東京味わいフェスタが開幕

小池百合子氏(以下、小池):みなさま、こんにちは。今日の知事会見、これから始めさせていただきます。まず、私のほうから2つご報告、ご案内がございます。

今朝ほども日比谷、丸ノ内のほうにうかがいましたけれども、「東京味わいフェスタ2017」が始まりました。今日から日曜日までの3日間でございますが、「東京味わいフェスタ2017」と称しましてこの味のフェスティバルを行っております。

丸ノ内エリアでは、都内産の食材を使用しましたお料理をキッチンカーで提供しているということで。

有楽町エリアでは、日本各地の地酒もあります。それからお料理も楽しんでいただけます。それからとくに震災の被災県の福島県、熊本県などの特産品も揃えております。

それから日比谷エリアは明日からの開催となりますけれども、今月25日からちょうど東京国際映画祭も始まりますので、そこと連携して無料で映画会も見られるということでございます。

先ほど私も食してまいりましたけれども、とくに古くから伝わります江戸東京野菜、これを使用したお料理を味わうことができます。

先ほどもオテル・ドゥ・ミクニのシェフの三國さんがお料理なさった、例えば内藤かぼちゃ。内藤かぼちゃというのは新宿区内藤町があったところですね。あのへん。

それから雑司が谷のほうの食材もありましたし。それから有名なところでは小松菜。というのは東京のまさしく小松でできているものでございます。それから私の地元でいうと練馬大根というのはまさしく江戸東京野菜の典型ということで。

今日は先ほど服部先生と三國シェフとご一緒でしたけれども、江戸東京野菜の代表であります練馬大根、練馬の地で私毎年種まきからやってまいりました。今年ちょっと復活して、三国さんと服部さんとお誘いして一緒に種まきからやってこようかなというふうに考えております。

そのほか都内産の新鮮な野菜や牛乳などもありますね。そういった販売、それから伝統工芸品の展示・体験も行っております。

今日は丸の内と有楽町で夜の9時までやっています。それから明日・明後日それぞれ開催しておりますので、お仕事帰りの方も含めて、ぜひ多くの方々にお越しいただいて東京の多彩な魅力を楽しんでいただきたい。

そして東京産の食材を使うということは、エコロジカル・フットプリントで言うならば、非常に地産地消そのものになる。それから東京の野菜を東京で食すことがより活発になりますと、それによって緑被率の確保ということにもつながっていくということだと思います。

キョン捕獲チームのロゴが決定

もう1つございますが、伊豆大島で以前キョンの捕獲チームを編成するということをお伝えしたかと思います。キョンというのは野生の鹿のような動物でございまして、これが繁殖して特産品の明日葉などの農作物を食べるということから深刻な被害が出ているわけでございます。

そこでこの特定外来生物であるキョンの捕獲チームの名称とロゴマークを募集しておりましたところ、決まりましたので、その決定のお知らせでございます。

捕獲事業者や町民が一丸となりまして、捕獲を一層推進をするということでキョンの捕獲チームを結成いたします。

そのチームの名称・ロゴマークの公募で、名称は238件頂戴いたしました。それからロゴマークは124件と多くの応募をいただきました。ご応募いただきましたみなさま方に感謝を申し上げたく存じます。

その中から大島町の関係者などで審査会が選定をいたしまして、その最優秀賞をそのチームの名称とロゴマークに決定をしたわけでございます。

とてもわかりやすいんですけれど、名称、ご覧のとおりですけれども、名称は、キョンを捕るというので「キョンとるず」に決まりました。

受賞者は私立女子学院高校3年生の大久保美里さん。キョンを捕獲するという目的を短くわかりやすく言い表しているということで、今回この大久保さんの案、キョンとるずに決まったわけでございます。

その上でロゴマークでありますけれども、ロゴマークのほうは、目隠し、犯罪者ではないんですけども(笑)、目を伏せているのはまだ名前が決まっていない段階のものだからでありまして。

こちらの受賞者は大島高校の2年生、まさしく大島町の学校でございますが、都立大島高校2年生の金森仁亜さんという女子高生からお寄せいただいたものでございまして。

この2つを合わせると、このようになるということでございます。

チームのマークとして活用して、メンバーが一致団結してキョン捕獲への取り組みが一層進むことを期待しております。

このほか優秀賞としてご覧のようにいろんな作品をいただいていることから、2作品をそれぞれ選定をいたしました。最優秀賞を受賞いたしましたお2人に対しましての表彰式については11月6日に開催をいたしまして、私から表彰状をお渡しするという予定となっております。

ということで、今日はこの2点についてのご報告及びご案内でございました。では、どうぞ。

音喜多氏・上田氏の離党について

記者1:はい。10月幹事社の毎日新聞のヒダカでございます。よろしくお願いいたします。

小池:はい。

記者1:幹事社から、まず2点おうかがいいたします。まず知事と国政政党代表のですね、二足の草鞋についておうかがいいたします。

小池:それって後でやりませんか? 今やったほうがいいの?

