会社概要

平野洋一郎氏:2018年3月期第1四半期の決算について、ご説明させていただきます。

まず当社の概要ですが、1998年9月に設立して以来、「つなぐ」ソフトウェア製品の開発・販売を続けております。今年(2017年)4月にイギリスのThis Place社を買収したことから、現在は5ヶ国に9拠点を持つグループとなっております。

従業員数も増えまして、110名。そして、資本金も増額して18億円強となっております。

⼤幅な増収 ⼤幅な増益①

今回の決算のハイライトです。大幅な増収・大幅な増益という結果となっております。

こちらの資料に、これまでの過去3年間のグラフを表しております。今回は、今までと角度が違う売上・利益という結果となったことを、まずご報告させていただきます。

売上収益は前年同期比で2倍超、営業利益は前年同期比で7倍超、当期利益は前年同期比で6倍超となっております。

⼤幅な増収 ⼤幅な増益②

こちらは営業利益、税引前利益、当期利益のグラフとなっております。このように、昨年(2017年3月期)の第1四半期に比べましても、大きく伸びていることがおわかりいただけるかと思います。

第1四半期連結会計期間 好決算の要因

この好決算の要因でございます。

まず売上収益ですが、「デザインサービス」という新しい売上が、大きく貢献をしております。こちらは、This Place社の買収による新たな売上でして、企業向けのデジタライゼーションとなっております。デジタル化のコンサルティング、およびそれに必要なサービスを提供するという売上でございます。

そしてそれだけではなく、既存の製品・サービスも順調に2桁増となりました。「ASTERIA」が18パーセント増、そして「Handbook」は12.7パーセント増と、いずれも好調に推移をいたしました。

そして、利益のご説明です。This Place社の買収にかかる諸費用が、第1四半期にかかっております。それでも営業利益率は大きく向上しまして、21.2パーセントとなりました。

また、当期利益は、上場来最高額となっております。

製品別売上状況

製品別の売上状況です。

まず、主力のASTERIAです。この第1四半期は「アダプター開発プログラム」という、ASTERIAのつなぎ手を増やす施策をさらに推進して、連携先を拡大しております。その結果といたしまして、11年連続市場シェアNo.1を獲得する状況となりました。

Handbookは、通信キャリアパートナーの販売が好調に推移しまして、その中でも流通業や建設業などの新規獲得ができております。そしてHandbookの導⼊件数ですが、いよいよ1,200件を超えるという状況になりました。

そして、その他の売上が非常に大きくなっております。先ほどお伝えしましたデザインサービスを、現在その他に入れております。こちらが非常に貢献をしまして、売上収益が3億円を超えるという状況です。

その他の中には、このデザインサービス以外にも、「Platio」や「Gravio」といった新製品、さらには従前から販売を行っている「SnapCal」「lino」「ExtenXLS」などもございます。

損益計算書

それでは、細かなところを見ていきたいと思います。まず、損益計算書です。

売上収益は、前年同期⽐で211.2パーセント、2倍を超える売上となっております。

売上総利益も、前年同期比で201.9パーセント、同じく2倍を超えるものになっております。

そして最終的な当期利益は、前年同期比で6倍を超える、7,400万円となりました。

売上収益の内訳と推移

この売上の中身です。当社には、3つの売上区分がございます。ライセンス売上・サポート売上・サービス売上です。資料のグラフでもおわかりいただけますとおり、今回はオレンジ色の部分、サービス売上が大きく伸びているという状況です。

また、資料のいちばん下にあります、サポート(紫色の部分)も順調に伸びております。ライセンス(緑色の部分)も伸びてはいるのですが、他の伸びが大きいことで、(その伸びの)サイズは小さく見えるかと思います。

ただ、これは私たちの経営戦略のとおりです。つまり、ライセンスという一過性の売上について、数字は伸ばしながらもパーセントは減らすということが、非常にうまくいっている状況でございます。

売上区分別状況①

このサービス、ライセンス、サポートという、それぞれの売上をサマライズします。

今回、ライセンスが(前年同期比で)122.1パーセント。グラフ上では小さく見えますが、大きく伸びています。

サポートも(前年同期比で)111.5パーセントで、こちらも2桁増というかたちになっております。サービスに比べますと(伸びが)小さいように見えますが、これまでの第1四半期の歴史からすると、非常に大きな伸びとなっております。

