弁護士の登録を抹消したのは「いらないと思ったから」

丸尾宜史氏(以下、丸尾):マルチワークというのは、うちも会社としては積極的に受け入れたり、取り組んだりしたいと思っている分野でもあります。

そして最後、「肩書にとらわれない」です。山田さん、弁護士を辞める人ってあまりいないと思うんですけども?

山田邦明氏(以下、山田):はい、ありがとうございます(笑)。

丸尾:どういった考え方なんですか?

山田:そうですね……。実は弁護士を目指したきっかけもたいしたものじゃなくて。僕の中では「こういう弁護士になりたい」があったと思ってたんですけど、なること自体が目的になってたなっていうのがあったんです。それに対して、思い入れっていうものがあまりなくなっていたのが前提としてあってですね。

その後、「でも、やっぱりなんだかんだ1万時間ぐらいかけてとった資格なんで」と、どこか僕が頼ってるところがあったと思う。「山田の話は聞かないけど、弁護士の山田の話は聞く」がずっとあった。それはなんかこう、「頼ってたな」って思ってたんですけど。

まあ、本当にいらないものを捨てていく流れで、「これがないと、僕生きていけないのかな?」と考えた。その時に「そんなに困らないな」と。……なんかこう、名刺を出して「あ、弁護士さんなんですね」って言われるだけだな、と。僕の中では特に困るのがそこしかなかったなと思ったんです。

(やめることで)僕が今まで身につけた能力がなくなるわけでもないし、「元弁護士」と名乗れば、「弁護士なれるぐらいの能力あったんだな」と見てもらえるのかもしれない。「実は弁護士にとらわれていた自分がいた。じゃあ、いらなくない?」ってなったのが最近です。そして、この5月ぐらいに登録を抹消したんですね。

丸尾:なるほどですね。なかなかの価値観だと思います、いわゆる弁護士業界としてはね。

山田:(笑)。最近、ブログを書いたんですけど。そのブログを書いたら、だいぶ年上の弁護士さんからいろんな相談のメールが来るようになって(笑)。

丸尾:相談のメール(笑)。

山田:弁護士の相談を受ける人になってて、それはけっこういいなって思ってますね(笑)。

丸尾:ありがとうございました。

ローカルの仕事は増えているが、拠点は東京

じゃあ、次のセッションに進んでいくんですけど。「ハタラク場所」っていうことで、首都圏、ローカル、首都圏とローカル両方とか、いろいろあったりします。

私はおもにローカルで仕事をしています。もともとは都会で仕事をしていたんですけど、田舎で働くのは、自分にもマッチしていてですね。僕は故郷の岡山で働いているっていうこともあって、そこでやっていること自体が動機であり、働く理由になっています。

中原さん、本社って今どちらなんですか?

中原寛法氏(以下、中原):岡山県井原市に実家があるんですけれど、そこが本社でして。税理士さんから「東京にもカタチとして作ったほうがいいよ」と言われたので、東京にも事務所があるっていう感じです。

丸尾:本社は井原にあって、東京に事務所があるっていう感じなんですね。

中原:そうですね、はい。

丸尾:どれぐらいの比率で働かれているんですか?

中原:場所で言うと、もう9対1ぐらいで東京です。

丸尾:あ、そうなんですね。

中原:はい。実家は事務所に戻るついでに変える感じですね。結婚する前は月1〜1.5ヶ月に1回くらい帰省して、そこから1週間くらい過ごしていたんですけれど。

最近ではエーゼロさんなど、岡山での仕事が少しずつ増えてきたので、前より変える時間は増えています。

丸尾:ローカルでの仕事をすることが多くなってきている。でも、拠点としては東京?

中原:そうです。岡山県以外でのローカルも含めると、前よりは少し増えてはきています。

丸尾:仕事のステージとしてのローカル、っていう話ですね。

中原:そうですね。

丸尾:けっこう行かれたりするんですか?

中原:そうですね。今日も熱海に行ってきました。ちょうどこういう、近しいような話でして。

丸尾:そうなんですね、なるほど。わかりました。

ちゃんと情報をキャッチすれば「田舎者」にはならない

山田さん、もともと東京で働いていて、今は田舎に行っているとのことでした。その違いはなんですか?

