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社会に潜む“子供の孤独”にどう向き合うか? 自分にできることを活かす「柔らかい仕組み」の必要性

社会に潜む“子供の孤独”にどう向き合うか? 自分にできることを活かす「柔らかい仕組み」の必要性

貧困や虐待の連鎖を予防する仕組みづくりを行うNPO法人PIECESと株式会社CAMPFIREの提供するクラウドファンディングサービス『GoodMorning』が、孤立した子どもたちに安心できるつながりと居場所を提供することを目的に「子どもをひとりぼっちにしない」プロジェクトを開始。それに伴い、2017年3月30日にキックオフイベントを開催し、「孤立した子どもをどう社会に接続するか」をテーマにトークセッションを開催しました。トークセッションには株式会社CAMPFIRE代表取締役社長の家入一真氏、社会活動家の湯浅誠氏、PIECES代表理事の小澤いぶき氏が登壇。それぞれの立場から感じる社会と子供たちの関係性について語ります。

シリーズ
「子どもをひとりぼっちにしない」プロジェクト リリースイベント
2017年3月30日のログ
スピーカー
株式会社CAMPFIRE 代表取締役社長 家入一真 氏
社会活動家/法政大学教授/PIECESアドバイザー 湯浅誠 氏
NPO法人PIECES 代表理事 小澤いぶき 氏

コミュニティユースワーカーの役割

小澤いぶき氏(以下、小澤) 逃げていいよという大人とか、いろんな選択肢があるんだよとか、ちゃんと、あなたが少し溜めを作れるまで一緒に待つよ、みたいな大人を、私たちはコミュニティユースワーカーとして育成をしています。 そういった人を作っていくということで、どうやったら孤立が防げていけるのかなとか、そういった人と一緒に、どんな資源とか仕組みがあれば、より多く、より広く、子供たちがひとりぼっちになるというのをなくしていけるのかなぁというのを、私はすごく知りたいと思っているので、そのへんをぜひお2人にうかがえたらと思います。 湯浅誠氏(以下、湯浅) コミュニティユースワーカーって何なんだって話もありますけど。 小澤 そうですね。 湯浅 専門家っぽい名前じゃないですか。そうした人たちが自分で抱えられるケースというのは、どうしても限界があるので、やっぱり、コーディネーターとして振る舞えるようになることが大事なんじゃないかと思うんですよね。 自分で抱え込むことは、やっぱりどこかで限界があるから、その人がつなげられる先、それはいろんな地域の人とか、いろんな資源とか、特技とか、先ほどの料理の先生とかね。そういうことをやりたい人にはそういう人、みたいなかんじで、つなげられる先がいっぱいあるというのが、たぶん大事で。 みんなが波止場みたいになる、「ちょっとウチに寄っていけば?」みたいな状態が作れると、そこのコミュニティユースワーカーの負担も重くなりすぎないし、ここがダメであっても、あそこがあるよって言いやすいし。 その先がないと、今度、コミュニティユースワーカーにしがみつくみたいなね。ここが切れると本当に居場所がなくなっちゃうみたいなかんじで。結局それって、誰が出てきても、行き止まりがあると、そういうふうになっちゃうと思うので。その先があって、いろいろ入れ替えられることが大事なんじゃないかなという気はしますね。 小澤 そうですね。コミュニティユースワーカーだけが抱えないようにするために、やっぱり、チームで一緒に関わるとか。その先の資源につながるところまでの一定の流れを作っていくのはすごく大切にしたいなと思っていて。私たちはみんな人間なので、たぶん、子供にも頼り先が必要で、コミュニティユースワーカーにも頼り先が必要で。その人が、いろんな頼り先の中で、子供が自立していくみたいな。 湯浅 (来場者には)行政の方もおられますが、行政とか専門家と言われる方がきついのは、そこなんじゃないかという気がするんです。行政も、もはやコーディネーター的に動かないと、自分たちでは抱えきれないんですけど、それをやると無責任だっていう話になって、怒られちゃうんですよ。 小澤 そうですよね(笑)。 湯浅 専門家の人もそうで、もちろん専門家にしかできないことってあるんだけど、それが、お前らの仕事だろっていうかんじで見られて、やって当たり前、失敗すると袋叩きみたいな状態になると、やっぱり保たないだろうなっていう気はしますね。それがわりと気兼ねなくやれるのは、民間のいいところじゃないですかね。 小澤 うんうん、そうですね。 湯浅 コミュニティユースワーカーは、「なんだお前は!」って、きっと言われないでしょう? 「あんたも大変ねぇ。がんばってるねぇ」って言われるよね? 小澤 世界からの承認がちゃんとそこにあるのは、本当に。人はそれがないと、続けていくときに社会からも認められる……なんか、何をやっても責められるみたいな状況だとなかなか続かないと思うんですけど。

