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トイレ×ITでなにが起こる? 私たちが抱える“ジレンマ”を解決する、トイレテック最新動向

トイレ×ITでなにが起こる? 私たちが抱える“ジレンマ”を解決する、トイレテック最新動向

2017年8月2日、サムライインキュベートが主催するイベント、「日常生活の当たり前を変える”Toiletech"~トイレボリューション~」が開催されました。1日に5回〜7回ほど使うと言われているトイレですが、現状はさまざまな課題を抱えています。そこで、テクノロジーの分野からトイレのイノベーションに挑戦するお二人の登壇者が、変わりゆくトイレの今と未来について語り尽くします。はじめに登壇したのは、日本マイクロソフトの西脇資哲氏。トイレ事業があるわけではないマイクロソフトは、どのような形でトイレに関わっているのか? 最新のトイレ事情を紹介します。

シリーズ
日常生活の当たり前を変える”Toiletech"~トイレボリューション~ > マイクロソフト西脇氏 講演
2017年8月2日のログ
スピーカー
日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇資哲 氏

トイレがエネルギーを生む空間になる

西脇資哲 氏(以下、西脇) 2つ目はランニングコストで排泄物がいっぱい出るエリアの話です。それに対して、例えばどんな回答があるか? これがマイクロソフトが実際にやっている回答です。マイクロソフトは世界中にデータセンターを持っています。 そのデータセンターは実は排泄物で発電しています。排泄物から出てきたメタンガスがある。排泄物ってメタンガスに変わるんです。メタンガスとそれ以外の塵みたいなものと、汚染物質に変わる。そのメタンガスを発電施設に供給し、排泄物でデータセンターのすべての電力をまかなうということに、実は2012年に発案をして、もう建設が終わって稼働しています。 ですからそこで働いている人プラス動物の糞尿、こういったものを使って排泄物、有害物質、汚染物質は少し出ますけど、本当にデーターセンターと電力の効率化をして、他から電力を供給しなくても排泄物だけで担っていくということです。 こうすると電力を食いませんし、トイレという空間がエネルギーを生む空間になるという話です。それで電力だけじゃなく、さまざまなコストをペイしていけば、非常に効率の良い空間になってくるという実験だったんですけど、電力会社さんと燃料電池の会社さんと一緒になることによって実現することができました。 ただ申し上げると、データセンターの電力って、そんなにすごく電力を食うわけじゃないです。私たち人間が暮らしていく空間のほうが電力はやっぱり食うんです。正直申し上げて、寒いところのデータセンターはそんなに食わない。だから「ものすごい量の電力を排泄物で作っているんですか?」いや、そんなことはないです。データーセンターが少しまかなえるぐらい。 実際の装置はこの写真です。 IMG_8879 これぐらいの装置でまかなえるぐらい。そんなにでかい発電設備ではないです。こういったことを実はやらせていただいています。これが初期コストだけではなく、ランニングコストもかかってしまうということです。この点を改善するには例えば排泄物利用ということになるんです。 上は空間をより快適にして広告にします。1番下「あそこのトイレ汚いよ」とか、女性がおしゃれなレストランだ、ここは行って楽しい、素敵なレストランだと選ぶ要因はメインは雰囲気、店構え、値段、ブランド、その中に喫煙、禁煙、そしてトイレの美しさがランキングしてくるんです。

