テラスカイとは

佐藤秀哉氏:あらためまして、みなさんこんにちは。本日はお足元の悪い中、私ども株式会社テラスカイの決算説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

私どもが上場してから、もう2年半が経ちました。こういう説明会も、すでに4、5回開催させていただいております。そのため、過去に説明会に参加された方、もしくは私どもの事業内容をご精緻にご存じの方も、いらっしゃると思いますが、あらためまして、事業概要についてご説明をさせていただきたいと思います。

私どもは、IT業界の中でも、クラウドというコンピューターの使い方を中心に、ビジネス展開をさせていただいております。

今まで、お客様のシステムを作って納める業態のことを、「システム・インテグレーター」「SIer」と呼んでおりました。

私どもは、それに対しまして、クラウドでシステムインテグレーションをするということで、「クラウド・インテグレーター」というものを標榜いたしております。

おそらく、我々が日本で一番最初に、クラウドインテグレーターという単語を使ったのではないかと自負をいたしておりますけども、クラウドをベースにしたシステムでお客様の問題解決をしていくことを、専業で行っている会社でございます。

テラスカイグループ(連結対象)

テラスカイはグループ体制を取っておりまして、本体の株式会社テラスカイの傘下に、ご覧の連結対象子会社を持っております。

資料の右から、(製品事業の)アメリカの法人であります「TerraSkyInc.」。これは、100パーセント子会社でございます。

ソリューション事業に5つ会社が並んでおりますけれども、持分法の連結対象であります、「株式会社サーバーワークス」。今(2017年10月17日時点)は、株式を34パーセントほど持っています。

その隣に、そのサーバーワークスと一緒につくりました、「株式会社スカイ365」があります。北海道(にある会社)で24時間365日、システムの運用監視をすることを、メインのビジネスとしている会社でございます。

その隣の「クラウディアジャパン株式会社」は、福岡県にある当社と同じクラウド・インテグレーターです。1つ飛ばしまして、北海道の札幌にある「株式会社キットアライブ」も、同じくクラウド・インテグレーターでございます。

この2社も傘下にしておりまして、株式をクラウディアジャパンは67パーセント、キットアライブは60パーセント持っております。

昨年(2016年)3月に設立いたしました「株式会社BeeX」は、基幹システムの会社です。大手企業がたくさん採用している、「SAP」という、「ERPパッケージ」があります。

今まで、オンプレでサーバーを買って、そこにインストールしてというモデルで、お客様がお使いだったのですけれども、それをクラウドに引っ越すという仕事を、専業でやっている会社でございます。

おかげさまで需要が多くて、業績は好調でございます。こういったクラウド周りのビジネスをやっている会社とご一緒に、テラスカイグループを形成いたしております。

資本業務提携先

上記以外にも、連結対象ではございませんが、出資している会社がいくつかございます。資料の上からご紹介しますと、これも北海道の札幌にあります「エコモット株式会社」です。

本年(2017年)の6月21日に、札幌証券取引所アンビシャス市場に上場を果たしまして、晴れて上場企業の仲間入りをいたしました。これは少額でございますが、私どもからは、数パーセントの出資をしております。

本年、「株式会社Phone Appli」という企業と、資本・業務提携しました。ここは、ウェブ電話帳の仕組みをもっております。企業さまが電話をかけるときに、データベースの検索をして、会社の内線電話とか、外部のお客様に電話をかけることがよくございます。(ここは)そのデータベースを売っている会社でした。

昨今、データの情報漏洩等に、大変厳しい時代になってまいりました。

社内電話帳でもお客様の電話でもいいんですけれども、スマホにデータベースが入っていて、それを落としてしまったとします。(それを拾った)どなたかが、データベースを見てしまいますと、セキュリティのインシデントが発生するということになります。

(そこでPhone Appliは)電話帳をすべてクラウドに持っていって、これ(スマホ)を落としたとしても、ログインしない限りは電話帳が見られないというのをやっている会社です。

それだけではございません。どこからかかってきたかもわかります。今はもう電話がかかってきても、普通に電話番号にかけるだけじゃなくて、内線もありますし、LINEとかMessengerとか、そういうSNSでも電話がかかってきます。

Skypeとか、そういった電話会議の仕組みからもかかってきます。そういうものも、全部ハンドリングするようなソフトを作っている会社でございます。こちらにも、少額で出資をしています。

最後は、「株式会社イグアス」という会社です。上場企業のJBCCホールディングス株式会社の傘下の会社でございましたけれども、マネジメント・バイアウトをいたしまして、(2017年)7月に独立をいたしました。

私どもは、数パーセントの資本参加をいたしております。こちらは、日本全国に600社(のパートナーを持つ)と資料に書いてございますけれども、IBMの販売代理店網を持っております。

