連結業績サマリ

藤崎清孝氏:続きまして、第2四半期の連結実績でございます。

右側の数字で表してありますように、売上高が100億2,900万円、営業利益が18億7,400万円、経常利益19億2,300万円という結果になります。売上高、若干の微減と。

そして利益については11パーセント減ということで、前年対比はマイナスということになりましたけれども、またあとで触れさせていただきますけれども、昨年はデジタルプロダクツ事業、とくにスマホのビジネスが上期のほうで若干特需的な要素があったということで、それが通常に戻ったという年でございます。

そういった影響と上場時の費用等がございまして、こういった数字になったということですけれども、当社としては予想の範囲内と考えております。

セグメント別増減

売上高・利益のセグメント別の増減の表がここに書いてあるとおりです。上が売上高、下が利益ということになります。縦で見ていただきますと、左側の四輪事業は増収増益となっております。そしてデジタルプロダクツ事業が減収減益ということで、先ほどの理由による減ということになります。

そしてその他情報流通事業では、若干減収になりましたけれども増益となります。そして一番右側がその他事業で、これは増収減益ということで、これは上場時のコスト等も含めてこういった数字になっているというところでございます。

四輪事業(概要)

それではセグメント別の状況についてお話しさせていきたいと思います。

まず四輪事業でございます。四輪事業は当社の32年間のオリジナルのビジネスということになりますけれども、現車オークション会場とは違って会場を持たないオンラインだけで行っているビジネスということです。

左上にあります中古車TVオークションが当社のルーツのオークションということになります。それにプラスして下にあります共有在庫市場、これはオークションにかける前に展示をしたまま、小売をしたまま業販もできますということで、リストのなかで売り買いをする共有在庫市場と。これも大きくなってきております。

そして真ん中にありますライブ中継オークション。これが先ほど触れました業界内のネットワークオークションというものですけれども、当社の会員店さんが当社のTVオークションだけではなくて現車オークション会場さんと提携しました。

オンラインで現車オークション会場さんと結んで、当社の会員店さんがリアルタイムに応札できるという仕組み、これを2000年からスタートしましたが、今は75以上のオークション会場と中継をしているということで、今や毎日オークションに参加できるという仕組みになっております。

そしてその下の落札代行サービスはアイオークという別会社を設けまして、オークネット会員とはまた別の定額の月額会費をいただいて組織している会員組織ビジネスということです。

これはリアルタイムに応札はできませんけれども、入札といいますか、この値段なら買いたいということでそれを代行するサービス、これも大きく伸びておりまして、全国125会場との提携によって行っているビジネスです。

そして一番右側が車両検査サービスということで、先ほど触れました検査という、見ないで売り買いするというビジネス自体を支えているのがこの検査サービスということで、現在170名の検査員が全国に配備して、1台ずつ車をチェックして情報化しているということで、安心して流通できるビジネスにしているというところです。

最近では検査自体は小売にも活用するようなところまでいたっているというのがこのビジネスということになります。

四輪事業(セグメント実績)

この四輪事業の実績ですけれども、ここにありますように今年の上期は増収増益という結果になりました。おもな要因としては右側に出ておりますけれども、当社の中古車TVオークションがバリューアップ出品という言い方、当社の造語ですけれども。

質の高い車、人気の高い車をしっかり集めようということで、いろいろな施策等を打ってきましたけれども、それが功を奏し始めまして、これが売上・利益ともに貢献し始めているということでございます。

そして次の共有在庫市場については、これも当社まさに業界内で初めてやってきた市場ですけれども、最近ほかの会社さまも真似してきまして、そういう意味では苦戦をし始めている状況であります。

その下のライブ中継オークション、落札代行サービスについては前年対比ともに順調に推移しているということで、増収増益という結果になりました。

四輪事業(セグメント実績)

セグメント実績のなかのKPIですが、右側の前年同期比を見ると、ほとんどが100パーセント超えておりますけれども、中古車TVオークションの出品台数が若干前年対比割っております。

これは先ほど言いましたように、良質車にしていくということで、内容をよくしているということで、こういう数字になっています。その成果があって成約台数・成約率は上がってきているというところです。

そして共有在庫市場についても先ほど触れましたけれども、若干他社も追随してきて苦戦しているということで、こういう数字になっているというところでございます。

四輪事業(重点取組事項)

そういうなかで、当社のオークションに関する戦略として取り組んでいる内容ですけれども、先ほど触れましたように、バリュー出品という良質な車をしっかり確保していくということで進めてきております。

良質車ってどういうものがあるのかというと、②に出ておりますけれども、冠オークションと。大手ディーラー・メーカーインポーターさんがつくりだす中古車といったものも提携しておりまして、このメーカーさんとかディーラーさんの名前をオークションにしたようなものもかなり大きく出てきております。