山田:先ほど話した「捨てる」の要素に、東京での生活があります。僕の中では大事だったんですけれど。大学時代に茨城県の筑波大に通っていて、東京に友達も多い。そこにいることでのスピード感は、明らかに地元と違いました。

さらにその後、京都に行ったんです。当時感じたのは、京都はすごくのんびりしていて「俺、この程度の情報のキャッチアップだったら東京でバリバリやっている」「魅力的に働いている友達との差がやばい」だったんです。

だから、20代のころから「東京という場所と切り離してはやっていけないだろうな」と思っていました。

でも、今地元に帰ってみると……この時代だとあまり困らないですね。技術的な発展もあると思うんですが、それと同じくらい、こちらでもいい友達がたくさんできたからだと思っています。情報をちゃんとキャッチしていれば、田舎にいても「田舎者じゃない」となる。簡単に言うと、そう思えるだけの情報がここでも手に入るようになっているんです。

丸尾:つながり次第で?

山田:そうですね。そういう人を1人ちゃんと作っておくってことが、東京と田舎にいることを等価にしているなと思いますね。

丸尾:なるほどです。松森さん、サイボウズではもともと東京で働かれていて、その後、大阪、今は岡山にいらっしゃいます。なにか違いとかってありますか?

松森知里氏(以下、松森):そうですね、生活の違いぐらいだと思っています。車がないと大変とか、車の運転がみんな乱暴だとか(笑)。

丸尾:あまりウィンカーを出さないですからね。

松森:「ウィンカーはオプションだ」って聞きました(笑)。

(会場笑)

そのへんぐらいですね。

丸尾:なるほどですね。「ウィンカー出せ」という指示が書いてありますからね、岡山県って。「ここから出せ」みたいなのが(笑)。どれだけ出さないんだ、みたいな。

松森:そうですね(笑)。この小道をそのスピードで走るか、みたいな(笑)。その自信すごいな、みたいな(笑)。自信家が多いですね。

丸尾:なるほどですね。

仕事があれば地元へ帰れる?

首都圏とかローカル、両方ともメリットがあると思うんですけれども、今、首都圏で働かれていて、「これからローカルのほうに拠点を移したい」「増やしたりしようかな」と思われている方とかはいらっしゃいますか? 「これからローカルに興味があるよ」っていう方。

(会場1名のみ挙手)

丸尾:(挙手者に向かって)今、どう考えられてますか? 

松森:(笑)。

丸尾:すいません、お願いします(笑)。

参加者1:今、東京で仕事をしています。実家が岡山なのですが、今年はまだ帰っていないんです。6月に帰ろうと思っても、仕事があって帰れない。「岡山で仕事ができれば帰れるのかな」と思っていて、それを探そうと考えているんです。

丸尾:それはあれですか。仕事やりながら副業……みたいなかたちで考えているんですか?

参加者1:それでいうと今、もう起業して人材紹介の会社をやっているんですけれども。最近は育成研修とかいろいろやっています。そういったところで地方と関わりができるかなと考えているんです。例えばUターンとか。岡山で就職したい人がいれば、そういったところで関わりを持てるんじゃないかと個人的には考えているんですけれども。

丸尾:なるほど。仕事のフィールドとして、岡山のほうでやるような仕事をどんどん増やしていきつつ……なんですね。

参加者1:そうですね。用事を作りたい、っていう感じですね。

丸尾:よくそれは聞きますね。「仕事を作ってくれたら帰るよ」「仕事を作って帰りたい」は、よくお話とかしたりする人もいらっしゃいますね。わかりました。

山中さん、ちょっといいですか? そろそろ向こうにも……今、東京ですよね?