そして、サービスです。資料をご覧のとおり、グラフがはみ出しております。今回(前年同期比で)6倍強に増加したのは、新たに加わりましたデザインサービスが貢献しているためです。それ以外に、Handbookのクラウド版、さらにASTERIAのサブスクリプションも、売上を大きく伸ばしております。

売上区分別状況②

このデザインサービスの売上がさすがに大きいので、どのような貢献かということで、サービスの中の内訳をこちらに書いております。(資料の、サービス売上の構成比をご覧のとおり)このデザインサービスが8割を超えるということで、大きく貢献をしているということがおわかりいただけるかと思います。

ちなみに、その他のサービスの中には、サブスクリプションサービスと教育サービスの2つが入っております。

販売管理費の内訳と推移

続きまして、販売管理費の内訳と推移です。こちらも買収⼦会社取得によって大きく伸びているという状況です。ただ、この資料のグラフの比較でおわかりいただけますとおり、売上の伸びほど、大きく伸びているわけではないです。

今回、⼈件費(黄色の部分)が伸びております。そして、研究開発費(緑色の部分)、広宣・販促費(青色の部分)。こちらは買収とは関係なく、力を入れて伸ばしているところです。

それから、これまでその他の中に入っておりました支払報酬(紫色の部分)を、今回このように表現しております。今回は、支払報酬が買収関連費⽤としてだいぶ大きな領域になりますので、開示をしております。15パーセントほどが、買収関連費用を含む支払報酬となっております。

営業利益/税引前利益/当期利益

このような売上・販売管理費という状況で、営業利益のご説明です。営業利益は、1億6,100万円。そしてそこから、持分法投資損益と金融収益・費用等を差し引き、税引前利益が1億5,100万円。

そして、大きい法人所得税等の費用。こちらを引きまして、当期利益が7,400万円。いずれも、前年同期比より非常に大きな数字となっているのが、おわかりいただけるかと思います。

各指標の推移(前年同期⽐)

それでは、当社が経営指標としている各指標の推移です。前年同期比で書いております。

売上総利益率が、前期から少しダウンしまして、78.5パーセント。これでもIT業界の中では、非常に高い数字であると言えます。当社の経営指標としては、7割以上のビジネスモデルを組み込むということですので、こちらは十分達成をさせております。

それから、資料の右のほうに行きまして、研究開発費⽤およびその率でございます。研究開発費⽤は、パーセントが下がっております。これはThis Place社の買収によるもので、売上が上がりますが、現在This Place社には研究開発費⽤が少ししかありません。

そのため、パーセントとしては下がっています。ただ実際の金額は、資料の青いグラフのとおり、投資額を上げているという状況です。

それから資料の左下のほうですが、販促・広宣費⽤とその率。販促・広宣費⽤も、数字自体は上がっております。(前年同期の)1,700万円から2,400万円に上がっておりますが、全体の売上の比率としては、下がっているという状況になります。

そして、資料の右下が営業利益率。こちらは大きく伸ばしまして、21.2パーセント。経営目標が2割ですから、第1四半期としては超えるという状況になっております。

財政状態計算書

これらの状況を踏まえまして、(2017年)6月30日現在の財政状態計算書です。

資産合計が大きく増えております。(2017年3月31日は)36億円だったところが、(2017年6月30日時点で)64億円となっております。その中身の増分ですが、22億5,000万円の新規資金調達をしております。それから、子会社の取得による「のれん」。こちらも14億円強あります。

このような内容を踏まえましても、自己資本比率は68.5パーセントと、非常に高い状況です。今後も、積極的な投資に耐えうる健全な財務体質であることが、おわかりいただけるかと思います。

