2017年9月期通期決算説明会

天野豊美氏(以下、天野):おはようございます。私、PCIホールディングスの代表の天野でございます。2017年9月期は、みなさまのおかげで前期の業績を大幅に上回ることができました。

(2017年)11月15日に発表しました取締役会(で決議したもの)について、簡単にご説明いたします。

まず、代表取締役の異動(追加選定)でございます。事業の規模の拡大に伴いまして、トップマネジメントを強化いたしました。コーポレートガバナンス及び経営体制の一層の強化を図るため、行いました。

IT分野(の代表取締役)は引き続き、私、天野がさせていただきます。追加選定の原口(直道)氏は、新規事業・M&A・AppGuard®を中心に、事業を進める予定でございます。

また、株式会社りーふねっとを、簡易株式交換によって完全子会社化いたしました。この会社は、携帯電話やモバイル端末での利用を中心とした、インターネット関係の事業をやっている会社でございます。

IoTの世界社会に備えて、とくにICT(情報通信技術)ドメインへの領域拡大を目的とするために、子会社化いたしました。また、この会社は総務省より、事業者識別番号(0067)の許諾を得ており、通信事業者として事業の展開にも注力しております。

2017年9月期 エグゼクティブサマリー

それではまず、このスライドの、上の円グラフをご覧ください。

今年(2017年9月期)は113億9,700万円という、前期比で34パーセント増の売上でございました。また、今期(2018年9月期、連結売上高の通期予想は)133億円ということで、前期比16.7パーセント増と、みなさまのおかげで売上が堅調になっております。

また、スライドの下段に書いてあるとおり、前期は株式会社シスウェーブと株式会社シー・エル・シーという2社を、完全子会社化いたしました。さらに、車車間通信における「V2Xユニット」のソフトウェア開発を(行いました)。神戸市のバスで、全面的に今後展開する予定でございます。

また、セキュアなコミュニケーションの環境を提供するということで、株式会社Blue Planet-worksに出資しました。あと、後ほどご説明いたしますが、「AppGuard®」。この究極のセキュリティシステムを、製品ラインナップに取り込みました。

グループ運営体制

次に、4ページを見ていただきたいと思います。弊社のグループ運用体制でございます。PCIホールディングスは、グループ間のシナジー効果創出、コーポレートアクションの計画・推進、グループ全体の内部統制責任・内部監査。それと、いちばん大切なものが、財務・経理の統合。また、資金調達の集中管理を行います。子会社のほうは、お金の心配なく、業務に専念していただきたいと思っています。

子会社は、PCIアイオス、PCIソリューションズ、シスウェーブ、シー・エル・シー、Inspiration、こちらの5社でございます。このうちInspiration社は、この(2017年)10月の頭にMBOをして、先ほどのりーふねっとという会社と入れ替える予定でございます。

参考資料に会社概要が書いてございますので、後ほど、そちらを参考にしていただければよろしいと思います。

自社の強み ~ 事業の特徴 ~

次が、弊社の強みでございます。スライドのいちばん下に、「PCIホールディングスの事業基盤」と書いてあります。弊社は、技術力としてはソフトウェアの開発・アプリケーションの開発・通信事業。このあたりに、非常に強みを持っております。

また(知的資本として)優良な顧客・モラルの高い社員も持っておりまして、プロジェクト管理体制もしっかりしております。

その上に、ビジネスアプリケーション開発のビジネスソリューション(緑色の部分)と、エンベデッドソリューション(青色の部分)といわれる組込みシステムが、弊社グループの収益基盤となっております。この高い技術力の源泉によりまして、これからの目玉になるIoT/IoEの成長分野(オレンジ色の部分)に注力していきたいと思っております。

それにプラス、昨年(2016年)グループに入れたシスウェーブ社の高度な半導体技術も開発・テストをしているところですので、このシナジーを上げながら、成長していく予定でございます。

