の取り組み等のご説明をさせていただきました。ご清聴いただきありがとうございました。