キャッシュ・フロー計算書

今回、財務活動によるキャッシュ・フローは、大きくプラスになっております。新株予約権の行使により、大幅に増加をしております。

業績予想 2018年3月期

このような2018年3月期第1四半期の財務状況を踏まえまして、今期の業績予想でございます。

2018年3月期ですが、ご覧いただきましたとおり、第1四半期は非常に好調な決算でございます。もちろん、当社の計画値も超えております。

ただ、まだ第1四半期ということで、まだ4分の1の期間の進捗です。現時点で今期予想は変更しないというかたちで、ご報告させていただいております。

続きまして、この第1四半期及びその後のトピックスについて、5つの領域に分けてご報告をいたします。

ASTERIA 11年連続市場シェアNo.1

まず、ASTERIAの状況でございますが、こちらは導入社数が6,000社を超えまして、6,291社となっております。そして、つい先ごろ(2017年8月9日)発表された市場シェア調査で、11年連続市場シェアNo.1を獲得しております。さまざまな事例も、充実してきております。

ASTERIA Q1事例:ナブコドア様

この2018年3月期第1四半期の事例では、まずナブコドア株式会社さま。こちらはSAPやNotes、さらにはExcelといった、さまざまなアプリケーションとの連携を実現されています。

ASTERIA Q1事例:三協立山様

次に三協立山株式会社さまでは、マスターデータ管理(MDM)。さまざまなシステムを統合する際に必要なマスターデータの管理に、ASTERIAが使われております。

ASTERIA Q1事例:プロトコーポレーション様

株式会社プロトコーポレーションさまでは、クラウド連携。とくに、Amazonの最新の機能である「Amazon Aurora」との連携を実施されています。同時にASTERIAを使うことにより、システムを100パーセント内製化されています。

このように、(第1四半期は)たった3ヶ月ではございますが、ASTERIAの新しい事例は続々生まれており、世の中に大きく貢献をしているということをおわかりいただけるかと思います。

ASTERIA 重点施策:エコシステムの構築

こういった状況を継続していくために、私たちが力を入れておりますのは、エコシステムの構築です。インフォテリア・ASTERIAだけではなく、その周りのパートナー・ユーザーの皆さまと価値を創出して、ビジネスを広げていこうというものです。

ASTERIA マスターパートナー追加

当社の1次代理店であるマスターパートナーさまが、第1四半期でも2社増加しております。

まずは、株式会社NTTデータ九州さま。本体の株式会社NTTデータさまにはすでに、何年も前からOEMをしていただいております。その後、株式会社NTTデータ関西さま・株式会社NTTデータ東海さまに続きまして、今回NTTデータ九州さまに、マスターパートナーになっていただいております。

そして、キーウェアソリューションズ株式会社さま。こちらも、新たなマスターパートナーとなっていただいております。

ASTERIA 連携アダプター続々と開発

アダプター開発プログラムによるアダプター開発も、順調に進んでいます。日本最大規模の企業データベースと接続をする、「uSonar」というデータ統合ツールの専用アダプター。

それから、1,200社以上の導入実績を持つグループウェア&ワークフロー「POWEREGG」との接続専用アダプター。この3ヶ月でこういったものを提供し、ASTERIAの世界をどんどん広げるといったことを、着実に行っています。

Handbook 累計契約件数1,200件を超える

続きまして、Handbookでございます。Handbookも先ほど簡単にご紹介したとおり、契約件数が1,200件をいよいよ超えてまいりました。

今回、この件数の増加が顕著であるということが、資料のグラフからもおわかりいただけるかと思います。先ほど申し上げましたように、キャリア系のパートナーさま。こちらの件数の伸びというものが、このグラフにも表れています。

Handbook Q1事例:JT様(分煙コンサルティング)

事例としましては、非常に有名どころですが、日本たばこ産業株式会社さま(JT)。こちらの「分煙コンサルタント」の方々がHandbookを使って、コンサルティングに必要なさまざまな資料を持ち運ばれるということで、非常に効率的な業務運営を実現されています。

Handbook 第5世代 Handbook 発表

またHandbookはつい先日(2017年7月18日)、第5世代の「Handbook 5」を発表いたしました。こちらは5つの「S」をコンセプトとしています。

「tech-Savvy」「Smart Share」「Sensible UX」「Smart Management」「Solid Security」です。モバイルでデータを扱う際に必要な、さまざまな「S」。こちらを実現しているのが、Handbook5です。