山中茂樹氏(以下、山中):山中と申します。僕はもともとフリーランスでエンジニアをやっていまして。あと俳優業とかもやっていたりします。まあ、両方やっていたんですけど。

それを東京で会社にしました。家は横浜に引っ越したんですけれども。

僕の出身は、岡山県の備前市日生町です。丸尾さんとは1年前に電話で「地元に拠点を持ちたい」と話していたんです。なんて言うんですかね、岡山市内よりもっと田舎の方でサテライトオフィスというか、コワーキングスペースのような拠点を持ちたいと思っているんです。

東京にはすごく来たくて来たんですけれど、時代的にも感覚的にも、自分の中にある「東京ピーク」は過ぎたなという感じがしているんです。

例えば徳島県神山町とか岡山県西粟倉市とか、限界集落のようなところにすごい人が集まったりする現実というか流れがあります。自分自身も、それに惹かれているなと思っているんです。

東京で仕事をしているし、ハワイなど海外の仕事もしているんですけれど。そういうものをすべて持って岡山でやれたらおもしろい。

あと、地元にいる友達とか、岡山の知り合いも……。そういう意識がない人も何人かいるんですけれど。一緒にやればなにか新しいことができるんじゃないか。東京でやるより岡山でやったほうが、より仲間も集まるんじゃないかと思っているんです。そういうことに自分がワクワクしている。それをやりたいなと思っています。

自分が地元に帰る口実にもなる。自分の居場所を作りたいという裏の……本音の部分があります。本当に、自分の場所を作ろうと思っているんです。

(会場笑)

丸尾:はい、ありがとうございました。

田舎の廃屋=海外から見ると「最高じゃないか!」

ローカルと首都圏を行ったり来たりするっていうパターンもあったりすると思うんですけれども。オーティスさんなども、海外とか行ったり来たりとかっていうかたちなんですよね?

丸尾:そのあたりって、どういう感じの働き方なんですか? 海外と、あと東京にも拠点があるんですかね? 比率といいますか、どれぐらいの感じの。

角本康司氏(以下、角本):その部分に関しては、私が今代表になっているかもしれないですけれども。我々の場合は、海外のお客さまが70パーセントを締めています。山の中にいながら、相手は海外の方なので、外に出ていくケースのほうが多いですね。

丸尾:どれぐらいの比率なんですかね? 例えば1ヶ月の日数で言うと。

角本:ええと……私だと20日間ぐらいですかね。

丸尾:なるほど。20日間が海外なんですね。東京は?

角本:東京が1週間ぐらいかな。岡山が3日ぐらい。

(会場笑)

私は今までゼロリセットを2回しているんです。本当は岡山の地元にずっといたくて東京での仕事を辞めたんですけど、結局、逆転してしまうんですよね。

そこで1つだけアドバイスというか、言えることがあります。

先週、海外から全社員を集めて、うちの中期経営戦略を伝えたんですよ。その時、岡山の湯原温泉で海外メンバーと泊まったんですが。岡山では、田舎であればあるほど、働く場所=住む場所なんですよね。

我々からすると、田舎に行くほど過疎が進んでいて、若い人がどんどん外へ出ていく現実を抱えています。廃屋というのかな、廃墟というのかな……空き家が多いんです。「この山の中で誰が住むの?」という話が多いと思うのですが。

海外から来た人間がそれを見た時に、「これは最高じゃないか」「いくらだ?」と。「200〜300万」という話をすると、「日本人はこんな当たり前にすばらしいことに気付けてないのか」「どうしたんだ?」となるんです。

「ここだったら都会の方でも来て、200〜300万だったら、1年間に2週間でも3週間でもここに住めば、自然が満喫できる」「そういう生活を考えたほうがいいぞ」「フィリピンより安い」って言ってましたね。

そういう良さが岡山にはある。ずっとじゃなくてもね、本当に岡山の良さを知りたかったら、外に出たら3日帰るだけでも、「わー、めっちゃいいじゃん」ってなるんです。

丸尾:わかりますね、すごくね。

角本:はい。ぜひそれを体感していただければ。オーティスは常に人を募集して……。ここに総務部長おりますので、僕たち9時半ぐらいから元気になるので。

丸尾:そうですか、これからですか(笑)。

(会場笑)

ありがとうございました。

角本:「飲めば都」ってみんな言ってました。

(会場笑)

丸尾:ありがとうございます(笑)。

今しかできないことを周りの人たちとやる

最後に「ハタラキ方」ということで。実際に働き方は人ぞれぞれだと思うのですが、ここでは登壇されている方々にやりがいや「なぜ働くのか」を聞きたいと思いっています。よろしいですか?

