「しがらみのない政治」を目指して結党

(「さらば、しがらみ政治」の決意を示した動画が流れる)

行田邦子氏(以下、行田):みなさまお待たせいたしました。ただいまより、「希望の党」結党記者会見をおこなわせていただきます。それでは、所属議員のみなさま、登壇をお願いいたします。なお、本日は参議院議員の行田邦子が司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

希望の党、代表の小池百合子が登壇します。

(会場拍手)

行田:それでは、小池百合子代表より挨拶をさせていただきます。

小池百合子氏:みなさま、おはようございます。希望の党代表の小池百合子でございます。しがらみのない政治、そして大胆な改革を築いていく新しい政治。まさに日本をリセットするために、この希望の党を立ち上げます。リセットするからこそ、しがらみがない。いえ、しがらみがないからリセットができる。

そしてまた、今この時期に日本をリセットしなければ、国際間競争、そしてまた日本の安全保障等々を十分守りきれないのではないだろうか。そんな危機感を共有する仲間が集まりました。今日から希望の党、スタートいたします。

「希望」という2文字は、小学生のお習字の際にも最も書かれる言葉であります。「平和」そして「希望」。この2文字が、とくに「希望」という2文字は、お正月の最初の書き初めで書かれる2文字であります。

日本にはありとあらゆるものがあります。物が溢れています。でも、今、希望が足りない。私はそう思っています。みんなが不安を抱くからこそ、「これからの日本はどうなるんだ?」「老後はどうなるんだ?」「この子はどうなるんだ?」。

そんな不安の中で、私たちは希望の党をつくり、しがらみのない政治を作り上げることによって、国民のみなさんに希望を届けていきたい。そういう思いでいっぱいでございます。

そして改革をする、その精神のベースにあるのは、実はこれまでの伝統や文化や、日本の心を守っていく、そんな保守の精神であります。寛容な、そして改革の精神に燃えた保守。新しい政党でございます。

かつての「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を憂う

私は現在、都知事をいたしております。そして先日も、23区内の大学の定員抑制を大臣告示で行うという話を聞いて、大変ショックを受けました。もうその流れはすっかりと全国知事会の中でもできている。東京一極集中の問題は、そうやって学生が多いことだったという極めて単純な話で結論を出そうとしている。そのうちの1つかもしれませんが。

どうでしょうか。我が国の大学の最高峰と言われている東京大学におきましても、アジアの中でも1位を保ってきた。しかしここ数年、ジリジリとそのランクを下げ、今やシンガポール大学にとうの昔に抜かれてしまっている。

世界で見てどうでしょうか? オックスフォード大学や世界の名門校の中に、東京大学は2017年の段階で46位であったのが……、すいません、36位であったのが、2017年の段階ですでに46位と、ジリジリとそのランクを下げております。

私が経済キャスターをしていた頃の世界の企業の時価総額。これを比べてみますと、90年代のはじめは1位は日本のNTTでございました。そしてその後に続くのは、日本の銀行がダーッと続いていた。ジャパン・アズ・ナンバーワンという言葉、本もありました。しかしその後はどうか。2000年代に変わりますと、時価総額の順位は中国の企業がダッと並びます。

そして今はどうでしょうか? 最新のところではAmazonであるとかGoogle、こういったところが世界の1位となっているわけでございます。あ、ちなみにAppleが1位でございます。一方で、我が国を代表するような名門企業が今、瀬戸際に立たされている。さあ、これからこの日本はどうやって食べていくのか? どうやって安心した生活をおこなっていくのか?

私は、自由民主党の中でも党税調(注:自由民主党税制調査会)の端くれにいましたけれども、毎日、匍匐前進するかのような改正がおこなわれて、それが風物詩のようになっている。

しかし、その1ミリ1ミリの変化では、世界の変化にはついていけない。そんな危機感をいだき、私はまず東京で改革していこうと思い、都知事選に挑戦をいたしました。仲間を募って都議選にも挑戦しました。

解散総選挙は改革のチャンス

しがらみのない、逆に言えばサポートしてくれる団体はない。そのような選挙ではございましたが、お一人おひとりの有権者は「変えてくれよ!」と。そして「日本に、東京に希望を抱かせてくれよ!」。そんな思いが街角に、そして街中に溢れておりました。