当社の株主価値創造プロセス

次は、当社の株主価値創造プロセスです。

弊社はまず非常に高い技術力を持っております(1)。弊社はグループで、1,200名以上のソフトウェアの要員を持っております。

あとは、優良な顧客が非常に多くございます(2)。自動車関係、重機・建機等、日本が誇る先端の企業を多数、ユーザーとして持っております。

また、「豊富な開発案件」とここ(3)に書いてありますけれども、とくにエンベデッド開発です。「エンベデッド」は、組込みということでございます。ここは非常に競争力・産業消費の高いところでございまして、エンベデッドを持っているおかげで、IoT関連の開発に注力できます。

もう1つは、「高い定着率」と書いてあります(4)。IT業界は、おおむね10パーセント前後の離職率がございます。弊社のグループはそれを下回る、だいたい3パーセントという離職率です。非常に低いのでございます。ロイヤリティが高い社員を多く抱えているということで、考えていただければけっこうです。

そういう、要するに辞めない社員がいると、お客さまが安心して仕事を任せてくださるのです。そういうところにおいて、非常に高い継続取引ができます(5)。(上場企業あるいはその関連会社の)上位20社、今は30社ぐらいだと思いますけれども、契約リピート率は100パーセントでございます。

そうしますと、お客さまから「いろんな新しいビジネスをやろう」「新しい開発をしよう」というお声がかかります(6)。それを我々は「ファーストコール」と言っていますけれども、いろんなところで、まずお声をかけていただける。それが、弊社の強みでございます。

おかげさまで、非常にビジネスが伸びております。ビジネスパートナー(BP)は、3、4年前はほとんど使っておりませんでした。業務の拡大が起きまして、ビジネスパートナーを伸ばそうということで、(ビジネスパートナーが)多数増加しております(7)。

今日現在(2017年11月22日)において、ビジネスパートナーは300ほどおります。我々の業界においては、この300という数は少ないんです。まだまだビジネスパートナーは、拡大していける余地があると思います。我々の業界において、プロパーの社員とビジネスパートナーは、だいたい1:1でおいています。ということは(社内外の1,200名に対して)まだまだ我々のビジネスは、規模の拡大があると考えていただければけっこうだと思います。

これ(1~7)が、我々の株主価値の連鎖ということです。まだまだこれから伸びるものだと思っていただければ、ありがたいと思います。

続きまして、決算の概要を発表させていただきたいと思います。これは、弊社の取締役の井口から発表させていただきます。

<参考資料>事業区分の推移について

井口直裕氏:管理本部の井口でございます。私から2017年9月期の決算の概要、それから2018年9月期の計画につきまして、ご説明申し上げます。

まず冒頭でございますが、事業区分の変更につきまして、ご説明申し上げます。従来、我々は情報サービス事業の単一セグメントでございましたが、昨年(2016年)11月30日に株式会社シスウェーブを子会社化いたしました。

従来のエンベデッド・ビジネス・IoT/IoEを「ITソリューション事業」、シスウェーブの事業を「半導体トータルソリューション事業」ということで、区分して管理するようになりました。

2017年9月期における売上高の割合は、およそですが、ITソリューション事業が87パーセント・半導体トータルソリューション事業が13パーセント程度となっております。

業績推移(サマリー)

続きまして、過去3ヶ年、それから2018年9月期の売上高・営業利益・当期純利益の期間別グラフでございます。グラフでお示ししておりますとおり、我々は上場いたしました2015年9月期以降、業績は堅調に推移していることがご理解いただけるかと存じます。

2017年9月期につきましては、売上高は100億円を超えました。それから営業利益、当期純利益ともに、過去最高益となりました。

このグラフでご認識いただきたい点が、2点ございます。まず1点目は、トップラインでございます。こちらからは、四半期ごとにおよそ4分の1ずつ、均等に売り上がる傾向が読み取れるかと存じます。多くのIT会社さんにいわれるような季節変動性、とくに3月に売上が極端に集中することが見られないところが、弊社グループの特徴でございます。