これまでHandbook自身の位置づけを、Mobile Content Management、略称MCMと呼んでおりました。MCMの「M」はManagement、つまり管理です。

そして、このHandbook5は適応領域をさらに広げるという意味で、Mobile Content Enablement。ちょっと英語では難しく、聞き慣れないかもしれません。これは「活用」という意味で、モバイルのデータの活用・ファイルの活用を進めていこうという方針でございます。管理から(活用へ)さらに1歩、外に出ていこうという意味です。

Handbook Handbook5で広がる活用用途

資料をご覧ください。絵で描くと、こういう感じになりますね。組織外への配布を強化します。「HoloLens」という新しいデバイスへの対応。さらにはコンテンツ利用の拡大として、サイネージでの利用。また、360度画像・動画対応ができることを考えております。こういったことを行います。

そして、今必要とされている、働き方改革にも役立てられる。このような内容でバージョンアップされるのが、Handbook5です。

つなぐフィールドはIoTに拡⼤

続きまして、この2017年に入りましてから新製品が2つあります。1つはPlatio、もう1つはGravioです。こちらはどちらとも、IoTをつなぐ製品です。

こちらの資料の図にありますように、ASTERIAはシステム、さらにクラウドをつなぐ製品。Handbookはシステムとヒトをつなぐ製品。

ここに新たに「モノ」、IoTが現われました。既存のシステムとモノをつなぐものが、Gravio。そしてヒトとモノをつなぐものが、Platioという製品となります。

Platio - ⼈とモノをつなぐ

簡単に言うと、ヒトとモノをつなぐものがPlatio。こちらは(2017年)2月から出荷を開始しております。テンプレートからの選択によって、簡単にIoT対応のモバイルアプリを開発することができます。

アジャイルに、どんどん開発・運用して、そしてその情報を汎用することができます。開発、配布、運用が簡単になるわけです。

Gravio - システムとモノをつなぐ

Gravioは、システムとモノをつなぐ製品です。この(2017年)6月に出荷を開始したばかりです。当社の得意とする、ノン・プログラミングをエッジ・コンピュータに採用しています。エッジ・コンピュータのNo.1を目指すミドルウェアとして、提供を開始しています。また、世の中で非常に普及しております、Windowsで動くことも特徴です。

このようにインフォテリアでは、IoTという新しいマーケットに向かっても、新たに必要となる「つなぐ」ニーズを先取りして、製品を提供しています。

ブロックチェーン

続きまして、ブロックチェーンでございます。ブロックチェーンにつきましては、従前より力を入れてきております。この(2017年)4月には、「ブロックチェーン事業推進室」というものを発足いたしました。

当社の取り組みとしては、ASTERIAでの対応・Gravioでの対応・ブロックチェーンを基盤としたサービス・そしてBCCC(ブロックチェーン推進協会)での活動などがあります。少し、この内容をご紹介したいと思います。

⾦融以外にもブロックチェーン

ブロックチェーンというものは、FinTech・金融革命の中心になる技術だということで、注目を浴びています。インフォテリアはそれだけにとどまらず、さまざまな業界でこのブロックチェーンを使うことができると考えています。

例えば、流通のTransTech・製造のManuTech・公共のGovTech・医療のMediTech。それ以外にもさまざまな業界がありますが、こういったところでブロックチェーンの特徴、つまり「改ざんがされない」「システムが落ちない」「コスト安」。

こういったメリットを享受できるために、どんどんブロックチェーンをつなぎ、使いやすくしてまいります。

株主総会投票実証実験成功

その1つの例としまして、この(2017年)6月には、株主総会・投票をブロックチェーン上で実行しました。実際に、当社の株主総会の議案を使って投票するということを行いました。複数のトークンを使用した投票を実施し、これを成功させました。

これを実際にサービスインできると、主催者でも改竄のできない、非常に透明性の高い投票ができます。また、今非常に手間がかかるとされています、プロキシー・ファイト(委任状争奪戦)のようなものも簡単にできるようになります。

さらには、このベースとして銀行API。こういったものが用意されると、さまざまな会社でこれを使うことができるようになるという、非常に将来性の高いサービスです。

ロンドンのハッカソンで優勝

もう1つニュースとしましては、This Placeの開発チームが、ロンドンで行われたブロックチェーンのハッカソンで優勝しました。最優秀賞を獲りました。

こちらは、保険にブロックチェーンを適用するというケースです。イベントが天候により開催されたり、もしくは中止になったりすることに対する、料率の計算。そして、その支払いの自動化といったところです。

ブロックチェーンをベースとしたシステムを、たった2日間で作り、このプロトタイプで優勝したというものです。

なぜブロックチェーンなのか?

