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広報のキャリアはどう積み重ねる? 2人のスペシャリストが振り返る、自身の成長機会と転機

広報のキャリアはどう積み重ねる? 2人のスペシャリストが振り返る、自身の成長機会と転機

株式会社グラニが主催するグラスタアカデミー。第2回は「ベテラン女性広報が語る、若手の頃の勢いだけでは終わらせない広報術」をテーマに、株式会社サイバーエージェント・上村嗣美氏、リノべる株式会社・田尻有賀里氏が登壇。10年以上の広報経験があるベテラン広報の2人が、広報のキャリアやセルフブランディングについて語りました。

シリーズ
グラスタアカデミー > ベテラン女性広報が語る、若手の頃の勢いだけでは終わらせない広報術
2017年7月20日のログ
スピーカー
株式会社サイバーエージェント 全社広報室 シニアマネージャー兼広報責任者  上村嗣美 氏
リノベる株式会社 社長室広報担当  田尻有賀里 氏
株式会社SEAM CEO 石根友理恵 氏

広報の経験を軸に新しい強みを

石根友理恵氏(以下、石根) では続いての質問に移ります。ここからはお2人の「広報のキャリアと考え方」を詳しくおうかがいできればと思います。 お2人とも広報歴10年以上のスペシャリストですが、今まで躓いたことや、キャリアチェンジをしようなどと考えたことはございますか? 上村嗣美氏(以下、上村) こう話すとつまらないかもしれませんが、私は広報になる前に自分と同期とを比べて悩んだりすることが多かったんです。でもその悩んでいた時期を乗り越えてからは、一度そういうことを経験したから悩むことはなくて、広報になってから転職を考えたり「広報のキャリアでいいんだろうか」と考えたことは正直ないんですね。 やっぱりサイバーエージェントという、年間18社とか新たな会社を設立しているような環境で、どんどん新規事業が立ち上がっていて、B to B事業からB to C事業に、広告事業から始まってブログやゲーム、今はインターネットテレビもやっているし、事業内容が異なれば広報としても変化が必要になって。とどんどん拡大していくと、その規模に合わせて広報として対応しなければいけないことも変わっていく。 規模が大きくなる過程で、個人としても成長機会が増えていくので、それを楽しんでいたら15年が経っちゃったって感じなんですけれども、20代は広報立ち上げでなんだか無我夢中で、30代はマネジメント経験をしたりとか、あとは広報としてのスキル……。スキルアップって言葉はあんまり好きじゃないんですけど、より経験を深めてきた感じだったんですね。 来年、40歳になるんですけれども、40歳になった時にこれからの自分のキャリアをどう考えようかと。広報のプロとかスペシャリストというものがしっくりこない、って言ったらおかしいんですけど、広報というものを自分の軸としながら、そこから派生して、広報という経験や、強みを活かして、チャレンジの幅が広げられたらなと。 それは広報以外のことをしたいというわけではなくて、もしかしたら広報視点を活かして、別の新しい領域と掛け合わせたことができないかなとか。 1つ広報として作った経験や強みを軸に、「韮」という漢字みたいに新しい強みを横にどんどん広げられる、そんな40代になれたらいいなと思っていて。 広報という仕事は、単に記事を露出していきますとかじゃなくて、世の中の目をどうやって社内に反映させていくかというような、社内コンサルというと言いすぎかもしれないですけど、そういう立場になることが今後さらに求められると思うんですね。 そういったことを自分が体現できたらいいなと思っています。なので、今の延長ではなく、もっと幅が広がっていく。そんな10年にしていけたらいいなというのが今思っていることです。 石根 広報の立ち上げから現在の規模まで、ずっと広報をされてきたというキャリアのなかで、1人広報からメンバーが増えていき、メンバーをマネジメントするようなるにつれて、どういう変化がありましたか? 上村 まず自分の変化で言うと、自分がこうして成功したからこれが正解、というところだけじゃなくて、その広報担当者1人1人のやり方だったり強みを尊重して、どう広報組織全体として強くなっていくか、というのがけっこう自分のマネジメントとして求められる変化だったり、28歳の時に初めてマネージャーになった時は苦しんだところとしてはありました。 「私はこういう経験をしてきて、こういうやり方をしたから、絶対こうすれば成功するよ」というのを押し付けたりしたら結局その人の強みもなにも発揮されないし、結局自分の小さい版って言ったら失礼かもしれないですけど、私以上に成長できないので、それじゃあ広報組織として意味がないというか、強くなれない。 そこは自分のなかでマインドチェンジがすごく必要だったのと、あとやはり1人広報だと大抵のことはすべて自分のなかに蓄積されていて、また業務に追われていたということもあり、仕組み化したり、誰が見てもわかる状況にできていなかったので、それを整備するということも行いました。 例えば掲載記事もいつ取材をして取材の経緯や担当記者さんの情報とか、そういったものをきちんとデータベース化したり、過去の会社の歴史、プレスリリースを出していない情報までもきちんとデータベース化したり、といったことですよね。