2点目は、利益の上下のバランスでございます。当社グループは9月決算でございます。4月に新入社員が毎期40~50名入ってくるといったところでございます。

そういった販管費が下期に増えるといったところでございます。上期・下期の利益のバランスは、60数パーセントが上期・30数パーセントが下期という傾向です。これは従来どおり、引き続きそのような傾向でございます。

2018年9月期の売上・営業利益・当期純利益につきましては、後ほどご説明申し上げます。

2017年9月期 決算業績サマリー

続きまして、2017年9月期の決算につきましてご説明申し上げます。

売上高は前期比34パーセント増、28億9,200万円増の113億円となりました。営業利益は前期比21.6パーセント増、1億2,700万円増の7億1,700万円。当期純利益は11.8パーセント増、4,700万円増の4億5,000万円といった結果となりました。

まず、増収の要因についてご説明申し上げます。大きく2点ございます。先ほどITソリューションという括りでご説明申し上げました、従来の事業。そちらの拡大でございます。

弊社グループを取り巻く環境は、今非常に良い環境でございます。仕事を選べるといたところが、まだ継続しているところでございます。そういったところから、ビジネスパートナーの活用が計画を上回ることとなり、規模の拡大を図ることができました。

従来の事業といったところの括りで申し上げますと、売上高につきましては約9億円の増収。前期比10パーセント増というかたちになりました。

2点目は、2017年9月期に実行したM&A。株式会社シスウェーブ、株式会社シー・エル・シーといったものが主なものになりますが、シスウェーブにつきましては、(2016年)12月から(2017年)9月までの10ヶ月間の業績を取り込んでおります。

それからシー・エル・シーにつきましては、8月・9月の2ヶ月間の業績を取り込みました。その他のM&Aも含めて増収の要因といたしまして、M&Aが寄与したものが約20億円ということでございます。

それから、営業利益の増加につきましてご説明申し上げます。従来事業につきましては、売上高でご説明したものと同様、環境で良好であるということ、それから高収益案件へのシフトといったものを、段階的に行いました。

その結果、1億円を超える研究開発費。それから来年(2018年)の1月から2月に予定をしております、オフィスの移転にかかる初期費用を吸収して、従来事業につきましては、営業利益の増益幅が5,800万円というところでございます。

M&Aによる増益幅につきましては、M&Aにかかる諸経費、それからのれんの償却を吸収した上で、約6,900万円の増益になっております。各段階利益につきましても、前期比・予想比ともに上回ることができました。

最後にROEも記載しておりますが、前期比マイナス1.6ポイントという結果となります。これは、昨年の9月に市場変更時にエクイティファイナンスを実行いたしまして、資本の増強を図った結果ということでございます。

2017年9月期 事業別の概況

続きまして、各事業区分別の概況をご説明申し上げます。

まず、エンベデッドソリューション事業です。売上高は前期比4.7パーセント増、1億9,000万円増の43億円。連結売上高に占める割合は、37.8パーセントとなりました。売上総利益は、3.3パーセント増の9億3,000万円となりました。

当事業分野におけるエンジニアの需要は非常に堅調で、強いものがございます。そのような中で、大規模なビジネスパーソンの採用が、なかなか難しいところでございました。当社グループとしては、ビジネスソリューションのエンジニアをエンベデッドのソリューション事業のほうに転換を図ることを実行しております。

それから、当社グループの得意分野であり収益性の高い自動車向けといった案件に、意識的にシフトを行ってまいりました。このようなところが功を奏してといったところで、増収増益となりました。

自動車業界関連では、既存の取引先との取引増加に加えまして、AUTOSARであるとか、車載インフォテイメント関連の新規取引先も増加いたしました。

このエンベデッドソリューション事業の分野における、自動車業界関連の売上シェアが、2016年9月期は37.7パーセント。2017年9月期には、45.7パーセントを占めるまでに至りました。

続きまして、ビジネスソリューション事業でございます。売上は前期比33パーセント増、11億9,000万円増の48億円という結果となりました。こちらが連結売上高に占める割合は、42.2パーセントでございます。

