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Web漫画、つい続きを読んでしまうのはなぜ? マイクロコンテンツ時代の作品作りを読み解く

Web漫画、つい続きを読んでしまうのはなぜ? マイクロコンテンツ時代の作品作りを読み解く

2000万部ものライトノベルを売った編集者、講談社ラノベ文庫の庄司智氏がパーソナリティを務めるWebラジオ「庄司智のラノベ編集者NIGHT!」。アフタヌーン編集部の高橋正敏氏、声優の内村史子氏とともに、編集者に関するさまざまな話題を語り合います。今回のテーマは「マイクロコンテンツ」。Web漫画やアニメ、ソーシャルゲームなど、コンテンツをより小さい単位で売買するマイクロコンテンツ。1話ごとなど、小さな単位でのコンテンツの販売は、携帯電話の普及によって多くなってきました。では、マイクロコンテンツになることで、消費者や制作者はどのように変化したのでしょうか? 業界人だからこそ分かる裏側を語ります。

シリーズ
庄司智のラノベ編集者NIGHT > 庄司智のラノベ編集者NIGHT! SIN 【第7回】
2017年7月22日のログ
スピーカー
講談社 ラノベ文庫編集部 庄司智 氏
講談社 アフタヌーン編集部 高橋正敏 氏
声優 内村史子 氏
参照動画
庄司智のラノベ編集者NIGHT! SIN 【第7回】

マイクロコンテンツってなに?

内村史子氏(以下、内村) 「テーマトーク」コーナー! というわけで。 髙橋正敏氏(以下、髙橋) はい。 内村 本日のテーマトークを発表したいと思います。本日のテーマは「マイクロコンテンツ」。 高橋 マイクロコンテンツ。 内村 マイクロコンテンツって、私はあんまり聞き慣れない……。 高橋 とりあえず、マイクロコンテンツのご説明をした方がいいんじゃないんですか? 庄司智氏(以下、庄司) マイクロ……ビキニ? 内村 はいはい。 高橋 マイクロコンテンツっていうのは、電子書籍とかでよく見るかもしれないですが「1話いくら」みたいな。要は全体から分割されて、こう……。 内村 1巻ではなくて1話ずつでいくら、みたいな。 高橋 という感じの認識を持ってもらえれば間違いないかな。最近だとiTunesとかで、アルバムでいくらで、1曲いくらみたいな、あれが、みなさんの中では、マイクロコンテンツの売り方としては正しいというか、オーソドックスなものなんじゃないかなと思います。 内村 なるほど。じゃあ、より細かく売るっていう感じなんですね。 高橋 そうですね。 内村 だから「マイクロ」。 高橋 そうそう。だから、内村さんのことではありません。 内村 ちょっと、これ以上細かくなったら、見えなくなっちゃうので(笑)。

身の回りにあるマイクロコンテンツ

内村 ライトノベルだと、あんまり今おっしゃられた「マイクロコンテンツ」があるイメージってないです。 庄司 あんまりないです。今のところ、まず1冊という感じで、1話だけ売るっていうのはあんまり今のところないと思うけど……。漫画は最近あるよね? 高橋 多いですね。漫画の連載をWebでやって、最新話と1話は無料だけど、残りはポイントとかコインとか。 内村 そうですね。月額制のところとかもありますもんね。 高橋 あります、あります。けっこうそういうのあるなぁ、と思っていて。あと、ゲームで課金するものも同じかね。 庄司 あぁ。 高橋 君らが大好きなやつだよ! 庄司&内村 はい!(笑)。 高橋 あれも1つのマイクロコンテンツの在り方ですからね。ゲームがあって、更にストーリーとか衣装とか、ボイス……声優さんのボイスも含めてですけど、課金をしないと手に入らないものを求めて、みんな課金していきますから。 庄司 コンシューマーゲームとかでもあるよねぇ。普通の本編とは別に、サブ衣装を。 内村 ありますねぇ。ダウンロードコンテンツとかはそうですね。追加でお金を支払って、新しく衣装を女の子に着せたりしますもんね。 高橋 厳密に言うと違うのかもしれないですけど。 内村 ちょっと違うのかもしれないけど、流れ的には似てますよね。

ライトノベルでも1話ごとに販売?