記者1:ええと、まあ、知事ということで。

小池:知事、はい。

記者1:よろしいでしょうか?

小池:はい。

記者1:希望の党として、今後、全国へ遊説されるケースもあろうかと思います。その場合は都庁を離れるということで、そういった場合、危機管理に問題が生じることはないでしょうか? そういった場合の対応策みたいなことは、考えてらっしゃるんでしょうか?

小池:先日も鹿児島にまいりました。そういったことは、しばしばあることでございますので、それについては問題がございません。ちゃんとその意味で、担当者がいるということであります。

記者1:次ですね、知事与党を支えてらっしゃる都民ファーストの会、都議2人が、昨日離党届を出されました。2人は都知事選の早い段階で知事を支援されていた方々だと思いますが、離党についての受け止めについて教えてください。

小池:はい。とても残念なことであります。都議として、さまざまな観点から鋭い追及などもなさって。まあ、急に今度は与党側のほうになられたということで、やり方などもこれまでとは若干違う部分もあろうかと思います。そういう中でいろんなご不満もおありだったことに対しては、残念に思うところでございます。以上です。

記者1:ありがとうございました。幹事社からは以上なのですが、各社にお願いがござい……。

小池:あ、そうそう。そのうえで申し上げると、お二人が離れられるということで極めて残念でございますが、今、会派の、他会派から「都民ファーストの会派に入りたい」というご希望の方もうかがっておりますので、これについてはそれぞれ流動的というのが、これからも続くのではないか。むしろお入りいただい……、都民ファーストの会で、そしてその会派にご参加いただけるということもあろうかと思っております。

記者1:わかりました。ええと、各社にお願いがございます。今から質問されたい方は挙手をしていただきまして、知事より指名を受けられた方が、社名・氏名を名乗ってご質問ください。それでは、各社どうぞ。

小池:ご承知のように、今、都知事としてのご質問を受けさせていただきます。

(会場挙手)

小池:はい。

公務と政務の両立について

記者2:共同通信のヤマギワです。都知事としてうかがわせていただきます。ただ、先ほどの幹事社の質問に引き続いて、二足の草鞋の両立の部分で、具体的にちょっと都民がイメージできるようにご説明いただきたいんですけれども。

都知事の公務がどれほど激務でいらっしゃるのか、知事のご就任からの1年間の公務日程を調べてみました。365日のうち304日、平均して週6日公務にあたられてこられていて、大変熱心でらして頭が下がります。

一方で、都議選の前の10日間だけは違った。都議選の前の10日間は公務が4日。そして、2、3時間庁内にいらして、それ以外は遊説をなさっていた、という状況を私たちも見ておりました。

これから党代表になられて、さっそくいくつかの公務のキャンセルがあったように思うんですが。先週の土曜日の夜の公務もキャンセルなさった。そして、大阪で大阪の知事さんと愛知の知事さんと選挙の協力、あと三都物語についてお話していらした。明日の乳がんの関係のピンクリボンのイベントもキャンセルされた。先ほど党から、「遊説が入った」という広報もありました。

ちょっと一見すると、公務よりも政務を優先してらっしゃるようにも見えなくもないのですけれども、これから衆院選期間中あるいはその後も、党代表を続けられるのであれば、いったいどのように都知事の公務と党の代表を両立していかれるのかということを、都民で心配してらっしゃる方もいるかもしれませんので、ご説明をいただきたい。

今までどおり全力で都知事の仕事をなさったうえでの、党代表のことをそのプラスアルファでなさるのか、あるいは、公務を少し制限されて党代表のほうをなさるのか、新宿と永田町を行き来なさるのか、そういうことをイメージできるようにご説明いただけますか?