トイレが店の広告塔になる

トイレは非常に衛生的で、衛生的を超えてよりいい空間でなければいけない。だから広い空間、トイレの天井は高いほうがいいと言われています。そしてトイレの明るさです。昔は暗かったです。今トイレのほうが明るいぐらいです。トイレが明るいというのは男性はあまり気にならないですけど、女性はトイレが明るいと安心なんです。お化粧するときに便利なんです。ですから明るいトイレがすごく混んでいるんです。 それと温度管理。これは、ご高齢の方がトイレに行ったときに寒いと、それで実際に倒れたりします。それと、これから新設されるトイレはガラス空間が非常に多いです。とにかく空間を広く見せる理由もある。ガラス、鏡空間が非常に多い。あとは最新のトイレハードウェア。これはトイレメーカーさんがすごくがんばっていらっしゃる。 あとは用を足す以外に着替え、お化粧スペースの拡充、そして男性はあまり気にならないアメニティの充実とブランド化。私が今週の月曜日にお食事に行った所のトイレも、中にハンドタオルがありました。男性用トイレに歯ブラシがあり、爪を研ぐものがあって、ティッシュ、ペーパータオルがあって、小さいマウスウォッシャーがあるんです。 「パカっ」と開いてグッと飲む小さいマウスウォッシャー。1人1個分のものです。あれが普通に積んである。昨日食事した所もそうでした。銀座の「俺のステーキ」というステーキ屋さん。けっこう男性客が多いです。 そんな所でトイレに行ったらもちろん明るいですけど、アメニティがめちゃくちゃ充実している。トイレの空間というものに対して、これだけのものが求められていて、1番下のアメニティだけでも感心するんです。などなど、トイレをより付加価値のあるものにしてブランド化していく。 例えばアメニティが充実しているとなにが起きるかというと、みんなトイレの写真を撮るんです。トイレの写真を撮って「ここ、すごく衛生的でマウスウォッシュがあった」みたいにインスタにやるわけです。そうすると、トイレという空間が広告になり、快適になってどんどん人を集めて拡散する空間になる。これはソーシャルの力を使ってこんなふうになるわけです。 今、渋谷で造っているビルを見ると、トイレが売りだったりする。ホームページにも出ます。その中でもう1つ取り組みとして行われているのが、混雑の可能性とか事件・事故の可能性。これを減らすためにある対策が行われています。

トイレが見える化していく

これは私の後にお話しなさる方も取り組んでいらっしゃいますが、それはこのセンサーです。 IMG_8900 ある接触センサーをトイレの左上の部分に実際にアップすると、ここは男性トイレの個室なんですが、ここに埋め込む。トイレにセンサーを埋め込んで集計するんです。これは実際にマイクロソフトで実証実験をやっています。 このグラフでいつ混雑するかわかる。朝10時〜10時30分、13時〜13時30分にものすごく利用する。とくに朝10時〜10時30分は、ほぼトイレのすべてが埋まっている。すごいですね、私たちの事業所。もう1つ心理的なことがわかるんです。 人間は手前のトイレより奥の個室のトイレを使うんです。もっとすごいことがわかりました。隣同士のトイレより間を空けてトイレを使うそうなんです。冷静に考えると午前中と午後に私たちの清掃業者さんはすべてのトイレをきれいにしている。だったら使われていないトイレがあるわけです。そこは清掃しなくていい。生産性も高まるし、もっと他のことにお金使えるわけです。 私たちのトイレ、実は平均時間が長い。2分10秒と、けっこう長かった。男性の個室だからか、夜になればなるほど時間が短いのは、早く帰りたいからです。トイレに行って「パッ」と出て来る。これをいつもパソコンで見られるようにしています。 今は止めましたけど、パソコンでブラウザーを立ち上げるとトイレが今空いているか、午前中に混んでいたか、今どうなのかがわかる。ところがおもしろいことに、空いているかどうかは、昔からやられている。1番代表的なのは飛行機です。飛行機はトイレが埋まっているかどうかがわかる。2つ目が新幹線です。新幹線も必ずトイレが空いているか前で見ることができる。 あれは飛行機や新幹線の車両の中、機内にいる人たちが席を立たずとも「あっ、トイレ埋まってる。止めておこう」とわかるためのものなんです。ところが日本でもその取組みが一般の施設の中であったんです。これは実際にある施設です。トイレに近づくとトイレが埋まっているかどうかが大と小とわかるんです。 右側のトイレの入口に入ると、どこのトイレが埋まっているかわかる。でも冷静に考えてください。「トイレに行った時点でそんなのわかるわい」って話なんですよ。別にライトアップしてくれなくても、わかるよって話なんです。 しかも今の大規模トイレはもっと違います。これは日本と韓国の事例ですが、トイレの入口に入った瞬間にどこの便器が空いているかがわかるんです。これは実際の高速道路です。高速道路で空いているかどうかがわかって、「じゃあ空いているからあそこに行こう」ってなるのかどうかわからないです。

