2017年度上期決算説明会

西川廣人氏:本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。今日は上期の決算ということでお集まりいただきましたけれども、上期の決算のご説明を差し上げる前に、まず私から、一連の不適切な国内向け完成検査の件について、触れさせていただきます。

改めまして私から、お客さま・お取引先のみなさま・販売会社のみなさま。そして日産をサポートしていただきました、すべてのみなさま。さらに、国土交通省をはじめとする関係省庁のみなさまから、我々日産にいただきました信頼を揺るがす結果になってしまったことを、まず深くお詫び申し上げます。

今後の取り組みを通じて、みなさまからのご信頼を再度取り戻していけるように、全力を挙げてまいります。誠に申し訳ありません。

これまでの取り組みの結果、再発防止策を講じまして、かつ完成検査の再開に関わる国土交通省の確認も得たことから、当社として今日(2017年11月8日)までに、日産車体・京都を含む6工場にて、国内向け生産出荷を再開することができました。改めて、関係のみなさまに感謝を申し上げたいと思っております。ありがとうございます。

一方、第三者の調査を含む国交省さまへの最終報告についてでございますけれども、こちらも実は本日までに完了して、みなさまへのご報告をするということを目標にしてまいりました。しかし、残念ながら2回目のリコールを行わざるをえなかったこと、そして国内向け再稼働に際して各種の措置を講じることに集中した結果、残念ながら本日までに完了することができませんでした。

来週中には、国交省さまに報告書を提出する方向で進めております。国土交通省さまに最終報告書を提出の上、メディアのみなさまにもご説明をさせていただきたいと考えておりますので、今少しお時間をいただければ大変幸いでございます。

従いまして、本日最終のご報告に関わる案件につきましては、お答えを控えさせていただきたいと思います。何卒、ご理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。改めまして、申し訳ございません。

2017年度上期 主要財務指標

それでは、上期の決算のご報告をさせていただきます。2017年度上期の財務実績につきまして、このスライドのとおりでございます。前年から販売台数・売上台数・売上高・市場占有率は伸長する一方、収益は前年並みというレベルに留まりました。国内市場における完成検査にかかる影響と、アメリカのタカタに関する集団訴訟の費用が、営業利益を圧迫した結果となっております。

2017年度の上期の連結売上高が5兆6,525億円、そして連結営業利益が2,818億円、売上高営業利益率は5パーセントとなりました。当期純利益は2,765億円となり、売上高純利益率は4.9パーセントでございます。2017年度9月末現在の自動車事業のフリーキャッシュフローは2,397億円、ネットキャッシュポジションが1兆7,600億円でございます。

2017年度上期 販売実績①

次に、販売状況をご報告いたします。上期のグローバルの全体需要は、前年比1.9パーセント増の4,555万台でございました。当社のグローバル販売台数は、前年比4.6パーセント増の273万台でございます。マーケットシェアが0.2ポイント増えて、6パーセントとなっております。

2017年度上期 販売実績②

まず、日本国内の全体需要は、前年比7.7パーセント増の248万台でございましたが、当社の販売台数は前年比34.1パーセント増ということで、28万3,000台に達しております。「セレナ」「ノートe-POWER」に支えられまして、登録車の販売台数は前年比17.1パーセント増の、19万3,000台でございました。

さらに、「デイズ」と「デイズ ルークス」が健闘し、昨年度は販売停止期間がありましたので、前年比93.9パーセント増と大幅に増大いたしまして、9万台に達しております。その結果、国内の市場占有率が、2.2ポイント増の11.4パーセントとなっております。

2017年度上期 販売実績③

次に、中国です。中国は会計年度が暦年ベースでございますので、今回の結果は(2017年)1月から6月までの結果でございます。全体需要が、前年比2.1パーセント増の1,260万台。その中で当社の販売台数は、前年比で6.7パーセント増の65万1,000台でございます。市場占有率は5.2パーセントとなりました。

会計年度が暦年ベースの中国で第3四半期にあたる7月から9月までの販売台数は、全体需要の伸びを上回りまして、36万9,000台となっております。好調な「エクストレイル」と「シルフィ」が販売を牽引した結果でございまして、15.7パーセントの増加となっております。

2017年度上期 販売実績④

次に、アメリカを含む北米でございます。北米は、全体での需要が前年対比で1.5パーセント減っております。1,074万台です。当社の販売台数が北米全体で1.3パーセント減の103万5,000台でございますので、ほぼ前期並みでございます。

米国に注目してみますと、米国の全体需要は前年比で2.1パーセント減の、884万台でございます。当社の販売台数は微減に留まりまして77万9,000台で、市場占有率は8.8パーセントでございます。「ローグ」と「ローグ スポーツ」が、販売を支えております。

カナダは、前年比8.6パーセント増。メキシコは、当社の販売台数が前年比で8.9パーセント減の17万4,000台でございましたけれども、2位メーカーとの差を広げ、100ヶ月連続で首位の座を維持しております。

