コンタクトレンズが目に与える影響

ハンク・グリーン氏:もしあなたがコンタクトレンズを使っているなら、きっとあなたのお医者さんはあなたに、コンタクトレンズを長い間付けっ放しにしないようにと言ったことでしょう。それには多くの理由があるのです。

例えばイギリスのある学生は、コンタクトレンズを10時間つけっぱなしにした後ドライアイになった目からそれを外そうとして、結果的に角膜の一部を剥がしてしまいました。また、ある台湾の学生も……。なぜいつも学生ばかりなのかわかりませんが、彼女がコンタクトレンズを6ヶ月つけっぱなしにしたところ、そこがちょうどバクテリアやアメーバの温床となり、眼球に穴を開けてしまったのです。

私のしているような普通の、眼球に触れないメガネをかければいいんですよ。これはいいですよ。

一般的にコンタクトレンズは安全ですが、もしお医者さんの指示に従わなければ、生物学的リスクを背負うことになりかねないのです。

コンタクトレンズはメガネのような働きをします。光を曲げることにより、眼球の後ろで光受容体がふさわしく焦点を合わせられるようにするのです。そしてその情報は脳に送られます。コンタクトレンズは角膜のちょうど上に置かれます。

角膜は目の透明組織の一番外側の層で、それは眼球に入る光の焦点を合わせる助けをし、また埃やバイ菌、紫外線などから守ってくれるのです。コンタクトレンズを長くつけっぱなしにすると生じ得る2つの危険があります。

まず、角膜にある細胞は生きていて、常に湿った状態でいなければなりません。それで、目にはもともと瞳を潤す機能が備わっているのです。

目には腺があり、それにより眼球は涙でコーティングされます。涙は水分、油、養分、免疫細胞や粘液系のタンパク質でできています。コンタクトレンズをしていると、水分を吸収したり、涙が眼球の細胞に到達する邪魔をしたりしてしまいます。ドライアイは非常に不快で、角膜にダメージを与えてしまうことがあります。

そして2つ目は、コンタクトレンズを長い間つけっぱなしにしていると、眼球が汚い微生物に感染してしまうリスクを高める危険があります。

角膜の上にずっとコンタクトレンズが乗ったままになっていると、それにより引っかき傷ができたり、細胞にダメージが与えられたり、細胞が生きるために必要な酸素の流れを減少させてしまったりします。その上レンズを消毒液でしっかりと洗わなければ、バクテリア、ウイルス、真菌や寄生虫などが付着したままになり、それが傷ついた角膜組織に入り込むかもしれないのです。

その状態が続くと、病原体が増殖し、角膜に重症の炎症が生じることになりかねません。それを「角膜炎」と言います。

「角膜炎」は通常、炎症から始まり、体がそれと戦おうとする時に痛みが生じます。治療をしないと重症になりかねません。もし角膜のダメージがあまりにもひどくなると、失明することもあり得ます。

もしあなたが医師の指示に忠実に従っていたとしても、日常的にコンタクトレンズを例えば5年以上など長い間使用していると、目に影響を与える可能性があることを科学者たちは発見しました。

いくつかの研究結果によれば、長期間に及ぶコンタクトレンズの利用は角膜の厚みを減らすようです。それは必ずしも悪いとは言えませんが、大きく角膜の形が変形してしまえば視力に影響が出ますし、レーザー手術を安全に受けられなくなる可能性があります。

角膜が薄くなる現象がなぜ生じるのかはまだわかっていませんが、酸素の量が減ることで、組織が育つのに影響が生じるのかもしれません。

あなたも便利性、見た目、視力矯正など様々な理由でコンタクトレンズをつけておられるかもしれません。長い時間つけっぱなしにすることには大きな危険が伴うかも知れませんが、医師の指示に従うなら、一般的にリスクは低いと言えるでしょう。