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Yahoo!トップに「佐賀はアニメの聖地だ」 エンタメ×伝統文化の共演が地域を元気にする

Yahoo!トップに「佐賀はアニメの聖地だ」 エンタメ×伝統文化の共演が地域を元気にする

2017年6月28日、地域ブランディング協会が主催となったセミナー「東京・渋谷の街から考える エンターテインメント×地方創生」が行われました。同会にはエンターテインメント、音楽業界を牽引し、地域活性化にも積極的なヤマハとポニーキャニオンの事業者も登場。第2部となる本パートでは、ポニーキャニオンの村多正俊氏がアニメや伝統芸能で地域活性化を成功させた事例を語りました。

シリーズ
東京・渋谷の街から考える エンターテインメント×地方創生
2017年6月28日のログ
スピーカー
ヤマハミュージックジャパン 音楽の街づくりプロデューサー 佐藤雅樹 氏
ポニーキャニオン エリアアライアンス部 部長/地域共業ワーキング・チーム 座長 村多正俊 氏
シブヤ大学学長 左京泰明 氏
地域ブランディング協会 代表理事/Discover Japan 編集長 高橋俊宏 氏

【モデレーター】
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 芸術・文化政策センター長 太下義之 氏

日本人が一番ネアンデルタール人の血を引き継いでいる?

太下義之氏(以下、太下) すごいですね。ネアンデルタール人からエジソンまで、かなり広い、歴史的パースペクティブをお示しいただきました。ちなみにネアンデルタール人は音楽もやりましたけど、絵も描いてます。実はすごく芸術を愉しんでいたのではないかと言われていますね。 今、日本でもベストセラーになってます『サピエンス全史』という本がありますけど、どうやらネアンデルタール人を滅ぼしたのは、我々の祖先のホモ・サピエンスらしいという研究結果がこの書籍の中で紹介されています。 我々に、そういう芸術の遺伝子がちゃんとあるといいんですけども。 佐藤雅樹氏(以下、佐藤) 最近『Discover Japan』のほうでもDNAの特集がありますけど、どうも日本人が一番ネアンデルタール人の血を引き継いでいるんじゃないかっていう研究もあるみたいですね。 太下 そうですか、驚きです(笑)。ちなみにエジソンの紹介もありましたけど、レコードというと渋谷はすごく深いつながりがありますよね。これも古い世代の話になってしまいますけれど、宇田川町から神南一丁目のあたりの、本当に1キロ四方くらいの狭いエリアの中に、レコードショップ・CDショップが、一時は60軒以上ありましたからね。 今では多少減っているのでしょうけれども、それでもおそらく世界で最大規模のレコード店の集積ではないかと思います。よく外国人タレントの方が来ると、一生懸命あの辺でレアものを漁ってますよね。 そのくらい世界的にも有名なエリアになってますけど、そういう地区があるからこそ、おそらく渋谷系のようないろいろな音楽を参照しながら新しい音楽をつくっていくという動きが出てきたんだと考えています。そういった意味では、渋谷はエジソンとも繋がります。

シビックプライドの機運醸成

佐藤 街中からどんどん新しいものが生まれてくる街というのを、日本の中に持ってるんであれば、新しいものが生み出していけるのかなと思いますね。 太下 はい、ありがとうございました。ディスカッションは後でさせていただくとして、続きましてはポニーキャニオンの村多さんのほうからプレゼンテーションをお願いします。 村多正俊氏(以下、村多) 太下さんが渋谷レコ村のことをご存知だったので、ちょっとうれしかったです。僕はまさに、あそこでかってDJとかやってた世代なんで、すごくうれしい。 では、ポニーキャニオンはシビック・プライドというトピックに特化したところで私どもが体験した、またはサポートさせていただいたことについて、ここで共有をさせていただこうと思います。 私どもは自治体協業事業というものを2年前に立ち上げまして、今トータルでいうと30案件くらい、自治体や地域団体のお手伝いをさせていただいてます。 この中で佐賀県さんと、東京都港区さん、それから佐賀県唐津市ののNPO団体の3つでシビック・プライドに関わる案件をやらせていただきました。これらについて、ちょっと深くお話をさせていただきます。 シビック・プライドの機運醸成という言い方をしますけど、私たちは「自治体が仕掛けるもの」と、それから「自治体が、気づきを与えるもの」。さらには地元の人たちが、先ほど町の話が出ましたけど、「これを残さなきゃいけない」という目的で「自分たちで始めるもの」。この3つがあるかなと思っています。ではどういうものがあるの、と。