イグアスは販売代理店網を通じて、今まではパソコンとかオフコンとか、そういうものを売っていました。昨今はオフコンとか、サーバーとかがもう売れませんので、クラウドにシフトしていかないといけないんです。

そういう代理店さまがクラウドシフトしていくのを、私どもも一緒にお手伝いをしていくというような取り組みでございます。そこを目標にして出資、資本業務提携をさせていただきました。こういったところにも出資しながら、テラスカイグループとして、業容拡大していければと思っております。

事業概要 ①ソリューション事業

あらためましてテラスカイは、ご覧の資料のように、お客様のシステム化計画を立案して、それを設計図に落として、実際に作って運用して、また改善策をご提案する。こういう、一連のシステムライフサイクルをサポートするような業務を、クラウド上でやっている会社でございます。

このクラウド・インテグレーションの事業を、「ソリューション事業」と私どもは呼んでおりますが、だいたい今は(全体の売上の中の)75パーセント強の売上でございます。

事業概要 ②製品事業

(全体の売上の)残りの25パーセント弱は、こちらの製品事業で、(クラウドに特化した)製品を販売いたしております。ご覧の製品が、当社の主力商品でございます。

クラウド市場の可能性

ここから先は、簡単に業界の動向のトレンドをお話しさせていただきたいと思います。もうみなさまにご説明する必要もないほど、クラウドのマーケットは伸び続けております。まだまだ、衰えを見せておりません。 

ご存じのとおり、AmazonとかSalesforce(株式会社Salesforce・ドットコム)とか私どもが中心となって、その(クラウドの)ビジネスをやっております。しかしそれ以外にも、GoogleとかMicrosoftとかから、クラウドを基幹にしたプラットフォームや製品が、どんどん出てきています。

今までのサーバー、いわゆるクライアント・サーバー型のコンピューター・システムの使い方から、クラウドにどんどん移行しているというのが現状でございます。

クラウドは、もう黎明期は過ぎまして、普及期に入ってきております。よって最近は、もうあまり新聞紙上でも、「クラウド」という単語は出てこないです。流行りが終わったのか? という意味では、流行りは終わったのかもしれません。ただ、着実に今、マーケットを拡大しております。

新聞とかは、どうしてもアイキャッチする単語を使いがちですので、今ですと「ビッグデータ」「IoT」「AI」「VR」とか、そういう単語にシフトしてますけれども、クラウドは、今言ったようなビッグデータとかIoTとかを支える基盤として、どんどん活用されているわけでございます。クラウドなくして今のAIとかそういうものは、成り立っていっていないというのが実情です。

それぐらい深く広く、クラウドマーケットというのは広がっているというのが、現状でございます。

そんなマーケットの中で、わたしどもは2006年の創業当初から、クラウド一本でビジネスを展開してきておりました。その先行者利益ですけれども、やっぱり最初に参入したというのは、非常に大きいんです。

最初は今よりもっと、クラウドを使おうとするときに難しい問題が、けっこうあったんです。

インフラが整ってなかったり、セキュリティの問題があったり、いろいろあったんですけれども、それら一つひとつをお客様・ベンダーさんと一緒に解決をしながら、お客様のクラウド化をお手伝いしてきたわけです。

そのノウハウと、そこで培った信頼・信用というものがベースになっておりまして、今現在も名指しで私どもに仕事をご依頼いただける会社さんが、増えてきております。

また、プラットフォームベンダーでありますSalesforceさんやAmazonさんからも大きな信頼をいただいておりまして、ご一緒にプロジェクトを運営するという好循環が回っております。

いまだに大変仕事が多くて、とても悔しいんですけれども、「人がいなくてできません」とお仕事をお断りしているような状態が、ここ3年ぐらい続いております。今日現在も、そんな状態です。

会社を経営している者からすると、とても残念なもったいないお話なんですけれども、それが実情でございます。

ということで、早めに入ってブランドを確立し、それをしっかり守っているだけではなくて、新しい分野にチャレンジしながら発展させているというのが、今の私どもの成長を支えていると思っております。

弊社の強み① 多くの専門技術者

具体的な当社の強みでございますけれども、Salesforceに関しましては、国内で一番多くエンジニアを抱えている会社でございます。

Salesforceさんのホームページ上に公開されておりますが、資格取得者ですね。(Salesforce主催の)認定試験がありますけれども、私どもの次がたしかアクセンチュアさん、次が株式会社フレクトさんとかNTTデータさんとかそういう会社さんの名前が並んでいると思います。人数も、ベンチャー企業でございますけれども(資格取得者が)一番多いという会社になります。