高橋 全体を切り売りするという感覚よりは、世界を広げる感じに近いのかなと思ったりします。ダウンロードコンテンツの場合は、ですけどね。電子書籍は、あんまり、こう……ラノベはないもんね。 庄司 そうね。近いものがあるとしたら、Webで連載してる作家さん達が、割と短めの1話、2話、3話で20話とかで連載して、結果的に1冊分……とかっていうのは、多いかもしれない。 内村 それは、Web独特なものなんですね。 庄司 そうですね、1章あたりがすごい短くて、今やっているWebからの書籍化担当作なんかも、ちょっと近いかもしれない。 高橋 なるほどね。僕、漫画が1話売りみたいなことを言うんですけど。そもそも僕らが子どもの時代、全部1話売りだったやん。っていうか、雑誌の連載をずっと追って、その雑誌を切ってまとめたりしてて。 庄司 かつては、単行本は高いから買えないけど、週刊誌を買って、それをとっておいてまとめて読む……みたいな。 高橋 そうそう。でも、単行本になると単行本の描き下ろしがあるから、それを保管するために買っちゃったりとかして。 庄司 追加コンテンツを。 高橋 そうそう、買っていた気がするんですよね。「だから昔からわりと変わっていないのでは」説が、僕の中にはあって。

意外と昔からあるマイクロコンテンツ

庄司 さっきの例でいくと、アルバムの中の全曲はいらないけど、この曲欲しいというのがあったら買いやすい。 高橋 そうそう、そうだと思う。 内村 確かに。 庄司 そういう買い方する? 内村 私はまとめて買っちゃいますね。ただ、シングルとかだと、歌の入ってないカラオケ音源は、抜きで買うとかはありますね。アルバムはアルバムごとで買っちゃいますけど。 庄司 漫画だとあんまりないかもしれないけど、音楽だと、アルバムの中でもこの曲だけ買いますってあるよね。昔は頭から聴くのが前提だったから、1曲目にこの曲を持ってきて、2曲目にこうで……っていう曲順の流れあったと思うんだけど。そこが個別売りになると、また変わってくる。 高橋 声優さんもなんかありそうですけどね。ファンクラブに入ったら、ボイスが聴けますよ。みたいなとかってありそうな。 内村 昔、まだガラケーだった時……有料で声優さんの着ボイスを落とせるとかはありましたよね。たぶんそれは月額ポイント制で「このボイスを落とすには、何ポイント必要です」みたいな感じだった気がするので、マイクロコンテンツなのかな。 高橋 かたちは変わってるけど、そういうの、けっこう昔からある気がするんだよね。

やっぱりエロは買ってしまう

庄司 ストーリーがあるやつだと、追っていかなきゃ途中だけ抜いてもわかんないけど。料理漫画とかで、1話読み切りのやつとかだと、けっこうなんとでもなるのかね。「肉料理編まとめ」とか……。 高橋 あー……あるのかも。一番オーソドックスなマイクロコンテンツのやり方って、僕らはできないんだけど、18禁のエロのやつがすごくいいんですよ。 庄司 ほう。 高橋 エロシーンの前で、止めるんですよね。 内村 あー、なるほど。 高橋 この続きを見たい人は……っていうのは、けっこうみなさんやってらっしゃってて。 内村 えー。 庄司 買っちゃうよね(笑)。 高橋 買っちゃう。 内村 なるほど、見たいから。 高橋 BLもそうな気がするんですよね。僕、スマホの漫画を研究してた時があって。「そこで止めんの!? ズルい!」みたいな時があるんですよ。

ついつい買ってしまうのはなぜ?