売上総利益につきましては、22.7パーセント増の10億円になりました。先ほど冒頭に天野から、参入障壁が高いといったところで(お話ししたように)エンベデッドソリューション事業は、なかなかエンジニアの絶対数が少ないところがございます。それに対して、ビジネスソリューション事業は、まだまだマーケットにエンジニアがいるといったところでございます。

そのような中で、ビジネスパートナーの増員が、エンベデッドに比べて容易であったといったところ。それが計画を上回ったといったところが、起因して(増収となって)おります。

金融機関や産業・流通向けの案件が、堅調に推移いたしました。金融向けは銀行さま向けだけではなく、証券さま・生保さま向けの案件が大きく伸びました。また、アンチマネーロンダリングに関する案件につきましても、新規取引が開始したといったところがございます。

それから産業公共分野向けでは、都市ガス自由化に関連いたしまして、システム開発・保守需要といったものが堅調でございました。

こちらのビジネスソリューション事業につきましては、従来事業ではそういったところで拡大を図ってきたということでございます。それに加えまして、M&Aによる売上の増加もございます。こちらが、およそ4、5億円でございます。

次に、IoT/IoEソリューション事業です。売上高は前期比9パーセント減、7,000万円減の7億円となりました。連結売上高に占める割合は、6.2パーセントでございます。売上総利益は2.9パーセント増の、2億5,000万円でございます。

こちらの事業は、我々が得意とする通信を使った事業でございまして、「V2Xユニット」を活用したソフトウェアの開発に注力してまいりました。神戸市のバスロケーションシステムが本格稼働したことが、前期のトピックでございます。

それから、位置情報を活用したイベントアプリのデータベースを構築いたしまして、AR等を使ったイベントへの技術提供を開始いたしました。再生可能エネルギーにつきましては、前々期同様、引き続き堅調に推移いたしまして、安定収益化が図られてきたところでございます。

しかしながら、2016年9月期にございました、マルチメディア構想向けのプラットフォーム開発の一括案件の売上を2017年9月期はカバーすることができず、残念ながら減収というかたちになりました。

最後に、半導体トータルソリューション事業でございます。売上高は15億円、連結売上高に占める割合は13.8パーセントとなりました。売上総利益は4億9,000万円です。

国内外の半導体市況は、非常に好調でございます。それらを背景に自動車向け・産業向け半導体需要が、非常に旺盛でございます。主要取引先は、ルネサスグループさま、それからソニーグループさまといったところでございます。こちらのお客さまから安定的に、継続した受注をいただくことができました。

連結損益計算書

続きまして、連結損益計算書でございます。

上段のセグメント別の損益計算書でございますが、前ページでご説明申し上げたとおりでございます。それ以降の販管費につきまして、少し触れたいと思います。

販管費率は、2016年9月期は16.3パーセント、2017年9月期が17.3パーセントと、やや増加しております。これらの主な要因は、M&Aに関わる諸経費です。これらを約4,000万円程度計上しております。

こちらもM&Aに伴うところでございますが、のれんの償却費を計上しております。それから、研究開発の投資の追加・事業税の増加といったものが、販管費率を押し上げた要因でございます。

営業利益率につきましては、2017年9月期が6.3パーセントとなりました。従前より決算説明会等でご説明申し上げております中期ターゲットとして、6パーセント~10パーセントとお示ししております。その数値内で着地したということで、ご理解いただければと存じます。

連結貸借対照表及び連結キャッシュ・フロー計算書

続きまして、連結貸借対照表及び連結キャッシュ・フロー計算書でございます。

BSですが、売上債権は売上増加に伴うものに加えて、M&Aで子会社化した対象会社の債権を引き継いだものでございます。

のれんにつきましては、M&Aにより発生しております。主なものはシスウェーブ社、シー・エル・シー社でございます。なお、のれんの償却につきましては、子会社化した事業会社の営業利益で補われている状況でございます。

投資有価証券の増加につきましては、今後当社グループが注力していきますセキュリティソリューション、「AppGuard®」という製品名でございますが、こちらの製造メーカーであるBlue Planet‐works社を始めとする数社への、関係性強化を目的とした出資でございます。

