第3四半期決算(1-9月)|サマリ

安田昌史氏:それではどうぞよろしくお願いいたします。まず第3四半期累計の業績と進捗になります。売上1,124億円、営業利益119.8億円、経常利益117.6億円、最終利益37.8億円となっています。

売上は過去最高となったものの、インターネット金融事業での第1四半期の出遅れが影響しまして、利益進捗にやや遅れが出ています。なお最終利益につきましては、第4四半期で税負担の改善を見込んでいますので、大きく遅れているわけではございません。

第3四半期決算(1-9月)|営業利益増減(対前年)

続いて1月から9月の営業利益の増減分析でございます。119.8億円ということで、前年同期から10億円ほど減益となっています。

セグメントごとに見ますと、インターネットインフラ事業は好調に推移しているものの、インターネット金融事業が前年活況だったことに対して、今期は弱含みで推移していること。またインターネット広告・メディア事業で、第1四半期に売上の修正を行ったことが主な要因となっています。

第3四半期決算(7-9月)|営業利益増減(対前年)

続きまして、足元7月から9月の営業利益の対前年増減分析です。こちらは2億円ほどの増益となっています。さらに付け加えますと、前年の42.9億円の利益には、インターネットインフラ事業セグメントで「.shop」のイニシャル売上、ならびにSSLの大口販売といった4.7億円の特需がありました。これを上回って、今期44.9億円で着地をしています。

第3四半期決算(7-9月)|各セグメントの状況(対前年)

続いてセグメントごとで見てまいりますと、インターネットインフラ事業は順調に推移をしています。増益率が小さくなっていますが、先ほどご説明しました前年の特需によるものです。

インターネット金融事業は対前年では増収増益。FX事業におきまして収益率の改善は進んでいるものの、マーケット環境もあり、FXの取引高が期首の想定を下回っている状況です。

インターネット広告・メディア事業は減収減益と新旧商材の端境期が続いています。新しいアドテク商材は育ってきているものの、メディア事業での既存商材の弱含み。

さらにアドネットワーク広告のレギュレーション変更の影響を受けています。モバイルエンターテイメント事業は減収減益でございます。

直近では組織再編のリリースを出させていただきました。さらなるコスト最適化を進めるとともに、開発に集中できる体制を整えることで、収益性の改善を図ってまいります。

四半期業績推移

続いて第3四半期の決算概要になります。こちらは連結四半期業績、売上と営業利益の推移になります。対前年14.7パーセントの増収、4.7パーセントの増益となっています。

次ですが、こちらは売上高のセグメント別の構成です。全体では380億円ですが、インターネットインフラ事業が210億円と過去最高売上となりまして、全体を牽引しています。ドメイン・サーバーなどのストック型収益に加えて、決済を中心とするトランザクション型の収益が積み上がっており、好調に推移しています。

セグメント別四半期売上推移

続いて営業利益でございますが、インターネットインフラ事業の好調が継続しています。インターネット金融事業は第1四半期に一時的な落ち込みがあったものの、改善が進んでいます。

ただ取引高の減少もあり、回復途上といったところでございます。またインキュベーション事業も押し上げの要因となっています。

PLサマリー

PLのサマリーはご覧のとおりになっています。

BSサマリー

続いてBSのサマリーです。ビットコインマイニング事業への参入に伴いまして、動きがありました。こちらについては、次のキャッシュフロー計算書の部分で併せてご説明をさせていただきます。

マイニング事業への参入による投資が進行しています。営業キャッシュフローは17.6億円マイナスとなっていますが、こちら納税でマイナス27億円。マイニング事業の投資でマイナス15億円というのが、主な要因です。

CFサマリー

一方、投資キャッシュフローのうちマイニング事業の投資が50億円を占めていまして、営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー合わせたマイニング事業での支出が、トータル65億円というのが3Qの状況となっています。今後もビットコインマイニング事業については大きな支出が想定されますが、随時ご報告をさせていただきたいと思います。

事業領域

次ですが、各上場会社の時価総額と持分相当額になります。ご覧のとおりです。

続いてグループ概況です。こちらは当社の4つの事業領域を俯瞰した図です。売上比率で領域の大きさを表現していますけれども、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業でざっくり5対3対2というイメージです。

インターネットインフラ事業の契約件数・FX証券の口座数など、顧客基盤が順調に拡大をしています。

グループの強み(技術力)

続いてパートナーの数です。9月末のグループのパートナー数は5,278人。うち44.6パーセントがエンジニア・クリエイターという作る人です。作る人の比率を50パーセント超の目標に向け、じわじわ上げてきている状況です。

事業構成

続いて各セグメントの状況になります。こちらはインターネットインフラ事業の構成になります。引き続きすべての領域においてナンバーワンになっています。

第3四半期業績推移

続いてインターネットインフラ事業の過去5ヶ年の第3四半期の業績推移です。売上は決済・アクセスが牽引しまして、プラスの27.5パーセントとなっています。

前年に特需があったドメイン・セキュリティはマイナスとなっていますが、事業モメンタムは極めて好調です。

一方利益面では、「minne」などへの投資がありながら増益となっています。また、事業開始後の債権の回収率やクレジットコストの状況をウォッチしつつ、事業展開してまいりましたGMO後払いでございますが、この四半期で黒字化。今後の利益貢献フェイズへと移ってまいりました。