広報の地位を上げたい

石根 わかりました、ありがとうございます。では続いて田尻さん、お願いいたします。 田尻有賀里氏(以下、田尻) はい。そうですね、私が広報のキャリアを歩み始めたのは2007年にグリーに入社したときからです。まだグリーがソーシャルゲームを始める前の時期です。従業員数は30人くらいで、赤字が続いていて、このままいったらこの会社は潰れるんじゃないかっていう状況でした。そこが企業広報のキャリアのスタートでした。 私も入社当初、実は秘書と兼務で入社したんですね。それまで、化粧品のPRの経験はあったのですが、企業広報も秘書もまったく経験がなくて、サイバーエージェントで働く大学時代の友人のツテを辿って上村さんを紹介してもらい、お話を聞きに渋谷まで会いに行ったのが、実は上村さんとの最初の出会いです。 (会場笑) 田尻 紹介とはいえども、いきなり知らない人からメールを送って「ランチをしてください」と言ったにも関わらず、上村さんはすぐアポイントを設定してくれて、ランチをご一緒しました。そのときは本当に憧れのお姉さんという感じだったので、初めてお会いする時もすごく緊張していたのですが、上村さんはすごく優しくて。今日初めてこういう機会で一緒に登壇したのですが、すごく嬉しいです。上村さんは私にとって広報のキャリアのスタートした時からのあこがれの人です。 ただ、1人広報で入社して、自信はなかなか持てなくて。広報の結果ってすぐ出ないということはみなさん日々感じていると思うのですが、やっぱり評価してもらえる機会っていうのは始めて1年とかはなかなかなかったです。 そういう時に、今やっている仕事でいいのだろうかとか、掲載は増えてるけど社内的にちゃんと自分はキャリアアップできているのかどうかとか、けっこうそういうことで悩んだ時期がありました。 26になる歳でグリーに入社して5年間いたのですが、20代の間は「キャリアチェンジするなら最後かな」とかふらふら頭の中では思ったりはしていました。結局辞めなかったのですが。 どこでそれを脱出したかというと、やっぱり評価され始めたからというか、先に外の人から評価され始めたんですよね。「最近こういう露出増えてるね」とか。そうすると、広報という仕事がおもしろくなって。 外からの評判ってタイムラグはありつつもやっぱり中に入ってくるんですよね。役員や社長が外を見たときに、露出だったり作ってきたブランディングとかを評価してもらえる機会が増えてきて、そうすると広報の仕事のおもしろさを感じられてきました。そこからは明確な目標じゃないですけれど、「広報でやっていこう」と腹をくくって、今に至るという感じです。 まだまだこれからなのですが、私は今2つくらい目標があって、まず1つは将来は広報の担当者の育成などを通じて、広報の地位を上げたいなと思っています。 最近はベンチャー企業でも専任の広報を置く会社が増えていますが、やっぱり広報ってまだまだ会社のなかで、総務と兼務だったり、秘書と兼務だったり、管理部門のおまけ的なポジションだったりすることが多々あるんですよね。お給料の水準でいっても広報って職種だけでみると高いほうではなかったりします。 専門職としてもっと認められてもいいのになと思っているので、そういう意味で、若手の育成に関わっていけたらいいなと思っているのが1つです。 もう1つは経営をドライブするための要素として、広報の専門家的な視点での提言っていうのをもっとできるようになりたいなと思っています。もっと経営をわかるようになりたいですし、そういう目標をもっています。 最近、堀江さんが書かれた『多動力』という本に書かれていて、元リクルートの方が発信している有名な言葉なのですが、どの分野でもずっとやっていれば100人に1人の人材にはなれると。でもその分野を2つ持っていたら100×100で1万だと。それを3つ掛ければ100万分の1の人材になれると。 その言葉がめちゃくちゃ刺さって、広報で100人に1人の人材になれているかどうかはわからないですが(笑)、私は広報の分野でそれを目指して、他の分野でも100人に1人の人材になれるようなものを今後作っていって、100万分の1の人材にいつかなれたらいいな、なんて最近思っています。

