株はどこで買える?

頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。

頼藤:本日のテーマですね。第2回目でかすみさんからお便りを頂いたじゃないですか。

高山:かすみさんね。

頼藤:覚えてますか?

高山:はいはい。ありがとうございます。

頼藤:その時に「どこで株を購入すればいいの?」っていう質問があって、後日お話ししますって言ったと思うんですけども。今日はそれについてお話ししようかなと。

高山:はい。

頼藤:まず、「株はどこで買えるのか?」っていうところから。

高山:そうですね。そもそも、株は銀行で買えるって思っている人もいると思うんですけど。基本的には、証券会社で買えますっていうことをおさえてほしいなと思っています。

頼藤:銀行では、投資信託ぐらいしか買えないんですよね。

高山:そうですね。投資信託とか外貨とか国債とかしか買えなくて……。

頼藤:株は買えないんですよね。

高山:はい。証券会社でしか買えないということで。

頼藤:はい。

高山:証券会社って言っても、大きく分けて2つあるんですよね。

頼藤:おおー。

ネット証券と店舗型証券の違い

高山:インターネットでやってる、「ネット証券」っていうもの。あとは、街を歩いていると、野村証券とか大和証券とかがありますよね。そういう、いわゆる「店舗型」の大手証券会社があります。

証券会社は2つあるんですけれども、今株をやっている若い層の人たちのほとんど、8割から9割は、ネット証券を使っているんです。私もネット証券を使っています。頼藤さんも……?

頼藤:僕も、ネット証券を使ってます。

高山:ネット証券を使ってるってことで。

頼藤:もちろんです。

高山:はい。今「もちろんです」っておっしゃいましたけど、ネット証券と店舗型の証券会社は、どこがどう違うんですかね?

頼藤:やっぱり、ネット証券は手数料がぐんと低いんですよ。

高山:ぜんぜん違いますよね。

頼藤:やっぱりね、お金を増やすって考えた時に、(大事なのは)コスト意識をどれぐらい持てるかっていうところなんですよね。投資をしたら必ず手数料を取られるのであれば、投資を始めた瞬間に、実はマイナスでスタートしてるんですよ。

高山:というのは?

頼藤:手数料で(マイナスが発生する)。

高山:あ、そうか!

頼藤:例えば、株を10,000円で買った時に(手数料で)1,000円引かれていたら、9,000円のスタートということになっていて。その1,000円を取り戻すって、けっこう大変じゃないですか。

高山:とくにね、今は大変ですよね。

頼藤:だけども、ネット証券だと、100円ぐらいの手数料で(投資が)できる。絶対、ネット証券の方がいいですよ。

高山:私より上の世代の方はね、やっぱり「ネットは怖い」とかね、なかなか抵抗感のある人が多くて。どうしても、店舗型の証券会社でやっちゃう人が多いんですけど。

頼藤:人に相談できるっていうところで、安心感はありますよね。

高山:そこはメリットで。

頼藤:メリットですよね。その点をネット証券では、自分でどうにかしないといけないっていうことなので。

高山:そうか。口座開設からなにから、全部自分でやらなきゃいけない。

頼藤:そうなんですよね。

高山:多分、初心者の方がいちばん気になってるのが、「銘柄をどうやって選べばいいのか」なんていうところだと思うんですね。

頼藤:はい。

高山:私の周りにいる上の世代の方を見てると、(店舗型の)証券会社に行くと、証券会社の方から「こういう銘柄がいいですよ」って教えてもらえる。「お勧めがあるから(店舗型の証券会社が)いいかな」と思って行っちゃうこともあるんです。一方、ネット証券だと、全部自分で調べなきゃいけないんですよね。

