地球の気温上昇のシミュレーション

乙君氏(以下、乙君):今日は……、江守さんの持ってきていただいたデータをバンバン出しつつ、みなさんと共同してやっていきたいと思います。

江守正太氏(以下、江守):今、シミュレーションの話になったので、それがどういうもんかっていうのを。

乙君:おーっ!

(気温上昇シミュレーションの変遷マップが時系列に流れる)

江守:こういうやつですね。

久世孝臣氏(以下、久世):すごい。

山田玲司氏(以下、山田):いつもと違って真面目だ(笑)。

(一同笑)

乙君:これ、ちょっと説明していただいてもいいですか?

山田:(ニコ生のコメントに)「なんでこんな番組出てくれんだろう」って、うるさいよ(笑)。

江守:これ、あの。

乙君:年代がどんどん上がっていって。

江守:年代がどんどん上がっていって。赤が温度が上がる色で、青が温度下がる色で、こうゆらゆら、ゆらゆらしてるんですけど。

気候は自然にゆらゆら、年によってどこが暖かかったり寒かったりするんですけど、だんだん全体的に赤くなっていってるのが。

乙君:あーー、本当だ。広くなってる。

江守:将来、このまま温室効果ガスをどんどん、CO2とかを人間活動が出し続けてると、こんなふうに温度が上がっていくのを、計算したものなんですね。

乙君:いや、もう真っ赤じゃないですか、上のほう。真っ赤っていうか、光ってる。

江守:北極海は氷が減って、すごく温度上昇が増幅されるので、温度がすごく上がるんですよ。これは物理の方程式に基づいて、エネルギー保存の法則とかあるじゃないですか。

山田:うんうん。あらゆる法則。

江守:そういうものの数式をコンピューターで解いて、計算します。100年後には何度ぐらい温度が上がるのかを、その情報を出して。

それをもとに、どれぐらい対策しようかと、そういう議論につながるという、そういう研究ですね。

乙君:すごーい。

山田:こん時、青ざめたわけ、「マジか」と。これ見たらびっくりすんじゃん。俺もびっくりした。それで(笑)、あれから10年経ってんじゃん。「実際どう?」ってこないだ聞いたんだよね。どうですか? 実際、コンピューターの予測。

乙君:10年前にはじき出した予測と今どうなってるのか、っていう。

江守:それはね。

山田:どれぐらいの誤差があったか、わかるんですよ。

ここ最近、気温はどのくらい上がった?

江守:シミュレーションとは比べてないんですけど、最近の気温上昇のグラフっていうのを見せるとですね。

これがね、1950年から去年までの世界平均気温のグラフ、っていうやつなんですよね。

山田:この2年でめちゃめちゃ上がってませんか?

江守:この2年でめちゃめちゃ上がってるんです。この2年より前は、この間(1990年後半から2010年すぎまで)はですね、「あれ、あんま上がってないじゃん」って言われてたんですよ。

山田:上がってないですね。

江守:その前はすごい上がってたんだけど、科学者が予測するみたいにこうやって上がっていくのかなと思ったら、あんまり上がんなかったから、「科学間違ってんじゃないか」って言われたんだけど。

山田:懐疑論っていうやつですね。

江守:はい。そうこうするうちに、今年・去年って、またグンと上がったっていうのが今の状況ですね。だから、やっぱりちょっと休んでるように見えたけれども、「あ、やっぱり上がってたんだな」っていう感じです。

山田:なんか、海が熱を吸収するタームみたいなのがあったんですかね?

江守:そうですね。この上がってない時期っていうのは、地球全体としてはエネルギー増えてたんだけれども、それがこの表面に出てこなくて、海の深いところに潜ってた、と。この2年ってのは、またそれが出だしたっていう。

山田:だから、階段状になって、誤差もこうありながら、だんだん上がってくっていうのは言われてたとおりで、やっぱりそうなってる。だから、報道されてないだけで、「やっべーぞ、これ」っていうデータになっている。

乙君:……。

山田:大丈夫ですか?(笑)。

(一同笑)

なぜ北極海の温度が上がるのか

乙君:なんも言えねえ(笑)、何できるんでしょうね? 我々は。

山田:そうなんですよ。

乙君:1個質問していいですか? さっきの温暖化のシミュレーション。あれ、なんで北のほうだけめっちゃ赤くなってたんですか? 南はぜんぜん。

江守:あ、そうですよね。北極っていうのは、真ん中海ですよね。

乙君:はい。

江守:薄い氷が浮かんでるんですよ。南極は、真ん中が南極大陸ですよね。大陸にものすごい分厚い氷が乗っかってるわけですよね。薄い氷がその周りを覆ってるんですけど。北極が暖かくなると、氷が減って、それで海面がすぐ出てきちゃうんですよ。

乙君:はいはいはい。

江守:そうすると、氷があると太陽の光をたくさん跳ね返すわけですけど、海面はすごく太陽の光を吸っちゃうわけですよ。

乙君:あーーー、はいはいはい。

江守:そしたら温まって、また氷が減って、また海面が出てきて、また温まって、また氷が減って。どんどん悪循環になって温度上昇が大きくなる。南極は、南極大陸が真ん中にデンってあるんで、多少氷が減ってもまだ氷がある。

乙君:じゃあ、もう1個質問していいですか?

江守:はい。

乙君:なんで北極には大陸がないんですか?