Amazonに関しましても、私どもテラスカイの中にもAWS事業部がありますし、外部の連結対象の子会社でありますサーバーワークスには、多くのエンジニアが行っているという状況でございます。

弊社の強み② 豊富なクラウド導入実績

そういったエンジニアが、多くのプロジェクトに参画をいたしておりまして、今だいたいお客様は1,300社くらい、プロジェクト数は3,000弱くらいやらせていただいております。

昨今は金融系のお仕事が増えてまいりまして、銀行とか証券、生保・損保とかのお仕事が非常に多くなってきているのが、特徴的でございます。

私どもは、比較的エンタープライズマーケットと言われております大企業中心に、ビジネス展開をさせていただいている企業でございます。中堅・中小マーケットのお仕事は、ゼロではございませんけれども、あまりやっていない。そちらは技術的なハードルもそんなに高くなくて、比較的ジュニアなエンジニアの方でも導入ができるということです。

そこに参入しても、私どものよさが発揮できないですし、「人月単価」とこの業界ではよく言いますけれども、高く売れない世界に入ってまいります。やはりわたしたちは技術力をもって、それに見合った価値でしっかり回していくというのが、一番のポイントであると思っております。結果的に大手企業とのお仕事を、多くやらせていただくという状況でございます。

弊社の強み③ 複数プラットフォーム対応

今まで何度か登場してまいりましたけれども、私どもは一丁目一番地、Salesforceでやっております。一方、持分法の連結子会社でございますサーバーワークスは、AWSを一丁目一番地と言いますか、AWSしかやってないんです。

そんな住み分けをしながら、ともにクラウドのマーケットをしっかりやっていくという会社であります。

クラウド・サービスのポジション

SalesforceとAmazonは、みなさんもうご存じだと思います。クラウドというのは、「PaaS」とか「SaaS」とか「IaaS」とかの言葉を、聞いたことがおありになるんじゃないかと思いますけれども。

パソコンで言いますと金物、本体を時間貸ししているのが、IaaSといわれているものです。Infrastructure as a Serviceといわれているものです。

これは、Amazonが得意にしているわけです。資料の右側になりますけれども、圧倒的な存在感で寡占化を図っております。唯一追随しているのは、MicrosoftのAzureというサービスなのですけれども。Microsoftさんはすごくお金がありますので、がんばってついていっていますが、もうこの2強で勝負がついちゃった感じです。

アメリカでは「小売のマーケットをもっていくだけではなく、コンピューターシステムすべてもっていくんじゃないか?」という危機説まで流れるぐらい、Amazonが非常に強いです。

金物のクラウドサービスはAmazon、Microsoftという感じなのですが、PaaSといわれております、Platform as a Service。これは、パソコンでいうところのOSです。Windowsとかそういうものを、時間貸しするようなサービスでございますけれども、こちらはSalesforceがナンバーワンで、これもMicrosoftが追いかけているという構図になっております。

こちらはだいぶいい勝負をしておりますけれども、Salesforceががんばって、ナンバーワンの地位を確保しております。ということで、両分野でナンバーワンであるAWSとSalesforceを担ぎながら、ビジネス展開をしております。

SalesforceとAWSの売上高推移

この両社でございますけれども、(売上高が)すごく伸びておりまして、Salesforceは30パーセント、AWSにいたっては55パーセントという成長率で伸びています。ずいぶん分母も大きいのですけれども、それでもまだ伸びているということです。

ベンチャーでしたらトリプルとかダブルの成長はあり得ますけれども、売上が1,000億円を超えているような企業が50パーセント成長するとは、恐ろしいですね。

ちなみにこの表にはマジックがございまして、Salesforceは年度で書いております。AWSは、クォーターで書いております。年度で書くと、グラフとしてはこんな(書ききれないほど)になっちゃうんです。そのぐらいの成長を果たしている企業をベースとして、私どものほうで展開をさせていただいております。

以上が、私どものおもなビジネス状況でございます。

第12期 2Q ハイライト(連結)

本題であります、第12期第2四半期の決算発表は、もうみなさまもご覧になられたと思いますが、改めましてご説明させていただければと思います。

おかげさまでこの第12期、半期は大変好調でございまして、売上も利益も目標を超えてきております。これもひとえに、マーケットとお客様に支えられて、こういう状況が作れているかなと思っております。

今期は赤字プロジェクトが0件と、良い状況で推移ができました。

その結果として、売上も1.5倍、利益も3倍ぐらいの状況でございます。

セグメント別 売上高 2Q

セグメント別にご覧いただいておりますけれども、ソリューション事業。これがクラウド・インテグレーションの事業で、非常に引き合いが多く、ものすごい伸びを示しております。たいへん好調です。