中原:そうですね。けっこうすごく哲学的ですね。「なぜ働くのか?」。僕にとって、やっぱりお金はとても必要なものだなと思うんです。別にそれが楽しいとか美しいとか、そういうものでは少なくとも僕の中ではなくて。

どちらかというと、僕が今やっている仕事の半分は実際に予算組みがしっかり、お金になる。もう半分は、そのあたりがかなりグレーです。わかりやすくいうと、やってもなにもならないかもしれないものもあるんですね。そのバランスを、自分の中ではけっこう気にしています。

先ほどの「giftee」のようなスタートアップは、僕の遊び……というと少し語弊がありますが。「こんなものがあるといいじゃん」「できるじゃん」なんです。インターネットの良さは、それを実現するステップが近いことです。

友達何人かに相談し、「あの人だったら話に乗ってくれるな」という人をうまく集める。そうすると本当に音楽バンドを組むようなノリでおもしろいものを作れる。

たとえダメだったとしても。個人的には宝くじを買って外れるよりは、おもしろいからお金を出して、スモールスタートで始める。ダメだったら、ダメでいい。でも、そのきっかけが10年後になるかもしれない。そう思ってやれているほうが個人的には楽しいと思っているんです。

やりがいという意味だと、今は社員もいるので、しっかり稼ぐ部分は稼ぎつつ、先ほどおっしゃっていたように自分らしく、かつ今しかできないことを周りの人たちとやる。それが僕にとって一番のやりがいかなと思います。

丸尾:ありがとうございます。それでは、山田さん。

山田:(中原に向かって)すごいいいですね。

丸尾:すごい良かったです。

山田:いや、もうありがとうございました。

(会場笑)

丸尾:ぜんぜんクセが強くなかったですね。

山田:そうですね。こういう話を聞くためにここにいるんだな、と。

僕自身……。昨年、ほとんど働いていないんですよね。「ほとんど」というと語弊がありますが、けっこう暇でした。子どもができてから、午前中はずっと世話をしていました。夜泣きがすごいので、午後まで寝るような生活をしていたんです。それはそれですごく良かったんです。でも、暇になると働きたくなるんですよね。

働くことの分解が必要だと思っているんです。抽象的なことをいうと、自分以外の人に届ける行為まで抽象化する。そういうことをしないと、人は退屈になると思うんですよ。

もし今暇になったら。僕は漫画がすごく好きなので『HUNTER×HUNTER』全巻を読むとか、やりたいことはあるんです。そういうものがすべて終わった時、自分1人だけだったら満足できないような状態になっている。「それを社会に出したい」「誰かといっしょにやりたい」という気持ちが芽生えてきて、それをやる。僕は、人ってそういうふうにできているんじゃないかと思っているんです。

働くというのは……悪い言い方だと暇つぶしだし、よく言うと自分が社会に与えることで楽しめるものだと思っています。

丸尾:ありがとうございました。松森さん、先ほども「仕事してない感じ」って言われてましたけど。

手術後に感じた「時間はすごく大事だな」

松森:哲学、難しいですね。

丸尾:2日かかりますね。

松森:2日かかりますね(笑)。でも、お二方とそんなに変わらないとは思うんです。

やっぱり1つは、「人は人や社会とつながっていたい」と思うものなんじゃないでしょうか。1人で生きていくんじゃなくて、社会の中で生きていく。人間はそういう動物だと思うんです。「社会とつながりを持ちたい」という気持ちがある。

あとは……。今週、おもしろい話を聞いたんです。サイボウズには青野(慶久)という社長がいるんですけれど。彼は創業メンバーで、当時はドーンと売れたので資産的には潤沢で、ただお金を得ることが幸せなのだとしたら、すごく幸せな状態であるはず。

でもある時、お金はたくさんあるけど幸せじゃない自分に気づいた……と。そこから今社内にある「問題解決メソッド」というフレームワークの誕生につながるという話です。要するに、問題があり、それを解決するために物事を進める。そのときに人はモチベーション、幸せを感じる。「働く」のモチベーションはそこにあると。