広報のセルフブランディングについて

石根 わかりました、ありがとうございます。では最後の質問に移らせていただきます。「広報のセルフブランディング」というテーマです。 最近、IT企業の広報に、自身が前に出てしっかり会社のPRをするという手法をされていらっしゃる方がいらっしゃるなか、「セルフブランディング」について、お2人のお考えをおうかがいできればと思います。 上村 例えばその会社の商品が非常にその広報のイメージに直結する、例えばアパレルとかコスメとかそうだと思うんですけど、そういったもの以外だとなかなか直結しにくいなか、私はそんなにセルフブランディングとして、自分が知名度を上げたいみたいな欲はないんですね。価値のある人材にはなりたいと思うんですけれども。 ただ、なんで本を出したのかというと、これは育休から復帰した時に「本を書かないか」とお話をいただいたんですけれども、復帰してグループにも広報担当者がものすごく増えてきて。やっぱり1人1人に教えるとかOJTみたいなことが難しいなと考えた時に、「過去にこんなことがあった」「こういう考え方でやったらいいかも」って、押しつけるわけじゃないですけど、成功失敗含めて「私が経験したこと」みたいなことを一気に伝えられるいいチャンスだなと思って、本を書いたということがあります。 あとは自分が話していることややっていること、考えていることをこうして言葉に出していくことで、常に考える機会があり、自分の成長機会にもつながる気がしていて。 だから私に限ったことではなくて、当社の広報担当者でも、例えば広報内で自分がためた知見や経験をシェアしたり、アウトプットする場を作ることで自分の強みを見つけたり、オリジナルの広報担当として成長する機会を作りたいなと思っていて。そんな感じですかね。 石根 わかりました、ありがとうございます。続いて田尻さんよろしくお願いします。 田尻 私もそんなにセルフブランディングについて意識はしていないです。ただ自分が個人名で指名で取材や講演をいただく時に、それを受けるかどうかの基準は、それに出ることで会社のミッションに合致するかどうかというのを判断軸にして意思決定しています。なので、会社が変わるとその基準も変わります。 「キラキラ広報」っていう言葉がちょっと何年か前に流行って、若い女性の広報っていうだけで「キラキラ広報」と言われていて、実際に若い広報の方と話していると「すごい嫌だ」っていう話を聞いたりしましたが、逆にそれを利用してうまく露出につなげている方もいたり。PR会社だったらまた話は別なのですが、企業広報である以上会社のミッションに合っていれば「キラキラ広報」もありなんじゃないかと思います。 ただPR会社さんだったり、フリーで活動している広報マンは、セルフブランディングは営業ツールだと思うので、またまったく別物かなと思います。

広報間での情報共有はどうする?

石根 わかりました、ありがとうございます。では質問は以上になります。ありがとうございます。 ではなにかご質問がある方は挙手でお願いします。 質問者1 弊社は現在3名で広報を行っています。以前は事業部制にしていて、B to C、B to Bと分けていたんですけれど、そうすると隣の事業がわからなくなるという問題が生じてしまって、今一旦事業部制をやめています。サイバーエージェントは10名くらい広報がいらっしゃって、田尻さんが以前お勤めだったグリーはも複数名の広報がいらっしゃったと思うのですが、広報間でのの情報共有はどうされていらっしゃいますか? 上村 はい、私たちは事業ごとに広報担当をわけているんですけれども、週1回広報担当が集まって定例ミーティングをしていて、役員会のフィードバックと、あと各事業のもちろんプレスリリースだったりトピックだったり、それぞれの担当役員がどういうことを言っているかとか、そういったことまで共有をしています。 あとは単なる共有だけじゃなくて、自分の担当領域以外もテーマを出してみんなでアイディア出しみたいなことをやっていて、自分の担当外のことでも、「このネタどう出そうか」という壁打ちを全員でしたりとか、そこで当事者意識を作るということをやっています。 田尻 そうですね、私も担当はわけていても、事業部に広報をおいているわけではないので、社長室だったり広報室だったり、担当は違うけれども同じグループの中にいるので、情報は同じレベルで入ってきます。 同じレベルの情報を誰が担当するかっていうだけの割り振りにしているので、情報をその人しか持っていない、その事業部の担当の人がその事業部のことしか知らないという状況はないようにしています。 なので情報レベルは全員一緒です。ただ担当の人がいて、誰が担当するかだけという仕組みでやっています。 石根 他にご質問あるかたいらっしゃいますか? 大丈夫ですか? ありがとうございます。ではこのあと交流会になります。みなさんそちらで登壇者のお2人も参加していただきますので、追加のご質問などは聞いていただければと思います。上村さん、田尻さんありがとうございました。 (会場拍手) 8_2 8_1

  
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