IVSで優勝すると会社が潰れる!?

真田哲弥氏(以下、真田):では吉田さん。

吉田浩一郎(以下、吉田):2012年のスプリングにローンチパッドに出て、おかげさまで優勝させていただきました。その時は、サービスリリースから3、4ヶ月後だったので、売り上げとしては2、30万っていう感じでした。そういう意味では何百倍、何千倍っていう規模だと思います。

真田:その後、何ヶ月後で黒字転換しましたか。

吉田:今も赤字ですけどね(笑)。

(会場笑)

というのも、2012年の6月のローンチパッド優勝後、2014年9月の上場前に、一度クォーターで黒字を出しています。

真田:僕の記憶では、当時吉田くんが出た頃は、「IVSで優勝すると会社が潰れる」というジンクスがありまして。

(一同笑)

吉田:これ、オフレコじゃなくて大丈夫ですか。

真田:僕、IVS初代からずっと審査員をやってまして、最初の頃に優勝した人ってだいたい倒産してるんですよね。

吉田:(笑)。

真田:本当ですよね。実は。最初のころはけっこう危なかったですね。

吉田:鈴木さんは何年に優勝ですか?

鈴木健氏(以下、鈴木):僕は2007年です、初代。

吉田:ぜんぜん元気にやっていますね。

真田:そういう人もいた。その後、IVSで優勝した人で上場第1号ですか。

吉田:私の記憶が確かならば、恐らくそうでしたね。

真田:ですよね。そのあたりからIVSに出るといいらしい、という風向きが変わってきたということで、ちょっと鈴木さんに。

鈴木:僕は2007年なので、初代ですね。IVSの最初のローンチパッドで出場させていただいて、満点で優勝しました。

真田:素晴らしい!

(会場拍手)

鈴木:ありがとうございます。拍手を待ってた(笑)。

その時はSmartNewsではなくて、「NOTA」っていう別のサービスで発表したんですね。Flash版のWikiみたいなものなんです。NOTAっていう会社は洛西君っていう超天才プログラマーがやっていて、今はGyazoをだして、すごくうまく伸びています。

思い出としては、当たり前ですけども、とにかく今と違ってローンチパッドの知名度がなかったわけです。そもそも当時は、日本にローンチパッドみたいなイベントはなくて、田中さんとかも、はじめてこういうのをやりたいんだみたいな感じで、レベルとかも今に比べれば高くなかったんですよね。

ただ、その準備のときに、田中さんがすごくいいアドバイスをたくさんくれて、どんどんデモがブラッシュアップされていったっていうのを、よく覚えていますね。その時のその優勝の商品が……今だと商品がすごいじゃないですか。高価なブライトリングの時計をもらえたりとか、AWS何百万円分とか、そういうのがブワーっとあるじゃないですか。

当時はですね、初代だったんでたぶんスポンサーがつかなかったと思うんですけども、8万円分のお寿司の金券。

(会場笑)

真田:それ何? お寿司をおごってもらえる、以上。みたいなそういう感じですか(笑)。

鈴木:とてもありがたい話なんではあるんですが、お寿司だけだったんですよね。だから、チームのメンバーで寿司に行こうと言ってたら、ローンチパッドを見にも来なかった当時ウノウ、今はメルカリの山田進太郎が寿司だけ食べに来たっていう、これが思い出です。

真田:(笑)。はい、ありがとうございます。佐々木さんお願いします。

プレゼンを見て徹底的に研究

佐々木大輔氏(以下、佐々木):僕は2013年ですかね。吉田さんの2回後でありまして、徹底的に吉田さんのプレゼンを研究した結果、優勝することができました。

(会場笑)

吉田:ぜんぜんウケてないです。

佐々木:(笑)。でも本当に、吉田さんと光本さん(バンク株式会社CEO)のプレゼンがYouTubeに載っていたので、それを見て徹底的に特訓したというのは、すごく覚えています。あとは、当日プレゼンテーションをする順番で、ユナイテッドの手嶋さんが「CocoPPa」でプレゼンをするために、僕の隣に座っていたんですよ。

手嶋さんは僕が博報堂にいた時の、ある意味すごい伝説の大先輩で。僕は話したことがなかったんですけれども、「ずっと会いたかったんです」という感じでずっと手嶋さんと喋っていたら順番が来ちゃって。どうしよう、どうしようみたいな感じになったのを覚えています。

吉田:私、佐々木さんとけっこう旅行したりするんですけど、佐々木さんの話でおもしろかったのが、なぜ今のビジネスモデルを選んだかっていうのを、私に教えてくれた話があるじゃないですか。