製品事業も二桁成長しており、伸びてはいるのですが、ソリューションが目立っており、むしろ全体の箇所が下がっている状況でございます。製品も一生懸命、テコ入れをやっております。

セグメント別 営業利益 2Q

売上ですけれども、利益ベースでもやはりソリューション事業の売上がすごく伸びましたので、利益ベースでも伸びているという状況でございます。

2Q 貸借対照表(要約)

貸借対照表に関しましては、増減要因はポイントに書いておりますけれども、先ほどご紹介させていただきましたように、いろいろと今年(2017年)もいくつかの会社に出資しております。それが、貸借対照表に少し表れています。

2つ目が、業容がすごく拡大しておりまして、もう事務所に人が入りません。本社は日本橋の交差点を……ここ(茅場町)から歩いて10分もかからないところにありますけれども。そこに入らなくて近くにビルを借りて、分散して事業をやっておりますが、やはり分散すると、コミュニケーションが落ちます。

ですので、もう1回集まりましょうということで、来年(2018年)の5月に(本社を移転するため)やはり日本橋の高島屋の敷地内に今ビルを建てております。私どもが建てているのではございませんが(笑)。

そこのビルに入ることになりまして、敷金が先に(支出として)出ますので、そういう意味で借入を含め、ちょっと増えたという状況でございます。それが、貸借対照表に表れている状況でございます。

トピックス(1) 次世代型グループウェア mitoco

このあと少し、会社のトピックスをお話ししたいと思います。私どもは製品事業をやっていると申しましたけれども、今いちばん投資をしているものが「mitoco」という製品でございます。

カテゴリーとしては、いわゆるグループウェアでございます。クラウド時代のグループウェアとしては初めて出てきた製品でございまして、今までサイボウズさんとか、デスクネッツとか、ゴーズとか、いろいろグループウェア製品はあったのですけれども、すべてクライアントサーバー型テクノロジーでできあがっている製品でございます。

クラウドをベースにしたグループウェアとしては、初めて私どもが開発をして、リリースをいたしております。おかげさまで、大きな会社さんを中心に採用がどんどん決まってきておりまして、滑り出しとしては堅調に推移しているかというところになります。

トピックス(2) BeeXの2期目も順調に推移

それから2つ目、先ほどご紹介をいたしました株式会社BeeXは、昨年(2016年)の3月に創業いたしました。SAPという製品を使っているのは、もう大手の会社しかないのですけれども、そういう大手の会社さんにサービスの導入が進んでおります。

最大のお客様がAGC旭硝子株式会社さんでして、ガラスは鉄と同じでして、ラインを止めることはできませんので、身を割く覚悟で交渉とか工夫をしているわけです。

そういったことを、ベンチャー企業であるBeeXがしっかりやっているというところが、特徴的ではないかということです。

同社にはそれだけ、信頼に足るエンジニアがそろっておりまして、「大手のSIerさんよりも任せられる」というご評価をいただいて、ビジネスをさせていただいているということだと思います。

非常に堅調な数字を挙げていただいていておりまして、私どもの孝行息子になっています。

トピックス(3) キットアライブ資金調達

それから3つ目でございますけれども、北海道のキットアライブという会社です。同じクラウド・インテグレーションをやっている会社だと先ほどお伝えしましたけれども、こちらにSalesforceさんから出資をいただきまして、資金調達をいたしました。

私どもも引き続き大株主でございますけれども、Salesforceさんに出していただきました。「一緒に北海道を開拓していこう」ということで、Salesforceさんにご出資をいただいた次第です。

北海道地区では初めて、Salesforceさんに出資をいただいた会社でございます。

トピックス(4) 本社移転準備

それから4つ目は、先ほど申しましたが、来年(2018年)の5月に、太陽生命日本橋ビルに(本社が)入る予定でございます。この資料の図でいきますと、奥側が高島屋そのものでございまして、そこに直結しているビルです。

今年はスリーフロアに変わりまして、そちらに来年移転する予定にしております。

トピックス(5) TerraSky Day実施

それから5つ目ですけれども、年に1回、私どもはプライベートイベントを開催いたしております。今年(2017年)も700名の定員のところ、応募が1,400名ぐらいでした。

900名弱の方にお越しいただきましたけれども、盛況のうちに、イベントを終わることができました。

こちらから、優良なお客様を獲得しつつある状況でございます。こういったイベントも、しっかりやっております。

第12期 第2四半期 トピックス

後はこちらの資料をご覧ください。日本語でずらずらとテキストに書いてございますけれども、こういったことがございました。

製品を出してみたり、いろんな会社さんと協業してみたりしながら、業容拡大に向けて一生懸命がんばっているという状況でございます。

簡単ではございますが、会社の現状のご説明をさせていただきました。ご清聴、どうもありがとうございました。