負債の部でございますが、仕入債務の増加はビジネスパートナーの拡大に伴う改革費の増加、それからM&Aで子会社化した対象会社の債務を引き継いだものでございます。

負債のところで、借入・社債、退職給付に係る負債がございますが、これもほとんどが、M&Aで子会社化した対象会社から継承したものでございます。

以上の結果、自己資本比率は2016年9月期の72.1パーセントから52.6パーセントと低下したものの、依然として健全な財務体質は築けているものと考えております。

次に、連結キャッシュ・フローでございます。

営業キャッシュ・フローは、6億4,500万円となりました。

投資キャッシュ・フローは、マイナス6億1,600万円となりました。これは有価証券の取得・子会社株式の取得によるものでございます。いずれも、事業規模の拡大を目指した結果でございます。

財務キャッシュ・フローは、マイナス4億300万円となりました。

2018年9月期 計画サマリー

続きまして、2018年9月期の計画につきまして、ご説明申し上げます。

2017年9月期同様、2018年9月期は、マーケット環境の好調さは継続されるものと我々は予測しております。

まず、売上高につきましては、16.7パーセント増、前期比19億200万円増の133億円。 営業利益につきましては、0.4パーセント増、前期比200万円増の7億2,000万円。当期純利益につきましては、11.6パーセント増、前期比5,200万円増の5億300万円を計画しております。

こちらの計画のポイントは、大きく3つございます。M&Aによる寄与・オフィス移転のコスト・先行投資といったところでございます。

まず1点目でございますが、2017年9月期に実行したM&Aによる収益の通期寄与がございます。約19億円の増収計画のうち、シー・エル・シーおよびその子会社の通期寄与が、約11億円となります。事業区分でいきますと、ビジネスソリューション事業の増加となります。

それから本年(2017年)10月に、M&Aを1社実施しております。そちらを加えて、シー・エル・シー以外のところでM&Aで寄与しているものが、約5億円ということで、M&Aに関して約16億円、来期の計画に寄与するところでございます。

従来事業につきましては、冒頭に説明がありましたが、9月末までInspiration社がグループにおりました。これがMBOにより、当社グループから外れたといったところでございます。そちらの売上が、およそ2億円ございました。その2億円の減収をカバーして、従来事業では全体で、約3億円の増加を見込んでおります。

売上高に関しまして、上期に比べて下期が減収となる計画を示しておりますが、これはM&Aにより子会社となった企業の季節要因がございます。

2点目につきまして、ご説明申し上げます。営業利益に関するものですが、当社グループは2018年1月~2月にかけまして、都内に分散しております、当社を含めた約8社グループ会社を港区虎ノ門に集結させます。

各社移転に伴う費用・現在のオフィスの減価償却費の前倒し・賃料の増加といったところが、費用として計上されてまいります。およそ1億5,000万円~1億8,000万円程度だと、今のところ見込んでおります。

3点目、こちらも営業利益に関してですが、当社グループは当期におきまして、次期以降を見越した先行投資を、積極的に行ってまいりたいと考えております。

まず1つ目は、オフィス移転にも関わりますが、グループ会社の拠点集約による設備投資でございます。グループ会社の集約によりまして、各社のトップマネジメントから担当レベルまでが一堂に会してくるといったところで、グループ間のコミュニケーションが非常にスムーズになってくると。そういったコミュニケーションをとれるスペースを、設置する予定でございます。

当社グループは、同じ情報サービス業を営む企業集団でございますが、それぞれ特徴がございます。お互いがリスペクトできる企業集団となってまいりました。これらの企業が集結し、コミュニケーションをとることによって、従来以上のシナジーが発揮できるものと考えております。

2つ目は、研究開発費の増加でございます。前期に比べまして、5,000万円ほどの増加を計画しております。主な研究開発分野といたしましては、従来から引き続き通信技術・位置情報の研究・IoTソリューションの自社製品の開発です。

