2017年度 第1四半期 業績サマリー 【前年同期対比】

池谷光司氏:まずは2ページでございます。こちらで第1四半期の業績サマリーを前年同期対比でまとめております。

昨年度、燃費不正問題で業績が大きく落ち込みました。しかし今期は第1四半期の3ヶ月間を通じて、V字回復を継続いたしました。

第1四半期の業績といたしましては売上高が4,409億円、営業利益が206億円、前年同期と比べて4.5倍となりました。また四半期の純利益につきましては230億円でございます。

販売台数ですが、現地生産化したアウトランダーが好調な中国を中心に販売を伸ばし、その他SUVやピックアップトラック、軽自動車の販売も堅調でございまして、24万1,000台と9パーセント増となりました。

第1四半期末でのネットキャッシュポジションは4,893億円でございます。(増益率は)30パーセントになります。

2017年度 第1四半期 営業利益増減分析 【前年同期対比】

次の3ページをご覧ください。前年同期対比での詳細な営業利益の増減分析についてお示しています。ご覧のとおり、昨年の46億円から206億円で、160億円増加いたしております。

内訳といたしましては台数・車種構成等で欧州での在庫調整等もございまして、販売卸売台数の減少、あるいは中近東での在庫調整等マイナス要因がございました。

アセアン・北アジアで順調に販売を伸ばしたことに加え、日本での回復もございます。最終的に26億円の増益となりました。

販売費用は米国を中心にインセンティブが増加したこともあり、55億の減益となりました。

日産自動車とのシナジー効果を含めたコスト低減等で、第1四半期84億円の改善がございました。このうち日産自動車との購買を中心としたシナジー効果、購買については35億円になります。これは実数値でございます。

また、為替につきましては、タイバーツの悪化が大きく影響して75億円の減益となりました。

そこに為替の内訳がございますが、わたくしどもはタイバーツ支払いが多いので、このような局面ですと逆に効きます。

北欧通貨等のその他通貨でもマイナスが出ており、トータルでいいますと前年度対比でマイナスになっております。

一方で市場措置費用です。昨年度タカタのエアバック関連費用を第1四半期に、だいぶ積みましたので、その反動で208億円の増益になりました。

市場措置等を除いても台数・車種構成等、コスト低減等で大きく増益に寄与したと思っております。

営業利益率推移 ~V字回復のトレンドを堅持~

最高益であったFY2015と昨年と今年の営業利益率の比較をしています。15年度が当時大幅な円安で121円程度の影響があり、年間で6パーセントの営業利益率を出しました。

それが昨年の上期に燃費不正の影響で大きくマイナスになり、下期が300億円以上の増益ということで3.5パーセントを出しました。これを今期を続けるかたちで、今回4.5パーセント(資料では4.7パーセント)で出させていただきました。

2017年度 第1四半期 BSサマリー

次に5ページ。BSの概要です。現金預金につきましては税金の支払いや賞与等、特有の季節要因もございます。昨年度末より376億円ほど減少しました。

引き続き5,196億円(資料では5,192億円)を保有しております。自己資本比率は若干上がりまして、48.8パーセントという状況でございます。

いずれにしても、手元資金を有効な成長投資にアライアンスの中で振り分けるということがわたくしどもの課題でございます。

そのような観点からも今期下期に向けてR&D設備投資等の増強をしてまいります。

2017年度 第1四半期 小売台数実績 【前年同期対比】

こちらが小売台数の前年同期対比です。(小売台数実績が)24万1,000台ということで前年同期対比で9パーセントの増加になりました。

燃費不正の影響で落ち込みました日本での(小売台数の)回復。

それから中国においては現地生産車のアウトランダーが好調で販売増に寄与しております。これら合わせて24万1,000台ということになります。

2017年度 第1四半期 地域別実績:日本

次の8ページ以降、地域ごとに全需と併せ、わたくしどもの台数の推移とトピックについて少しまとめております。

まず日本(での小売台数)ですが、9,000台増加して1万9,000台ということで、足元の販売台数の燃費不正以前の2015年度の第1四半期が1万8,000台でしたので、ほぼそのレベルまで回復してきたという状況でございます。

既存の車種の商品力の向上対策として、4月に「デリカD:5 ACTIVE GEAR」を出しまして、非常に受注も好調でございます。(もともと)500台程度を予想し、現在では2,000台ほどの受注の予想ができております。

