「竜田一人がおすすめするソフトクリーム」

冨永氏(以下、冨永):こういう現場で働いていらっしゃった竜田さんなんですけど、けっこう福島に関して、いろんな情報をtwitterとかで発信されていらっしゃいますよね。ええ。twitterアカウントをフォローされてる方は、だいたい今の主な活動というのもご存じだと思いますけども、はい、次ですね(笑)。

お待たせしました(笑)。はい。「竜田一人がおすすめするソフトクリーム」!

竜田一人(以下、竜田):いろいろ行くと、けっこう道の駅とかに、必ずそこの産品を使ったソフトクリームっていうのがあって。それを食べ歩いているうちに、なんかソフトクリームハンターと呼ばれるようになって。

(会場笑)

それぞれ個性的でおいしいソフトクリーム、あるいは、正直言うとおいしくないソフトクリームとか、いろいろあるんですけど。

冨永:ちょっと凝り過ぎだろうみたいなものも。

竜田:そうですね。なんでこれを入れたっていうのが、けっこうあったりして。

冨永:前あった、青のりのソフトクリームっていうのはどうなんですか。

竜田:青のりはねえ、あんまり……でも、好きな人もいるんですよ。

冨永:あっ、いるんですね。

竜田:好きな人もいるっていう言い方をするということは、私はあんまり……(笑)。でも、あえて言えばそういうのがいいです。うまいのは当たり前じゃないですか、ソフトクリーム。

福島には美味しいものが溢れている

冨永:前に、悪魔的ってやってたパフェ。

竜田:はい、パフェ。

冨永:もう、ごらんになった方います? 福島の桃をこんなに、これでもかと言うほど入れてる。

竜田:桃は2個分が入っているっていう。

冨永:2個分なんですか!?

竜田:1個半だか2個だか。確かビッグっていうのがあって、それは2個。

冨永:悪魔的ですね。

竜田:飯坂のほうにある、まるせい果樹園の「森のガーデン」さんというところで。非常においしいので、もし行った方は食べてほしいと思います。

冨永:こういう情報で、夏休みを使って、「じゃあ、福島に行ってみようか」と。

竜田:そうですよね。

冨永:もう避難解除されてる区域も随分多くなっていますし、当然おいしいものがいっぱいありますので。今日はご紹介しませんけど、小名浜とか行くと、魚屋さんの開きがおいしいこと。メヒカリの開きなど泣けますね。

竜田:7月から禁漁になっちゃったので、今行っても生では食べられないですけど、たぶん開きもおいしいですから。

冨永:これだけ、ソフトクリーム引っぱっちゃって。

竜田:はい(笑)。

冨永:(竜田さんおすすめのソフトクリームの)ベスト2。第2位から。

(スライドに「道の駅はなわ ダリア」の文字)

竜田:変りダネですね。

冨永:これ、何に合いそうですか?

竜田:ダリアの花の、エキスかなにかを練り込んでるらしいんですけども、昔、ロッテからイブっていうガムが出てたの覚える方いますか? バラの香りがするガム。

あんな感じのフレーバーの、ダリアのソフトクリーム。もとのソフトクリームが、牛乳のソフトクリームが相当うまいので、このフレーバーのダリアも、かなりうまいです。

やみつきになる「サンシャイントマトのソフトクリーム」

冨永:なるほど。次は第1位。「道の駅四倉港のサンシャイントマト」!

竜田:昨日も食べたんですけどね。道の駅よつくら港。サンシャイントマトっていう、いわきはトマトが名物なので。そのトマトを使った、ソフトクリーム。これはたぶん、かなり好みがわかれると思います。私も最初食べたときは、ちょっと微妙かなと思ったんです。何度か食べてるうちに、今、1番好きですね。

冨永:ハマっちゃいました?(笑)

竜田:はい(笑)。なので、ぜひ1度と言わず、2度3度です、これ。

冨永:これ、オレンジ色なのは……。

竜田:写真の関係で黄色がかっているのですけれども、もうちょっと赤っぽい。

冨永:もうちょっと赤っぽいのね。

竜田:はい。トマトの色に近い。

冨永:なるほど、おいくらですか?