3つ目は、人財採用費の増加でございます。グループ全体で、約2,000万円程度の増加を計画しております。

4つ目は、広告宣伝費・販売促進費の増加でございます。今期の重点施策にて後ほどご説明申し上げますが、当社グループは本年4月に、セキュリティソリューションメーカーであるBlue Planet‐works社へ出資をしております。

当社製品は、日本に上陸してから半年余りで、残念ながらまだ認知度が低いといったところです。我々としては、積極的な広告宣伝活動を展開していきたいと考えております。

これらの費用増加に加えまして、Inspiration社の業績分が前期の営業利益ベースで3,500万円ほどございましたが、こちらが営業利益を押し下げることとなります。それらを、M&Aにより子会社となった事業会社の業績がカバーするということになりまして、結果として営業利益は前期比微増というかたちで、計画しております。

なお、これらの計画につきましては、これから申し上げますセキュリティソリューション「AppGuard®」事業による収益、それから冒頭ご説明申し上げました、完全子会社化したりーふねっと社の事業による業績は、現在精査中でございますので、織り込んでおりません。

当社グループは、上場して3回目の決算ということになります。これまで開示予想を下回ったこと、下方修正したことはございません。期初計画策定時におきましては十分な検討(をしており)「慎重すぎる」「かなり保守的である」といったご評価もいただいておりますけれども、株主さま・投資家さまに、確実にお約束できる数字を示しております。

以上で、2017年9月期決算数値の概要・2018年9月期の計画につきまして、ご説明を終わります。

続きまして、再度天野より、株主還元・中期ターゲット等につきましてご説明申し上げます。

株主還元について

天野:それでは、株主還元につきまして、ご説明申し上げます。

我々は、安定した配当を維持継続いたします。配当性向としましては、30から50パーセントを目安といたします。前期は50円の普通配で、今期も50円の普通配を計画しております。

配当性向は前期が41.7パーセント、今期が37.6パーセントとなっております。できる限り継続してがんばって、配当性向を多くしようと努力させていただきたいと思っています。

2017年9月期実績に基づく収益構造と中期ターゲット

次のページでございます。

青い部分は、現在のビジネス。先ほど言いました、エンベデッドビジネス・IoTの一部・半導体でございます。

黄色の部分は、これから期待できる、とくにIoTで言うとマルチメディア、またはV2X・AppGuard®等です。いろいろなものが入ってくると、この部分は伸びるのではないだろうかと、我々は期待しております。

既存事業プラスアルファ等によって、さらなる(伸長を考えています)。売上高成長率は5から20パーセントの伸長、売上総利益率は20から30パーセント、営業利益率は6から10パーセントと、これも非常に慎重な数字を示しております。

1 安定収益分野

続きまして、今期の重点施策を説明させていただきます。

左側が「Power Station」。先ほど井口が説明しました再生可能エネルギーの太陽光発電です。

これも1回(収益の安定期に)入りますと、20年間ストックビジネスでございます。前期まで6期入っておりまして、それがストックになっている。それとプラスいくつか(の要素が)入る予定で、これが20年間ずっとストックビジネスになるということでございます。

スライドの右側が、「バスロケーションシステム」。(2017年)4月1日に神戸バスにおいて、バスロケーションサービスが開始されました。今非常に順調にきていまして、これをもとに、全国展開を図りたいと思っております。

あと、右下にあるようなQRコードを入れてもらいますと、ホームページをご覧いただけます。「自分が乗りたいバスは、今どこにいるのだろう?」「何分後に、乗りたいバスが来るのだろう?」。これが(バス停から離れた)家にいても、買い物をしていてもわかります。非常に今、神戸市において効果を得ております。

1 通信技術分野①

次のページが、V2Xです。

(車車間通信で)要するに、車とどこでもつながれますよというものです。

車と人・車とオートバイ・車と信号(の通信)。こういうものを、我々は非常に得意としております。

2 通信技術分野②

これを活用しまして、次のページです。総務省における、アドホックネットワークの構築です。

見ていただけると、東京大学・東京工業大学・トヨタ・ドコモ・ソフトバンク・KDDI・日本電気・沖電気工業といったメンバーに、我々PCIソリューションズが入っております。