頼藤:そうですよね。その点は、自助努力が必要だから。

高山:うんうん。

頼藤:そのコスト意識を持つと、「やっぱりネット証券がいい」ということになってくるんですよね。

高山:なるほどなるほど。

頼藤:「ネットだから危ない」とかって、なくて。セキュリティーもしっかりしてますし。

高山:はい。じゃあ、(ネット証券は)とくに問題がないってことですよね。

頼藤:問題ないですよね。

高山:私たちなんかもうね、ネット証券しか考えられないですよね。

頼藤:考えられないですね。

高山:けっこう使っちゃってます。使い勝手がいいですよね。

頼藤:そうですよね。店舗型だと、証券会社の手数料が、1回の注文で2,000円かかることもあるんで。

高山:はいはい。

頼藤:買う時に2,000円取られて、売る時にも取られるってことですよね。

高山:はいはい。

頼藤:でもネット証券だったら、(手数料が)100円で買えて100円で売れると。

高山:はい。

頼藤:それぐらいで(取引ができる)。あとは、ネット証券の中でも手数料に差があるので。そこは比較サイトを見て、開設する証券口座を選んでもいいのかなと思うんですよね。

高山:うんうんうん。

頼藤:ほかには、デイトレードしたいとか。

高山:はいはい。頻繁にね。

頼藤:「ほったらかしでいい」みたいな。人によって、価格プランが違うものがあるんですね。そういう取引スタイルに合わせて、手数料比較をしてもいいのかなと。

アプリも使えるネット証券

高山:うんうん。(手数料が)けっこう安いところになってくると、私や頼藤さんも使ってると思うんですけど、SBI証券はかなり低いのかな。

頼藤:マネックス証券も使ってます、僕。

高山:私もマネックス証券を使ってるんですけどね、あれはもう長期保有の銘柄しか買ってないので、ほとんど見てないです。やっぱり頻繁に取引するとなると、さっきも言ったSBI証券かなと。

頼藤:そうですね。あと、1注文ごとの約定代金がいちばん安いのが、ライブスター証券ですね。

高山:ライブスター証券。はいはい。

頼藤:あとは1日の取引の金額が10万円以下だったら(手数料は)0円というのを、松井証券でやっていますね。

高山:なるほど。コストにこだわるんだったらそういうところなんだけど。ただ、商品の品揃えや、情報の見やすさ・サイトの見やすさとかがあるじゃないですか。

頼藤:そうですね。

高山:そういうの総合すると、どうかな。SBI証券ですか?

頼藤:SBI証券ですね。「株じゃなくて、投資信託をやりたい」ってなった時も、種類は多いですし。

高山:そうですよね。店舗型の証券会社とネット証券って何が違うかっていうと、コストもそうなんですけど、昔は商品の種類がぜんぜん違うって言われていて。昔は、大手の野村さんとか大和さんの方が、債券や投資信託を買おうと思った時に圧倒的に種類が多いから、店舗型がいいって言う人も多かったんですけど。今は(ネット証券も)引けを取らないですよね。

頼藤:あと、(ネット証券には)アプリがあるじゃないですか。それで簡単に注文できるようになったんで。

高山:あ、若い方にはとくにいいですね。

頼藤:そうですね。そうすると、場所や時間を選ばず注文できると。

高山:はい。

頼藤:ということなので。「ネット証券は怖い」って思ってる方も、コストは安いし、使いやすさ・見やすさも、十分あります(ので、ぜひ)。あとは、ネット証券だと人に相談することができないんですけど、(代わりに)動画で解説してくれるんですよ。

高山:見やすいですよね。初心者向けのコンテンツがね、本当に。

頼藤:そうですよ。専門用語の解説動画や、株式の期間取引っていうのはどんな状況だったのかとか。あとは、最近イギリスがEU離脱した時にけっこうマーケットが動いたんですけども、それの解説動画とか。

高山:うんうんうん。

頼藤:なので、十分勉強をしながら取引できるっていう点で、ネット証券がいいのかなと。

高山:そうですよね。口座を開設するだけなら、無料ですからね。

頼藤:だから何社開設してもいいんですよね。

高山:はい。今頼藤さんが言ったような動画も、無料で見れる場合が多いですもんね。

頼藤:そうですそうです。

高山:だから、情報を得るだけでも(ネット証券は)便利だなと思いますよね。

頼藤:そうなんですよ。まずは、証券会社に口座を開設しないといけない というのがあって。(それもあって)証券会社は、ネット証券がいいんじゃないかと。

高山:そうですね。コストから考えてみるとね、やっぱりネット証券がいいんじゃないかなっていうのがありますね。あと、商品の品揃えも豊富にあるし。でも私の一押しは、SBI証券。

頼藤:はい(笑)。僕もSBI証券はいいと思います。あと、マネックス証券のアプリが僕は大好きなんで。

高山:なるほど。

つまずきやすい口座開設

頼藤:口座開設の流れってどんな感じになるんですかね?