佐々木:なんですかそれ。

吉田:BtoB分野で、「クラウドソーシングは……」っていう下りの。

佐々木:ああ! なぜ今のビジネスモデルを選んだかっていうのはですね、実はfreeeを起業する前に、僕がGoogleにいた時のボスがオランダ人だったんですけど、「1ヶ月ぐらいは休め、ヨーロッパ人は1ヶ月休むのが当然だ」と言うんで、オーストラリアで1ヶ月くらいゴルフばかりしていたんです。

その時に、「いや、なんで僕はこんな消費ばかりしてるんだ」と、「なにかもっと世の中に貢献しなきゃいけない」って、そういう貢献できるネタを考えていて。その時にクラウドワークスみたいなアイデアと、あとは今のfreeeみたいなアイデアと、2つ考えていてですね。

真田:もし佐々木さんがそのクラウドワークスをやっていたら、今ごろ吉田浩一郎くんはここにいなかったってことですね。

佐々木:いや、違うんです(笑)。丁度そんなことを考え始めた時に、ポンとクラウドワークスのプレスリリースが出たんです。これを始める人がいるなら、僕もクラウド会計ソフトを早く始めたほうがいいなと思って、それで「よしやるぞ!」となったのを、すごくよく覚えております。

真田:なるほど。じゃあそのIVSに出たころと今とを比較して、売り上げとか、あるいは従業員数とかは何倍ぐらいになってます?

佐々木:売り上げはIVSローンチパッドに出た時はですね、プロダクトは動いていたんですけど、課金する機能が付いてなかったんですね。なので当然売り上げもなく……でしたと。

従業員数で言うと、当時は6人でしたかね。今は300名以上なんで50倍か。あとは資金調達額で言えば、当時シードラウンドで5,000万円ぐらいあったんですけれども、今累計100億円近くに達しているので、どれぐらいですかね……200倍です。

真田:200倍! IVSに出た後は、何ヶ月後に黒字転換しましたか?

佐々木:黒字化は、まだ大型の資金調達をしているとおりですね、まだまだ先行投資をしていこうと。

真田:まだまだ先行投資をする。流石ですね、すごいですね! ローンチパッドについて聞きました。

仲氏はIVSのスタッフ経験者

次に、なんと仲さんはローンチパッド以前にスタッフとして参加していたとおうかがいしました。IVSはたくさんのスタッフのみなさんに運営していただいてるわけですけども、僕もボランティアだと聞いたんですけども、当時はなぜスタッフに参加しようと? 参加してなにかいいことありました?

仲暁子氏(以下、仲):当時、札幌に住んでたんですよね。そこで、「Magajin」っていうWebサイトをやったんですよ。運営してて、それをローンチパッドに出したいと思って、マーケティングできる場所がないかなと調べて検索したら、たまたまIVSがヒットしたんですね。

申し込んで行ったら、まだちょっとそのサービスの完成が間に合ってなくて。ただ英語ができたんで「だったら通訳やっちゃいなよ」みたいな感じで言われて、確かにと思って参加したっていう経緯ですね。

真田:スタッフをやってる時、参加者からナンパされましたか?

:ナンパの形が違いますけど、「うちで働かないか」みたいな熱いオファーは、いろんな、ほうぼうから受けて。結局そこで声をかけていただいたFacebookに入ったんで、そういう意味では、たくさんナンパしていただいたかもしれないですね。

真田:よかったですね。なるほど、スタッフの特典はそれでしたね。

:そうですね。そうかもしれません。

真田:本当かいな(笑)。はい、ということで、あまりウケなかったんで次にいきたいと思います。今度は会場に聞きたいと思います。ちょっと会場の明かりを上げることできます?

それでは、ちょっと会場のみなさんに挙手で聞きたいと思います。今回、初参加の人ってどのぐらいですか?

(会場、多めの挙手)

けっこう初参加ですね。はい、ありがとうございました。下ろしてください。参加してからまだ3年以内という方、手を挙げてください。

(会場、一部挙手)

初参加の人の方が多いですね。はい、手を下ろしてください。5年以内という方、手を挙げてください。もう少なくなってきましたね。それ以上、もう6年以上参加しているぞっていう人、手を挙げてください。おっさんばっかりですね。

(会場笑)

当たり前か(笑)。ちょっといいですか。参加してる方で20代の方、手を挙げてください。20代、多いですね。はい、手を下ろしてください。30代の方、手を挙げてください。なるほど、30代が一番多いですかね。

(続いて40代、50代の参加者が手を上げていく)

ありがとうございます。ついでに聞いていいですか。照明、もうちょっと暗くしてください。この中でICCにも参加してる方、手を挙げてください。

(会場笑)

これ、一応オフレコでここに映しちゃだめですから、顔がわからない程度に。はい、手を下ろしてください。じゃあ、B Dash Campにも参加してる方、手を挙げてください。

(一同笑)

ああ、なるほど。一応、顔が映らないように配慮しておきましたので。ということで、ちょうちん企画はまだ続きますよ。