2017年度上期 販売実績⑤

次に、ロシアを含むヨーロッパでございます。当社の販売台数は、前年比3.6パーセント増の37万5,000台となりました。モデルチェンジをいたしました「キャシュカイ」と新型の「マイクラ」が、台数増に寄与しております。市場占有率は、前年並みの3.8パーセントでございます。

ロシアを除く欧州で言いますと、販売台数は2.1パーセント増。そして、市場占有率は3.6パーセントでございました。ロシアでは、長引く経済不況の不透明感に回復の兆しが見えておりまして、前年比15.1パーセント増の4万9,000台ということで、マーケットシェアは6.1パーセントとなっております。

2017年度上期 販売実績⑥

その他の市場は、こちらにまとめて書いてありますけれども、中南米とアフリカを中心に、前年比2.3パーセント増の39万台となっております。「ダットサン redi-GO」や「キックス」をはじめとする商品が、牽引しております。

アジア・オセアニアでは、前年比2パーセント減。そして、中南米の販売台数は12.2パーセント増ということです。中東の販売台数は、4.8パーセント減。アフリカ・その他市場の販売台数は、前年比で15.6パーセント増と、中東とアフリカで我々が勝っているということになります。

2017年度上期 財務実績①

それから次に、2017年度上期の財務実績の詳細をご報告いたします。これは、今までの発表と同様に、中国の合弁会社を持分連結にしたものでございます。比例連結ではございません。前年度との対比におきまして、昨年度実施したカルソニック カンセイの連結除外をした上で、同一条件での比較をしております。

(資料を)見ていただきますとおり、売上高が5兆6,525億円、連結営業利益が2,818億円で、売上高営業利益率が5パーセントでございます。当期純利益は2,765億円、売上高純利益率は4.9パーセントでございます。

2017年度上期 財務実績②

次のページで、これが増減分析でございます。

増減分析のグラフを見ていただいておわかりのとおり、カルソニック カンセイの部分の連結を外して考えますと、右から2番目に「特別項目408億円」とありますが、これを除いた条件で比較します。大きな字で書いてあるのは、(2016年度上期営業利益の)3,248億円と(2017年度上期営業利益の)3,226億円。3,226億円ではございますけれども、ほぼ前年並みということが言えるかと思います。

残念ながら、日本の完成検査に基づく費用計上・リコールの費用計上・米国のタカタの集団訴訟の費用を含めて、結果として408億円下がり、2,818億円となってしまったということでございます。

2017年度第2四半期 財務実績(3ヵ月)

これを第2四半期の増減で見てみます。(項目は先ほどと)同じ構成でございますけれども、国内の完成検査に伴う計上と、米国の集団訴訟。この(特別項目の)408億円を除きますと、大きな字で書いてありますとおり、(2016年度第2四半期営業利益の)1,551億円に対して(2017年度第2四半期営業利益が)1,693億円ということで、事業としては改善をしているということになりますが、この408億円を含めると、残念ながら減益になってしまったということでございます。

2017年度上期 主要財務指標

次に、ご参考としてこれは日産パワー88の時代からお見せしています、中国の比例連結のベースでの財務実績でございます。

連結売上高が6兆2,229億円、連結営業利益が3,511億円、当期純利益が2,765億円、フリーキャッシュフローが2,737億円、そして、ネットキャッシュが1兆9,588億円ということでございます。

2017年度 業績見通し

次に、今年度の通期の見通しでございます。今申し上げました、国内の完成検査に関わる費用計上、それからその後の下期への影響等。それと、その他のビジネスプランよりも先に進んでいるもの・コストの効率化等、さまざまに考慮しまして、営業利益を結果的に、当初の6,850億円から6,450億円に、下方修正をさせていただきます。

営業利益の通期の見通しは修正いたしますけれども、連結売上高と売上台数、そして当期純利益は、当初の見通しをそのまま維持したいと思っております。

これから年度末にかけて、さまざまなリスクとオポチュニティーがございます。先ほど申し上げた、国内の問題の処理。そして、みなさまの信頼をいただき回復しながら、挽回していく部分。そして、それらの財務影響。その他・米国の重要市場の全需、あるいはインセンティブの増加・原材料価格の上昇がございます。

一方で、コストの効率化が進んでおります。そして、中国の販売は非常に好調でございます。利益の源泉でございます、アフターセールス事業および販売金融事業も非常に好調に進んでおりますし、ご承知のとおり、為替の逆風がやや緩和しているという状態でございます。

こういう中で、日産はオポチュニティーを最大限に活かし、日本のリカバリーを進めてリスクの影響を打ち消すべく、取り組みを進めていきたいと考えております。

2017年度 株主還元

それから、今日の発表に当たる、株主様への還元です。2017年度通期配当は、年度当初に申し上げましたとおり、前年比10.4パーセント増の1株当たり53円に引き上げる予定でございます。

取締役会において、中間配当として1株当たり26円50銭を、(2017年)11月22日にお支払いするということを決定しております。

以上が、上期決算の報告でございます。