セーフティネットにはレイヤーがある

家入一真氏(以下、家入) さっき駆け込み寺っていう言い方をしましたが、リバ邸をやっていく中で悩んだのが、本当にいろんな方々が来るんですよね。 さっき、見た目は普通だけど、実は追い込まれている子とかって言いましたけど、そういった子もいれば、本当にメンタルが全部ズタズタになっていて、もう本当に、なんて言うんですかね、リバ邸とかじゃ救えないような子も来ちゃうし。 それですごく悩んでいたときがあって、これどうしたらいいんだろうみたいな。一般の人からも、「これはすべてを救える仕組みなのか」みたいに聞かれることもあるので。それで、どうしたもんか悩んでたんですけど。 それこそ湯浅さんにおっしゃっていただいたのか、「セーフティネットにはレイヤーがあるんだよ」みたいな話をしていただいて。湯浅さんだったかな? 湯浅 私、あのときは……ま、いいや。この話すると長くなるから(笑)。 家入 え、なんだっけ(笑)。リバ邸でできること、リバ邸じゃできないこともたくさんあると。リバ邸ができることがここらへんだったとすれば、それでできない人が来た場合に、それを「できるよ」って言ってしまうと、結局そこにいる子たちもみんな不幸になって、来た人もみんな不幸になってしまって、なにもできなくなってしまう。全部が崩壊してしまうと思います。 だから、適切な場所に誘導してあげて、ちゃんと流してあげないと、みんながダメになってしまうよっていう話を受けたことがあって。 湯浅 それがさっき言った、裏メニューとしての生活支援ということじゃないですかね。ここでは手に負えないと思った人を、その状態に応じてつなげられる先をみなさんが持ってると、こういう場合はここに聞いてみたらいいんだなとか思うけど。 やっぱりそれがないと、自分たちのこの人数、このメンツの中で、なんとか解決しなきゃって思ってしまうと変な方向に行くというか。そこからアイデアが生まれることもあると思うんですけど。だけど、ときどき変な話になったりもするよね。

「柔らかい仕組み」の必要性

小澤 そもそもその人にとって、本当にそれが幸せかどうかというところもありますし、その中で解決したということが。 湯浅 やっぱり提示できる解決策って、限られてるよね。そこの人たちだけだったらね。 小澤 その点で、やっぱりコミュニティユースワーカーっていう、市民とかちっちゃい単位で、享受をちゃんと作っていくところなのかなと思うんですけど。その先に、困難があったときに解決できる専門家だったり、行政の人だったりとか、それが成長して日常につながっていくときの企業との連携とか。かなり幅広い全方位でのつながりというか、柔らかい仕組みになっていくといいのかなと思います。 湯浅 柔らかい仕組みになるといいので。たぶん、今日来られている方もそうですけど、みんながこういうふうに考えてくれたらいいんじゃないかと思うのは、左手に、そういう大変な困難を抱える子供でもいい、若者でもいい、人によって高齢者を思い浮かべたほうがリアリティを感じるという人はそれでもいいので思い浮かべて。 それで、右手には、自分の人脈とかスキルとか、なにか持っているもの。お金かもしれないし、お金はないけど、けっこういろんな友達がいるでもいいし、そういうスキル、自分の持っている資源を思い浮かべて。何かできることあるかなぁって考えるっていう時間を、みんなが持てるといいなと思うんですよね。 家入 あ~。 湯浅 なかなかそういうのって、改まって考えないと、考えないよね。 小澤 そうですね。 湯浅 なので、そうしてみると、案外、さっきの丸山さんのお話じゃないですけど、料理ができて、こういう話があるんだったら、自分のスキルを使えるんじゃないかとか、自分で場を作るところまで一足飛びにいかなくても、ちょっと来て手伝ってくれるだけなら受け入れられるよとかね。

自分ができることを見つめ直す

湯浅 ぜんぜん話が脱線しますけど、この間、少年院の子が退所が決まった前日に、1日だけインターンシップをするというのがあるんですって。1日だけ受け入れてくれればいい、だけど、それを、なかなか受け入れてくれる人がいないので、いつも決まったところにしか行けないんだっていう話を聞いて。 1日くらいだったら、別に、一緒にくっついてもらって、なにか手伝ってもらえば、1日くらいだったら受け入れるよって言ったんですけど。そんなことでもいいですよね。 小澤 そうですね。その人ができることって、いろんな範囲というか、1日で考えるとけっこうあったりしますね。 湯浅 あると思いますね。たぶんこういうところで、例えば、さっきアライさんがずっとしゃべってたけど、アライくんみたいな、「このために仕事辞めました!」みたいな人がしゃべってると、「いやぁ、辞めらんねぇな~」みたいな話になるんだけど(笑)。 あの間尺に合わせようとすると無理だっていう話になるから。そうじゃなくて、自分の手に持ってる資源を見直すみたいなことをやると、案外、そこにヒントがあるんじゃないかな。 小澤 そうですね。そういう場って作っていきたいですね。足立区とかでも作っていけたらいいなぁと。 湯浅 もちろん、ものすごく個別化するので、つなぐことは大変になってくると思うんですよね。この人は水曜日のこの時間だけは大丈夫です、とかね。この人はこれだけはできます、この人はこれだけはできますって、ものすごいバリエーションの集合になるので、それをうまくつないでいったり、活用したりするのは大変だと思うけど、まぁそこはがんばってください(笑)。 小澤 (笑)。なるほど。 小澤 改めて、自分の資源を見つめ直す場って、それもさっき言っていた時間みたいな話にもなってくると思うんですけど、今の社会の中で少ないなぁって。 湯浅 あえて作ってみないと、なかなか考えないと思いますね。 小澤 子供がちゃんと時間を作れるようになっていくのを、大人がちゃんと時間を作っていくのは、すごく大事ですよね。 湯浅 「子供はかまってもらう時間が必要だ」「じゃあ、大人にそういう時間はあるのか」っていう。そういう問題なんじゃないかと思うんですよね。

  
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