庄司 ゲームに限らず、電子版のバナーをクリックして立ち読みとかもそんな感じだよね。 高橋 うん。 内村 さっきのスマホゲームとかでも、1日5枚チケットをもらって5話分読めます、みたいなやつも、チケットがないとその先が読めなくなって。でも課金すればチケットが手に入るから、結局1日我慢して明日になれば読めるはずのものを、我慢できずにすぐ読んじゃうとかそういうことですよね。 高橋 そういうこと。 庄司 うんうん。 高橋 買っちゃう。 内村 それは、買っちゃいますねー。よく買ってました。 庄司 まるっと1作、まとめた額を出して買うより、ちまちまっとの方が、お金に対するハードルが……。 内村 そうですね、そうなんですよね。100円だしとか、120円だしとか、300円だしぐらいで、指紋認証でピッて終わっちゃうから(笑)。

細切れになることで支払いのハードルが下がる

庄司 僕の場合も、某ゲームの1日1回限定の90円ガチャ……普段は1回300円が、1日1回まで90円っていうのを毎日回してるんだけど。90円だって思いながらやってても、年間通すとそこそこの……。 内村 そうですよね。 庄司 お金を支払うことへのハードルが下がる……。 内村 そうですね。まとまっていくらって言われたら、払うのはちょっとってなるけど、ちょっとずつだったら……。 庄司 いい意味で買いやすい。 高橋 そういうのは、けっこうオーソドックスになってくるんじゃないかなとは思いますけどね。 内村 そうですね。 高橋 続きを読みたくて、バーって買っちゃった経験ってある? 内村 あります、あります。 庄司 電子の漫画ってそんな感じだよね。 高橋 そうなんですよね。 内村 そうですねー。「今、無料で全話読めるよ!」みたいのがあったりするじゃないですか。あれで読んでて、読めるところまで読み切ったあとに「もう、無理!」ってなって、「じゃあもう、そもそも本買うわ!」って、本買いに行っちゃったこととか(笑)。 高橋 あー! 一番いい読者さんですね。 庄司 そういう売りかたを考えるとき、編集として、ちょっと気をつけなきゃいけないのって、各話ごとの引き……終わりかたがすごい大事になるよね。 高橋 大事!

マイクロコンテンツ時代の編集術

庄司 例えば、1話から2話がぬるっと進むよりも、1話の引きでは、その時謎の人物が、ババーン! 2話では、ピンチ! ババーン! みたいな感じで……。 高橋 そういう風潮はあるのかもしれないです。とある大ヒットドラマのプロデューサーさんも、同じように、「話の辻褄が合わなくても、絶対に最後のヒキを優先させる」とおっしゃっていて。 内村 なるほど。 高橋 「なんで、こうなったの?」となっても、次の話で回想から始まってもいいんだって。物語上、ヒキにならないところで終わるよりは、そっちのほうが今は向いている、みたいなことを言っていて。 庄司 話の結論が見えてきた……。マイクロコンテンツ化時代の編集者は、1話ごとのヒキも大事に考えねばならない。 高橋 ヒキの強さって、重要だよね。 内村 そうですね。 高橋 この番組、大丈夫ですか? ヒキ……あんま強くなくないですか? 内村 おっと。 庄司 うわーっ! (庄司氏、突然倒れる) 内村 えっ!? 高橋 いや、そういうヒキじゃなくてもいいんじゃない(笑)。 庄司 そうですか。 内村 今、何に引かれたんですか? 庄司 撃たれて死んじゃう、的な……。 内村 あー……はい。じゃあ、そんな感じで、お話は尽きないんですが(笑)。 庄司&高橋 (笑)。 内村 そろそろ、おしまいのお時間となります。 庄司&高橋 はーい。 内村 番組ではリスナーのみなさんからのお便りをお待ちしております。庄司さん、高橋さんへの質問も募集中ですので、みなさんよろしくお願いいたします。 庄司&高橋 お願いします。 内村 というわけで『庄司智のラノベ編集者NIGHT! SIN 』番組のお相手は……。 庄司 講談社ラノベ文庫編集部の庄司智と。 高橋 アフタヌーン編集部の高橋と。 内村 ナビゲーターの内村史子でした! それではまた次回もお会いしましょう。せーの。 一同 おやすみなさい。

  

庄司智のラノベ編集者NIGHT!

2000万部ものラノベを売った編集者 庄司智さん(講談社)の冠番組が誕生。トークパートナーに高橋正敏さん(講談社)。ナビゲーターに声優の内村史子さんをお招きして、「編集者」をテーマに毎月熱いトークを繰り広げます。この番組から新しい「物語」が創りだされるかも知れません…!

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