当社がブロックチェーンというところに、これほどまでに力を入れている理由を、今一度ご説明したいと思います。

私たちは、この「組織」という企業のみなさんのために、ソフトウェアを開発しております。組織というものは、20世紀にはこの資料の図で描かれるような「階層」があり、そこに「規律」があり、そして「統制」をされているかたちになっていたと思います。

これは会社だけではなくて、社会の構造もそうですし、ITの構造もそうなっていました。これが変わってくると、私たちは考えています。

ブロックチェーンは社会基盤に

クラウドの普及・そこでデータ連携ができることにより、「自律」して、「分散」していて、それでも「協調」ができるというオンデマンド型のプロジェクトの必要に応じて、組織を組むことができるようになると考えています。

資料の右側の図をご覧ください。例えば今、この緑色の組織ができていますが、別のプロジェクトですと、すぐに切れ、また別の組織を作る。そしてまた別のプロジェクトですと、別のスキルが必要なので、別の組織を作る。このように、オンデマンドで必要に応じた、最適な専門性を持ったチームを作ることができる。

こういった世界になるということを信じて、それを促進するために、私たちは「つなぐ」ということをずっとずっと続けているわけです。このような状況を作るために、データ連携およびクラウドだけでいいかというと、実は足りないことがあります。

仕事ということで考えますと、それが終わったあとに、支払いというものをしないといけません。また当然、仕事をする前に、契約・約束をしないといけない。ここに、実はブロックチェーンというものが効いてくるのです。

こういった組織を実現するということで、組織の動き、そしてプロジェクトの動き、そしてアウトプットも大きく変わってくると思います。

従来型の組織というものは、言ってみれば恐竜のような、動きの遅い組織。そして(ブロックチェーンがあれば)新しい自律・分散・協調の組織というものが、非常に早く、しかもアウトプットが非常に専門性の高いものになる。

ここに、どのようにブロックチェーンが貢献をするかというと、仕事が終わったあとに価値移転、つまり支払を行うことができます。ただ、データ連携ができないのです。それから、契約履行の自律自動化を行うことができます。

価値移転の自律自動化は、すでに今のブロックチェーンで行うことができます。そして契約履行の自律自動化は、今開発が進められております「Smart Contract」というもので可能になります。そして、これらはすべて中央管理が不要な仕組みで、民主的に行うことができるというわけです。

私たちはデータ連携でつなぐだけでなく、ブロックチェーンという新しい技術を持ってつなぐところに、力を入れています。

これは社会のインパクトでいうと、1年や2年で終わるものではありません。そのため私たちは、率先してこのコンソーシアムを作り、業界をリードして、5年・10年というスパンで、この社会を良くしていく。新しいかたちにしていくことに、貢献をしてまいります。

デザインサービス

次のトピックは、デザインサービスです。先ほども申し上げましたとおり、今回このデザインサービスは、業績の伸びを大きく支えるところです。その源泉は(2017年)4月20日に買収が完了しました、This Place社のサービスになります。

中期的なThis Place買収の狙い

このThis Place社は、現在の機能ファーストからデザインファーストにしていくために買収しました。そしてこれから熱をかけて、こういうソフトウェアを開発してまいります。これが、中期的なThis Place社の買収の、根本にある狙いです。

デザインサービスが⼤きく貢献

このThis Place社には、これまで行っている企業向けのデザインサービスというものがあります。顧客企業のブランディング戦略、ウェブやモバイルアプリのデザイン、ウェブやモバイルアプリの開発支援を行っております。