それから7月20日、先週に「アウトランダー ACTIVE GEAR」も投入しまして、さらなる商品力強化を図ってまいりたいと思ってます。

また電動ドライブステーションにおいては「アウトランダーPHV」の付加価値の訴求を続け、さらに待望の「新型コンパクトSUVエクリプス クロス」を今年度中に投入。

以上を通じて、ブランドの再構築を図っていきます。国内販売の立て直しに向けて真摯に取り組んでいきたいと思っています。

上期は年度を通じて新車が必ずしも出るとは限りませんので、この間とにかく損益の草案を練っていくことが非常に重要だと思っています。

2017年度 第1四半期 地域別実績:アセアン

次に9ページ。アセアン(ASEAN)の販売が引き続き好調です。前年同期に対して8パーセントの増加、5万4,000台ということで市場の伸びを上回る実績となりました。

国別に申します。主力のタイでは需要の回復に加え、わたくしども独自に信頼感向上を狙ったサービスキャンペーンの効果もあります。また「ピックアップトラック トライトン」を中心に販売も回復してきております。

さらに販売網の抜本的な改善にも取り組んでおりまして、台数を今後も伸ばしていく予定でございます。

フィリピンはトヨタさんに次いで、第2のシェアを持っているマーケットでございます。「パジェロスポーツ」が大きく台数を伸ばし、前年対比で52パーセント増となります。

また2月に「ミラージュG4」、6月からはミラージュの現地生産を開始し、引き続き高いプレゼンスを維持しながら好調な自動車市場での拡販に取り組んでおります。

インドネシアはご覧になったと思いますが、ラマダンの時期が少しずれたということもあり、全体の需要が第1クォーターは少し落ちています。

当社もそれにつられて販売台数減少となっていますが、わたくしどもの計画は堅調に推移しております。4月に立ち上げた新工場で、すでにパジェロスポーツの現地生産を4月から始めております。

これに加えて10月に待望の新小型MPVを投入する予定で生産および販売の準備は鋭意進めております。昨日も現地でマスコミの方々にPRさせていただきました。

2017年度 第1四半期 地域別実績:北アジア

10ページですが、こちらで北アジアとくに中国ですが、昨年8月に現地生産化したアウトランダーを中心に好調な販売が持続しており、前年同期比43パーセントの大幅な増加となりました。

今後も広告宣伝の強化によるさらなる拡販、また新規ディーラーの開業促進、これは16年度末に210店舗だったものを17年度末までに300店舗に増加させるということで進めて順調に来ております。

また店舗当たりの販売台数の増加を図っていきまして、シェアの拡大にさらに取り組んでまいりたいと思ってます。

2017年度 第1四半期 地域別実績:北米

11ページ。北米で主力車種のアウトランダーが引き続き販売を伸ばしています。

一方その他の車種では、全般的なインセンティブの上昇など厳しい販売環境が続いており、採算を重視した販売施策を実施しており、全体としては前年同期をわずかに下回る結果となりました。

今後もわたくしどもとしては効率的な販売施策を継続し、ディーラーのモチベーション向上、また市場でのプレゼンスの改善に努めてまいりたいと思っております。

それから年度内に「アウトランダーPHEV」の投入を米国で計画しております。わたくしどもPHEVのリーディングカンパニーとしてアメリカでの参入ということも、よく図れると思っております。

2017年度 第1四半期 地域別実績:欧州

12ページでございます。欧州ですが、わたくしどもが相対的に強いドイツで販売台数を大きく伸ばしたということと、イギリスにおいても堅調な販売を継続しております。

一方で北欧等その他の国では、アウトランダーを中心に競争激化に伴い、台数が若干伸び悩んでおります。地域全体としては前年同期対比で2パーセント減少ということになりました。

車種別には「ASX」、ミラージュが順調に販売を伸ばしておりまして、アウトランダーPHEVも前年並みに推移しております。

一方で需要が回復基調に入ったロシアについては、現地生産を強化してさらに販売台数の増加に取り組み始めたところでございます。

2017年度 第1四半期 地域別実績:その他地域

13ページをご覧ください。オーストラリア・ニュージーランド、わたくしどもはもともと強いマーケットで近年も安定的な販売が続いております。

この第1四半期も当社が得意とします「SUV」とピックアップトラックを中心に、着実に販売を伸ばしております。

とくに5月より展開したプロモーションおよび広告宣伝の効果が出ておりまして、6月には単月としては過去最高の販売台数9,300台を達成しています。

引き続き当社の強みであるオーストラリア・ニュージーランドマーケットで拡大基調であるSUV、「LCB車種」の販売に注力してまいりたいと思ってます。

中南米・中東アフリカとも厳しい販売環境が続いております。当社の販売は、ようやく底打ち感が出始めていると認識しております。

2017年度 通期見通し 【前年度対比】

通期見通しでございますが、5月9日の決算発表時に発表いたしました公表数字からは今回変更はございません。

売上高5パーセント増加の2兆円、営業利益700億円、営業利益率3.5パーセント、当期純利益680億円を想定しております。

また販売台数については前年度対比で11パーセント増の103万台を目指していきたいと思ってます。

2017年度 第1四半期業績の総括

16ページをご覧いただいて、こちらで第1四半期の総括ということで2010年からの第1四半期の営業利益・利益率の推移をまとめて比較しております。

ざっとご覧いただけますように、過去2010年度から16年度までの6年間の平均が、営業利益が133億円、利益率が3.0パーセントということで、今回の第1四半期はこの水準を大きく上回る結果となりました。