(一同笑)

江守:それはなんか、それはちょっと今ちゃんと答えられない(笑)。

(一同笑)

乙君:南極には大陸があって、北極にはないのなんでなんだろう(笑)。

江守:あの、プレートテクトニクスみたいな。

乙君:たまたまってことですか? じゃあ。

江守:大陸がこう動いてて、今はそういう形をしてるってことですよね。

乙君:あ、今たまたまそういう形になってる。あと何億年後にはわからない。

江守:うん、何億年か、それはわかんないですけどね。はい。

乙君:ありがとうございます(笑)。

(一同笑)

世界各地で海面上昇が記録されている

田中優氏(以下、田中):はい。実は僕、南極行ってるんですよ。

山田:行ってますね! 実際見てますね。

田中。おもしろいのは、南極はやっぱり、えらい勢いで溶けてんですよ。とくに南極半島っていう部分があるんだけど。

そこは実は昔の探検家たちは、この南極っていうのは北極と同じで、氷が浮いてるだけなのか、それとも下に大陸があるのか調べるために出かけていって、命を落とした人がいっぱいいるんだよね。

結局見つかったのは、オーストラリア大陸の1.5倍ぐらいの大きな大陸があった。だから、あそこは石の上に乗っかっちゃった氷なんだよね。そこはぜんぜん違ってたね。

山田:そうなんですね。それはグリーンランドと一緒で。

田中:そうそうそう。

山田:だから、溶けるとヤバい、っていうことですよね。

田中:ヤバいね。

江守:海面が上昇する。

山田:上昇するっていうね。枝廣さんはツバル行ってますね。

枝廣:そう。私はツバルに行って。

山田:沈む島。

乙君:あー、出た出た。

枝廣:うん。やっぱり海面上昇が……、今何十センチぐらいだろう、世界平均で上がってきていて。

江守:100年間で20センチぐらい、世界平均だと。はい。

枝廣:そうですよね。ツバルって本当に一番高いところで標高数メートルっていう、本当に平たい薄い島なので。そこでやっぱり海面が上がってきて、海岸沿いの道路に生えていたヤシの木がどんどん倒れたりとか、そういう被害が出てきて。

ツバルの政府は、このままだと自分たちの国がなくなる。なので今、オーストラリアとかニュージーランドに少しずつ人を移動させて、避難させているんですよね。

山田:すでに始まってるんですよ。

乙君:じゃあ、もう確実に海面は上昇している。

『不都合な真実』続編、驚がくの内容

枝廣淳子氏(以下、枝廣):海面上昇はそうですね。今、誰かコメントしてくれてたんですけど、ゴアさんの『不都合な真実』の続編が来月、映画とそれから書籍で出るんですね。それの翻訳をこの夏やってたんですが。

その中にいっぱいショッキングな写真があるんですよね。私が一番ショックだったのは、マイアミの住宅地の道路にタコがいるっていう写真だったんですね。

山田:ほう。

枝廣:最近、マイアミの住宅地の道路で魚が泳いでる。それはなんでかっていうと、海面上昇して、そこに高波と時期が合うと、下水管を通って海の水が逆流する。その時にタコとか魚を一緒に連れて行ってしまって。マイアミの住宅地に伸びてるタコとか。

だから、やっぱりそういう意味で言うと、間違いなくきてるし。そんなね、遠い話しなくても、ツバルとかマイアミの話しなくても、日本だってやっぱり雨の降り方変じゃないですか。

山田:そうですねえ。

乙君:そう。それのね、なんか毎年毎年、記録的ななんか豪雨でとかって。最高気温も最低気温も更新するとか。

枝廣:本当は30年に1回ぐらい起こるのを異常気象って言うのに、毎年異常気象ですし。雨の降り方が変わるとか、今その、アメリカで山火事大変なことになっているけど。

ああいうのもかなり温暖化の影響がなかったら、そこまではならなかったので言うと、私たちの近くまでいろいろ、たぶんみなさんもいろいろ感じてるんじゃないですかね。

山田:ですよねぇ。

枝廣:うんうん。

江守:『不都合な真実』、今日、試写会行ってきました。

山田:そうみたいですね。2、最新版の。

田中:おもしろかった?

江守:ちょっと泣いちゃいました(笑)。

乙君:泣くんですか?

田中:泣くんだ。

乙君:(笑)。

温暖化対策の新しい枠組み「パリ協定」

江守:泣いちゃいました。パリ協定の話が出てくるんですけど。

乙君:あーー。

江守:ちょっとパリ協定の話いいですか?

山田:お願いします。

江守:はい。2015年に国連の「気候変動枠組条約」という、世界で集まって協力して、温暖化にどう対処するかという。

1997年に京都議定書があったわけですけど、京都議定書をやって、非常に限定的な話だったので、「もう1回新しい枠組みをつくろう」って言って、パリ協定っていうのが2015年にできたんですよね。

その成立の裏で、アル・ゴアがどんな活躍をしてたっていうのを、ドキュメンタリーで映画の中であるんですよ。それがね、ぜひみなさん、ご覧ください。はい。すごくよかったです。

山田:あれだもんね。いわゆる産業界と、あと中国、ロシア、それから途上国みたいなものが、要するに……。

江守:その時の焦点は、インドをどうやって説得するか。

山田:あ、そうなの。説得するか。

江守:インドは「まだこれから人口も増えるし、無電化のところがいっぱいあるし、これからも我々は石炭を使わなくちゃいけない」というふうに、みんなが「二酸化炭素排出ゼロにするぞ」みたいな勢いで議論してる時に、言ったんですよ、モディさんが。

どうしようか? それで、どうやったらインドを説得できるか、って話。映画を観てください。

(一同笑)

江守:別になにももらってないですからね(笑)。

山田:(笑)。

江守:はい。