竜田:350円だったかなあ。

冨永:安いですね。ぜひ、みなさんもこの夏、四倉に行っていただいて、このトマトのソフトクリームを召し上がっていただければと思います。

竜田:近所でワンダーファームっていうところがあって、そちらもトマト(のソフトクリーム)を作ってくれるようになりました。それもまた、これとは違うおいしさがあります。ぜひとも、ソフトクリームを食べ比べていただきたいと思います。

『福島第一原発廃炉図鑑』を片手に探索を

冨永:ほかにもグルメの情報であるとか、レジャースポットの話なんていうのもご紹介したいなあって思ってるんですけど、そういう情報も。この……。

竜田:あ、『廃炉図鑑』。

冨永:(本を手に取り)『福島第一原発廃炉図鑑』の中ですべて紹介してますので、後ろで買えるので。

竜田:こちらも、開沼博さんとか、吉川さんとか、そういう当地でいろんな活動をされてる方と一緒に。

冨永:サーフィンのスポットの紹介だとか。

竜田:サーフィンスポットやそういったものまで、温泉とかね。そういう情報ばかりではなくて、当然ながら第一原発の中の様子、どういう作業をしてるかっていうのも、ちゃんと書いてありますので。

たぶん、これが今まで出た中で、あるいは今売っている中で一番、第一原発の廃炉作業及びその周辺に関しては詳しい、わかりやすい本だと思います。この機会にぜひともお買い求めいただけると、あるいはネットでご覧のみなさん、お近くの本屋さんで手に取っていただけると、うれしいです。

冨永:漫画にも出てきますけど、塩屋岬の歌碑。あれは美空ひばりさんの、スポットとしてはすごく風光明媚なところで。

竜田:そうですね。

冨永:はい。ぜひ、旅行に福島を選んでいただければなあと思ってます。

竜田:塩屋岬は非常にいいところ、灯台も非常に美しいですけど、その周りに豊間っていうところと薄磯っていうところがあって。その2つは、津波で甚大な被害を受けました。

今、そこからかさ上げ工事とか、防潮堤とか造って、復興工事の真っ最中です。そういったものも見ていただけると、より津波っていう災害に対する理解が深まるかもしれません。

当時は少なかったコンビニがどんどん増えていき……

冨永:はい。では、時間もありますので。実は昨日、「今日イベントがございますよ」というメールとともに、「質問のある方、よかったら質問してください」っていうのを送って。いくつか質問をいただいてます。

その前に、さっきやった第三双洋丸の歌の中に「さすけねえ」っていう、「さすけねえ」っていうのは?

竜田:説明をしないまま歌っちゃいました(笑)。「さすけねえ」っていうのは、差し支えないという言葉を、なまったらしいですけど、問題ないっていうような意味で使いますね。

で、「こでらんに」って言いましたね。こたえらんねえ。「うまくてたまんねえ」ねえみたいな、そういう意味です。

「おだつ」っていうのは、調子に乗る。だから、おだってんじゃねえ、ふざけんなみたいな、そういう使い方をすることがあります。

冨永:いくつか(質問を)いただきまして、順番に質問をさせていただきたいと思いますけど。まず6号線、『ROUTE6』を歌っていただいたんですけど、2012年のころは、まだコンビニとかがほとんどなかった。今、コンビニってどうでしょうか。

竜田:はい。2012年のころにあったのは、私が最初に行ったころ、Jヴィレッジのすぐ近くにあるファミリーマートだけだったですね。

1Fから南のほう、そこが最後だったんですけど、その後、広野町にセブンイレブンができて、その北になんと、24時間のファミリーマートができた。これはすごいことですね。

富岡にもローソンができたり、セブンイレブンができたりっていうので、どんどんコンビニが増えていって。今いくつあるか、ちょっと私も数えられないくらい。さらに、南相馬のほうにも新しくファミリーマートとか、浪江の役場の横にもローソンができて、浪江の町内にもまたローソンが。