小池:まず、これから総選挙が始まります。今、私は党の代表ということでございますので、この間はですね、やはり国政においての仲間づくりということ、それはすなわち、都にとってもプラスだということを再三申し上げてまいりました。

よって、この間につきましては、その両方をこなしていくということでございます。なお、同じように他の県、他の府県……の長の方、兼ねておられる方もおられまして、同じようにやっておられるということでございます。

もう1つ申し上げますと、これは体制が違いますけれども、ミッテラン時代のシラク大統領……、いや、シラクさん、首相時代っていうのは、パリ市の市長と兼ねておられます。ということで、体制は違いますけれども、むしろフランスなどは、地方の声をもっと国政に届けるということで、地方の自治体の長との兼任というのは当たり前にやっているということでございます。

私はもっと国政に、地方の声、もちろん代議士は地方の声を届けるべきでありますけれども、地方の自治体が関与していくというのも、1つの在り方ではないかと思っております。少なくとも私はヨットにも乗りませんし、小説も書きませんので、しっかりと両方こなしていきたいと、このように考えております。

記者2:ということは、今までどおり公務をこなされるということですか?

小池:はい、当然でございます。もちろんその時のテーマによって、どこに重きを置くかは、それは私が判断させていただきます。

記者2:週2、3回しか出ない、いらっしゃらないという知事のことを批判していらした時期もありますので、日数ではもちろんないと思うんですが、ヨットにも乗らない、小説も書かないというのは確かにそのとおりだと思いますが、一方で、都政に対する比重と国政に対する比重っていうのはどういうふうになっていくのか、っていう。

小池:これはまず選挙の、これからまさしく総選挙が始まってまいるわけでございます。しっかりとその点については、都政がおろそかにならないように考えて……。

私は1つメリットがあるというのは、東京都の知事であるということ。非常に距離的な問題というのはですね、他の兼ねておられる方とはちょっと違うのかな、むしろプラスの面があるのかな、というふうに思っております。

記者2:それは永田町に近いという意味ですか? 永田町と行き来するという……。

小池:もちろんそうです。

記者2:行き来しながらも両立していくということですか?

小池:そうですね。今後、どのような仕分けにしていくのかは考えていきたいと、検討してまいりたいと思っております。

ブラックボックスであるという批判について

記者3:すいません、THE PAGEのグシケンといいます。私は都議2人の離党について2、3おうかがいしたいんですけれども。昨日の会見で1人、音喜多氏は9月の代表の選出の過程について、荒木代表の選出について……。

小池:それはあとのほうがいいんじゃないでしょうか?

記者3:えっ。

小池:後半の。これ取ってからのほうが。

記者3:それは国政じゃなくて都政のほうではないんでしょうか?

小池:……そうかしら。もしみなさんがその質問をこのまま受けていいというならば。どうですか、幹事社? 

記者1:まあ、いや、いいんじゃないですか。

小池:大丈夫ですか? じゃあ、どうぞ続けて。

記者3:ありがとうございます。では質問続けますけれども。代表選出の過程が非常に少数の幹部で決められていて、我々は一切知らなかったと。過程がわからなかったということを称してブラックボックスではないかという批判をしていました。これについて知事はどういう受け止めをなさいますでしょうか?

小池:考え方の相違だと思います。また規約につきましては、ご指摘をなさった方自身がこの規約を作られたメンバーであると。その旨のこともおっしゃっていると思います。その意味で則ってやった。でも、もう少しコミュニケーションをうまくやればいいと思いますよ。はい。

記者3:わかりました。

柏崎刈羽原発の再稼働について

記者4:東京新聞のサカキバラです。東京電力の柏崎刈羽原発に関しておうかがいします。柏崎刈羽原発は電気を首都圏にも供給しており、都民にも関係が深い原発だと思います。

この柏崎刈羽の再稼働についてどうお考えですか? 東電の大株主である東京都知事として、なにかご意見を東電に伝えるお考えはございますでしょうか?

小池:今回の決定でございますが、規制委員会が発表したものでございます。いろんな面からの安全性の確保という観点からご判断されたものであり、この規制委員会の結論というのは尊重すべきものだと、このように思っております。

一方で、新潟県のほうでその安全性についてはまたご議論があるとは聞いておりますが、私は考え方の整理といたしまして、大消費地である東京の都知事として、また東京電力の大株主として、この点についてはまず規制委員会の結論を尊重するというのが1点。

それから2点目が、やはり地元の方々の、これは前、ほかの原発の再稼働の時もそうでありましたけれども、これについては避難の確保が必要であるといったような、この2点が重要な要素かと思います。

これについてそれぞれ地元で、その避難ルートなどの確保等についてのご議論、そしてまたそれを強化されることだというふうに認識をいたしております。

いずれにしましても、この判断というのは、まずは規制委員会の判断が出たということは尊重すべきではないかと、このように考えております。

兼職解禁について

記者5:日本経済新聞のタテノです。二足のわらじのことでおうかがいします。先ほどミッテランさんの例を出されましたけれども。

小池:ミッテランさんじゃない。シラクさん。

記者5:あ、シラクさん。すみません。大阪の橋本さんが以前に、地方の首長と国会議員の兼職の解禁、国会法、地方自治法、諸々ありますけれども、その解禁を国に要望するということがありましたけれども。小池知事がそういったことを今後要望を検討、お考えされていくことはありますでしょうか?