佐賀県のプロモーション、「佐賀を巡るアニメーション」

仕掛けたものは、佐賀県の「佐賀を巡るアニメーション」という、シビック・プライドの機運醸成のアニメーション事業。それから気づきを与えたものは、東京都港区の「文化芸術フェスティバル」。
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さらには自分たちで立ち上げたもの…これは佐賀県唐津市のNPO団体が手掛けた「唐津小唄」という歌の復活劇。この3つが私どもの経験したシビック・プライド事業と考えております。 では、佐賀県さんからお話をさせていただきます。佐賀県さんはみなさんご存知の通り、非常におもしろい広報・広聴、またはいろんなプロモーションをやられてます。その中で1つに携わらせていただきました。 所管、なんてことをかたく言いますけど(笑)、所管は文化・スポーツ交流局の文化課です。「自分たちの住んでる県の中にはこんなに素晴らしい産業があって、文化伝統が残ってるんだよ。県民のみなさん、ちゃんと理解してください」というところから事業がスタートしています。 ただ、現状ではこれがさらに進化していまして、これプラス交流人口を増やそうというような試みになっています。私どもは2015年、2016年にこれをやらせていただきました。2015年の事例についてお話をさせていただきます。有田町と武雄市、このふたつを舞台にしたアニメーションをつくらせていただきました。
(スライドに『約束の器 有田の初恋』の映像が流れる)
さらには2016年に、今年公開になったんですが、『ただいま 思い出の佐賀』というのと『おかえり 故郷の唐津』の2本をつくらせていただきました。 このタイミングで、民放の大ヒット・アニメーションがありました。『ユーリ!!! on ICE』ってやつですね。加えて県の広報広聴課がうまく仕掛けまして、『おそ松さん』とコラボをやったんです。これらすべてがうまく噛み合い、「佐賀はアニメの聖地だ」と、Yahoo!トップに掲出されました。こういう発信って素晴らしいですよね。

港区がゴスペルで元気に

続きましての事例が、東京都港区さんの「文化芸術フェスティバル」です。これはイベントの企画制作・運営をさせていただきました。所管は、地域振興課文化芸術振興係というところで、これは区民であったり、または在勤在学の方がプロのミュージシャンと一緒に練習して、最後の発表を赤坂のサントリーホールで披露するという素晴らしいプログラムなんです。 すでに事業自体は2010年からやっておりまして、今年やるもので第9回になりますね。7回と8回、私どもがやらせていただきました。共通のテーマは「ゴスペル」でございました。歌というのは敷居がすごく低いもんですから、しかも年齢層広くやれるということで区にご提案し、採用していただきました。 どんなかたちでやったかというと、「みなと区民まつり」という、港区最大のお祭りがあるんですけど、ここで名のあるアーティストにパフォーマンスをやってもらって情報解禁をし、ここから区のインフラと弊社のインフラで告知、公募をいたしました。 ちなみにパフォーマンスは2015年がつるの剛士さん、2016年は露崎春女さんに稼働していただきました。11月の最終週から土日2時間ずつ、一生懸命みんな練習するんですね。プロデューサーは、シンガーの有坂美香という人に立ってもらってます。で、2月に本番というようなかたちです。 (スライドに今年の文化芸術フェスティバルの映像が流れる) 実際、今年の状況です。下は小学校1年生から上は83歳までの方が、サントリーホールでこのような披露をしました。それは楽しそうでいい感じでしたよ。2015年の応募数も前年に比較し多かったのですが応募が3倍に!。これはなぜかというと、「おもしろいからぜひやってみなさい」と参加者がみんなが口コミで広げてくれたんですね、それゆえ、ですね。 さらに素晴らしいなと思ったのは、ここで知り合った、それまでまったくリンクのなかった人たちがこの事業を通じてグループを作りました。それで区の助成を申請しまして、ボーカル・グループでCJC(Come and Join the Chorus)というのを作って、今積極的にいろんなところで活躍をされています。 または、先ほど言いましたプロデューサーの「有坂美香がやってるグループに入れてください」って言って、難関を越えてメンバーになった人もいると。要はプロになっちゃったってことですね。こんな人もいました、というような事業でございました。

佐賀県唐津市NPO団体「唐津小唄」復活劇

そして最後に、佐賀県唐津市NPO団体の「唐津小唄」でございます。こちらは音源をつくらせていただいたり、広報をやらせていただいたりしました。もともと、昭和4年につくられたCMソングでございました。北九州鉄道、今のJR筑肥線のCMソングでございまして、北原白秋が書いて町田嘉章が作曲をしています。 鉄道がなくなっちゃったあとも、昭和まではずっと盆踊りとかで歌われてたんです。ただ、平成に入ってから一気に忘れられて今の50歳以下はその存在を知らない、って状況になっていました。 それを地元のだんな衆が、「なんとか残さなきゃいけない、次世代に継承して盆踊りで歌われる定番にしたいんだ」と言って、お寿司屋さんであったり旅館の女将であったり、みんなでお金を出し合って、日本で一番の三味線奏者の本條秀太郎さんという人を呼んで、地元の演歌歌手、六本木ヒロシさんをとコラボさせて。「ポニーキャニオンさん、ぜひこれをCDにしてください」と言われて、こういう歌ができたというところです。 これ、音が鳴りますかね。こんな感じです。僕も日本で一番の人のレコーディングだったんで、超緊張したんですよね。 (スライドに唐津小唄の映像が流れる) こんな感じです。結局、自分たちでお金出し合ってますけどノウハウがないので、ノウハウを貸したというかたちで。CDの流通は自主になります。 この事業で素晴らしいな、と思ったのは、このCDは自分たちで5,000枚刷ったんですけど、教育委員会に働きかけて市内のすべての小中学校に無料で頒布したということです。加えて唐津市の教育委員長を折衝して、「教材として活用する」と言わしめたんですね。それが県内のテレビや新聞で大きく取り上げられまして、市内の盆踊りでは今年から完全復活、というようなかたちになっています。 …なので、そんなこんなでみんなが唐津小唄を歌う状況を創出できたんです。昭和の文化が、ここで完全復活したというようなかたちになりました。以上の3つ、佐賀のアニメーション、それから港区文化芸術フェスティバルのゴスペル、そして最後にNPO団体の唐津小唄、こういうところがシビックプライドの機運醸成なんじゃないかなというところで共有させていただきました。以上でございます。 (会場拍手)

  
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