ご存知だと思いますが、2014年に6パーセントという利益率達成しております。この時はユーロが140円、タイバーツが3.15円という状況でございましたので、この影響を疎外しますと過去に比べてかなり高い達成と認識しております。

この要因としましては、昨年の日産との資本業務提携以降、経営管理の仕方大きく見直して、月次の損益管理を非常に徹底してPDCAを回すということをやってまいりました成果が着実に出てきているということがあると思います。

また、日産自動車とのベンチマーキングを徹底できる分には徹底しています。とくに購買を中心にシナジー効果が加速してきたと認識しております。

もちろん下期にむけて新車の本格的な販売、それからコスト等も設備投資R&Dも大きく出てまいりますし、為替の動向も含めて、よりきちっと全力で取り組んでまいりたいと思っています。

17ページ、18ページ以降いくつかトピックとしまして挙げさせていただいております。

新商品の投入

18ページでございますけれども、こちら下期にかけて今年度出す新車でございます。、左側が「New Small MPV」で、インドネシアの新しい工場で秋以降生産し投入する小型MPVでございます。

基本的にはわたくしどもらしいSUVとMPVを融合させた新コンセプト車ということで、現地で求められています乗員7名が快適に過ごせる居住性といいますか、多様なニーズに対応すること。

それと同時に、できるだけ細部にわたって日本のものづくりの精神で取り組んでいきたいということをコンセプトにしてます。

また、右側が次世代のクロスオーバーとしてエクリプス・クロスを欧州で今年度内に販売を開始し、全世界の展開を進めていきたいと思っています。

アライアンスの進捗 : シナジー効果

次に19ページですが、アライアンスの進捗状況ということで、すでにクロスカンパニーチーム32チームを発足させ、各ファンクション、各地域分野でシナジーの創出を徹底的に議論をおこなってきております。

すでに共同購買、ローカリゼーションの新案、工場の共同活用共通プラットフォーム、技術共有等で日産自動車との協力関係を密なものにしてきております。

各業務分野では32チームの中でさらに共同購買、物流、技術共有化等のエリアで成果を上げたいと思っています。

先ほど申しましたようにシナジー効果、今年度250億円と打ち出しております。購買については約1パーセントですが、期ごとに追うかたちで伸ばすようになっております。

第1四半期に出した35億円というのは、わたくしどもの予算的に予定以上に出ていると認識しております。

アライアンスの進捗 : 販売金融・物流

次の20ページ。ご案内のようにわたくしどもは体力的にも販売金融は基本的にやってこなかったわけですが全世界で日産自動車の販売金融子会社の活用ということで、ずっと進めてきておりました。

すでにオーストラリアで6月から、カナダ・ニュージーランドで7月からということで、『MITSUBISHI MOTORS FINANCIAL SERVICES』という三菱の名前を冠したかたちでの卸売・小売の金融サービスをスタートしております。

7月25日、わたくしどもタイでは現地銀行と長らくやってきているわけですが、こちらでも日産自動車のファイナンスカンパニーを本格活用させていくということでスタートしてきております。

さらに今後もASEAN等も含めて10ヶ国程度での活用を検討してまいりたいと思っております。また、オーストラリアでは共同の倉庫を新設して、物流の共同化も推進してまいりたいと思ってます。

次期中期経営計画について

最後に21ページですが、次期の中期経営計画につきましては秋に正式発表ということで、今、最終調整をしております。

先般もお話し申し上げてますように、基本的な方向性としましては19年度までに販売台数を125万台、わたくしどもはずっと100万台クラスできておりましたので、大きくボリュームのほうも上げつつ、営業利益率について安定的に6パーセント以上を目指す方向で、今最終調整を進めてる状況でございます。

いずれにしましても今後とも改革の手を緩めることなく、さらに日産自動車とのアライアンスを深めて、規模の成長と収益のV字回復実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思ってます。

長くなりましたがわたくしの説明、以上で終わらせていただきます。