具体的にはヤナセさんですとかBMWさんですとか、AUDIさんですとかそういったところが当社提携してオークションをやっていると。これが大きくなってきております。

そしてもう1つ、3番目にありますさきどりオークション。リース会社さんとかレンタカー会社さんといったところも中古車をつくりだしておりますけれども、こことも提携しておりまして、とくにリース会社さんとは、リースアップが決まった車だけれどもお客さんはまだ乗ってる段階で、当社検査員がおもむいて検査してしまう、そしてオークションにかけてしまうということで、さきどりすると。

車が手元に戻ってきたときにはもう売り手が決まっているようなオークションをやっておりまして、これも非常に好評で伸びているというところで売れてきております。

それを支えていくのが1番目のバリューアップセンターということで、BPO機能を持った場所を全国7ヶ所に配備します。

大手の企業さんですとやはり中古車発生すると置き場に困るということもございますので、当社ここ数年こういった部分を整備して、このバリューアップセンターに入れていただいて、BPO機能だけではなくて車輌の加修ですとかそういった部分をして、より高く売れるようにするということで、非常に好評でして、この結果として右側にありますように成約率・成約台数ともに伸びてきているというところでございます。

四輪事業(重点取組事項)

それ以外に共有在庫、ちょっと厳しくなっておりますけれども、この拡大のための戦略ということも今手を付けておりまして、大手取引会員の囲い込み、あるいは競争優位性のある手数料体系ですとか、そういった部分で今進めているところで、少しずつ効果が出てきている状況でございます。

そして今年、オークションのシステムバージョンアップしまして、先ほど見ていただいた3チャンネルですとか、こういった部分も含めて今拡大しております。そういう意味で、システムの改善というものでも拡大の戦略の1つにさせていただいている状況でございます。

デジタルプロダクツ事業(概要)

続きましてセグメントの2番目、デジタルプロダクツについてお話ししたいと思います。

デジタルプロダクツ事業は、中古PCからスタートした事業でございますけれども、昨今では中古スマートフォン・タブレット関係が非常に急成長しております。

これもただ単にオークションにかけて流通させるだけではなくて、左側にありますように商品化も請け負っております。

出品端末の検査・評価するだけではなくて、下にblanccoと出ておりますけれども、これはデータ消去ソフトの名前ですけれども、世界的に普及しておりますデータ消去ソフトを活用して、個人情報等をしっかり消去して、安心して流通できるものにしているということで、このBlancco社と半々で会社、ブランコ・ジャパンというのも作って普及させているというところです。

そして、真ん中にありますようにこういった商品をオークションにかけ、そして右側にありますように、国内外でのバイヤーに流通しているということで、スマホに関しては大半が海外という流通をしているという状況でございます。この事業の業績ですけれども、先ほど触れましたように、今年は前年対比でいうと減収減益という結果になりました。

この主な理由、右側に出ております。先ほどちょっと触れましたけれども、昨年がこのスマートフォンの流通自体で特殊な需要があったということもありまして、そういう意味では、昨年がぐっと増えた年だったということで、その対比という部分では、今年その分減っているというところ。そして、もう1つ特徴的なのは、実は台数は減りましたけれども、取扱高は増えているんですね。

ということは、1台あたりの単価が高いものになっているということで、次世代への買い替えという部分の中で、質のいい中古が多く出回ったというのが、今年の上期です。

デジタルプロダクツ事業(セグメント実績)

ということで、売上高に関して高くなると収入も増えるかというと、そういった良質のものというのは、非常に簡単に流通できるということで、手数料自体がちょっと低いんですね。

そういうこともあって、今回、売上高もちょっと減になったというところです。スマホ以外の中古PC、その他デジタル機器については、順調に推移しているという状況でございます。

デジタルプロダクツ事業(市場環境)

このデジタルプロダクツ、とくにスマートフォン、これからどうなるのかということですけれども、この図にありますように、新品のスマートフォン、近年、年間に3,000万台という大きな数量が毎年出ております。

そういう中で、中古スマートフォンというのがこの下のところに出ておりますけど、10パーセントちょっとぐらいと、まだまだ中古スマートフォンというのは少ない流通になっているということで、これからもこういった台数自体は期待できるんではないかなと思っております。

世界的にも、右側にありますようにアジア地区でも、まだ成長しているという分野ということで、当社自体がこういった台数を確保するために、いろいろなバイヤーの開拓等を含めて、開拓していきたいと思っております。

その他情報流通事業・その他事業(概要)

続きまして、その他の情報流通事業についてです。その他の流通事業につきましては、ブランド品、中古バイク、花き、その他医療機器というのがございます。

その他情報流通事業(セグメント実績)