スマホとトイレの連係プレー

ただし、実はトイレの空き状況は、その場に行ってわかっても意味がありません。なぜかというと、ご高齢の方や障害を持っていらっしゃる方や性的マイノリティーの方に大きく課題が移りますが、ご高齢の方はトイレに行って「うわっ埋まってる」となったら待てない。体力的に待てないか、本当に漏らしてしまう。 障害がある方は、車椅子でトイレが空くまで待てない。犬と一緒に行って介助犬と、トイレの前で空くまで待つなんてできない。性的マイノリティーの方は、混雑したトイレの中で自分が用を足すのは嫌なんです。なるべく誰もいないところを狙ってトイレに行きたい。つまりトイレに行ってトイレが空いているかどうかなんて知りたくない。トイレに今行けるかどうかを知りたいんです。 この取組みが最近多様になってきています。ですからトイレが空いているかどうかが遠隔地でわかるんです。これはすでに実用化されています。例えば日本で言うと新宿駅です。新宿駅の小田急。今みなさんのスマートフォンから新宿駅のトイレの混雑状況がわかります。空いているかどうかがわかります。 これはおそらくすべての主要施設が変わっていくと思います。これを見て空いているから行く、待たなくていい、恥ずかしくなくていいということなんです。私はこの仕事をやるようになってから新宿駅の西口、南口のトイレをずっと見るようになったんです。いつも仕事しているここにブラウザーを立ち上げておいて、いつも見るようにしています。 夜中も見ていますが、めちゃくちゃ埋まっているんです。だから、トイレはまだ供給不足なんです。それはやっぱり多目的化しているからだと思います。インターネットの画面に出る。この画面自身をいつもブラウザーで見えるようになる。これは韓国の例です。韓国はここ数年、トイレの快適化、環境の向上。これがすごく進んでいます。ご存知かもしれないですけど、中国と韓国のトイレは世界で1番汚いと有名になってしまった。 ですから追いつかなければいけないと、トイレの先進化がすごく進んでいる。実際にインターネットでトイレの空き状況がわかりますから非常にいいですけど、実は私たちはこの先になにをやったかと言うと、今のトイレの空き状況がわかる。

トイレとお友達になる⁉︎

過去の空き状況もわかるわけです。今までの空き状況が全部わかるということは、昨日もわかるし、一昨日もわかるし、1ヶ月前も1年前もわかるわけです。ということはAIを使って、この先トイレが混むかどうかもわかる。 つまり空いている時間がわかる。そこに自分の体調を合わせてトイレに行けばいいわけです。 そうすると数少ない空間であっても、自分の目的を果たすことができる。実際に私たちはトイレの混雑状況の予測を人工知能で行って、スマートフォンに「空いてますよ、空きますよ」と出すことができるようになっています。でも私は半分、趣味みたいだからスマートフォンにトイレの画面を出しておいてもいいです。 ほとんどの人がトイレに行くのにトイレ画像をスマートフォンに出しておくわけにはいかない。ではどうするかと言うと、実はこんな取り組みです。トイレとLINEの友だちになる。おかしな話ですね。トイレのLINEに聞く。これは26階の私たちのトイレですけど、「トイレこの後混む?」って聞くと「今空いています。今日は比較的利用率が低くて1パーセント未満です。本日夕方は比較的混み合うので今だったら空いているから行ってください」という予測を友だちが返してくれる。 「空いたら教えて」って言うと、空いたらメッセージがくる。こういうやり方なんです。つまりトイレという空間が用を足す空間から、自分が利用する空間、そして利用するための設備がロボットのように私たちに寄り添ってくれる。これをやるためには、トイレにセンサーを埋め込んで、それがインターネットで見えるようになり、人工知能で予測ができるようになって、私たちと会話をすることができる。 こういうふうに進んで行くと、トイレがもっともっと快適な空間になるし、冒頭申し上げたトイレという空間のジレンマ、課題を消化することができると思っています。もう1度整理すると、トイレの多目的化が言われるわけです。これは世界中で言われています。多目的化を要求すればするほど過剰設備になる。 過剰設備になるのにお金はかかるし、清掃しなきゃいけないし、犯罪の温床になるし、マイナス要因だらけです。じゃあ、それをどう改善すればいいかということに対して、今日いくつかの回答をさせていただいたんです。 これは私が今タッチしている、今日ご紹介した案件は、ほとんどの場合はトイレメーカーさんはやっていない。その次にやっているのは住設会社さん、もしくはゼネコン。ここもあまりやっていない。どちらかというと、ベンチャーがすごくがんばっているエリアです。 ですからベンチャーに関心がある方だったらトイレという空間でなにか新しいことをやる。これらの課題を解決できるような発想があったら私は十分ビジネスになると思っています。2020年までに圧倒的な数のトイレが建設されますから、そこでビジネスのチャンスになればいいと思っております。 私からはそんな取組みをいろいろと使っていて、どのようにトイレのジレンマが解消されるかをお話しさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。 (会場拍手) 司会者 西脇様、ありがとうございました。みなさま大きな拍手をお願いします。 西脇 ありがとうございました。 (会場拍手)

  
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