そういう中において、日本津々浦々、北海道から沖縄まで事情は違います。だからこそ、地方分権もしっかりと、言葉だけではなく真剣にそれを改革していかなければならない。地方に合った改革をしなければならない。しかし全国知事会のほとんどは霞が関出身の方々で、むしろ中央集権を促進するかのような動きとなっている。

今こそ、しがらみのない政治、しがらみのない改革を大胆におこなっていかなければなりません。現下の状況は、この東アジア情勢、極めて厳しいです。北朝鮮情勢がこういう中にあって、政治空白がいいのか? いいはずがありません。

しかしながら、すでに安倍総理は、総理の専権事項として解散総選挙をうたっておられます。であるならば、ここは改革のチャンスであります。

国民のみなさま、お一人おひとりの声をしっかり受け止めるしがらみのない政治。そして寛容な保守、改革の政治。希望の党は、みなさんに希望をいだいていただけるように、変えるところは大胆に変えていきます。守るべきは大胆に、いえ、きめ細やかに守ってまいります。

そんなメリハリの付いた、希望の党の政治。これから、今日のチャーターメンバーの皆さんをはじめ、これからも多くの仲間が増えていくでありましょう。どうぞ、みなさんとともに希望を求めていきましょう。希望を手にしてまいりましょう。

そして今こそが、この日本が「世界の片隅の1つの国だったねえ」と記憶にただ残るだけでなくて、これからも世界をリードする、そんな日本であり続けるために、希望の党へどうぞみなさま方のお力を賜りますようによろしくお願いを申し上げたい。このように思っております。

今日の希望の党の設立にあたりまして、私からご挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

細野氏が党綱領を説明

行田:続きまして「希望の党」綱領につきまして、細野豪志衆議院議員よりご説明させていただきます。

細野豪志氏:衆議院議員の細野でございます。新しい政権政党を作る。こんな思いで参加をさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。

それでは座らせていただいて、綱領の説明をいたします。お手元に配らせていただきましたが、我が党は民主主義・立憲主義に立脚をし、以下の6つの理念に基づいて党の運営をしてまいります。

また、党の運営に際しましては……。(綱領を)みなさん、お手元に配られてますか? ない? わかりました。大変失礼いたしました。手違いで配られてないようですので、後ほど配らせていただきます。6点ございますので、後ほどご確認いただければと思います。

まず、第1点としましては、我が国を含め、世界で深刻化する、「社会の分断を包摂する寛容な改革保守政党を目指す」といたしました。これはすでに小池代表から説明がありましたとおり、まさに今の時代に必要な寛容さと、そして保守政治、改革と、この理念を掲げたもっとも重要な項目ということです。

2点目といたしまして、「国民の知る権利」として情報管理を徹底し、国政の奥深いところにはびこる「しがらみ政治」から脱却するということで、掲げております。これも代表から説明がありましたが、既存の組織や古い政治から脱却を図ることを我々としては目指すということでございます。

3点目といたしましては「国民の生命、自由、財産を守り抜き、国民が活力と希望を持って暮らせる生命基盤を築き上げることを基本責務とする」といたしました。まさに政治の役割がここにあるという趣旨でございます。

4点目といたしまして、「平和主義のもと、現実的な外交・安全保障政策を展開する」としております。北朝鮮情勢が非常に緊迫している中で、安保法制の対応も含めて、必要なことについてはしっかりと実現していく。その姿勢を示したものでございます。

5点目といたしまして、「税金の有効活用、ワイズスペンディングの徹底、民間のイノベーションの最大活用を図り、持続可能な社会基盤の構築を目指す」といたしました。今、東京で行われている改革を全国で展開をするという趣旨でございます。

最後に「国民が多様な人生を送ることのできる社会を実現する」。若者が希望を持ち、高齢者の健康長寿を促進し、女性も男性も活躍できる社会づくりに注力する、としております。

例えば、女性で言うならば、働く際に大変大きな問題となる、子どもを預ける保育の問題にも積極的に取り組んでいく。さらにはそれぞれの生き方を考えた時に、例えば選択的夫婦別姓などにも取り組んでいく。女性であれば選択肢を示し、そのほか男性、高齢者、さまざまなみなさんの多様な人生の後押しをしていくというのが我が党の内政の基本的な方針ということで6点目に書かせていただきました。

今日は不手際で(綱領を)お配りすることができませんでしたが、後ほど配らせていただいて文章をご確認いただければと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。以上でございます。

行田:なお、この記者会見終了後に希望の党の綱領につきましては、出口でお配りさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。