高山:口座開設の流れは、まずインターネットで、口座開設の資料を取り寄せてもらう。申込書とかがご自宅に送られてくるので、そこに記入してもらって。あとは身分証明書と、あと個人……あれ、なんだっけ? 番号?

頼藤:マイナンバーですね(笑)。

高山:古いですね。マイナンバーとかも含めたいろいろな必要書類を送って、口座開設まで多分1週間ぐらいかな。

頼藤:そうですね。その時に、口座の種類がいくつかあるんですよね。

高山:はい。

頼藤:そこでつまずく人も多いと思いますので、口座の種類の解説もお願いします。

高山:はい。「特定口座」とか「一般口座」とか。

頼藤:「一般と特定ってなんだよ?」みたいになっちゃいますよね。名前の付け方も、ちょっと変えてほしかったんですけど。

高山:ちょっとね。本当にみんな、書類の記入時点でやめちゃうっていう。そこの挫折が多いですよね。

頼藤:そこのハードルが高いんですよね。うんうん。

高山:そもそも特定口座って言うのは、例えば利益が出た時に……普通は利益に対して税金がかかるので、確定申告に行かなきゃいけないんですよ。

頼藤:はい。

高山:なんですけど、特定口座にしておけば、もう利益に対しての税金が引かれちゃって、利益だけが入金される状況になる。確定申告の手間がいらないんですよね。

頼藤:うんうん。

高山:でも一般口座の場合は、確定申告しなきゃいけないっていう手間がかかる。その違いがあるってことですよね。でも一般口座は、(利益が)20万円以下だと確定申告しなくていいんですよね。

頼藤:そうですね。確定申告は、その利益が20万円以下であれば(しなくていい)。ただ、住民税は払わなきゃいけないですね。

高山:あ、まーねー。

頼藤:そのへんはあるんですけれども。

高山:どうですか? もし特定口座か一般口座かで悩んだ時は、もう特定口座で、あと源泉徴収ありにしておけば間違いないですかね。

「源泉徴収」って?

頼藤:そうですね。「源泉徴収」っていうのは大丈夫ですかね、言葉は。

高山:あ、源泉徴収っていうのは……税金を引いてくれるって、さっき頼藤さんが言ってくれたんですけど。実は投資の利益に対して、20.315パーセントも税金がとられちゃうんですね。

頼藤:そうですね。住民税(で5パーセント)と、所得税・復興特別税(で15.315パーセント)ですよね?

高山:はい。合わせて、20.315パーセント税金を取られちゃうんです。例えば、100万円儲かったとしたら、約20万円。

頼藤:20万3,150円。

高山:それを差引かれた金額が、入ってくるっていう制度なんで。

頼藤:はい。本当はその20万円を、税金として納めないといけない。だけど源泉徴収ありの特定口座にすると、(手続きを)証券会社がやってくれるということですよね?

高山:はい。

初心者におすすめの口座形式

頼藤:もう1つ、「配当受入れあり・なし」っていうのがあるじゃないですか?

高山:あー、はい。

頼藤:そこについても教えてください。

高山:配当受入れあり・なしは、あれですよね。配当金が出た場合に、どうやって受け取るのっていうことだと思うんですけれども。それは書類の……名前は何でしたっけ?

頼藤:「配当受入れあり」。

高山:配当受入れありに、チェックしておくといいってことですかね?

頼藤:そうですね。例えば年間で損した損失と、売却で損した損失の配当はプラスなので、その損益を通算してくれる。

高山:「通算」?