小池:いいご質問をありがとうございます。1つ、そのようなかたちで地方の自治をもっと国政に届けるということは工夫があってよいのではないかと思います。

ただ、これも選挙制度であるとかそういったところまで遡らなければなりませんので、その選挙制度も含めて考えるということになるとかなり大事になるかとは思います。

ただ、海外においてはそういう例もあるということを参考にしながら、より地方の声を届けるにはどのようにしたらいいのか。

とくに参議院では合区の問題が出てきておりますよね。人口が減少している鳥取、島根においては合区になって結局のところ声が1つしか届かないというのは、地方の創生と言いつつ逆行しているのではないかというお声は大きいし、私もそのようにも思うわけであります。

よってこれらのことも、ここも憲法に関わる問題になるんですけれども、そういう意味でも私は憲法改正については堂々と議論すべきだというふうに申し上げているのは、そういうことも今、日本の今後の国のあり方ということでしっかりと議論すべきであって、それを避けて通ってはいけない。このように考えております。

二足の草鞋はオリンピック・パラリンピックの成功にもつながる

記者6:アラウンドザリングスのカミヤと申します。私からも二足の草鞋についてお伺いさせていただきます。先日10月4日にIOCと大会組織委員会による合同の記者会見がありました。その中でIOCのジョン・コーツ副会長が「知事が二足の草鞋を履くという可能性がある中でも東京五輪に対する運営に関しての都知事への信頼は変わらない」という旨のコメントをいたしました。その件についてどうお考えでしょうか? ご意見をお聞かせください。

小池:まさしくオリンピック・パラリンピックは国、組織員会、東京都、そしてまたJOCやJPCといった競技団体、こういった総体でもって進めるべきだと思います。それに国民の熱狂ということにまで、これから進めていかなければならない。そういう意味では私は今回もジョン・コーツ副会長など主なメンバーの方々が来られたときにもしっかりとコミュニケーションも取らせていただきました。

毎回一緒にお食事をする機会にも、先方からもいつも「次はいつ、何日にしよう」という、そういうお付き合いをさせていただいております。非常にコミュニケーション、IOCのみなさま方とはよく取られているのではないか。その意味で信頼もしていただいているのではないかと思っております。

オリンピック・パラリンピックにつきましても、よりこれからの機運の状勢それから財政的なサポートなどなど国との連携はますます必要になってくると思っておりますので、二足の草鞋というのはオリンピック・パラリンピックの成功にもつながるというふうに思っておりますので、これからもしっかり努めていきたいと存じます。

それでは、都知事としての質問については最終にさせていただきます。どうぞ。

オリンピックの予算削減について

記者7:都政のことについてちょっとお聞きしたかったんですが、よろしいですか? オリンピックの総予算が1兆4000億という話がありまして。先だってはコーツ副会長がまだ1000億くらい削れるんじゃないかとかっていう話があります。小池都知事はもったいない思想で非常になにごとも切り詰めていくということを考えているようですが、この予算についてはどういうふうにお考えになりますでしょうか?

小池:オリンピック・パラリンピックの会議場のコスト、とくにハードですね。その面では昨年もなんとか切り詰める方向性を出させていただいて、その分400億円に登ります。今回あと1000億削れというお話でございまして、ですから例えばどこかのエレベーターをなくすとかそういう話だけでなくて、もう少し全体の仕組みから考える必要もあるかなぁと、このようにも考えております。

やはり次のパリとロンドンをいっぺんに決めたというのも、できるだけコストを下げるということ、東京がコストを下げるということが1つのモデルになってそのあとの2大会そしてそのほかの大会などに影響を与えるということから、とにかくもっと縮減をという声をいただいています。

一方でなかなか厳しいのが、実は種目が増えているんですね。競技が増える分コストがかかりますので、日本円で1000億円の縮減をしつつも、新しいことをというリクエストをいただいているのは、なかなか両方をこなすのは大変だとは思います。でもいろいろと工夫をしながら、これからも縮減という道を模索していきたいと、このように思っております。

それから今回も物品などの調達をより効率的に行うということで管理委員会ができておりますので、そこでもって、組織員会、東京都、それぞれがバラバラで調達するのではなくてより効率的なワイズスペンディングな調達にもっていくようなそういう仕組みづくりもいたしたということでございます。

ということで、これでまずは都知事としての会見は一旦終了させていただきます。