その他流通事業の実績でございますけれども、若干減収しておりますけれども、利益は増益という数字になりました。

この売上高がちょっと減収した理由は、中古バイクがやはり、この表にありますけれども、出品台数がちょっと苦戦しているということで、業界全体があまり成長していないということもあって、非常に成長の過渡期にきているなというところです。

ここがちょっと影響しているのと、それから花きも今年の上期は非常に天候の関係、あるいは輸入品が非常に増加して、市場単価が非常に下がってしまったということで、取扱高も低くなったということで、これが起因しているというところです。

増益になった理由というのは、ブランド品が好調だということと、それからバイクの方でコストダウン等も進んできているというところで、若干の増益という結果になりました。

その他情報流通事業(重点取組事項)

そういう中で、まずブランド品ですけれども、ブランド品はこの図にありますように、会員数、出品数、それから落札数ともに、順調に伸びてきております。こういった需要を吸収するために、バイヤーの確保ということが非常に重要で、右側にありますように海外のバイヤーも獲得するということで、一生懸命営業をしているという状況で。

今では、香港では50社を超えるバイヤー、最近ではシンガポールでも開拓してきているということで、これからまた伸びていく流通に関して、バイヤー等もつけて、しっかり対応できるような仕組みにしていこうと考えております。

その他情報流通事業(重点取組事項)

中古バイクにつきましては、先ほど言いましたように、ちょっと業界自体が下降線というところもありますけれども、そういう中でもやはり業界内でのシェアを拡大するということで、買取店の囲い込み等を含めて、獲得していくと。

デポ機能の充実といった部分で対応していきたいと思います。花きについては、会員ニーズに合わせた全国展開できるようなデポ機能ですとか、そういった部分の拡充。

そして、新会員体系ということを考えておりまして、こういった部分での買い手自体の拡大。そして、鉢物の贈答事業、こういった部分も含めて成長させていくということで、戦略として考えているというところでございます。

新規事業分野(重点取組事項)

最後のセグメント状況で、新規分野です。新規分野はこの5つほど掲げておりますけれども、1つ目の医療機器流通。これは国内の医療機器の流通ということも、年々、急激にはアップしておりませんけれども、伸びてきております。

それにプラスして、このインドのレンタル事業というのとで、写真にありますようにMRI、こういったものが輸出だけではなくて、向こうでレンタルをするということ自体、非常に需要があるということで、これもスタートしております。

2番目のRemarketing事業というのは、中古品だけじゃなくて、余剰在庫の換金という部分の流通が起こるということで、とくにEC企業等の余剰品、そういった部分の流通。これもスタートし始めています。そして、リファビッシュ品。これは、デジタル機器の関係が主ですけれども、再生品ですね。こういった部分の流通。

そして、4番目はコネクティッドフリートマネジメントと出ておりますけれども、これは車の検査のサービス、ビジネスから波及したもので、OBDというか、車のいろんなデータが取れる。そのデータを活用して、運行管理システムの普及というようなことも行ってきております。

そして、最後に不動産関係ということで、新たな事業分野になりますけれども、テナント向けの飲食店の物件情報サービス、「Tenant Book」というのを作りまして、これもスタートし始めているということで、これからもいろんな新規分野、事業という部分で、今掘り起こしをしているというところで、一つでも大きく伸びれば楽しみになるかなと思っております。

グローバル事業展開

グローバル展開としては、オークネット、日本を中心として、最近ではAUKNET HKが、これは日本における中古品を海外にという拠点に、今かなり貢献しておりますけれども、それ以外にも海外の国の中での流通ですとか、そういった部分も検討していきたいと思います。

AIS Chinaは、これは検査の関係が、非常に需要があるということで進めている。AUCNET USA、アメリカにおいてもスマートフォン、ブランド品等の流通という部分で期待できるということで進めようとしているという状況でございます。

成長戦略イメージ

そして、成長戦略のイメージとして、先ほど初めの方に話しました6つのビジネス、これを元にしながら、上のベクトルでは新規分野、新規開拓をして成長していく。

そして横のベクトルとしては、それを海外に進めていくということで、この分野進出しますと、当社、非常に流通改革をするというINNOVATION、これを起こして成長していくということで進めていきたいと思っております。

2017年12月期 連結業績予想

最後の、通期の連結の業績の予想でございます。通期の予想、売上高が213億4,600万円。営業利益が40億4,400万円。経常利益が41億1,400万円ということで、これは期初、上場時での予想と同じ数字を掲げさせていただいております。

前年対比的には、減収減益という数字ではありますけれども、当社としては目論見とほとんど同じということで、その分、下期でしっかりその数字を確保するということで、この予想どおりの数字にさせていただいているというところになります。

最後に、当社のブランドステートメント、「あしたの流通を創造する」と出ておりますけれども、当社自体がこれからの新しい分野等を含めて、流通改革をして、成長を遂げたいと思っておりますので、ぜひご期待いただければと思います。以上で、終わります。