「Fortune 500」に入るようなグローバル企業をターゲットとして、実行しております。トータルで言いますと、今多くの企業に求められているデジタライゼーション。つまり、企業全体のデジタル化を支援する事業となっております。

欧州大手のスーパーマーケットチェーン企業・米国大手の携帯キャリア企業へデザインサービスを提供して、この第1四半期に大きな売上を上げております。

コーポレート(全社)

最後の項目になりますが、全社の動きです。全社の状況としましては、4つポイントがございます。

まず、先ほどからご紹介しております、This Place社の買収です。これは(2017年)4月に完了しましたが、700万英ポンドです。日本円になおしますと、約10億円の買収となりました。これに加えて、業績連動のアーン・アウト型となっています。

このアーン・アウトという方法ですが、基本的には業績連動となっております。買収前に「業績がこのぐらい出るよ」という計画があり、その結果に応じて払うというものです。

これまでの多くの買収は、「これからこれだけ収益が出る」というところで生み出されるキャッシュをもとに、買収金額を計算しています。非常に高くなる傾向がありましたが、このアーン・アウト方式を使いますと、先払いによる過払いを防ぎます。

ダメだったときに、「高い買い物になった」とならない。さらに、業績に応じて後から払いますので、経営陣のリテンションがあります。つまりこれが、「やめないように」というモチベーションになるということです。

2つ目のポイントは、自己株式取得でございます。こちらも、すでに開示しておりますけれども、合計で約2億円分を市場から取得しております。

用途としましては、将来のアーン・アウト方式の支払い。また、その他の機動的な活用に、これを充てさせていただきたいと考えています。

それから3つ目ですが、取締役の選任。当社の取締役は、任期が1年となっております。毎年、定時株主総会で取締役の選任があるわけですが、今回の株主総会にて、4名の取締役を選任させていただきました。

4名のうち、3名が社外取締役。社内は私だけという、アメリカ型の、非常にガバナンスの効いた構成となっております。

そして4つ目のポイントが、資金調達です。22億5,000万円の資金調達を完了しています。こちらは、新株予約権による調達です。以前に開示しておりますが、UBS証券株式会社さま向けに発行させていただいたものです。

1,000円・1,300円・1,700円という3段階で設定させていただいた新株予約権のうち、1,000円・1,300円の行使価格については、すでに交渉をされているということです。合計で22億5,000万円の資金調達が完了しております。

そして、まだ1,700円の新株予約権があります。こちらも調達をしますと、合計で約30億円という金額になります。これを目指して、現在調達を進めているところでございます。

結果としまして、今回資本金が約18億9,000万円と、大きくなってございます。この資金調達を、さらに今後の成長を加速させるために使っていきたいと考えております。

グローバルな経営陣

最新の経営陣について、ご紹介をいたします。当社の特徴の1つは、非常に国際色豊かな経営陣になっていることです。

資料の上の列が、取締役でございます。私の他は、社外の方です。元金融庁長官の五味(廣⽂)さま。それからシンガポール在住で、シンガポール大学教授の田村(耕太郎)さま。それから米国在住で、シリコンバレーのベンチャーキャピタルのCEOの(Anis)Uzzamanさま。

こういった方々です。非常に専門性の高い領域からお飾りではなく、毎回の取締役会で、いろんな意見を言っていただくという取締役となっております。

そして、執行役員です。こちらは私の他に、副社長の北原(淑⾏氏)。開発技術系のヘッドを務めております。そして新たに、This PlaceのCEOであるDusan Hamlin(氏)。そして、CFOの齊藤裕久(氏)。そして、Sim(Wong氏)は、中国の開発センター担当となっております。

このようなかたちで当社の経営を進め、これからも未来につないでいきたいと考えております。

未来へ「つなぐ」インフォテリア

そのために私たちは、「システムをつなぐ」「ヒトをつなぐ」「モノをつなぐ」。さらには、新たなデザインサービスなどを通じて「思いをつなぐ」ことを続けます。これからも、創業時から掲げております「ソフトウェアで世界をつなぐ」ことの実現のために、挑戦を続けてまいります。

今後ともご指導ご支援を、何卒よろしくお願いいたします。以上で、私からの説明を終了させていただきます。誠にありがとうございました。