なんかローソンが最近強いですね(笑)。で、ローソンが強い証拠に1Fの中に、第一原発の大型休憩所の中に、なんと(ローソンの)コンビニができております。

冨永:ただ、から揚げ君はないらしいです。

竜田:そう、調理がね。

さくらモールができてから活気的になった

冨永:調理ができない。歌にも出てきた、その「富岡は負けん!」っていうところ。富岡の交差点、左に曲がると東京電力の復興本社。

竜田:はい。

冨永:右へ曲がると、さくらモールですね。そこら辺はちょっとした、あれですよね。郊外のショッピングセンター。

竜田:そうそう。さくらモールができてから、あの辺も本当に変わりましたね。

あと、歌の中にヨークベニマルの駐車場とか、いつも自動車が4台、ずっと同じ位置に避難で取り残されて、あんなことになっちゃったけども、今はやっとそれが片付いて。

ダイユーエイトっていうホームセンターとツルハドラッグという薬局や、ヨークベニマルというスーパーもオープンしてて。さくらモール、行ってみるとおもしろいと思います。

冨永:あと、現場の食堂。食べ物とか、シャワーっていうのはどうなんでしょうかっていう質問が。

竜田:はい。こちらでも、さっき言ったローソンもある、大型休憩所。でっかい休憩所と食堂ができまして。

冨永:1食380円でしたっけ。

竜田:定食AとBとあって、そのほかに麺類とカレー。カレーが実はすごくて、カレーの種類が、毎日違うんですよ。

冨永:そうなんですよ。

竜田:1ヶ月間で同じカレーが出ないんです。キーマカレーだったり野菜カレーだったり。毎日通って、同じものを食べるっていうことがないように、いろいろな工夫がされてるらしいですね。

遊びに行くことで力になれる

冨永:その次の質問にいきます。映画化するとすれば竜田一人役は、俳優は誰がいいか。

(会場笑)

竜田:それは、福山雅治さん。

(会場笑)

冨永:ですよね、格好いいですね。なるほど。ギターも弾くし。

竜田:そうですね。ぜんぜんジャンルが違いますけどね(笑)。

冨永:で、ご自身がカメオ出演するとすれば、なんの役が。黒森建設の専務(とか?)

竜田:あー、専務にはちょっと貫禄がないですね。

冨永:何役がいいでしょう。

竜田:どうでしょうね。食堂のおばちゃんとかで出ると(笑)。

冨永:なるほど、わかりました(笑)。ちょっと、まじめな質問です。

竜田:はい。

冨永:今、1Fや福島にとって、なにが一番必要だと思いますか。

竜田:なにが必要……。

冨永:すごい難しい質問ですね。

竜田:難しいですね。なにが必要っていうような、難しく考えることはないんですよね。普通に見ていただけれるのが一番だと思います。「危ない危ない」って言うのは違うし、かといって、「もう大丈夫」って言うわけでもないし。

なので、ありのままに、データもそうだし、あるいはデータとかそんなに気にしなくて、工事の進捗とか、そういうものをあるがままに普通に見ていただくっていうか、普通の工事現場として見ていただければ、それが一番じゃないかなと思います。

冨永:その質問をしていただいてる方は、学生さんなんだそうですが。学生さん、若者になにかできることってありますか。

竜田:一番簡単なのは、遊びに行くことですね。観光でもいいし、行って現地の人と仲良くなってもいいし。行けば行ったで楽しいこと、あるいは、その裏に隠れてるいろんな微妙な事情みたいなものが、行って、人と話をすると見えてきたりする。

そういう経験をして初めて、自分がそこでなにができるか、本当になにをしたいのかっていうのが見えてくるかもしれないので、とりあえず行ってみろと、迷わず行けよ。行けばわかるさ。ありがとーっ!

冨永:ありがとうございます。(言動が)昭和ですね。僕大好きです(笑)。