なにか問題があり、そこに自分が解決やバリューを出すことで物事を進めていくところが、私の仕事へのモチベーションになっているのかなと思います。

丸尾:ありがとうございました。

私がなぜ働くかっていうことを最後にお話すると、深い理由はないんですけど、27歳の時に健康診断に引っかかってですね。……みなさん、健康診断は行ったほうがいいですよ。事業主になると行かなかったりするんですけど。

スタートアップをやっているときに健康診断に引っかかって、腫瘍が見つかったんです。 「3.5センチかける5.5センチの鳥の卵大の腫瘍が体にありますよ」と、津山地方病院で言われたんです。「俺、死ぬな」と思ったんです。

その後、すぐに「会社休みます」「ちょっと手術してきます」と伝えて、緊急手術で国立医療センターっていう岡山の市内にある病院で腫瘍を摘出したんですけど。

その腫瘍をとってから言われたのが「疑良性、悪性判別不可能」だったんですね。「良性っぽいけど、悪性じゃないとは言い切れないよ」って言われた。その後、会社に復帰したのですが。ふと思ったのが「やっぱり時間ってすごい大事だな」と。

その時に「じゃあ、なにをやろうかな?」と思った時に、ラジコンヘリじゃなくて会社だった。自分としてのなにかを残すじゃないですけど、会社って本当に自分の子どもと同じような感覚でとらえているんです。まさに自分が生きることとイコール。……ちょっとすいません、ちょっとかっこ良さげになってきましたが。

松森:(笑)。

出身地じゃないところはダメなの?

ちょっとお時間なので、深い話はこの後、懇親会もご用意しておりますので、そちらでお話ができればと思うんですけれども。この場でいったん登壇者のお三方にですね、ご質問とか、なにかこれ聞いてみたいとか、ある方はいらっしゃいますでしょうか?

(会場挙手)

質問者1:今日はありがとうございました。私、出身も関東でして、まったく岡山とは関係ない者なんですけども。

丸尾:あ、そうなんですか。ありがとうございます。

質問者1:ただ、これから進めようとしてる業務でちょっと関係がありそうなので、お話をうかがいに来たんです。

2つの拠点で働くとか地方に戻るっていう時に、出身地じゃないところはあんまり考慮に入らないものなんですか? やっぱり自分が育ったところだからこそ戻りたいと思うものなんでしょうか?

丸尾:それは……。今、東京にいてってことですね?

質問者1:あ、そういうことですね。

丸尾:たぶん、それは人それぞれだと思うんですけど。私の場合はさっき言ったように故郷にすごく思いがあるタイプです。そのほかに、例えば西粟倉ですとIターンの方がすごく多い感じですよね?

山田:そうですね、はい。

丸尾:逆にUターンっていないですか?

山田:1,500人っていう母数があって、そのうちの1学年18人とかだったら、100パーセント帰ってきても18人っていう状態なんで。単純に少ないんです。

僕が地元に帰りたかったこともありますが、ほかの地域でも良かったと言えば良かったかもしれない。先ほど行ったように、東京じゃなければいけない理由がなかったので、他の地域という選択肢もありえました。ただ、その結果が地元だったということなんですけれども。

丸尾:ありがとうございます。今、うちが岡山県とやってる事業で「ふるさとワーキングホリデー」というものがあります。それは夏休みとかを使って、学生が自分の故郷などで職業体験というか。アルバイト、海外旅行とか、都会でバイトとかするのもいいんですけど、「休みを使って田舎でやってみませんか」という企画なんですね。

応募がある学生の中には、ぜんぜん違う地域の人がいることもザラにありますね。なので、これから長く働くとなるとなかなか決断できないとか、期間限定だったらどの地域でもいいよとか。これはそれぞれの働き方はあると思うんです。

先ほど言ったように、西粟倉とかは本当にすごく移住の方が多いです。逆に津山市は、10万人ぐらいの都市です。なので、メインはやっぱりUターンだったり、けっこう場所の規模によっても違ってくるかなと思います。

質問者1:ありがとうございます。

丸尾:はい、それでは、ちょっともうお時間の関係もありまして、この後、懇親会のほうでお話できればと思います。