頼藤:通算っていうのは、例えば、年間でマイナス10万円損したとします。

高山:はい。

頼藤:配当で1万円もらうことになった時に、本当は1万円には税金がかかるんですけれど。(年間で)マイナス10万円の損があるので、(配当の1万円と)合わせると、マイナス9万円の損になったと。だから、1万円にかかる税金は払わなくていいってことです。それが通算ですね。「損益通算」って言うこともあります。

高山:なるほど。これは多分、投資をやってない方はイメージがつかないと思うんですけど。配当金って、昔は郵便局に行って換えていたんですよ。企業から「配当金が1,000円出ますよ」っていう書類が届いて、郵便局でそれを換えに行くっていう作業をしていたんです。

今は、この配当金受取っていうところにチェックをすると、自分の証券会社の口座に配当金も自動的に入ってくる制度です。だから、けっこう楽ですよってことなんですよね。

頼藤:はい。なので、初心者の方は「源泉徴収あり」「配当金受入れあり」で「特定口座」にしていただければ、問題ないと。

高山:はい、楽ですよと。

頼藤:そうですね。一般口座について補足すると、選んでもほとんどメリットないと。

高山:ないですね。

頼藤:一般口座っていうのは、いわゆる昔ながらの証券口座。これを選んだ場合は、確定申告に関わるすべての作業を、投資家ご自身でしないといけないっていうことなんですよね。

取引の都度証券会社から送られてくる「取引報告書」をもとに、自分で損益を計算して確定申告をしないといけないっていう、すごい面倒くさいのがあるので。

高山:なんで一般口座があるんだって話ですよね。

頼藤:そうですよね。昔ながらなんじゃないですかね。

高山:昔はですね、頼藤さんちょっと若いからあれなんですけど。一般口座を選ぶと、優遇される制度があったんですよ。

頼藤:はいはい。聞いたことがあります。

高山:それが、今はなくなっちゃったんで。なので今はメリットがないかなっていう感じですよね。

頼藤:そうですよね。先ほど言ったとおり、「源泉徴収あり」「配当受入れあり」の「特定口座」で、開設してもらえればいいのかなと。

高山:はい。

頼藤:書類の項目のチェックさえすれば、あとは投函するだけ。後日送られてくるIDとパスワードで、きちんとログインしていただいて。

高山:入金してもらって。

頼藤:さあいよいよ、株式投資の準備が整ったというところと言いますかね。

高山:はい。

投資は自己責任で

頼藤:といったところで、(第2回目でお便りをくれた)かすみさん。長くなっちゃったんですけど、「どこで株を購入すればいいの?」っていう質問の答えは、「ネット証券がいいよ」っていうところで。

高山:はい。

頼藤:ネット証券はコスト・手数料が安いから。でも、「どうしても人に相談したい」ということがあれば、店舗型の証券会社でもいいです。

高山:そうですね。ただし、いつも私たちが言っている、気をつけなきゃいけないことは、証券会社の人は自分の売りたい金融商品を売るかもしれないってことですよね。

頼藤:そうなんですよ。だから、株じゃなくて投資信託を勧められると思います。

高山:(笑)。

頼藤:その投資信託を、買ってもいいですよ。買ってもいいんですけども、きちんと内容も把握した上で買ってください。

高山:はい。

頼藤:結局、投資っていうのは自己責任なんで。損しても、担当者のせいにはできないんですよ。

高山:はい。くわしくは私たちの最初の共著であります、『金融機関が教えたがらない 年利20%の最強マネー術』っていう本。そのあたりに、金融機関のお勧めは危ないぞというような話もちょっとしてますので、ご参考にしていただければなと思います。

頼藤:はい。証券会社の口座を開く時には、先ほど言った「源泉徴収あり」「配当受入れあり」の「特定口座」にチェックを入れて申し込んでくださいということですね。

高山:はい。

頼藤:というわけですね。かすみさん、大丈夫でしょうか?

高山:大丈夫でしょうかね。

頼藤:ちょっとお時間もきてしまったので、また次回。

高山:はい。

頼藤:マネラジ、続くと思いますので。

高山:また聞いてほしいですね。

頼藤:はい、ぜひ聞いてほしいと思います。頼藤太希と。

高山:高山一恵が。

頼藤&高山:お送りしました。またねー。