なぜうちがメンバーに入っているかというと、総務省に、「車のV2Xユニットのソフトウェアでは、あなたはいちばん強い」という評価をいただいているためです。

2 通信技術分野③

これを受けて、非常時におけるアドホックネットワークの構築・活用を、今実証実験しております。

これはなにかと言いますと、みなさまもご経験の「3.11(東日本大震災)」。たぶん、電話が通じなかったと思います。携帯もなにもかも。

これは今でも、(災害等の非常事態が)起きると、同じことが起きます。それを起こさないためには、ネットが通じていることが前提です。まず、電波を落とす。その落ちた電波を、車が拾うと。車からこの電波をスマホに伝達したり、また、スマホから車に伝達したりする。この情報の発信・収集の、2つをやるということです。

災害対策として情報を渡すと、「今どこに自分がいるか」を全部登録できるというものの実証実験をやっておりまして、今年から来年まで続ける予定です。

総務省としては、2020年にアドネットワークを完成させる。なぜかというと、オリンピックがあるからです。「日本で災害が起こるのは(予期できないため)しょうがない。それでも、(非常時の対策はできているので)安心安全ですというところで、ぜひみなさん日本に来てください」ということだと思います。

我々は、そういうものをやっております。

3 位置情報活用事業

次は、「こことろ」です。先ほど言った位置情報ですね。AR/VRを活用したエンタテインメントアプリの「こことろ」は、クラウドの位置情報のシステムです。これは、京都府と連携しております。我々はデータ(を担当していて)、今度我々の仲間になったりーふねっとが、アプリケーションを担当しております。

これはなにかというと、スライドの左側を見てください。これは、京都府の公園です。ここに行って、スマホでアプリケーションでを活用しますと、AR画像が出てきます。それを表示させて、記念撮影をすることができます。

これを天橋立でやったり、東福寺でやったり、宇治でやったりということで、これが完成いたしました。京都府で非常にうまくいったということで、これをいろいろな地方自治体に拡散していくと考えております。

我々としては、このビジネスができますと、りーふねっとのデータベースは我々のものですので、これも将来のストックビジネスの1つとして期待されております。

ぜひ、京都に行った時には、(「こことろ」を使って)こういうことをやっていただく。AR/VRを使ったシステムを、我々が今進めている1つだということで、考えていただければと思います。

4 情報セキュリティ分野

次のページが、「安心・安全・豊かなサイバーセキュリティの提供」。先ほど言いましたが、我々はBlue Planet-worksへ出資いたしました。

この1つのシステムが、我々のラインナップとなっております。これはアメリカの国防省・陸海空で18年間使われて、1回も破られたことがありません。今までのセキュリティシステムとは、ぜんぜん違います。今までのセキュリティシステムは、「悪いやつが来たら捕まえる」「悪いやつが来たら動かさない」。そういう考え方でした。

発想の逆転です。非常に軽いソフトで動いていて、アメリカで特許を取っております。これもBlue Planet-works社が110億円をかけまして、日本で販売活動をしたということでございます。

これはどのようなものかというと、説明すると長くなります。(2017年)9月26日に『報道ステーション』で紹介されました。

YouTubeで、「報道ステーション アップガード」と入れると出てきます。

だいたい7分の動画ですけれども、今ここで再生すると時間が過ぎてしまいますので、ぜひYouTubeで見てください。

また、もっとくわしくシステム・製品説明を見たい方は、我々のホームページにサイトが入っています。これは究極のセキュリティシステムで、日本を救うのではないかと考えています。

5月に、全世界でサイバー攻撃(ランサムウェア等)がありました。いろんなところがやられました。例えば、ウクライナあたりの民間企業が攻撃を受けまして、100日動かなかったということです。

そこで、AppGuard®を入れておけば、防ぐことができます。

今後これが、我々としては非常に大きなビジネスの1つになるのではないかなと思っております。

非常に簡単でございましたけれども、ちょうど40分間、ご説明をさせていただきました。

<続きは近日公開>