犬や猫にチョコレートは危険
オリビア・ゴードン氏:犬を飼っている方なら、チョコレートが犬に悪影響を与えることを聞いたことがあるでしょう。それは猫やラット、マウスのような他のペットにも当てはまります。けれど、そんなのフェアじゃないですよね。
なぜ私たち人間は巨大なダークチョコレートバーを食べることができるのに、フィド(犬の名前)は一口も食べてはいけないのでしょうか。
それは、炭素、水素、窒素および酸素原子で構成されているテオブロミンと呼ばれる分子に関係性があります。またチョコレートのパートナーであるカフェインは、人間が何千年もの間チョコレートを愛し続けてきた理由の1つです。
どちらの分子も犬にとって危険ですが、チョコレートにはカフェインよりもテオブロミンが多く含まれています。だからテオブロミンこそが気を付けるべき分子なのです。
テオブロミンは、カフェインと同様にアルカロイドの一種であり、一般的に少なくとも1つの窒素原子を持った環を含む巨大分子です。アルカロイドは人間や他の動物に生理的影響を及ぼすことが多くあります。カフェインのように、テオブロミンは心臓の動きを速くさせるため、血管が拡張し、筋肉の一部がさらにエネルギーを増加させます。
これは一見、良いことのように思えますよね。しかし摂取量が多すぎると、心臓の動きを速くさせすぎてしまい、筋肉は制御不能となり、吐き気、痙攣、心臓発作、さらには死に至ることもあります。
幸いにも私たち人間は、味蕾のおかげでテオブロミンを素早く処理できるので、心配する必要はありません。ただ、まれに長い間体に残ることがあり、何らかの害をもたらすこともあります。
不幸なことに、ペットは私たち人間とは違います。彼らはテオブロミンを素早く処理できないので、簡単に蓄積してしまい危険な影響を引き起こす恐れがあります。
人間のテオブロミンを消化する機能がなぜ発達したのかは明確ではありませんが、アルカロイドは主に植物に由来し、その植物を祖先が猫や犬に比べてたくさん食べていた可能性があります。
理由が何であれ、同量のテオブロミンはペットの体に長く留まり、さらに蓄積されて害をもたらします。それに加えて、ほとんどのペットは人間よりも体重がかなり軽いので、少量のチョコレートでも病気になり得ます。
猫は甘いものを味わうことができないので、基本的にチョコレートに興味がなく中毒になることはあまりありませんが、犬は違います。
平均的な人間の成人の場合、致死量に達するには約8キログラムのダークチョコレートを食べる必要があります。しかし中型犬はたった約1キログラム、また飼い猫はたった約100グラムで致死量に達します。
甘いミルクチョコレートはテオブロミンが少ないので、致死量はダークチョコレートより多くなり、犬の場合は約5キログラムで猫の場合は約1キログラムの約3分の1になりますが、それを食べ終える前に病気になるでしょう。
一方、人間の場合はミルクチョコレートだと体重の約半分を食べないと致死量に達しません。
これは素晴らしいことかもしれませんが、「挑戦を受けて立とう」とコメントするのはやめてくださいね。食べ終えるまでに、吐き気に襲われますから。
次回、自分を甘やかすためにチョコレートバーを食べるときは、子犬のような可愛い目で見つめられても絶対にペットには与えないようにしてください。