四半期業績推移

次でございますが、こちらは四半期業績の推移。オレンジは「Z.com」「.shop」「minne」などの戦略投資となっています。第2四半期は一過性の費用などがあったことで10億円台となりましたが、再び20億円台に戻してきています。

セグメント別四半期売上推移

続いてですが、セグメントごとの売上推移でございます。ご覧のとおり着実に積み上げてきています。とくに決済事業ですが、昨年第4四半期に「ZOZOTOWN」さんへの後払いサービスを提供開始。そして今年の第1四半期に海外子会社の連結の開始に伴いまして、大幅な増収となっています。

契約件数

続いてインターネットインフラ事業の契約件数になります。ご覧のとおり843万件となりました。伸びが鈍化しているように見えていますが、実はこちらはSSLの事業でエンタープライズ案件が増えています。

こちらが一時的かつ大口の契約の増減の影響を受けていることが要因でございまして、ベースとなっている顧客基盤は順調に拡大しているといった状況でございます。

第3四半期業績推移

続きまして、インターネット金融事業です。まずはインターネット金融事業の過去5ヶ年の第3四半期の業績推移です。

FXの取引高は減少していますが、収益率の改善に取り組んだことにより13.4パーセントの増収となっています。

利益面ですが、仮想通貨関連事業のGMOコイン株式会社がまだ投資フェイズで、数億円の投資を行っている状況もありまして、6.4パーセントの増益にとどまっております。

四半期業績推移

四半期ごとの業績の推移になりますが、ご覧のとおりです。第1四半期には収益率が一時的に低下いたしましたが、ポジション管理とカバー取引の最適化等により、ご覧のとおり改善傾向にございます。

GMOフィナンシャルHD|KPI(取引高・マーケットシェア)推移

続いてですが、収益率が改善している一方で、課題となっていますのが取引高でございます。市場のシェアは1位は変わらないものの、取引高で見ると前年同期で16.9パーセントの減少となっています。

GMOフィナンシャルHD|主要KPI

続いてです。こちらはGMOフィナンシャルHDの主要なKPIです。この3Qですが、取引高は減少しましたが、お客さまからの預り証拠金の残高は順調に積み上がっています。引き続き顧客基盤の拡大、サービスの向上に努めてまいります。

GMOコイン|主要KPI

続きまして、GMOコイン株式会社で展開しています仮想通貨関連事業の状況です。5月末にスタートいたしました仮想通貨関連事業は、ご覧のとおり口座数・取扱高が急拡大しています。足元ではビットコイン以外のイーサリアム、ライトコインの取扱を始めています。

またこの9月末には仮想通貨交換業者として、金融庁さまより登録をいただくことができました。こちらの事業、ビットコインマイニング事業とともに仮想通貨革命の中心事業として今後も成長させていただきたいと考えています。

第3四半期業績推移

続いて、インターネット広告・メディア事業でございます。こちらは過去5年の第3四半期の業績推移となります。売上については対前年3.8パーセント減となっています。

ネットメディアでアドネットワーク広告のレギュレーション変更による収益の減少。その他既存商材の落ち込みがございました。

またネット広告では、テクノロジーシフトによりアドテク商材は伸びているんですが、一部顧客の減少が響いています。利益面でも利幅の大きいメディアの落ち込みの影響が出ているQとなりました。

四半期業績推移

続いて四半期業績の推移ですが、ご覧のとおりです。ここ数年来続けてまいりましたアドテクシフトへの手応えは感じているものの、端境期が長く続いてしまっています。引き続き自社商材の強化に取り組んでまいります。

セグメント別四半期売上推移

続いて四半期売上の推移です。自社アドテク商材の「AkaNe」が前年から倍増の7億にに育ってきています。こちらはいいニュースなんですが、一方で先ほども申し上げました広告代理の一部顧客の出稿減があり、トータルでは前年並みの水準となっています。

各セグメント|第3四半期(7-9月)業績サマリ

続きまして、モバイルエンターテイメント事業・その他の事業です。モバイルエンターテイメント事業では組織再編によりまして、ゲーム事業を行っているグループ会社を合併いたしまして、GMOインターネット本体で事業を進めてまいります。12月1日からこの体制で進めてまいりたいと思っています。

これによりまして、さらなるコストの最適化を進めるとともに、開発に集中できる体制を整えることを目的としています。

一方パイプラインの状況ですが、4Qには新規タイトルのリリースを1本予定しています。またインキュベーション事業では、昨年IPOしました上場株式の売却等がございました。

少し駆け足になりましたが、私の業績パートのご説明は以上になります。ご清聴どうもありがとうございました。